エルニーニョ監視速報（No.370） #気象庁 #エルニーニョ監視速報 #エルニーニョ現象 #ラニーニャ現象 #インド洋ダイポールモード現象

7月10日、気象庁は「エルニーニョ監視速報（No.370）」を発表しました。

発表概要は、以下の通りです。
○ 春からエルニーニョ現象が続いているとみられる。
○ 今後、秋にかけてエルニーニョ現象が続く可能性が高い（90％）。

繰り返しになりますが、エルニーニョ現象が発生すると、日本の夏の天気は、冷夏になる傾向が強いのですが、今夏は、違った傾向になっています。
前回の「エルニーニョ監視速報（No.369）」の中で、インド洋の海水温の変動が、影響を与えている旨、触れました。

インド洋に見られる海面水温の変動は、「インド洋ダイポールモード現象（IOD現象）」と呼ばれています。
現在、インド洋熱帯域の海面水温が南東部で平常より低く、西部で平常より高くなる場合を正のインド洋ダイポールモード現象が発生しています。

インド洋熱帯域の海面水温が南東部で平常より低い為、積乱雲の活動が平常時より不活発です（海水温が低いので上昇気流が発生し難い）。
これがトリガーとなり、フィリピンの東海上でのモンスーンの西風が強くなり、太平洋高気圧の南縁を吹く貿易風の暖かく湿った空気の影響も加わり、北太平洋西部で積乱雲の活動が活発となります（低気圧が発生し易くにります）。
これに引きずられる形で、上空のチベット高気圧が北東に張り出して来る為、日本付近は、太平洋高気圧の上に、チベット高気圧が重なる高気圧の二段重ね状態になります。

これが、いまいまの各地に連日の猛暑をもたらしている高温の背景にある現象と考えられます。
梅雨末期の集中豪雨も発生し易くなり、また、この高温状態に、少しでも上空に寒気が入ると大気の状態は非常に不安定になる為、激しい雷雨、竜巻等の突風が発生し易くなることにも注意が必要です。

インド洋熱帯域の海面水温の変化と日本の天候に与える影響については、気象庁のＨＰ「インド洋に見られる海面水温の偏差パターンと日本の天候」に詳しく説明がありますので、一読されると良いかと思います。












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