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2012年04月08日 イイね!

原点回帰 (Sony編)- Part 2:ハードとソフトの融合の失敗

先の記事でソニーが何故ダメに成ったのかについての一つの原因としてハードウェアの凋落のことを取り上げましたが、今回はハードとソフトの融合について語りたいと思います。

ソニーのハードウェアだと世代によっては

ウォークマン
トリニトロン
ベータマックス
WEGA
Hi-8
CD
MD
メモリースティック
Vaio
プレイステーション
サイバーショット
Bravia
バッテリー

といろいろなハードや媒体が思い浮かばれると思います。
成功したものとしてはウォークマン、トリニトロン、Hi-8、CD、MD、プレイステーション辺りでしょうか。ところがソニーでソフトやコンテンツと言うと何か思い浮かばれるものってあるでしょうか。
先に取り上げたSony Entertainment Network、どれほどの人間が知っているか不明ですし、Playstation Networkといえば大規模個人情報流出事件の代名詞と言われるくらいイメージが悪いですからね。あとはソニー・ミュージック、ソニー銀行、So-Net、コロンビア(映画)位でしょうか。

まずいくら、良いハードを作ってもコンテンツがなければただの箱ですし、逆にいくら良い音楽や映画、コンテンツを用意したとしてもそれを再生できる物がなければ意味がない以上、本来であればハードとソフトは車の両輪という立場がベストなのですが、いつからかハードとソフトの融合、ネットとの融合が謳われ始めました。
ブロードバンド環境が整いつつある以上、ネットと連携する必要性は重要ですし、ハードもソフトもそれに対応することが望まれています。

ちなみに古い商品ですが、CLIEというのがあったの覚えてらっしゃる方はいるでしょうか。
個人的にはあの商品はかなり画期的で、元々新しもの好きの自分としてはかなり早い時期に購入したのを覚えております。使いかってはそれなりでしたし、さよなら僕らのソニーの筆者の立石泰則氏も本の中でも書いておりますが、CLIEと携帯電話が融合したら面白いものができるのではないかと思いました。

実際Sony EricssonからP800というPalm OS内蔵の携帯電話を出しましたが時期尚早というのもあり、あまり売れませんでしたがあの衝撃は鮮明に覚えています。つまりAppleがiPhoneを出す何年も前からSmartphoneというのは存在しております。実際、黎明期のSmartphoneとしてP800の他にTrium (三菱電機の海外携帯電話ブランド)Mondoがありましたがやはり回線の問題、バッテリーの持続時間、価格の問題もあり売れませんでした。つまりは日本メーカーは率先的にハードとソフト、ネットの融合を行おうとしたのですが、どれもが時期尚早で失敗しました。端折って言えば、iPhoneは出すタイミングを見誤らなかったからこそ売れたというのがひとつの勝因だと思います。

また、ソニーの場合Net MDと連携してMORAというサイトを立ち上げておりますが、正直な話うれているとおもえません。むしろiTunes Storeの圧勝だと思います。ここで待ったをかけたいと思います。NetMDが発売されたのが2001年、iPodが発売されたのも2001年、どちらも似たような機能を持っており、むしろ市場的にはMDの方がそれなりに優位な部分もあったと思います。
ここからがハード、ソフト、ネットの融合の成否がわかれます。
SonyのSonic Stage+NetMDはWindows対応でUSBベース、AppleのiTunes+iPodは当初、Macのみが対応でしかもFirewireのみ。しかし第二世代iPodからはWindowsも対応となり、iTunesもVersion 4からWindowsに対応しました。iPodがUSBに対応したのは2004年からです。
どう見ても優位なのはSonyのNetMDなのですが、iPodは斬新なデザイン(ホイールクリック)、多言語対応、MP3対応、大型液晶画面搭載であったのに対し、NetMDはAtrac3のみ対応。しかもMP3に対応するには有料という制限があった上にインターフェースはオーソドックスな再生、停止ボタン、小さい液晶画面、言語も多言語ではなく、地域ごとにローカライズされているというのもありコストの増加につながっていたと思います。
特にMP3が標準仕様というのはかなり優位であり、当時、覚えてらっしゃる方もいると思いますが、所謂P2Pが横行しており、有名所ではNapster、WinMX、日本だとWinnyが流行っており、簡単にMP3が入手できる状況でした。
またiTunes Storeが立ち上がったのは2004年、Mora(当時はBitMusic)が立ち上がったのは1999年と5年前から存在していたのにもかかわらず、何故これほどまでに大きく差がついてしまったのでしょうか。
iTunes Music Store(以降iTMS)は立ち上げの段階から

− レーベルの豊富さ
− 低価格でありながら高品質の音楽の配信
− 柔軟な制限

となっており、ユーザーに対してメリットはかなりあります。それに対してMoraの場合

− 少ないレーベル
− 高価格
− 厳しすぎる制限

等もあり、あくまでもユーザーではなくレーベルが第一という状況が成否を分けたといっても過言ではないと思います。
それに加えてiTunesの使いかっての良さ、転送速度の速さ、iPodの使いかっての良さが更に拍車をかけAppleの勝利を磐石なものにしたといっても過言ではないと思います。

逆にSonyのSonic StageやX-アプリは

− 重い(立ち上がりに時間がかかる)
− 遅い(毎回Atrac 3にエンコードするので時間がかかる)
− 使いにくい上にゴチャゴチャしている(特にX-アプリはMoraとSonyの宣伝入り)

という状況なのでとても使いかってがいいとは言えず、おまけに対応OSもWindows(それも日本語版)のみという状況である以上増えつつあるMacユーザーは当然ながら敬遠します。

実際に音質はと言うと、Hi-MDウォークマン、並びに以前かなりこき下ろしましたがAndroid研究のためにWalkman Zシリーズを日本で購入しましたが、正直な話イコライザー等の調整もでき、Zシリーズに関してはS-Master MX、DSEE、クリアベース、VPT等も効いているせいかかなり綺麗に聞こえます。しかもZやSの場合はノイズキャンセリング機能が付いているので別途ノイズキャンセリング対応のヘッドホンを買わなくて済みます。それに対してiPodやiPhoneの音楽再生能力は至ってベーシックでイコライザーもプリセットのものしか選べません。
同じノイズキャンセリングなしのヘッドホンで聞いてみても音質に関しては個人的にはウォークマンの方が好きです。ただ難点は先程も書いたように

1)Macに非対応
2)X-アプリでiTunesのプレイリストを同期させるには事前にフリーウェアなどで書き出さないとダメ
3)転送がiTunes + iPhoneと比べると断然に遅い

のでMacで使うにはかなりの覚悟で臨まないと苦戦します。実際Macからウォークマン(Zシリーズ限定)に転送するには

1)Double TwistアプリをZシリーズ側にインストールし、Mac側にもDouble Twistをインストールして同期を行う(日本語転送問題なし、iTunesとの連携も問題なし)
難点:DSEE、クリアベース、VPTが使えない(ノイズキャンセリングは問題なし)
2)Songbirdを利用して転送し、内臓の純正プレーヤーで再生
難点:転送速度が遅い、一部の日本語ファイルが再生できない

とサードパーティのソフトを頼らなければいけない上に、再生できないファイルがでるか、機能を犠牲にするしか無いわけです。おまけにZシリーズの謳い文句は

For music lovers, by music lovers

となっており、じゃあMacユーザーは音楽好きじゃないのかってことにもなります。
また脱線してしまいましたが、Sonyがハードとソフトの融合に失敗した原因として

1)ユーザーのためではなく、レーベルを余りにも重視しすぎたこと
2)コンテンツが限られている
3)自ら閉鎖的になりすぎている

というのが主な原因だと思います。最近のBraviaはYoutube対応になってはいますが、時既に遅しという感じは否めません。
海外向けのBraviaだとYoutube、Daily MotionやTV局のVODサービスにも対応していますが、日本向けの場合だとYoutubeとSENのみならずニコニコ動画、Ustreamなどにも対応しないとハードとソフト、ネットの融合は難しいかと思います。

次のパート3では創業者精神の希薄化に対してコメントしてみたいと思います。
Posted at 2012/04/08 06:05:55 | コメント(1) | トラックバック(0) | 起業・ビジネス | 日記
2012年04月08日 イイね!

原点回帰 - Part 1:ソニーのハードウェアの凋落

ソニー、消費者家電とプロフェッショナル事業の連携を加速=社長

[東京 5日 ロイター] ソニー(6758.T: 株価, ニュース, レポート)の平井一夫社長は5日、東京都港区の本社で、エレクトロニクス事業を強化するため、消費者家電(コンシューマ)とプロフェッショナル事業の連携を加速させていく方針を示した。

消費者家電とプロフェッショナル事業の連携加速で、放送局など業務用機器の技術をコンシューマ製品に応用するモデルを強化する方針で「これがソニーを活性化、再生するための重要な処方せんになる」と述べた。

「NAB(国際放送機器展・16日から米国ラスベガスで開催)」に出展する製品説明会の冒頭あいさつで語った。

ソニーは1958年に厚木事業所(神奈川県厚木市)でVTRを開発した。それ以降、プロフェッショナル用のカメラやレコーダーの技術開発を先行し、時間を経てからコンシューマ製品に応用するモデルを展開。当初は業務用に開発したイメージセンサーの技術を、コンシューマのデジタルカメラに応用するといったパターンで事業拡大を図ってきている。

平井社長は「技術開発の源流はハイエンドのプロフェッショナル領域から創造されている」と指摘。今後も「厚木の技術開発をさらに拡充し、コンシューマ部隊との連携をより密にしていく」と述べた。その上で「これこそがソニーのエレクトロニクス事業の勝ちの方程式。これからは従来以上に技術を大切にし、業務用からコンシューマまで魅力的な製品群の開発に努める」と語った。

今後はフルハイビジョン(HD)の4倍の解像度の「4k」の領域に注力する方針を表明。4k領域では、映画館向けのプロジェクターや業務用編集機器を製品化しているほか、昨年12月に家庭用のプロジェクターを発売。さらに、4k映像を1秒間に60コマで撮影できる業務用カメラの「F65」(価格500―600万円)を今年1月に発売した。

平井社長は「4kについては、これからもコンシューマを含めて積極的に製品化を図って市場をリードしていきたい」と述べた。また、製品説明会終了後、根本章二執行役は記者団に対し、4k対応のテレビや家庭用ビデオカメラを開発していく方針を示した。

ロイターより

ソニーの平井社長「電機を重視」 就任後、初の会見

 ソニーの平井一夫社長兼最高経営責任者(CEO)が5日、1日の就任後初めて記者会見した。「エレクトロニクス(電機)事業とその技術開発を重視してソニーを率いる」と述べ、テレビやデジカメなど「本業」に軸足を置いた経営を目指す考えを示した。

 平井社長は、ソニーがテレビ局用の機器開発を世界初の家庭用VTR(録画機)発売につなげた例を挙げ、「業務用の最先端の技術を消費者向けに製品化する。これこそソニーの勝ちの方程式だ」と強調。業務用と消費者向けの垣根をなくして技術と製品を開発することが、ソニーグループを再生させるための重要な手法と位置づけた。

 平井社長は音楽、ゲーム部門の経験が長く、電機部門の経験がないまま本社の役員に就いた。ソニーは2012年3月期の連結決算で2200億円の純損失を見込む。業績回復には赤字のテレビ事業立て直しが不可欠で、「不得手」とみられがちな電機部門を重んじる姿勢をアピールした。

朝日新聞より

これらの記事から何が読み取れるのでしょうか。個人的な意見を述べるとすれば

脱・ストリンガー体制

としか言い様がないと思います。
事の発端はテレビ事業(エレクトロニクス部門)の凋落でその背景には

S-LCD設立による技術流出と自社生産の低下
− 出井氏から始まったハードとソフトの融合の失敗
− 創業者精神の希薄化

まずS-LCD設立(サムスン電子とソニーの合弁会社)の背景にはコスト削減が根底にあり、ストリンガーもいいものであれば自社ではなく、他社から購入することも厭わないというような趣旨の発言もしているくらいコスト削減を重視しており、S-LCDを設立したことにより日本国内での生産コストと比べるとかなり削減できたものの、サムスンからみたらソニーの技術者は喉から手が出る程欲しい物。

方やストリンガーからしてみたら技術(ハードウェア事業)にこだわるよりも、ソフト事業(コンテンツ事業)を重視しており、大量の技術者をリストラで処分していったのですからS-LCDのソニー側の技術者からしてみたら、サムスン電子に移ること自体、躊躇はなかったと思います。その結果、サムスンのテレビ(=S-LCD製)の品質は格段に上がりましたからね。ソニーとサムスンが同じパネルを使い、サムスンの方が安かったら当然ながらサムスンのほうが売れるでしょう。

それにストリンガー時代に所謂ソニーらしい製品というのがあったかというと、何も思い浮かびません。むしろ、ストリンガー時代はやたら、Sony Entertainment Networkのプロモーションに注力していた感じしかありません。

ソフト事業ばかりが先行し、ハード事業はむしろソフトのお膳立て役という立場に追いやられていた感じがしてなりません。
ハードに関して言えば品質の低下は明らかで、最も明白な例を取り上げれば

プレイステーションポータブル

PSP-1000とPSP-3000では明らかな品質の違いがあり

PSP-1000:筐体が非常にしっかりとした作りになっている反面重さがある
PSP-3000:軽いが筐体は1000と比べると華奢。いつ壊れるかわからないような作りに感じる。

その上に、ソニータイマーという悪しきイメージが付いていましたから、尚更ソニーに対してのイメージは悪かったと思います。実際、自分もVaioを持っていたのですが、物の見事に保証期間終了から間も無く壊れましたし。
ただ、他の製品は未だに問題なく動いています。(目覚まし機能付きラジオ、Hi-MDとカセットウォークマン、PSP、PS2とPS3等)

ちょっとあさっての方向に行ってしまいましたがS-LCD設立による技術流出、ストリンガー体制の技術力の低下がまず、ソニーをダメにした一つの原因だと思います。

長いのでいくつかに分けて書きたいと思います。Part2では何故、ソフトとハードの融合が失敗したのかを取り上げたいと思います。
Posted at 2012/04/08 04:07:35 | コメント(3) | トラックバック(0) | 起業・ビジネス | 日記

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「スバル・三菱・スズキのAWD性能を比較してみた http://cvw.jp/b/205797/48144383/
何シテル?   12/15 22:42
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