
2018年12月22日(土)。
…定刻から少し遅れて羽田を発ったのだが、
那覇に着いたのは11:00過ぎと順調だった。
…年末のこの時期に一体何をしてる???
いつ頃からだろうか?クリスマスを沖縄で過ごすことを考え始めていた。
ホワイトクリスマスは望むべくもないのは分かっている。
むしろ南半球で迎えるクリスマスのように、無根拠かつ無性に、
暖かいこの日をいつか経験してみたいと思うようになっていた。
以前であれば思い描くことはあっても、実践することは不可能だった。
菜々や舞がそばにいてくれたことが主たる大きな理由。
彼女らをどこかに預けて出かけようという気はさらさらなかったし、
乗り物に弱いのを分かって同行させようとは思ったことがなかった。
また、それを窮屈だ思ったことなど当然のことながら全くない。
加えて、そもそも仕事の量と質がそれを許してはくれなかったから。
今期から休暇の取得が目標化され、厳しくその進捗をトレースされた。
ミニマム要件を満たすまでに、12月後半であと1日半を消化せねばならなかった。
さらに、勤務先は毎年クリスマス休暇で25日が休日となる。
計画は在職中でも実現は退職後かな、なんて漠然と考えていたが、
そんな条件が重なることによって、にわかに現実味を帯びてきたのだった。
22・23日の週末、24日の振替休日、25日のクリスマス休暇、26日の有休。
土曜日に東京を出ても4泊5日の旅程が組める絶好の機会だった。
いつものように那覇空港でレンタカーを借り出し(いつもこれに時間がかかる!)、
沖縄自動車道に乗って北中城村に向かった。
まずは、国指定の重要文化財である中村家住宅を訪ねた。
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ここは沖縄戦の戦禍を免れた貴重な豪農の古民家である。
したがって屋根の赤瓦は明治以降に竹瓦から葺き直されたものだと分かる。
(士族階級でなければ赤瓦の使用は許されていなかったはずだから)
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築は18世紀の中頃と言われているので、相当に年季が入っているわけだが、
思いのほかしっかりとした佇まいだった。
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いくら豪農とはいえ農民の家屋としては、想定外に立派で、見応えがあった。
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やはり周りを囲ったフクギや石塀が風雨から守ってくれたお陰だろうか、
いや、あるいは屋根の上にいるシーサーのご利益なのか、保存状態も悪くない。
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そう、米軍の施設が近いこともあって、軍関係の家族が複数見学に来ていたな。
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続いて向かったのは同じ村内にある中城(なかぐすく)城。
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この名称にいつもちょっと違和感を覚える。
グスク=城なんだから、中城でいいじゃん。
「中城城」って言い方は「マイカー車」や「愛車カー」と同じでは?
と、それはともかくここは2000年に「琉球王国のグスク及び関連遺産群」として
ユネスコの世界遺産(文化遺産)に登録されている。
あのペリー提督が城壁や門の建築技術に驚嘆したという話もある。
ちなみに日本の100名城にも99番として指定されている。
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それからツワブキの名所とも言われているんだよね。これは噂に違わずスゴかった!
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高台のため、東シナ海も太平洋も見ることができる絶好のロケーションだった。
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一方で建設途中で計画が変更され廃墟となった中城高原ホテルがそのまま残っていたり、
洋上には沖縄電力の火力発電所が威容を誇っていたり、なかなかカオスな面も(笑)
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規模もさることながら城壁の造りやアーチの形状に確かに心惹かれるグスクだったな。
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この日の宿泊は泊まり慣れた恩納村。
でもホテルはこれまで利用したことがない施設。
今回の旅の目的のひとつは「お気に入りのホテルを探してみる」だった。
これまでも沖縄本島では場所(都市部・リゾート・島)、規模、価格などなど、
タイプを変えて施設を利用してきたが、なかなか「これ!」という場所に出会えない。
その時の環境(天候や用意された部屋、混み具合、食事の有無など)に左右されるから、
たった1-2回の利用で簡単に優劣を判じるのは難しいんだけどね。
で、今回の1泊目は以前古宇利島で利用したような小ぢんまりとした宿だった。
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何に惹かれたかといえば、ビーチの目の前で絶えず波音が部屋まで届くというところ。
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(テラスにはブランコ)
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(テラスからは伊江島も望める)
クチコミでも見ていたけど、オーナーを含めたスタッフの気配りがとても良かった♪
クリスマスが近いということで、ショートケーキやお菓子のパッケージプレゼント☆
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部屋も広く、キッチンやオーディオなども備わり、まさに「暮らす」感覚が楽しめる。
オーナーが拘って輸入された家具類もとても雰囲気が良かったし、
掛けられた絵や装飾品も気が利いていて、良い意味で強く印象に残ったな。
大規模だと館内で様々な施設が利用できるけど、反面、こうした細やかな気遣いは
絶対にあり得ないわけだから、弱みを強みに変えた典型的な好事例だと感じた。
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夕食は地元のチェーン店「しまぶた屋」で。
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アグー豚と幻の豚と言われるしまくるーのせいろ蒸しを食した。
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コスパが特に高いわけではないけど、店員さんも気さくで悪くなかった。
やっぱり蒸し料理はしつこくないので僕ら世代には合うのかもね。
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宿に戻って、目の前の浜に降りてみた。
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残念ながら薄雲が広がっていて、西表で見たような星空は拝めなかったけど、
何枚か恩納の夜の海と空をカメラに収めた。
翌日からは天気が崩れると聞いていたからなおさら…。
※ラスト2枚は少ない星を撮りましたが、スマホでは何も見えないと思います。
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波音はあくまで控えめでリズミカル、いつしか眠りの淵に誘われた・・・。
…今回も最後までお付き合いいただきありがとうございました。
Day2につづく・・・。
FUJIFILM X-H1 FUJINON XF16-55㎜ F2.8 R LM WR
(了)