
3月10日、気象庁は「エルニーニョ監視速報(No.390) 2025年2月の実況と2025年3月〜2025年9月の見通し」を発表しました。
以下、発表内容です。
○ エルニーニョ現象もラニーニャ現象も発生していない平常の状態と見られる。
ラニーニャ現象に近い状態は弱まり始めている。
○ ラニーニャ現象に近い状態はさらに弱まり、夏にかけて平常の状態が続く可能性が高い(60%)。
【解説】
(エルニーニョ/ラニーニャ現象)
○ 2月の実況:エルニーニョ現象もラニーニャ現象も発生していない平常の状態と見られる。
ラニーニャ現象に近い状態は弱まり始めている。
2月のエルニーニョ監視海域の海面水温の基準値からの差は+0.2℃で、基準値に近い値だった(図3、表)。
また、ラニーニャ現象発生の判断に使用している5か月移動平均値の12月の値は-0.2℃で、基準値に近い値だった。
太平洋赤道域の海面水温は西部で平年より高く、東部で平年に近かったが、中部では平年より低かった(図4、図6)。
太平洋赤道域の海洋表層の水温は西部で平年より高い一方、中部から東部では平年より低かった(図5、図7)。
太平洋赤道域の日付変更線付近の対流活動は平年より不活発で、太平洋赤道域の大気下層の東風(貿易風)は中部で平年より強かったが、東部では平年より弱かった(図8、図9、図10)。
このような大気と海洋の状態は、エルニーニョ現象もラニーニャ現象も発生していない平常の状態と見られ、ラニーニャ現象に近い状態は弱まり始めていることを示している。
○ 今後の見通し:ラニーニャ現象に近い状態はさらに弱まり、夏にかけて平常の状態が続く可能性が高い(60%)。
実況では、太平洋赤道域の海面水温は東部で平年に近かったが中部では平年より低かった。
また、中部から東部で海洋表層の冷水(図5)が継続している。
大気海洋結合モデルは、今後、太平洋赤道域は、ラニーニャ現象に近い状態はさらに弱まり、エルニーニョ監視海域の海面水温は夏にかけて基準値に近い値で推移すると予測している(図11)。
以上のことから、ラニーニャ現象に近い状態はさらに弱まり、夏にかけて平常の状態が続く可能性が高い(60%)。
(西太平洋熱帯域及びインド洋熱帯域の状況)
○ 西太平洋熱帯域: 2月の西太平洋熱帯域の海面水温は、基準値より高い値だった(図3)。
今後、春までは基準値より高い値で、夏は基準値より高い値か基準値に近い値で推移すると予測される(図12)。
○ インド洋熱帯域: 2月のインド洋熱帯域の海面水温は、基準値に近い値だった(図3)。
今後、夏にかけて基準値に近い値で推移すると予測される(図13)。
#気象庁 #エルニーニョ現象 #ラニーニャ現象 #インドダイポールモード現象
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Posted at
2025/03/11 04:00:06