
7月10日、気象庁は「エルニーニョ監視速報(No.394)」を発表しました。
以下、発表内容です。
エルニーニョ監視速報(No.394)
2025年6月の実況と2025年7月〜2026年1月の見通し
○ エルニーニョ現象もラニーニャ現象も発生していない平常の状態となっている。
○ 今後、秋にはラニーニャ現象が発生する可能性もある(40%)が、平常の状態が続く可能性の方がより高い(60%)。
【解説】
(エルニーニョ/ラニーニャ現象)
○ 6月の実況:エルニーニョ現象もラニーニャ現象も発生していない平常の状態となっている。
6月のエルニーニョ監視海域の海面水温の基準値からの差は-0.2℃で、基準値に近い値だった(図3、表)。
また、エルニーニョ/ラニーニャ現象発生の判断に使用している5か月移動平均値の4月の値は+0.1℃で、基準値に近い値だった。
太平洋赤道域の海面水温は西部で平年より高かった一方、東部で平年より低かった(図4、図6)。
太平洋赤道域の海洋表層の水温は西部から中部にかけて平年より高かった一方、東部では平年より低かった(図5、図7)。
太平洋赤道域の大気下層の東風(貿易風)は中部で平年より強かったが、東部では平年程度だった。
対流活動は、インドネシア付近では活発だったが、太平洋赤道域の日付変更線付近では平年程度だった(図8、図9、図10)。
このような大気と海洋の状態は、エルニーニョ現象もラニーニャ現象も発生していない平常の状態となっていることを示している。
○ 今後の見通し:今後、秋にはラニーニャ現象が発生する可能性もある(40%)が、平常の状態が続く可能性のほうがより高い(60%)。 大気海洋結合モデルは、今後、太平洋赤道域で貿易風が強い状態が続き、エルニーニョ監視海域の海面水温が低下すると予測している(図11)。
しかし、この予測には、予測精度が低いインド洋熱帯域の東部の海面水温の上昇が関係している可能性がある。
以上のことから、今後、秋にはラニーニャ現象が発生する可能性もある(40%)が、平常の状態が続く可能性のほうがより高い(60%)。
(西太平洋熱帯域及びインド洋熱帯域の状況)
○ 西太平洋熱帯域: 6月の西太平洋熱帯域の海面水温は、基準値に近い値だった(図3)。
今後、秋にかけて、基準値より高い値か基準値に近い値で推移すると予測される(図12)。
○ インド洋熱帯域: 6月のインド洋熱帯域の海面水温は、基準値に近い値だった(図3)。
今後、秋にかけて、基準値より低い値か基準値に近い値で推移すると予測される(図13)。
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Posted at 2025/07/13 03:03:16 | |
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