
6月13日、気象庁は、線状降水帯予測精度向上に向けた技術開発・研究の取組について、発表しました。
以下、発表内容です。
【報道発表日】
令和6年6月13日
【概要】
気象庁は、気象レーダーやアメダスの更新強化、次期静止気象衛星の整備等を進めるとともに、全国の大学や研究機関と連携したメカニズム解明研究、スーパーコンピュータ「富岳」を活用した数値予報技術の開発等、線状降水帯予測精度向上につながる取組を一層推進します。
【本文】
気象庁は、令和2年12月に「線状降水帯予測精度向上ワーキンググループ」を発足し、本ワーキンググループでの検討等に基づき、線状降水帯の予測精度向上に向けて、大学や研究機関と連携した機構解明研究、数値予報技術開発を推進しています。
これまでの研究・開発成果を活用し、令和6年5月には線状降水帯による大雨の半日程度前からの呼びかけについて、対象地域を地方単位から府県単位に絞り込んでの運用を開始(令和6年5月15日報道発表(https://www.jma.go.jp/jma/press/2405/15a/20240515_senjoukousuitai_kaizen.html) 及び令和6年5月27日報道発表(https://www.jma.go.jp/jma/press/2405/27a/20230527_senjoukousuitai_kaizenbi_henkou.html) )するなど、段階的な情報の改善を着実に進めています。
本日開催された線状降水帯予測精度向上ワーキンググループ第8回会合での議論等を踏まえ、今年度も、気象庁で取り組んでいる観測・予測の強化や、大学・研究機関と連携した研究・技術開発等、線状降水帯予測精度向上につながる取組を一層推進します。
○ 観測・予測の強化
線状降水帯予測に必要となる水蒸気等の観測を強化するため、アメダスへの湿度観測の追加や二重偏波レーダーへの更新強化を実施し、順次に利活用を進めるとともに、観測能力を強化した次期静止気象衛星「ひまわり」(令和11年度運用開始予定)の整備を進めます。
また、水平解像度2kmの数値予報モデル(局地モデル)について、令和7年度末に予定している高解像度化(水平解像度2kmから1km)及び局地アンサンブル予報システムの運用開始に向け、さらに開発を進めます。
○ 線状降水帯の機構解明研究
気象庁では、大学や研究機関と協力して、水蒸気をはじめとする線状降水帯の発生環境や線状降水帯を構成する積乱雲群等の内部構造に着目した集中観測を実施するとともに、高解像度の数値モデルや高頻度・高密度データを用いて、線状降水帯の発生要因や維持等のメカニズムに着目した事例解析を実施します。
このうち集中観測では、昨年度に引き続き、以下をはじめとする様々な観測を実施することで研究の進展を図ります。
・雲の内部で多量の雨が作られる仕組みなど、線状降水帯のメカニズム解明に向け、カメラを搭載した「降水粒子撮像ゾンデ」を用いて雲内部の降水粒子の形状や大きさの直接観測を実施します。
・線状降水帯発生の主要因である、大気下層から流入する水蒸気量をより正確に把握するために、船舶による海面から大気への水蒸気供給量の観測を実施します。
本研究で得られた成果を大学・研究機関と共有して線状降水帯のメカニズム解明等に資する知見の集約を図るなど、機構解明に向けた取組を推進します。
これらの技術開発や研究の概要については、下記の「資料全文」を参照ください。
【資料全文】
線状降水帯予測精度向上に向けた技術開発・研究の取組について [PDF形式:2,751KB]
https://www.jma.go.jp/jma/press/2406/13b/20240613_SLMCS_WG.pdf
#気象庁 #線状降水帯 #予測精度向上 #技術開発 #研究開発
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Posted at 2024/07/02 00:08:53 | |
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