• 車種別
  • パーツ
  • 整備手帳
  • ブログ
  • みんカラ+

Heero Yuyのブログ一覧

2012年08月03日 イイね!

グリーン化税制は販売促進に繋がったのか? Epilogue

3部に分けて日本国内における国産メーカーの販売がどうなったのかを検証してきましたが、この20年間で見ると先のブログで書いた様にほとんど売り上げは変わっていません。ただ内訳を見ると2003年以降、つまりグリーン化税制適用以降、普通車は確かに伸びましたが、全体的に見るとむしろ低下傾向であり、仮にこのグリーン化税制を維持したまま、消費税を導入したら1997年の時より更に売り上げが低下するのは火を見るより明らかだと思います。

またグリーン化税制適用した事により、確かに一部のメーカー、特にトヨタは恩恵を受けましたが、その反面、もったいないと言う精神を希薄にし、エコと言う大義名分のもと使い捨て社会に繋がったのではないかと思えます。他にもグリーン化税制、エコカー減税、エコカー補助金と言うのはカンフル剤にはなったとは言えど長期的にはあまり役に立っているとは言えず、むしろ行うべきは抜本的な税制改革ではないかと思います。

グリーン化税制を廃止する事で旧車と新車の共存は十分可能ですし、むしろ旧車を維持する事によりレトロフィットの技術や板金、リストア技術の向上にも繋がりますし、こういう分野での技術革新が行われる事で他の分野にも波及する=雇用対策にも繋がるのではないかと思います。

先ず最新のエンジンを動かす為には当然ながらECUが必要なのでエンジン開発は当然の事、電気、エレクトロニクス関係に波及しますし、排ガス関係では環境適応技術の向上、板金、リストア技術の向上は塗料、シート周り(紡織関係)、板金技術の向上にもつながるので当然ながらそういう面での雇用にも繋がると思います。また、日本の場合、部品供給が比較的短い期間で終わると聞きましたが、そういう体制も見直すべきだと思います。特に良く出る言葉が在庫維持は費用がかかると言われますが、現在、エンジン開発を見ると単独開発と言うのが減っており、2、3社で共同開発が定番となりつつ有ります。ならば、旧車も資産である以上、日本メーカーが共同出資して旧車の部品を作る会社を作るのも一つの手では無いのでしょうか。むしろ大量生産ではなく、少数生産、受注生産を基軸とすることでビジネスは成り立つと思います。

抜本的な税制改革を行う事で新車を買う人、あるいは今有る車を維持したい人にも恩恵は当然あります。ただ、これらを同時に行うには何よりも

景気回復

では無いのでしょうか。今回は自動車と言う分野に特化しましたが、税金、景気回復、規制、これら全て

政治、政治力

に繋がっております。曲がりなりにもこうやってカーライフがなんとか続けられるのはやはり今までの政治の積み重ねがあり、政治が比較的安定しているからに他なりません。

今の様にデフレ時に増税なんか行ったら更にデフレが悪化するだけですし、ましてや車を購入したり、維持したりするのも難しくなると思います。

少々、話が脱線しましたが、今の様に何かとエコと言う言葉に踊らされていい物でしょうか?

今、自動車メーカーが行うべきは新しい車を短いスパンで出し、短い期間で開発費用を回収すると言うやり方ではなく、如何に長期に渡ってファンになってもらえる車作りこそ、課題ではないかと思います。

例えばマツダですが、この20年間売り上げは若干下降気味であるにも関わらず比較的抑えられているかと言うと







初代アテンザが発売されて以来、一貫としてZoom-Zoom戦略を継続しております。つまり乗って楽しい車を作るだけでなく、マツダのファンになって欲しいと言うのをこれらの動画に含まれております。つまり



このZoom-zoom精神は今でも宿っている事になります。
また最近の輸入車ではこんなCMも

http://youtu.be/1r7naQ5NAZI

残念ながら埋め込みは不可能となっておりますが、内容的には

良い物を長く使うそれが本当のエコ。VWにしませんか?

日本メーカーの人たちは悔しくないんですかね?このCMは色々な意味でのアンチテーゼとなっており

1)日本の買い替えるエコブームに一石を投じている
2)VWこそ良い物であって、日本車は駄作と臭わせている

1に関しては



このCMを真っ向から批判していますし(当然の事ですが)
2に関しては今の日本車に魅力などない、だからVWを体験してみませんかって事なんですよ。安ければ良いと言う時代はもう終焉を迎えつつ有るのですから。
むしろこれからは大量の安物を作るのではなく



40年近く、進化させながらも駆け抜ける喜びを追求するBMW 3シリーズ



これまた40年近く、進化させながらもハッチバックの王道を貫くVW Golfの様に長期にわたって愛される車を作る事こそ、今の日本メーカーに求められている事ではないのでしょうか。

そういう点では豊田章男氏になってから





カローラを原点回帰させ、コンパクトにし家族の為の車を作り上げたのは評価します。また、奥田一派の時代にカローラなんて名前はオールドファッションだからやめようって言った際に反発した技術者達に敬意を表しますよ。
それこそゴルフや3シリーズって呼称は古くないのかってなりますからね。

つまりは良い物は時代を超えても良い物であるんですよ。その良い例が先に取り上げた約100万キロ走り続けている三菱のパジェロだったり、100万キロ以上乗り続けた(ている?)メルセデスベンツだったり

参考:車は長く乗り続けたい ベンツ:25年以上乗り続けたオーナーに聞く 100万キロ走破も

するんですよ。つまり旧車に乗っているから新車が売れないなんて言うのは単なる詭弁ですし、新車を買いたい人は買うんですから、いい加減、こういうインチキな税制をやめるべきですし、それに、その車がどうしようもなくなった場合は大抵は同じメーカーで買い替えたりするのですから。これも約100万キロ走行のパジェロオーナーで実証済みなのですから

> それまで三菱ギャランに乗っていて、週末だけ運転していた先生が、この山の中に開校することを決め、準備を始めた1988年にパジェロに乗り換えた。

>  一昨年、パジェロロングディーゼルを一台購入した。新世代のクリーンディーゼルが決め手となった。長距離はこちらに任せ、97万kmは近くを走るように乗り分けるようにした。
> 新しいパジェロの走行距離は、もうすでに8万kmに達しているのは、毎週のグランドツアーがいかに距離を延ばしているかの証拠だ。

要は如何にその車とメーカーにファンになってもらえるかで売り上げは左右されてくると思います。むしろ今みたいに、何でもすぐ乗り換えろなんて言う風潮の方がおかしいのですから。
それにディーラーでは出来ない事、頼みにくい事、あるいはディーラーでは高くつきすぎる物に関してはサードパーティの会社で出来るのですから。具体例としては

1)村上タイヤさん:旧車向けのタイヤ販売、取り付け
2)タイヤ館松本さん:エアコンガスクリーニングやヘッドライトクリーニング
3)アユミデンキさん:電装系全般(純正クルーズコントロール取り付けやオーディオ周り、コーディング等)

つまりは共存出来ると言う証明なんですよ。
今一度、カーライフとはなんなのか考え直してみるのも良いと思うのは自分だけでしょうか。
Posted at 2012/08/03 02:55:02 | コメント(2) | トラックバック(0) | 自動車関係 | 日記
2012年08月03日 イイね!

グリーン化税制は販売促進に繋がったのか? Part 3:1993〜2012

第三部ではこの約20年間、つまりグリーン化税制が適用される前と後からどのように変動したのか見てみたいと思います。

先ずは全体像から見てみたいと思います。



さすがに20年だと膨大なグラフの量になりかねないので20年は1年ごとの売り上げに変更しました。実はこの20年間、全体的に見ると大きな変動が無かったと言っても過言ではないと思います。
つまり、グリーン化税制なる物を導入しなくても1997年には大幅に売り上げが下がりましたが、1998年から2001年にかけては地道に復調傾向となっており、2001年に至ってはほぼ1994年と同水準だった訳ですから、無理にグリーン化税制なんか導入しなくても問題は無かったのではないかと思います。
では1997年に何が起きたか、調べてみると

4月1日 - 消費税増税実施(3%から5%に)

そう、消費税の増税があった年なんですよ。他の出来事を見ると

7月2日 - タイ政府によるタイバーツの変動相場制導入により、アジア通貨危機が始まる
9月18日 - ヤオハンが倒産、会社更生法を申請する。
11月17日 - 北海道拓殖銀行破綻。
11月22日 - 山一證券破綻。

消費税との因果関係は何とも言えませんが、少なくとも金融関係では2社が破綻、流通業一社が倒産と言う、景気の悪化がにじむ年だったのは間違いないと思います。

ではメーカー別に見ると



これも意外な結果が出ており、トヨタは横ばい、日産と三菱は大幅ダウン、ホンダ、スズキ、ダイハツは上昇傾向で、マツダと富士重は若干下降気味でありながらも三菱程の大幅ダウンに至りませんでした。
なぜこういう結果がでたのか内訳を見てみたいと思います。
先ずは軽自動車から





この20年間、一番売り上げが伸びたのは他でもない、軽自動車だと言っても過言ではないでしょう。特にダイハツと日産の売り上げ上昇は凄まじく、スズキ、ホンダも堅調にのばしております。逆に三菱は大幅ダウン、富士重も下がっていますが思ったよりも下がり幅は酷くないと思います。意外にもマツダはこの20年間ほとんど、売り上げは変わっていません。特にグリーン化税制適用以降は間違いなく軽自動車の伸びは凄まじいとしか言い様が無いと思います。
では小型車はどうなのか、見てみたいと思います。





ご覧の通り5ナンバー車は大幅ダウンなのですが、よく見ると面白い結果が出ているんですよね。全体的に見ると、グリーン化税制が適用された2003年の半ばまではむしろ大幅な下がりではなくむしろ緩やかな感じなのですが、2003年以降は激減しております。メーカー別で見ても、トヨタ、日産、三菱、富士重は大幅ダウン、マツダは緩やかな低下をしていますが、ホンダとスズキはむしろ売り上げが上がっています。
特にホンダはシビック、フィットのおかげでスズキはスイフトのおかげで伸びていたりします。
では普通車はどうなのかを見てみたいと思います。





普通車はこの20年間大きく伸びています。ただ、ここでも面白い結果が出ており、1993年から2003年まではむしろ横ばい気味ですが、2003年の6月以降、急激に売り上げが増加しています。では2003年6月以降に売られた車を見ると

7月24日 - 日産自動車が「プレサージュ」をモデルチェンジ(9月3日には「キューブキュービック」を発売)。
9月1日 - トヨタ自動車がハイブリッドカー「プリウス」をモデルチェンジ(29日には「シエンタ」も発売)。
9月30日 - スズキが「ワゴンR」をモデルチェンジ(10月8日には「AZ-ワゴン」がモデルチェンジ)。
10月6日 - 日産自動車が軽商用車「クリッパー」を発売(「モコ」に続く第2弾。同日、「プレジデント」もモデルチェンジ)。
10月6日 - トヨタ自動車が「アベンシス」の販売開始(これにより「ビスタ」は21年間の歴史に幕)。
10月15日 - マツダが「アクセラ」の日本国内生産を開始(翌2004年には「ファミリア」がバンのみとなり、2007年に同一車名のままフルモデルチェンジ)。
11月27日 - ダイハツ工業が「タント」を発売。
12月3日 - 本田技研工業が「オデッセイ」をモデルチェンジ。低床プラットフォーム化を実現。
12月22日 - トヨタ自動車が「クラウン」をモデルチェンジ。通称「ゼロクラウン」。エンジンがV6に一新される。

と今現在おなじみの車が発売され、特にトヨタの場合はプリウス、ダイハツの場合はタントが売り上げ増加に貢献したと言っても過言ではないかと思います。特に2003年以降は軽自動車は背高な車に、普通車はハイブリッド車のような所謂エコカー、並びに3ナンバーが主流になったと思います。ホンダは2003年発売のオデッセイのおかげもあって2003年〜2005年までは普通車が伸びましたがそれ以降はむしろ伸び悩んでいます。マツダはアテンザ、デミオ、アクセラのおかげもあって、2002年6月から2006年5月までは順調に伸ばし、むしろ2006年半ばにはピークに達しましたが、それ以降は下降傾向となっています。
三菱は1997年から1998年にかけて一旦は増加しました。この頃発売された車を見るとミラージュ、ギャラン、カリスマ、レグナム、シャリオ・シャリオグランディス、RVR、チャレンジャー等かなり多数の車が発売された時期ですが1999年以降は低下、2005年に一旦持ちかえし、2008年まで増加が続きますがそれ以降は横ばいか低下傾向に有ります。この時期、三菱が発売した普通車を見るとランサーエボリューションワゴン、ギャランフォルティス、デリカD:5、アウトランダーとかなり個性的な車が発売された年でもあります。では富士重はと言うと、2003年以降売り上げが伸びており、インプレッサ、アウトバック、フォレスター、レガシーとスバルの定番車両が定着したと言っても過言ではないでしょう。

では小型車を合わせてみるとどうなるか、見てみたいと思います。





全体的に見ると乗用車系は軒並みダウンしており普通車で健闘しても、実際には売り上げが下がっています。特に三菱、日産は大幅ダウン、トヨタは横ばい、スズキ、ホンダは若干上がり気味、マツダ、富士重は若干下がり気味と言う感じです。

このように20年を遡ってみると

ダイハツ:軽自動車による大躍進
ホンダとスズキ:5ナンバー戦略で堅調に伸ばし、軽自動車が有る程度下がり具合を抑えている
マツダと富士重:3ナンバー化によってある程度の成功を収めているが、マツダは軽自動車が有る程度支えている物の富士重は軽の販売低下が足を引っ張る
日産と三菱:この20年で大幅にダウン。ただし、日産の場合、軽自動車が販売低下を抑えている
トヨタ:ほとんど売り上げが変わらない

こんな感じでしょうか。トヨタの場合は販売している車種、販売店の数も圧倒的に多いのでなんとか堅持出来ていると言う感じでしたが、逆に言えばプリウスが無かったらどうなっていたのか?グリーン化税制無くても売れたのか?色々な想定も出来ると思います。

次回はこれらのデータを踏まえた上で結論を述べてみたいと思います。
Posted at 2012/08/03 01:17:09 | コメント(0) | トラックバック(0) | 自動車関係 | 日記

プロフィール

「スバル・三菱・スズキのAWD性能を比較してみた http://cvw.jp/b/205797/48144383/
何シテル?   12/15 22:42
どうも、在仏歴2X年を終えて帰国したHeeroと申します。 最近、みんカラの活動はほぼ冬眠状態です(;´Д`)
みんカラ新規会員登録

ユーザー内検索

<< 2012/8 >>

   1 2 34
5 67 89 1011
121314 15 161718
1920212223 2425
2627 28293031 

リンク・クリップ

タイヤ館 イエスワン 
カテゴリ:メンテナンス・アフターマーケット関係
2023/03/05 22:12:20
 
アユミデンキ オフィシャルブログ 
カテゴリ:メンテナンス・アフターマーケット関係
2011/01/27 18:14:08
 
アユミデンキ 
カテゴリ:メンテナンス・アフターマーケット関係
2011/01/27 18:09:57
 

愛車一覧

スバル フォレスター スバル フォレスター
もうこんな車出ないだろうという事で無理して購入しました。 2L、ターボ、2万キロ以下なん ...
マツダ キャロル マツダ キャロル
アルトとキャロルで迷ったところ、マツダの方でスイフトの下取りや値引きなどで好条件を出して ...
スバル インプレッサ スバル インプレッサ
久しぶりのインプレッサです。 今回もFF車です。 作りとしては前のスポーツワゴンの方が良 ...
スズキ エブリイ スズキ エブリイ
ランサーの後継車はエブリイバンになりました。 ターボ車なので加速もいいですし、乗り心地も ...

過去のブログ

2024年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2023年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2021年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2019年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2018年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2017年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2016年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2015年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2014年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2013年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2012年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2011年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2010年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2009年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2008年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2007年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2006年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
ヘルプ利用規約サイトマップ
© LY Corporation