父島北西沖の海山に溶岩流の痕跡を発見 ～海底火山に関する基礎資料として活用～

5月9日、海上保安庁は「父島北西沖の海山に溶岩流の痕跡を発見 ～海底火山に関する基礎資料として活用～」を発表しました。

以下、発表内容です。

海上保安庁は、小笠原諸島父島北西沖の金曜海山で自律型潜水調査機器（AUV）による精密海底地形調査を実施し、溶岩流の痕跡を発見しました。

１．概要
海上保安庁は、本年２月21日及び28日に小笠原諸島父島の北西沖約180km の金曜海山において、海域火山基礎情報調査の一環として、測量船「拓洋」及び自律型潜水調査機器（AUV）「ごんどう」を用いた海底地形調査を実施しました。（図１）

２．調査結果
「拓洋」による海底地形調査の結果、金曜海山を形成している北東峰と南西峰の２つの峰のうち、北東峰の火口とみられる地形は不明瞭である一方、南西峰の火口は明瞭であったことから、南西峰の火山活動は北東峰に比べて新しいと考えられます。
また、「ごんどう」による精密海底地形調査の結果、南西峰の山頂部（水深661m）の北側斜面部（図１）で溶岩流の痕跡を発見しました。
溶岩流は水深約1500mの斜面から流れ出し、長さ約３km、幅は最大約400m、厚さは最大約80mに達するものでした。（図２、３）
これらのことから、金曜海山の山頂部では火口を形成する爆発的な噴火が、斜面部では溶岩流を伴う比較的穏やかな噴火が起きたことが判明しました。
今回の調査を含め、海底火山の地形調査結果は、噴火の形態や規模などを評価するための基礎資料として活用されます。
海上保安庁では引き続き、船舶の航行安全に資する海域火山の基礎情報の収集・整備に努めて参ります。







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