韓国勢に完敗 ホンダ、北米で失速 シビック改良前倒しも検討
ホンダが米国の自動車市場で大苦戦している。売れ筋の看板車種「シビック」を4月に全面改良し新型モデルを投入したにもかかわらず、8月の新車販売台数は前年同月比24.3%減と、4カ月連続で大幅なマイナスを記録。落ち込み幅は、主力車種の「カムリ」がモデル末期だったトヨタ自動車(12.7%減)をも上回り、販売低迷が際立っている。東日本大震災からの生産回復の遅れが要因とされているが、市場では全く別の問題点が指摘されており、不振の根は意外に深そうだ。
◆推奨リストから除外
8月上旬、ホンダ社内に大きな衝撃が走った。米消費者団体専門誌「コンシューマー・リポート」の製品評価で、新型シビックが、小型セダン部門12車種中の11位という最低水準に位置づけられ、消費者への推奨リストから外されたのだ。同リポートは米国で高い信頼を得ており、推奨リストからの除外は「市場で、もはや主力車ではないという烙印(らくいん)を押された」(ホンダ首脳)に等しいという。
米新車販売の低迷について、ホンダは「震災の影響で生産できない車種が多かったため。生産が正常化すれば挽回できる」(池史彦取締役専務執行役員)と説明する。しかし、米国内では「それだけでない」(日系メーカー幹部)と、ホンダ自体の競争力低下を指摘する見方が強い。問題は、新型シビックへの酷評が象徴する商品力だ。
◆韓国勢台頭に完敗
「デザインもヨーロッパ風で洗練されている。燃費などの性能も上がっている。このレベルの車が出てきたら、やばい」
ホンダの四輪事業本部商品担当の野中俊彦常務執行役員は、3年前の米国でのモーターショーで、韓国・現代自動車が持ち込んだ中型セダン「ソナタ」の試作車をみたときのショックが忘れられないと話す。足元の米新車市場で起こっているホンダの急落の背景には、当時の野中氏の危惧が現実となったことがある。新型シビックが最低クラスに沈んだ同じリポートで、最高評価を獲得したのは現代のセダン「エラントラ」だ。
昨年秋に米国デビューしたエラントラの燃費性能は、高速走行モードでガソリン1ガロン当たり40マイル(1リットル当たり約16キロ)と、新型シビックの同39マイルを上回る。価格はエラントラ1万4945ドル(約115万円)に対し、シビックは1万5605ドルから。ホンダ内部からも「エラントラの方が内装などの質感が上で、その差は金額にして約2000ドル程度」(経営幹部)との声が漏れるありさまで、商品力で「完敗している」(メリルリンチ証券の中西孝樹リサーチアナリスト)。
エラントラに遅れて開発されながら、完敗する車を出してしまった病根はどこにあるのか。ある幹部は「開発部門が過去の実績にあぐらをかいていた」と分析。さらに「リーマン・ショックを理由に、本来コストダウンをしてはいけないような研究開発領域も削減し、ホンダらしさを失った」と反省する。
もちろん、震災影響以上の根本的な危機に、ホンダも対策に動き出している。
これまで子会社の八千代工業に委託していた軽自動車の生産を、本体の鈴鹿製作所(三重県鈴鹿市)に切り替えるなど、商品づくりの抜本的な見直しに着手。米国の新型シビックについても、本来4年後となる全面改良の前倒しや、2年後が見込まれるマイナーチェンジで大幅改良に踏み切るなどの、てこ入れ策も検討されているもようだ。
ただ、ホンダ内からは「危機感が全社に共有されてない」との声も聞かれる。来年には、シビックと並ぶ米国販売の二枚看板の「アコード」の全面改良が予定されている。ここでもつまずけば、2010年度に全社の連結営業利益の5割超を稼ぎ出していた北米事業の立て直しはおぼつかない。たとえ震災影響が解消しても、ホンダの正念場はしばらく続きそうだ。
産経新聞より
記事はホンダのことを取り上げているのに、なぜ自動車関係にしたかと申しますと、実際には
日本車全体に対する信頼が揺らいでる
からにほかなりません。
> 米消費者団体専門誌「コンシューマー・リポート」の製品評価で、新型シビックが、小型セダン部門12車種中の11位という最低水準に位置づけられ、消費者への推奨リストから外されたのだ。同リポートは米国で高い信頼を得ており、推奨リストからの除外は「市場で、もはや主力車ではないという烙印(らくいん)を押された」(ホンダ首脳)に等しいという。
アメリカではシビックが最低水準に位置づけられておりますが、欧州、特にフランスでは前々からこの兆候が強まっておりました。
前にも何度が取り上げ、日本車の質が下がっているということをここでも何回か取り上げました。
しかし、未だに覚えているのは某掲示板にさらされた際
Auto Plusのような3流雑誌の記事を鵜呑みにしている愚か者
外国人は見た目でしか判断できないのに、なんでそんなことを基準で書いているのか
まぁ今更、こんなこと愚痴にしても仕方ないのですが、結局、日本のメディアに取り上げられるまでは、何も気づかなかった、あるいは無視していたというのが今の日本メーカーの現状だと思います。
> 昨年秋に米国デビューしたエラントラの燃費性能は、高速走行モードでガソリン1ガロン当たり40マイル(1リットル当たり約16キロ)と、新型シビックの同39マイルを上回る。価格はエラントラ1万4945ドル(約115万円)に対し、シビックは1万5605ドルから。ホンダ内部からも「エラントラの方が内装などの質感が上で、その差は金額にして約2000ドル程度」(経営幹部)との声が漏れるありさまで、商品力で「完敗している」(メリルリンチ証券の中西孝樹リサーチアナリスト)。
これと似たようなことはすでにフランスでも起きており、フランスでは
KIA CeedやKIA Sportage
が高く評価されております。評価の高いところはこの記事にも書かれているように
内装等の質感のアップ(ほとんどの仏メディアは日本の内装の質感は10年から20年遅れていると酷評)
標準でKIAは7年か15万キロ保証、ヒュンダイが5年保証(走行距離無制限)(対する日本メーカーは3年か10万キロ、それ以外の大半は2年保証(走行距離無制限))
ちなみにAUDIが高く評価されている一つの要因がこの内装などの質感や組み付け精度の高さであり、AUDIもこの点を強調して売り込んでおります。
また技術力もそれほど大きな差がなくなり、デザインも日本メーカーに近いか、むしろ欧州メーカーに近い以上
デザインもそれなり、7年保証の上に、内装の質感も決して欧州メーカーにも劣らない、しかも日本車と比べて安い
これでは日本車が勝てる要因は少なくなっております。
しかも現在の韓国車の最大のネックは
アフターサービス
なのですが、サムスンやLGの商品を見てもわかるように、あらゆる決断が早いので今後はアフターサービスの向上を図ってくるでしょう。
> 開発部門が過去の実績にあぐらをかいていた」と分析。さらに「リーマン・ショックを理由に、本来コストダウンをしてはいけないような研究開発領域も削減し、ホンダらしさを失った」と反省する。
日本メーカーは日本製のイメージは簡単には動かないと思っていたみたいですが、ご覧のように、揺らぎ始め、今まではアジアンカーと馬鹿にされていた韓国車が
Korean Car
の地位を築き始めており、逆にJapanese Carの地位は落ちつつあります。
救いは
1)マツダほぼ全車種(ほとんどのメディアでなぜ、市場からもっと高く評価されない?という声が上がっております)
2)スズキスイフト(出来がいいという声は前々からあり、難点はアフターサービスだという声が出ています)
3)三菱ASX(評価が高く、これこそ日本車らしい車だという声が多数あり)
4)日産Quashquai(コンパクトSUVのスタンダードと絶賛)
幾つかの車種やメーカーが頑張っておりますが、トヨタは先のリコール問題でまだまだ復興途中、ホンダはほとんど話題になりません。また日産のMicra(マーチ)は酷評傾向な上にQuashquai以外で名前をあげられることが殆ど無い、スバルに至ってはディーラーが近くにあればひとつの選択肢だが、とにかくディーラー数が少ないのであまり勧められないというのが現状です。
日本車が目指すべきところは打倒韓国車ではなく、かつてのように欧米車に負けない車を作る
これが本来、日本車が目指していたものではないのでしょうか。
あまりにもコスト削減ばかリに気を取られていた事によって、質と商品力が落ちたのではないかと思います。
コスト削減ばかりでは何時迄経っても、下位メーカーとの勝負ですし、その下位メーカーも日進月歩で品質が上がってきます。そうなったとき、日本メーカーは
1)低価格メーカーに甘んじるのか
2)日本人ならではの発想力による独創性に富んだOnly oneなメーカーになるのか
どちらかになるでしょう。今回のコンシュマーリポートはホンダのみならず、日本車全体に対しての警告だと取り、奮起しなければ、いくらコスト削減しても売れなくなる⇛利益が減るということになるでしょう。
日本車が見向きされなくなったとき、その時は
Made in Japanブランドの失墜
といっても過言ではないと思います。