鈴鹿に来た実感のないまま朝が来た。眠い目をこすりながら起床。6時半にtake3さんとエレベータで1Fフロントに降りていたら、見慣れた顔の人がエレベータに乗ってきた。スーパーGTで毎年王者争いをしているドライバーだ。VTECクラブの撮影に参加するのだろう。
鈴鹿サーキットホテルでプロドライバーに遭遇したことはあるが、それ以外のホテルで遭遇したのは初めてだ。鈴鹿に来た実感がなかったが、やはりここは鈴鹿だ。意外なところで「同乗走行」になった(笑)。このドライバーは前回私が鈴鹿を走った鈴鹿REVの時もREVの仕事で鈴鹿に来ていた。
いつもの鈴鹿9番ゲートをくぐると、初めて見る巨大グランドスタンドがあった。ピットビルも様変わり。そして、パドックはホンダ車で埋め尽くされていた。
パドックに露天駐車すると、take3さんは出走準備にとりかかる。私は見学だけだから気が楽だ。ふと気がつくと、黒沢ガンさんが普通にそこら辺を歩いている。ホンダ系のチューナーもわんさかいる。スプーンの市嶋さんを始めとして、ホンダツインカム、J'sレーシング、RG-O、M&Mなどなど、チューニング雑誌で顔を見かけるような有名なホンダ系のチューナーが軒並み来ていた。
私はtake3さんの元をたびたび離れては散策に出かけた。自分が走行するときのことを考えてみると、知人と雑談するのは楽しいが、知らないうちに時間が経過していて必要な走行準備をうっかり忘れていたりすることがあって、ある意味ではひとりでいる時の方がそういう失敗が少ない。take3さんはそんな失敗はしないとは思うが、それでも走行前はひとりで集中して走りのイメージ作りをしたり、あるいはコンディションを整えるために仮眠したりすることもあるだろう。そんなわけで、たびたび意図的にtake3さんの元を離れた。ってゆーか、じっとしていると寒いので、とにかく広いサーキットを歩いたり走ったりしていないと体が冷えてしまうのだ(笑)。
take3さんの最初の走行は午前9時台の25分間。S字の観客席もかなり改修されているので、観客席の確認がてら、S字から見てみようと思った。パドックからS字までは直線距離ではすぐだが、そこにコースをくぐるトンネルはないので、パドックからトンネルをくぐっていったんグランドスタンド側へ出て、そこから最終コーナー方面へ行き、そこからトンネルをくぐって、旧山田池の辺りを通って、ようやくダンロップの観客席へ出る。そこからS字までも、クルマなら一瞬だが、歩くと遠い。F1の自由席争奪戦の頃は、この道のりを私も開門ダッシュで早朝6時に走っていたものだ。
S字に到着すると、観客は私を含めて3人だった。かつては、2コーナー観客席(Fスタンド)とS字のGスタンドの間は樹木が生い茂った林になっていて、ヘビが出そうな感じだったが、いい感じに造成されていた。ただ、このコンクリートの上に真夏に座る気はしない。
take3さんの走行枠が始まった。ホンダだらけの全日本ホンダ選手権。同じ車種が走っていてどれがtake3さん号だかわかりづらい。DC5はもちろん、遠くから見るとFD2ですらDC5と区別がつかない。目の前に来てゼッケン番号を見て、やっとtake3さん号だと判別できた。DC5はみんな80番台だから番号も似通っている。take3さん号はS字で誰よりも深く縁石に乗り、逆バンでNSXを後ろからつついたりしていた。
ただ、どのクルマも割とゆっくり目に走っているように見えた。まあ午後が本番だから、午前は肩慣らしといった感じか。ところが、後でタイムを見てみると、この枠でも上位勢は2分30秒を切っていた。明らかに私のタイムより速いのだ。私が2分35秒で走っているときなどS字はこれでもかと言わんばかりの勢いでコーナリングしているつもりである。しかし、観客席から見るとそんな感じには全然見えないということになる。
確かに一般の走行会をS字で見る機会は滅多にない。初めてかもしれない。自分が走るときはピットにいて、S字なんぞまで足を伸ばさないからだ。S字で見るとしたらF1かFポンかGTか。せいぜいF1の前座のインテワンメイク。F1のコーナリングのイメージで市販車の走行会を見たら、そりゃゆっくりに見えてしまうだろう。
F1マシンは鈴鹿のようなサーキットを走るために存在している、と言ったのはアロンソだったか、ベッテルだったか。その鈴鹿の中でも特にS字(シルバーストンで言えばベケッツ、マゴッツ、チャペルの辺りの区間)は最もフォーミュラマシンが強い区間なのである。
一方、午後の枠でアコードがメインストレートを疾走するのをピット2Fのテラスから見ていたら、やけに速く見えたのだが、タイムは2分50秒前後。私のタイムよりかなり遅いのだ。私はあれより速い速度でストレートを通過しているのか(あるいは、ストレートは私と同程度で、コーナーで少し差がつくのかもしれないが)。ストレートはドライバーにとってある意味休憩時間なのだが、外から見るとものすごく頑張っているように見え、逆にS字などは必死で頑張ってコーナリングしていても観客席には伝わりにくいのか。
つづく
Posted at 2010/02/24 20:22:30 | |
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鈴鹿 | 日記