古き良き時代のクルマ ４

初めてMGBを意識したのは、まだガキんちょの時。


マセた小学生。


親戚の家。




TV

アメリカのドラマ。（映画？）

ドアを開けずにMGBに乗り込む刑事。

エンジンをかける。

助手席にブロンド美女が乗り込む。

ダッシュでスタート。


ドラマはズンズン展開し、

事件解決。


二人はキスをする。


そしてまた、MGB。



伯父さんが言う。

「カッコいいな！ MGB」




M・G・B

記憶する。

えむ じぃー びー

MGB


記憶にすりこむ。

DNAに刻む。




MGB ＝ カッコいい



MGBはカッコいい。

よって、ブロンド美人にモテる。



ブロンド美人にモテる。

ブロンド美人にモテる。

ブロンド美人と結婚する。

毎日、、

ブロンド美人と一緒。



こりゃー、、


大人になったら、

乗らねばならぬ！



初心忘るべからず♪





すっかり大人になって、

20代の僕はオレンジ色のMGBを手に入れる。



そして、、




白髪のおじさんたちにモテる。



声をかけてきた知らないおじさんを助手席に乗せて、田んぼ道をドライブする。



「乗ってみたかったんだ、これ～」


知らないおじさんの夢を叶える。





なかなか、、



ドラマのようにはいかない。