
今回はW204型Cクラスについて、
① W203からのバトンタッチ
② 後期型へのブラッシュアップ
という2点につき、AMGを絡めて
簡単に触れてゆくこととしたい。
《関連ブログ》
2015.02.23 Cクラスはここから始まった
2015.02.13 C63AMGの系譜
※今回を含め全ブログとも自車を自ら撮影した写真を使用
① W203からのバトンタッチ
CクラスがW203からW204にモデルチェンジしたのは、2007年第1四半期のことである。
日本では同年の6月からデリバリーが開始された。
2007年といえば、第1回東京マラソン開催、ZARD急逝、朝青龍サッカー問題、
福田康夫氏総理就任、郵政民営化などがあった古くもあり新しくもある年だ。
【1】
W204においても、それまでの190やCクラスがそうであったように、
随所にSクラスを彷彿とさせるデザインアイコンが踏襲された。
コマンドシステムやクーペグリル(アバンギャルド)の採用はこの型式からである。
【2】
既にW205がリリースされ、W204の発表から8年以上の月日が経過したが、
今でもその造形には、時代を錯誤させる破綻がない。
W204の基本デザインがいかに先進的で秀逸であったかを物語っている。
奇を衒わず正攻法でありながら、エレガントさとワイルドさを併せ持つ絶妙の匙加減。
ほんの少しパーツを足し引きするだけで、生真面目な正統派セダンにも、
いかにもやんちゃなホットバージョンにも姿を変えることができる。
【3】
繰り返しになるが、デザイン力そのものが先取性に優れていたことは疑いようがない。
が、寧ろ前衛的デザインを嫌うであろうMB歴ン十年のベテラン層の反応を推してなお、
このスタイルを実現したことにこそ、賞賛すべき要素が包含されている。
そしてそれがフラッグシップであるSクラスから導入されたことに、改めて驚きを覚える。
【4】
なお、W204でのC63AMG投入は、同年の10月下旬から始まっている。
その後2010年5月に国内25台の限定車C63AMG Performance+を発売し、
8月にはAMG Performance Plus Packageがオプション設定されることとなった。
【5】
② 後期型へのブラッシュアップ
2011年5月、デビューから4年以上が経過し、W204はブラッシュアップされた。
このときはマイナーチェンジとされている。
しかし、大小取り混ぜ実に2,000箇所以上の見直し・改善を行っていることから、
実質的にはマイナーチェンジのカバー域を超えていたと思われる。
そういう意味では、W204はここに熟成され完成されたと言っても過言ではない。
骨格となるシャーシはクラスを凌駕し、あらゆる面で不足のない車に昇華された。
【6】
新たに追加された主な装備等は、エンジンやグレードの再整理、灯火類のLED化、
ダッシュボードの刷新、7G Tronic Plusの採用、ボンネットなどアルミパーツの適用、
アテンションアシストやアダプティブハイビームアシストの採用などである。
少し時間差になるが、クーペモデルが加わったこともMCのTopicsである。
【7】
C63AMGの動きとしては、
2011年10月にクーペブラックシリーズが50台限定で発売されたことが大きい。
それまでブラックシリーズと言えば、SLK55/CLK63(ともに日本未導入)、
SL65(2008年)などスポーティな車種に限定されたが、ついにCクーペに設定された。
また、2012年5月にはPerformance Studio Edition(セダン)を、
同年10月にはクーペブラックシリーズPerformance Studio Editionを、
2013年2月にはファイヤオパールのトランクリップやドアミラー等を装備したLimitedを、
それぞれ台数限定で発売し、同年7月には507psのEdition507をカタログ追加した。
【8】
いま現在W204型のC63AMGについては、W205への移行過渡期で、
既にセダンとステーションワゴンがカタログアウトしている。
そして間もなく、W204とともにM156エンジンの火は落とされ、AMG GT同様、
4リッターV8ツインターボを積んだW205型AMG C63(S)がデビューすることになる。
【9】
この後この独創的な車が、変わりゆく時代の中でどのように進化・変貌してゆくのか、
一刻も目が離せない。
【10】
※EOS 6D Carl Zeiss Makro-Planar T*2/100㎜ ZE
(了)