
昨日の夕方、熊本で口論の相手を刃物で切りつけ、110番通報で駆け付けた警察官にも刃物をもって向かっていき切りつけ、切り付けられた警察官が拳銃5発を発砲、うち4発が相手に命中し、撃たれた相手は搬送先の病院で死亡する事件がありました。
理由はともあれ亡くなった方のご冥福と職務で受傷した警察官を含め怪我をされた方のお見舞いを申し上げます。
警告、制止を無視して、刃物をもって向かってくる相手への発砲ですので、正しい職務行為として扱われる可能性が高いと思いますが、5発発砲していること、4発が命中していることから、やや疑問も感じます。
熊本県警の貸与拳銃の種類が分からないので何とも言えませんが、回転式であれば私が知っているS&W 38レギュラーは6発装填可能で、安全の為、1発空けて、5発を装填します。
以前、全国的によく使われていたニューナンブM60も同じだったと思います。
ニューナンブM60生産終了後の後継機では5発装填可能で5発装填する形式もあったと思います。
つまり、5発発砲したと言うことは、全弾発砲したと言うことです。
そして、迫る危険を想定するに短時間に発砲したと思われることからダブルアクション(引き金を連続して引く打ち方)で撃ったと推察されます。
基本練習や競技会では、撃鉄を起こし、引き金を引く動作を1発撃つ度に行うシングルアクションで撃ちますが、当然、動作が増える為、発砲に時間がかかります。
少しでも拳銃を扱ったことがある方は分かると思うのですが、グアム等で体験できる観光射撃の炸薬量を減らしたタイプでも相当反動があります。
ダブルアクションで撃つと言うことは、相手までの距離があれば、この反動で、まず狙いが狂う可能性が高く、それが全弾中、4発命中していると言うことは、かなり至近距離、場合によっては相手に接して撃った可能性があります。
これは相手の衣服の硝煙反応を調べれば分かることで、1m以内で撃てばかなり濃厚に出ます。
警察学校によっても教え方が違うと思いますが、この1mと言うのはとても重要な目安で、拳銃以外、例えば警棒、また逮捕術で相手を制圧できなかったのかが問われる基準の1つにもなります。
今回の場合、パニック射撃を疑われても仕方がないように感じてなりません。
結果だけは死人に口なしの規定状況になっているかと思いますが、拳銃を撃つことへの批判が多い日本で、こうした現場を想定した訓練が不足しているように感じます。
因みに余談ですが、オートマチック拳銃はもっと当たりません。
笑い話ですが、SPさん、味方や警護対象を打たないでね…みたいな訓練結果もあったような…(苦笑)
※写真と本文は関係ありません。
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2018/05/29 20:49:08