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衣通姫（そとおりひめ）とは、

記紀に伝承される美しい皇女のこと。

その美しさは衣を通して輝いたという。





衣通姫伝説と呼ばれる皇子と皇女の哀しい物語がある。

【１】落椿





しかし本ブログの題材は、遥か古の悲恋の物語ではなく、

小金井公園に咲く衣通姫と呼ばれる古い桜について触れるものだ。

【２】蒲公英






桜品種の「衣通姫」は、染井吉野と大島桜の交雑種だと言われる。

染井吉野の特徴がより多く残るものの、

花の大きさ、白みの強い花弁、開花時期などは、大島の特性を残すもの。

【３】山桜と蒲公英






この公園にある衣通姫は、枝を四方に大きく伸ばす大樹で、

染井吉野の開花に僅かに遅れて花開く。

【４】





開花から満開まではほぼ純白の装いを呈し、散り際に向けて徐々に紅に染まる。

【５】オオバベニガシワ





染井と大島のそれぞれの長所をうまく引き継ぎ、可憐で清楚な花を魅せてくれる。

【６】桜の絨毯をバックに菜の花





遠方からもその優雅な姿を観に来る方が絶えない名木である。

【７】菜の花と紫花菜と衣通姫






しかし近年は加齢による傷みが進み、伸ばした枝々を支柱で補強される。

【８】紫花菜





そんな老木が沢山の花を付け、そして散らせ、新緑に芽吹く姿は圧巻だ。

【９】衣通姫





精霊が宿っていると言われても不思議に納得できてしまう、

そんな雰囲気を十二分に感じさせる樹だ。

【１０】衣通姫






残念ながら今年は観る機会を逸し、慌てて訪れた時には、

既に葉桜になってしまっていた。

【１１】衣通姫





僅かに何輪か咲き遅れた花を辛うじてカメラに収めるのが精一杯だった。

【１２】衣通姫





根元の紫花菜をバックに、ゆく春を名残り惜しんで。。。

【１３】衣通姫





※EOS 5D MarkⅢ　EF100-400㎜ F4.5-5.6L IS Ⅱ USM【Top/3-6/11-13】＆ SIGMA Art 35㎜ F1.4 DG HSM【1-2/7-10】


（了）