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2010年01月28日

三日天下

危機に直面するトヨタの御曹子

 トヨタ自動車の米国での販売一時停止は、祖父の創業した巨大自動車メーカーのトップに昨年就任した豊田章男氏にとって、まさに悪夢の実現だ。

 世界ナンバーワンの自動車メーカー、トヨタの設計・製造・販売方法の見直しに着手した同社長は、品質にからむ問題がいずれトヨタを襲うことになるのをかねてから懸念していたと、同氏をよく知る関係者は話している。豊田社長は今、そうした事態の収拾に躍起となっている。
イメージ Associated Press

 トヨタにとって、今回のリコールは品質の信頼性についての評判を損なうだけでなく、収益性回復を妨げ、相次ぐ訴訟を招きかねない。今回の大失態は、トヨタの経営陣に厄介な疑問を突きつける。果たしてトヨタは、品質を犠牲にして世界マーケットシェア獲得に突き進んできたのだろうか。

 今回の安全性の問題は深刻さを増している。

 トヨタは27日、ペダルがフロアマットに引っかかる問題で昨年末に発表したリコールの規模を拡大すると発表。当初430万台のトヨタおよびレクサスの人気8車種が対象だったが、さらに4車種110万台が加えられた。リコールの規模は当初430万台の時点で既に同社史上最大。今回の問題は、サンディエゴのハイウエーでレクサスES350セダンが加速暴走して乗員4人全員が死亡した事故が引き金となっている。

 現下の危機への対応策として、トヨタは、ハイブリッド車のプリウスやミニバンのシエナといった車種の販売に力を入れる。同社はディーラーに顧客を呼び込むため、新しい販売促進策を発表する予定だ。今回の問題で、同社の収益喪失は週当たり5億ドルにも達するとアナリスト筋は見積もっており、販売インセンティブはそれを最小限に抑える助けになるかもしれない。一方で、トヨタはアクセルペダル問題の解決策を見つけることにも必死で取り組んでいるが、解決にはまだ何週間もかかる見込みだ。

 同社は26日、顧客の安全とトヨタへの信頼回復に全力を傾けることを表明した。アクセルが戻りにくくなる可能性を理由に230万台のリコールを発表した先週、トヨタは、今後引き続き「予期せぬ加速の発生について調査し、特定された(事例)傾向に適切な措置をとる」とした。トヨタのスポークスマン、マイク・ミヒェルス氏は27日、販売一時停止が、リコールに伴う法律で定められたものだとして、「自主的なものではない」と語った。

 トヨタのライバル各社は、顧客を奪う絶好の機会ととらえている。ゼネラルモーターズ(GM)は27日、 GM製の乗用車やトラックに乗り換えるトヨタ車オーナーに対してキャッシュバックまたはゼロ金利ローンを提供すると発表した。

 GMの小売事業本部長スティーブ・ヒル氏は、「お客は『こんな車はもうご免だ』と言っている」と話している。ヒル氏によると、GMのディーラーのもとには、27日夜以降、不満を抱くトヨタ車オーナーからの問い合わせが殺到しているという。

 安全性と信頼性のリーダーとしてのトヨタの評判が危機にひんする中、豊田社長の使命は、いよいよ焦眉の急となっている。

 豊田社長は、昨年6月の就任直後の記者会見で、トヨタが過去10年間、世界最大の自動車メーカーになることに全力を傾けるあまり、顧客第一という同社のコアバリューがなおざりになっていると語った。

 豊田氏は当時、世界中の顧客ニーズを満たすために事業を拡大したのは間違いではないと思うが、手を広げすぎたきらいはある、と語っていた。

 27日に取材したトヨタのある幹部は、意図せぬ加速を引き起こした恐れのある欠陥についてトヨタがどれくらい前から気付いていたのかという質問に答えることを控え、「時期の問題は非常に重要なポイントだ。それはトヨタにとって法律面できわめて厄介な問題になりかねない」と語った。

 米幹線道路交通安全局(NHTSA)の記録では、トヨタおよびレクサス車が突然予期しない加速をするとの苦情は数年前からあった。NHTSAは2004 年に、02と03年式のレクサスES350とトヨタ・カムリでの速度制御問題について調査した。

 当時は何の措置も取られなかった。この件についてのNHTSAの最終報告書は、「現時点では欠陥傾向は確認されていない」として調査継続は必要ないと結論付けていた。

 トヨタのスポークスマン、ブライアン・ライアンズ氏によると、同社には、エンジンスピード制御に関する苦情が過去10年間に2000件以上寄せられているという。同氏は、NHTSAカテゴリーを構成する要素があまりにも多いため、根本的な問題の診断はきわめて困難になっているとしている。

 同氏は、「苦情だけを基に判断するのは非常に難しい。故障の原因を見極める最善の方法は、個々の車両を調べることだ」と述べている。

 過去のリコール事例にかかわっていたトヨタの元幹部は、「何が何でも」成長と利益を目指す同社の姿勢のせいで、品質問題が未解決のまま放置されたとしている。

 トヨタの成長への注力は、1995年に社長、1999年に会長に就任した奥田碩相談役の台頭を契機としていた。奥田氏の下、トヨタは世界最大の自動車メーカーになることを目指した。

 トヨタは、その後10年間、米国で急成長を遂げ、売上を伸ばすとともに、米国の製造拠点を拡大した。2000年には160万台だった米国での販売台数が、2007年には260万台に達した。

 2005年、トヨタは、フルサイズ・ピックアップ市場における米国自動車メーカーの支配に挑戦することを試み、サンアントニオの工場に大々的な投資を行った。2008年には、スポーツ車RAV4製造のため、カナダ・オンタリオ州に新工場を完成させた。また、もともとSUVのハイランダーを製造する予定だったミシシッピ州にもう一つ工場を建設する計画も発表した。

 拡大を続けるなかで、トヨタは品質問題に直面した。トヨタは2005年に、米国で238万台のリコールを行った。それは同じ年に同国で販売した台数を若干上回る規模だった。

 諸問題に直面した当時の渡辺捷昭社長は、2006年、一部新型の導入を半年も遅らせた。この措置は、車両および部品設計に取り組むより多くの時間を技術陣に与えるためだった。渡辺氏は、場合によっては、新製品を導入するために、ほかで予定された製品を全面的に廃止することも決定した。

 2カ月にわたる見直しの結果、トヨタは、グローバルな事業拡大重視のせいで、製品開発プロセスにほころびが出ていると結論付けた。渡辺氏は当時のインタビューの中で、同社技術陣が、場合によっては、現物のプロトタイプを製作せずにコンピュータ・シミュレーションに頼りすぎるといった、十分な品質チェックを行うことなしに、製品を急いで送り出していた可能性を指摘した。トヨタはそうしたやり方にブレーキを掛けた。

Wall Street Journal Japanより

> トヨタの設計・製造・販売方法の見直しに着手した同社長は、品質にからむ問題がいずれトヨタを襲うことになるのをかねてから懸念していた
その割にはコスト削減に腐心しているように思えます。今はコスト削減よりもいかに信頼を取り戻すかの方が最優先だとおもうんですけどね
根本の原因は行きすぎたコスト削減に思われます。

> トヨタが過去10年間、世界最大の自動車メーカーになることに全力を傾けるあまり、顧客第一という同社のコアバリューがなおざりになっている
奥田、張、渡辺と3代にわたって行った利益第一主義が顧客第一主義をおざなりになった原因だと思われます。また、奥田を登用した豊田章一郎にも責任は有ると思います。

> 「お客は『こんな車はもうご免だ』と言っている」と話している。ヒル氏によると、GMのディーラーのもとには、27日夜以降、不満を抱くトヨタ車オーナーからの問い合わせが殺到しているという。
もともと愛国心の高いアメリカ人ですから、こういう事態になるとBuy Americanに走るので当然かと。

>  過去のリコール事例にかかわっていたトヨタの元幹部は、「何が何でも」成長と利益を目指す同社の姿勢のせいで、品質問題が未解決のまま放置されたとしている。
> トヨタは、グローバルな事業拡大重視のせいで、製品開発プロセスにほころびが出ていると結論付けた。渡辺氏は当時のインタビューの中で、同社技術陣が、場合によっては、現物のプロトタイプを製作せずにコンピュータ・シミュレーションに頼りすぎるといった、十分な品質チェックを行うことなしに、製品を急いで送り出していた可能性を指摘した。

現物のプロトタイプを作るのと、コンピュータシミュレーションのみ、どちらが安くついたでしょうか?

>  諸問題に直面した当時の渡辺捷昭社長は、2006年、一部新型の導入を半年も遅らせた。この措置は、車両および部品設計に取り組むより多くの時間を技術陣に与えるためだった。渡辺氏は、場合によっては、新製品を導入するために、ほかで予定された製品を全面的に廃止することも決定した。

2006年に対処ですか…
ちなみに渡辺って確か…

2000年から強力な原価低減活動を推進し、3年間で主要部品のコストを約30%削減したと言われている(CCC21)。

Wikiepediaより引用

どうせなら、この2000年の時点で苦言を呈するべきだったかと。これが引き金になったと思います。

トヨタモーター・ヨーロッパ、欧州でリコールが必要となる見込み

トヨタ車リコール、530万台に拡大=信頼性低下、業績に影響必至-米

トヨタのリコール問題、中国ユーザーも気になる「安全性」

日本株ADR27日、売り優勢 トヨタ大幅下落、キヤノンやクボタも安い

御自分でまいた種は、御自分で拾ってください。少なくとも日本経済沈没云々と言って、そのツケを日本国民に押し付けるような真似はやめてほしいものです。
何しろ、現政権の経産大臣がねぇ…
これで、JAL、トヨタと続いたら一体いくらのツケが日本国民に押し付けられるんでしょうかね?本当に財政破たんしかねないんですけど…
ブログ一覧 | トヨタ | 日記
Posted at 2010/01/28 19:06:53

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この記事へのコメント

2010年1月28日 21:08
トヨタはつぶれないと思いますw
レクサスのマットの件もたまたまマットを二枚重ねて敷いていたということじゃなかったですか?!
私はアメリカの陰謀だと思いますがw

日航は組合でしょう。
たぶん経営再建は無理だとかw
コメントへの返答
2010年1月28日 21:23
どうでしょうねぇ…
不沈艦と言われた大和ですら沈没したので、油断のツケは大きいと思います。(あまり人の事も言えないですけどね)

個人的にはアメリカの陰謀とは思えません。

少なくとも、品質の低下に関して言えば、フランスでも問題があると指摘されていますので。

日航はかつての国鉄よりも性質が悪いです。

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何シテル?   12/15 22:42
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