
1月10日、気象庁は「エルニーニョ監視速報(No.388) 2024年12月の実況と2025年1月〜2025年7月の見通し」を発表しました。
以下、発表内容です。
・エルニーニョ現象もラニーニャ現象も発生していない平常の状態と見られるが、ラニーニャ現象に近い状態となっている。
・冬の間はラニーニャ現象に近い状態が続くが、次第に弱まるため、春にかけてラニーニャ現象の定義を満たすまでには至らず、平常の状態が続く可能性が高い(80%)。
【エルニーニョ/ラニーニャ現象】
・12月の実況:エルニーニョ現象もラニーニャ現象も発生していない平常の状態と見られるが、ラニーニャ現象に近い状態となっている。
12月のエルニーニョ監視海域の海面水温の基準値からの差は-0.5℃で、基準値より低い値だった。
また、ラニーニャ現象発生の判断に使用している5か月移動平均値の10月の値は-0.4℃で、基準値に近い値だった。
太平洋赤道域の海面水温は西部で平年より高く、中部から東部にかけて平年より低かった。
太平洋赤道域の海洋表層の水温は西部で平年より高い一方、中部から東部では平年より低かった。
太平洋赤道域の日付変更線付近の対流活動は平年より不活発で、中部太平洋赤道域の大気下層の東風(貿易風)は平年より強かった。
このような大気と海洋の状態は、ラニーニャ現象に近い状態となっていることを示している。
・今後の見通し:冬の間はラニーニャ現象に近い状態が続くが、次第に弱まるため、春にかけてラニーニャ現象の定義を満たすまでには至らず、平常の状態が続く可能性が高い(80%)。
実況では、太平洋赤道域の中部から東部で海洋表層の冷水が継続している。
大気海洋結合モデルは、太平洋赤道域の西部から中部で貿易風の強い状態となっており、中部から東部の冷水が強まり東進するため、冬の間はラニーニャ現象に近い状態が続くが、大気海洋結合の弱まりに伴いこの状態は長くは続かず、春にかけてエルニーニョ監視海域の海面水温が上昇して基準値に近づくと予測している。
以上のことから、冬の間はラニーニャ現象に近い状態が続くが、次第に弱まるため、春にかけてラニーニャ現象の定義を満たすまでには至らず、平常の状態が続く可能性が高い(80%)。
【西太平洋熱帯域及びインド洋熱帯域の状況】
・西太平洋熱帯域: 12月の西太平洋熱帯域の海面水温は、基準値より高い値だった。
今後、冬の間は概ね基準値より高い値で推移し、春の間は基準値より高い値か基準値に近い値で推移すると予測される。
・インド洋熱帯域: 12月のインド洋熱帯域の海面水温は、基準値より低い値だった(図3)。
今後、春にかけて基準値より低い値か基準値に近い値で推移すると予測される。
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Posted at
2025/01/10 17:50:48