
DAY1 2016年10月27日(木)。
美瑛のホテルで目覚めると外は雪だった。
朝食前に美瑛駅の近辺を歩いてみる。
気温は1℃、水気の多い雪が薄く積もる。
【前回のブログ】
ふたたび北へ 《プロローグとエピローグ》
観光で華やかな時季の裏側に、少し淋しげな街並みが佇む。
【1】
(開店前の道の駅丘のくら)
こんな景観を目に出来るのもこの時季だからかも知れない。
【2】
(早朝の美瑛の街並み)
早朝に美瑛駅に向かうひとりの女子高生の姿があった。
外見は自分がいつも目にしている高校生と全く同じだった。
昔と異なり、どこであろうが情報は即座に行き渡り、
1-2日の遅れはあるにせよ欲しいものも確実に手に出来る。
【3】
(咲き残ったブルーサルビアも寒そうだ)
いち旅行者としての勝手な感想を言わせてもらうなら、
【4】
(早朝の美瑛駅)
旅にはある種のストレンジャー気分を求めてしまうからだろうか、
少し肩透かしを喰らった気がした。
【5】
(美瑛駅の自由陸橋)
とはいえ、利便性の向上は地域に多大な恩恵をもたらすハズ。
【6】
(美瑛に停車する富良野行き列車)
確かに金太郎飴的になることはどことなく寂しく思うものの、
【7】
(丘の町を演出する看板)
日常の暮らしを快適に変えていくことは何より大切なことだから。
【8】
(案内板も雪で半隠れw)
ホテルをチェックアウトし、白金温泉に近い青い池に向かう。
朝方の雪は上がりはしたが、空ははっきりしない曇天で、
青さが見られるだろうかと案じながら残雪の道を進んで行った。
青い池は先の大雨の影響で一時期「濁り池」になってしまい、
閉鎖を余儀なくされ、観光収入で大きな打撃を受けたと聞く。
辿り着いてみると、観光客が相応に訪れていて、この時期、
この時間にしては悲観的な状況からは脱しているんだなと感じた。
【9】
曇天下で青さは薄まっていたのだろうが、やはり十分青かったし、
【10】
雪の白さと相まって、独特の静謐感を漂わせていた。
【11】
少し風も出ていたので、水面に投影された立ち枯れた樹々を
【12】
(誰が作ったのか?小さな雪だるまと一緒に)
綺麗に切り取ることは出来なかったけど、上々の滑り出しだった。
【13】
池を後に山側に道を登っていくと、一層雪が深くなってきた。
まず手近な不動の滝に立ち寄り、その後白ひげの滝へ向かった。
【14】
青い池の水は、遡ればこの滝に行き着くわけだ。
青い池は土壌の問題ではなく、水そのものが青いことが分かった。
【15】
(撮影のためにCOOLバスクリンは入れてないよ)
その青の源泉がこの滝にある、ということだね。
なるほど滝の水は青く、当然流れてゆく川も青い。
【16】
(白ひげの滝から下流を望む)
本当はこの後、十勝岳に向かって更に道を上って行きたかった。
しかし流石に積雪量が増す山中を進む気になれず、
美瑛の丘廻りをしようと白金温泉から街中に引き返すことにした。
美瑛への復路で観た野や山や森は、往路の雪国的光景から、
すっかり初秋の初雪っぽい淡いものに変わっていた。
しかし、やはり空は曇り、時折雲間から陽が射すという程度。
【17】
(マイルドセブンの丘)
美瑛の街中で富良野線の線路をパスし、
マイルドセブンの丘側からパッチワークの路を進んでいく。
【18】
微妙な天気に雪が薄く残る丘の景観は、
パンフレットで見る爽快なものとは異なるけれど、
せせこましい環境に慣れた目には十分に清涼で潔いものだった。
【19】
農道のあちこちに設置された立入禁止の看板を見るにつけ、
地元の方々のご苦労を思わざるを得ない。
【20】
この土地を生活の場として真剣勝負をされている方々には、
無粋な観光客の行動は目に余るだろうことも想像に難くない。
【21】
(セブンスターの木)
という背景もあり、狭い道に車を停めることに抵抗を感じ、
【22】
とにかく速写一本で周りに目を配りながら記録を収めた。
【23】
なだらかな丘の景色は心和むものだが、あくまで人の生活に
【24】
紐付いたものであって、これと切り離すことは出来ない。
【25】
手付かずの自然が猛威を振るった結果の大地の図ではなく、
【26】
人の生活を下支えするため、多大な労力と長い時間をかけて
変容した特別の美観であることを肝に銘じるべきかも知れない。
【27】
この日は美瑛の丘を一通り巡り、早めに富良野に向かった。
【28】
富良野は雪の降った形跡がなく、気温は低いが晴れていた。
【29】
富良野マルシェをぐるりと回り、少し山側に上ったホテルに向かう。
【30】
チェックインを済ませ、夕食までの時間に近隣を散策しようと
ホテルスタッフに相談したりもしたが、結局ホテル内で
【31】
コーヒーを飲んだり、スイーツを食べたり、写真を撮ったり、
窓に映る景色を楽しんだりで、まったりと過ごすことにした。
【32】
夕食は食材の味、特に野菜を活かしたフランス料理を堪能し、
ジャグジーバスで身体をほぐし、少し早めに就寝した。
【33】
そんなDAY1、美瑛〜富良野の1日目は無事終了した。
※Canon EOS 5D MarkⅣ Canon EF 24-70㎜ F4L IS USM
(了)