
10月10日、気象庁は「エルニーニョ監視速報(No. 385)」を発表しました。
以下、発表内容です。
2024年9月の実況と2024 年10 月~2025 年4 月の見通し
○ エルニーニョ現象もラニーニャ現象も発生していない平常の状態と見られるが、ラニーニャ現象時の特徴に近づきつつある。
○ 今後、冬にかけてラニーニャ現象時の特徴が明瞭になるが、その状態は長続きしないため、ラニーニャ現象の定義を満たす可能性と平常の状態が続く可能性が同程度である(50%)。
【解説】
(エルニーニョ/ラニーニャ現象)
○ 9月の実況:エルニーニョ現象もラニーニャ現象も発生していない平常の状態と見られるが、ラニーニャ現象時の特徴に近づきつつある。
9月のエルニーニョ監視海域の海面水温の基準値からの差は−0.2◦C で、基準値に近い値となった(図3、表)。
また、ラニーニャ現象発生の判断に使用している5か月移動平均値の7月の値は−0.2◦Cで、基準値に近い値だった。
太平洋赤道域の海面水温は西部で平年より高く、中部から東部にかけて平年より低かった(図4、図6)。
太平洋赤道域の海洋表層の水温は西部で平年より高い一方、中部から東部では平年より低く、中部では低温が強まった(図5、図7)。
太平洋赤道域の日付変更線付近の対流活動はほぼ平年並で、中部太平洋赤道域の大気下層の東風(貿易風)もほぼ平年並だった(図8、図9、図10)。
このような大気と海洋の状態は、エルニーニョ現象もラニーニャ現象も発生していない平常の状態と見られるが、ラニーニャ現象時の特徴に近づきつつあることを示している。
○ 今後の見通し:今後、冬にかけてラニーニャ現象時の特徴が明瞭になるが、その状態は長続きしないため、ラニーニャ現象の定義を満たす可能性と平常の状態が続く可能性が同程度である(50%)。
実況では、太平洋赤道域の中部で海洋表層の冷水(図5)が強まっている。
大気海洋結合モデルは、今後、太平洋赤道域の西部から中部で貿易風が強まるとともに中部の冷水がさらに強まり東進するため、エルニーニョ監視海域の海面水温が冬には基準値より低い値で推移する可能性が大きいが、その状態は長くは続かず、大気海洋結合の弱まりとともに春にかけて上昇して基準値に近づくと予測している(図11)。
以上のことから、今後、冬にかけてラニーニャ現象時の特徴が明瞭になるが、その状態は長続きしないため、ラニーニャ現象の定義を満たす可能性と平常の状態が続く可能性が同程度である(50%)。
(西太平洋熱帯域及びインド洋熱帯域の状況)
○ 西太平洋熱帯域: 9月の西太平洋熱帯域の海面水温は、基準値より高い値だった(図3)。
今後、冬にかけて基準値より高い値か基準値に近い値で推移すると予測される(図12)。
○ インド洋熱帯域: 9月のインド洋熱帯域の海面水温は、基準値より高い値だった(図3)。
今後、冬にかけて基準値に近い値か基準値より低い値で推移すると予測される(図13)。
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Posted at 2024/10/11 23:28:45 | |
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