
4月10日、気象庁は「エルニーニョ監視速報(No.391) 2025年3月の実況と2025年4月〜2025年10月の見通し 」を発表しました。
以下、発表内容です。
○ エルニーニョ現象もラニーニャ現象も発生していない平常の状態となっている。
○ 今後、夏にかけて平常の状態が続く可能性が高い(60%)。
【解説】
○ エルニーニョ/ラニーニャ現象
・3月の実況:
エルニーニョ現象もラニーニャ現象も発生していない平常の状態となっている。
3月のエルニーニョ監視海域の海面水温の基準値からの差は+0.7℃で、2月より+0.5℃上昇し基準値より高い値となった(図3、表)。
また、エルニーニョ/ラニーニャ現象発生の判断に使用している5か月移動平均値の1月の値は0.0℃で、基準値と同値だった。
太平洋赤道域の海面水温は西部と東部で平年より高い一方、中部では平年より低かった(図4、図6)。
太平洋赤道域の海洋表層の水温は西部と東部で平年より高い一方、中部では平年より低かった(図5、図7)。
太平洋赤道域の日付変更線付近の対流活動は平年より不活発だったが、太平洋赤道域の大気下層の東風(貿易風)は中部で平年程度で、東部では平年より弱かった(図8、図9、図10)。
このような大気と海洋の状態は、エルニーニョ現象もラニーニャ現象も発生していない平常の状態となっていることを示している。
・今後の見通し:
今後、夏にかけて平常の状態が続く可能性が高い(60%)。
実況では、3月のエルニーニョ監視海域の海面水温は基準値より高い値となったが、4月はじめには基準値に近い値に下がっており、一時的な上昇とみられる。
大気海洋結合モデルは、今後、エルニーニョ監視海域の海面水温は夏にかけて基準値に近い値で推移すると予測している(図11)。
以上のことから、夏にかけて平常の状態が続く可能性が高い(60%)。
○ 西太平洋熱帯域及びインド洋熱帯域の状況
・西太平洋熱帯域:
3月の西太平洋熱帯域の海面水温は、基準値より高い値だった(図3)。
今後、春の間に次第に基準値に近づき、夏には基準値に近い値で推移すると予測される(図12)。
・インド洋熱帯域:
3月のインド洋熱帯域の海面水温は、基準値に近い値だった(図3)。
今後、夏にかけて、基準値に近いか基準値より低い値で推移すると予測される(図13)。
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Posted at
2025/04/11 17:10:25