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すっかり秋めいて、暑かった時期に、

一種の未練を感じ始めている昨今、

８月下旬に神代で撮った花を掲載。





９月も中盤に入ろうかというこの時期、

世間は「秋色」探しに大わらわであるが、

敢えて夏の終盤を飾っていた花たちを掲載したい。

【１】






なぜこのタイミングで夏の花なのか？を一言で済ませるなら、

『単なる気紛れに過ぎず、特別な理由はない』になる。

【２】





多少補足説明するなら、あまりに早く進み過ぎた夏を惜しむ気持ちと、

低い雲のかかる毎日から視覚だけでも脱却させたいと思ったから、かな。

【３】






まだまだ暑かった８月後半の日曜日。

【４】





梅や桜やバラの季節に較べるまでもなく、閑散とした園内。

【５】





それだけお目当てにされる草花がない証しなのだろう。

【６】





しかし公園内をよくよく観てみれば、結構花は咲いているものだ。

【７】





もちろんその花を中心に据えるようなイベントはないけれど、

行く夏を自らに留めようと公園の片隅で健気に咲く花に気付く。

【８】






開放的だった夏が終わるとき、誰しも幾許かの感傷的な気分になる。

【９】





僕らにとって夏の終わりは、暮れ行く空を眺めるのにも近い。

【１０】





だから、晩夏に咲く花に会い、それが僅かに萎れている様を見るにつけ、

彼らを擬人化し、終末を迎える命を嘆き、つい感情を移入してしまう。

【１１】





しかし植物にとっての季節変化は種の存続に関わる定例イベントであり、

種の繁栄になくてはならない流れのひとつに過ぎない。

【１２】





例え花弁が萎れていても、その大半は大事な役目を終えた証しであって、

限りある養分の振分けを、種子作り優先とした結果なのだろう。

【１３】






と分かってはいても、この時季の花々には心を揺さぶられてしまう。

【１４】





名残りの夏花は、新たな記憶となって、自分の中にまだ咲き続けることだろう。



※EOS 5D MarkⅢ　EF100-400㎜ F4.5-5.6L IS Ⅱ USM


（了）