宮城県、性犯罪前歴者のGPS監視検討 唐突な表明に不信感も
宮城県の村井嘉浩知事が22日、性犯罪の前歴者などに対する衛星利用測位システム(GPS)端末の常時携帯義務付けやDNA提出などを条例化する方針を正式表明した。県民からは監視社会への懸念や実効性への疑問、性急さを指摘する声が相次いだ。一方で、犯罪の抑止力として期待する意見も。規制を強化する条例をどう受け止めるのか。仙台市内で聞いた。
「何事も監視する窮屈な社会になりそう。独裁政権の国を連想させる」
仙台市青葉区の無職女性(57)は不安をあらわにし、「人間同士の信頼感をなくす表面的な手法。性犯罪の厳罰化、出所後のケアに力を入れるべきだ」と主張した。
泉区の大学4年尾形聡さん(22)は「罪を犯した後に心を改めた人もいる。監視すれば何とかなるというのは短絡的な考え」と指摘。宮城県柴田町の女性会社員(22)は「女性が駆け込める機関や、相談組織の整備などを進めるべきだ」と強調した。
児童ポルノの「単純所持」禁止に続き、県の方針が突然示されたことへの不信も聞かれた。
若林区の自営業男性(65)は「あまりに性急、唐突。もっと慎重に議論し、県民の総意を得るまで時間をかけるべきだ。『全国初』という功名心が働いているのかと勘ぐりたくなる」と疑問を投げかけた。
青葉区の専門学校生の女性(20)は「性犯罪者以外にも監視が及ぶようになるかもしれない」と、警察による条例の適用範囲の拡大を懸念した。
犯罪を防ぐため、規制強化を支持する意見もある。
「日本は性犯罪への認識が甘い。宮城の取り組みが、他県、国に広がるのでは」と言うのは宮城野区のアルバイト日下部樹さん(22)。娘を持つという青葉区の会社員福井司さん(43)は「人間性を損ねる部分はあるが、再犯を防ぐには多少の規制はやむを得ない」と話した。
娘2人を育てた太白区の自営業女性(63)も「子育て中は、犯罪に巻き込まれないか心配だった。女の子の親なら同じ気持ちではないか」と県の姿勢を評価した。
泉区の大学職員小色隆志さん(36)は「再犯防止の点で正しい」とする一方で、「規制強化で加害者がふさぎ込み、自殺する可能性も考えられる。再犯防止に向けた教育など別の方法を検討する余地もある」と語った。
◎過剰な規制、法原則覆す/予防を名目にエスカレートする恐れ
宮城県が、性犯罪前歴者の日常行動を常時監視できる条例制定の検討に入ったことについて、「監視社会を拒否する会」(東京)の共同代表を務める田島泰彦上智大教授に聞いた。
―宮城県が打ち出した「行動監視」は、国内では前例がない。
「『また罪を犯すかもしれない』というだけで危険人物の烙印(らくいん)を押し、常時監視するのは過剰な規制だ。犯した罪は事後に処罰するという近代の法原則を覆すことになる」
「予防を名目にした規制はエスカレートする危険がある。いったん許すと対象が広がり、思想信条にまで及ぶ恐れも否定できない。戦前の治安維持法がそうだった。いわゆるエロ・グロ・ナンセンスに対する表現規制と同様、対象が性犯罪だと『厳しい規制は仕方ない』と思われがちだ。踏みとどまる必要がある」
―憲法上の問題点は。
「対象者に衛星利用測位システム(GPS)の携帯を求めるようだが、行動の自由とプライバシーが侵害される。基本的人権が制限され、憲法の理念を踏み外すことになる」
―県は性犯罪の前歴者にDNAの提出を求めることも検討している。
「警察の思惑が見え隠れする。犯罪の可能性がある人物を管理下に置き、治安維持の妨げになる不安定要素を極力なくしたいという発想だ。監視カメラを増やしても犯罪が減らないように、強権的なやり方では本質的な解決につながらない」
―今回の県の考え方全体をどう感じるか。
「排除の発想があるのではないか。社会の寛容さが失われている証しともいえる。さまざまな問題を抱えるのが社会の現実。処罰を受けた後は、社会でその人を受け止め、立ち直るためのサポートを用意する必要がある」
―性犯罪の再犯率の高さから、県の方針を評価する声もある。
「ストレートな対策は分かりやすく、支持も集めやすい。ただ、長い目で見たらどうか。犯罪を生む原因に目を向け、犯罪リスクを低くしていく多面的な努力を地道に続けることが重要だ」
[たじま・やすひこ]1952年埼玉県生まれ。早大大学院博士後期課程単位取得満期退学。神奈川大教授などを経て99年から上智大文学部新聞学科教授。専攻は憲法、メディア法。
河北新報より
さて、これだけだと
> 「対象者に衛星利用測位システム(GPS)の携帯を求めるようだが、行動の自由とプライバシーが侵害される。基本的人権が制限され、憲法の理念を踏み外すことになる」
> 「規制強化で加害者がふさぎ込み、自殺する可能性も考えられる。再犯防止に向けた教育など別の方法を検討する余地もある」
ここに注目し、プロ市民云々となるのですが…実はこの条例ともう一つが組み合わさると非常に危険なものになりかねないものがあります。
児童ポルノ悪質化 宮城規制強化に実効性疑問も
インターネット上に氾濫する児童ポルノの悪質化と被害者の低年齢化が進む中、宮城県は児童ポルノの「単純所持」を禁止する独自の規制条例の検討を進めている。「持てないようにすれば製造する人は生まれない」(村井嘉浩知事)という狙いに対し、対策の方向性や実効性をいぶかる声は強い。自治体による規制強化は現実的か。児童ポルノの現状と自治体に求められる対策を探った。(報道部・道下寛子)
「好きな人ができても、あの写真がある限り、絶対に結婚できないし、子どもも産めない」
児童ポルノの規制強化を強く訴える日本ユニセフ協会(東京)には、そんな被害女性からの手紙が寄せられている。いつまでも写真や映像の存在におびえなければならない被害は深刻だ。
キーワードを入れてインターネット検索をすると、児童買春・ポルノ禁止法に抵触するようなサイトに簡単にたどりつける。あるサイトでは販売するDVDの映像の一部と見られる数十枚の写真を掲載。「小学2年」とされる女児らが登場するDVDが、1枚1000円で販売されていた。
尚絅学院大の森田明彦教授(子どもの権利論)は「サイトの増加に警察当局による削除が追いつかない。児童ポルノ愛好者は、より残虐で、より幼い児童を求める面もある」と話す。
手口は巧妙化
加害者が、子どもたちと知り合う手口も巧妙になっている。
警察庁によると2003年の出会い系サイト規制法施行後、無料ゲームや自己紹介のサイトで接触するケースが増加。女子児童の同世代になりすまし、裸の画像を送らせたり誘い出してわいせつな事件に巻き込んだりする事例もあったという。
同庁少年課は「小児愛好者は所持する児童ポルノを誇示しがちだ。映像や画像の転送を繰り返す人が、自分で商品を製造するようになるケースもある」と警鐘を鳴らす。
県は今回、「県民を守る自治体の基本的な責務として規制強化を検討する」(環境生活部)と訴える。だが、県の言う「自治体の責務」の内容をめぐっては、異を唱える有識者が多い。
摘発に限界も
特に「単純所持」の規制について、弁護士で国立情報学研究所(東京)の岡村久道客員教授(情報法)は「児童ポルノは隠し持つもの。別件捜査で発見することはあっても、探し出すことは容易ではない」と実効性を疑問視する。
京都府が設置した「児童ポルノ規制条例検討会議」の委員も務める岡村弁護士は「罰則のある規制は国レベルで行うべきだ」と指摘し、「最大の問題は被害児童対策。相談窓口など、救済策や物理的、心理的ケアは地域だからこそできる優先課題だ」と国との役割分担の必要性を強調した。
児童虐待問題に詳しい社民党前衆院議員の保坂展人氏は「著しい被害があるものの規制は賛成だが、規制内容があいまいでは人権を侵害しかねない」と警告。「子どもが『ノー』と拒否できるトレーニングの強化や、未開拓の加害者の更正プログラムなど取り組むべき課題は多い」と述べ、民間と連携した先進的な取り組みの必要性を強調した。
[児童ポルノ] 児童買春・ポルノ禁止法では、「衣服の全部または一部を着けない児童の姿態であって性欲を興奮させまたは刺激するもの」などと定義されている。宮城県内で同法違反の摘発件数は2000年が2件だったの対し、09年は38件。全国では00年は170件だったが、取り締まりをより強化した05年以降急増。09年は935件に達し、そのうちインターネットを利用したものは507件だった。
河北新報より
そう、あの忌まわしき児ポ法です。いや、県レベルなので条例ですが、
性犯罪者を取り締まるためのGPS+児ポ単純保持規制条例
この二つが組み合わさると
監視社会
となりかねません。
しかもそこに
人権侵害救済条例
が入ったら確実にやばいものになりかねません。で、どうも裏で糸を弾いているのがあの
日本ユニセフ協会
であり、しかもこの県知事は元自衛官であり、松下政経塾出身でありながら
日本ユニセフ協会宮城県支部の顧問
である以上、どう考えてもきな臭い物を感じます。
当然、性犯罪の再犯者の取り締まりにGPSは必須だと感じますが、これだけスパイウェア等が横行している上に陥れたい人間にはわざと児童ポルノをパソコンに入れたり、あるいは単に自分の子どもの入浴の写真を持っているだけで児童ポルノ単純保持になりかねない以上、それだけで性犯罪者にされたらたまったものではありません。
しかもバックにユニセフ協会=悪ネスですから下手したら日本人を取り締まり、支那、朝鮮は差別の対象になりかねないから除外するという可能性が否定出来ない以上、慎重にならないといけないと思います。
それとも
こういう動画のようになり、日本人が外国人に監視される社会がお望みですか?
それほどまでに今回の宮城で通そうとしている条例は個々で見れば悪くないのではと思えるかもしれませんが混ぜると猛毒、劇薬になる恐れがあります。なので、個々で考えず、一つにまとめて考えた方がいいかと思います。特にユニセフ協会がついている以上、裏があるとしか思えませんから。