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2012年09月10日 イイね!

マツダブランド向上戦略

新型 アテンザ でマツダの付加価値拡大戦略は成功するか

■環境性能、デザインで注目浴びた新型アテンザ

8月末のモスクワモーターショーでヴェールを脱いだマツダの新型ミディアムクラスセダン/ワゴン『MAZDA6(日本名:アテンザ)』。4期連続で最終赤字を計上するなど、剣ヶ峰の状況が続く同社にとって、先に発売したSUV『CX-5』とともに経営の立て直しを実現させるうえで、きわめて重要な役割を担う戦略モデルだ。

高度な排出ガス浄化機構でユーロ6に対応可能な新世代クリーンディーゼルをはじめとする新世代エンジン群と変速機、ブレーキ時に発電を行う減速エネルギー回生システム、2リットルモデルで1300kg台という軽いウェイト等々、マツダの持てるテクノロジーを多数投入している。また、内外装のデザインは多くのカーデザイナーの注目を浴びた。

「マツダさんが昨年、東京モーターショーにマツダ6のデザインコンセプトを示す雄(TAKERI)というコンセプトカーを出品しました。果たして量産車にどのくらい反映されるものやらと思っていたら、ほとんどそのままのイメージで出てきたのには驚きました。肉食系デザインが山のようにある欧州でも存在感を示せるくらい強いテーマ性を持ちながら、欧州車とは明確に異なる独自のテイストを持っていると思う。グローバル市場では販売台数ではともかく、イメージリーダーとしては強敵になるかもしれない」

国産メーカーのある外装デザイナーはマツダ6のデザインをこのように高く評価する。ライバルメーカーのデザイナーにマツダ6のデザインの印象をたずねると、「アクセラ、CX-5、アテンザと、デザインの意図と実物の一致度が高くなってきたように見える」「質感がとても高く見える」「こんな作りにくそうな形をよく量産する気になったものだ」などといった答えが返ってくる。

■工作精度ではなく性能を保証。アテンザ、CX-5からデミオまで

そのマツダ6の見どころは、クルマそのものだけではない。マツダはここ数年、工場における生産のあり方を根本から変更してきた。その新しい生産技術によって、マツダ6は作られているのだ。

7月、マツダはCX-5やエンジンを生産する本社・宇品工場をマスメディアに公開した。新しい生産システムが導入されたラインは、同じ物を効率的に大量生産することより、多品種を少量生産したときにコストアップにならないことを主眼としたものだ。たとえばエンジン生産だが、1.3リットル直4、2リットル直4、2.2リットル直4ディーゼル、3.7リットルV6を同じラインで製造できるよう設計されていた。生産スピードは単一機種に最適化されたものに比べると遅いが、機種が増えても即座に生産準備が可能で、設備投資も最小ですむのだ。

エンジン生産ラインでもうひとつ興味深かったのは、品質についての考え方だ。マツダの生産担当は語る。

「現在のエンジン生産ラインでは、工程の区切りごとに、設計通りのスペックが出ているかどうかを全数検査しています。品質といえば通常は、ある程度の誤差の範囲内で工作されたという作業を保証するものですが、マツダの新しいやり方は、精度ではなく実際の性能を保証するというものです。スカイアクティブで燃費性能をうたっているのに、個体差でお客様をがっかりさせてはいけないと考えて、そうしたわけです」

この検査は組立の途中、いろいろなポイントで行われる。たとえばエンジンを粗組みした段階で計測にかけ、圧縮比の微妙なズレから吸気、排気ポートの空気の流量、流速などを測ってスペックを満たさないものについては徹底調整を加える。また完成したエンジンの試運転のさいには、通常運転でエンジンを回すのではなく、巨大なトルクを持つエンジン回転用のモーターで回す。普通なら燃焼音でかき消されてしまうような小さな異音も見逃さずにすむのだという。検査項目はエンジンだけで実に500項目にも及ぶという。

こうしたエンジンの性能実測検査はもともと、顧客満足度を極限まで追求する必要がある高級車作りの技法だ。メルセデス・ベンツ、BMW、アウディ、レクサス、ないしはフェラーリやマクラーレンといったスーパースポーツカーなどが例として挙がる。

金井誠太副社長は「性能保証というクルマ作りのポリシーを、上位モデルに限らず、将来的にはすべての車種に展開していくつもりだ」と語る。現在、CX-5などの高額車だけでなく、ベーシックカーの『デミオ』の1.3リットルSKYACTIVについても同様の検査が行われ、またスカイアクティブでない普通のエンジンについても、オープンカーの『ロードスター』用2リットルをはじめ、すでに性能保証生産が適用されているものもあるという。

■マツダの悲願、付加価値拡大戦略のゆくえは

もちろんこうした検査は、コストアップ要因になりかねない。あるトヨタ幹部は「ウチもトヨタブランドではそこまでやっていない。マツダさんくらいの生産規模だから可能なのかも」と語るが、マツダにとっても決して安くすませられる方法とは言えない。

マツダが丁寧なクルマ作りを徹底させるのは、将来的にマツダ車、あるいはマツダブランドそのものが持つ付加価値を高めたいという思いがあるからだ。付加価値拡大への取り組みは、リーマン・ショックが起こる前からフォードとの蜜月に微妙な変化が起こりつつあったことを敏感に感じ取っていた井巻久一前社長の肝いりで進められてきた。販売台数をある程度犠牲にしてでも値引き販売を抑制し、中古車価格を維持するなど、バリュー向上を図ってきたのだ。

山内孝社長は「目標は2016年に170万台。マツダ6より上のクラスは作るつもりはない。セダン系ではDセグメント車(全長4.7~4.8m程度)がウチのフラッグシップ」と言う。長期的には大型のボディで後輪駆動の高級車作りではなく、同じボディサイズながら普通のクルマより高く買ってもらえる、俗に「プレミアムC」「プレミアムD」などと呼ばれる高付加価値モデル作りに活路を見出すことになりそうだ。

そのチャレンジの先行きは長い。クルマ作りひとつとっても、機械的なスペックや品質向上への熱意はともかく、マツダ自身がグローバル市場でプレミアムカーに本格挑戦した経験を持たないため、クルマをどう作ればユーザーにプレミアムカーと認識してもらえるかというノウハウが薄い。

たとえばCX-5の標準内装を見ると、インパネやダッシュボードなど、いろいろな部分が非常に良くデザインされている半面、シート地、トリム地はきわめて質素な材質、触感のものが使われている。超円高への緊急対応のためにコストダウンを強いられたという側面もあるが、たとえば1万円のものを5000円にして5000円を浮かすのではなく、1万5000円のものを使って10万円高いクルマに見せるといったプレミアムモデル作りの手法は、マツダにとってはどちらかといえば苦手科目だ。

実際、現時点では、マツダにそれだけのブランドイメージは到底ない。現行マツダ6にしても、北米での販売価格でみれば、プレミアムDのアウディ『A4』とは販売価格が1万ドル近くも違う。圧倒的なブランドバリューの格差だ。

が、歴史を紐解いてみると、アウディとて平成初期の頃までは、本国ドイツでも「空力は良いがムダに高いだけのフォルクスワーゲン」程度にしか思われていなかった。アウディを高級車ブランドにするという方針をフォルクスワーゲングループが打ち出したときには失笑を買ったくらいだったが、20年近くの歳月を経た今、アウディは押しも押されもしない“ドイツ御三家”の一角を占める存在となった。

プレミアムブランドの創出は非常に難しいことだが、不可能ではないのである。マツダは輸出比率が突出して高く、円高でも利益の出る体制を確立する場合、付加価値拡大は不可欠な条件でもある。

マツダ6は、そんなマツダのトライの序盤戦を占う試金石的なモデルと言える。歴史的な名声や技術評価はそれなりにあるもののバリューの面では凡庸なレベルに甘んじるマツダ。今すぐアウディ並みとまでは行かずとも、果たして“プチ高級”ブランドに脱皮できるか。

Carviewより

まずマツダと言う会社にどういうイメージを持っているでしょうか。
大抵の方は

- 値引きが凄いメーカー
- ロータリーエンジン
- 広島の会社
- ロードスターを作ってる会社
- 買値も安いが下取りも安い

まぁ大抵の方はこんなイメージを持っているかと思います。今回、マツダとしてはこのアテンザの発表には今までにない思いが込められていると思います



デザインも他の日本車メーカーとは一線を画していますし、内容もフルスカイアクティブテクノロジーが搭載され更にマツダと言う会社のイメージアップを牽引させる為のフラグシップカーという感じがします。

覚えてらっしゃる方も居ると思いますが、1987年にマツダは5ブランド化を行い大失敗し1996年にはマツダはフォードの下で再建が行われました
ちなみに5ブランド化された当時のCMを見てみると



マツダ

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アンフィニ





ユーノス



オートザム
残念ながらCMはないのですがオートラマ
と5ブランド展開を行ったのですが、どれも同じメーカーなのに別ブランド化されており、それ以上にマツダと言うイメージをなくそうと言う感じすら伝わってきます。

その結果、マツダと言うブランドが高まるどころか、むしろ迷走させ、マツダのイメージは地に落ちたと言っても過言ではないでしょう。
そして1996年フォードの経営陣に再建が始まり

- ロータリーエンジン車開発の凍結
- 海外モデルにはおいてフォード車のOEM販売
- 新車がほとんど無い

という厳しい条件で再建が始まりました。唯一の救いは当時ベストセラーになった



デミオが再建中にだしたヒット車で、マツダを救うきっかけとなりました。他に出した車と言うと1999年に出た



プレマシー位でむしろ廃盤になった車の方が多かったと思います。

そして運命の2002年。まず、マツダはブランドイメージとキャッチコピーを大きく一新します



Zoom-zoom戦略の展開(動画は2010年の物)
そして





アテンザを発売し、過去の名前から決別しました。
そして10年後の2012年、マツダが再び、世界に勝負をアテンザと共に勝負を掛けようとしています。

この10年間、マツダは



アクセラ



ロードスター






RX-8



スカイアクティブテクノロジー



スカイアクティブテクノロジー搭載型デミオ&アクセラ



CX-5

他にもビアンテ、プレマシー、ベリーサ等が発売されマツダ=乗って楽しいと言うイメージを盤石な物にしたと言っても過言ではないと思います。
この10年と言う節目にマツダは乗って楽しいは堅持しながら他社とは違うやり方で環境問題と向き合い、価値ある車を提供すると言う方向に向かうと言うのはどちらかと言うと個人的にはこのメーカーに近いと思います





BMW



アルファロメオ

この二つのブランドに近いと思います。スポーティであるがクリーンな車を打ち出す姿勢はBMWに近い物を感じますし、かつては迷走したが、今はイタリアのスポーティブランドとして復活したアルファロメオに相通じるものを感じます。

特にマツダ車の興味深い点は

大半が日本で生産されている事(Made in Japan, Hiroshima)
乗って楽しいは堅持
更なるブランド価値を高めるため良い車を作る姿勢

10年かけてマツダと言うブランドを育て、さらにその上を技術で目指そうと言うのは日本の物づくりの王道であり、その王道で更に飛躍させようと言うマツダはスカイアクティブテクノロジーでどれだけ世界に浸透するかはこれから解ると思います。しかし、他のメーカーが依然とアメリカ、あるいはアジアをターゲットにしている中、マツダはあえて欧州車と張り合う姿勢を全面的に出したと言うのは間違っていないと思います。

まず、上記記事に出たアウディもまずは欧州で受け入れられた事によりアメリカや日本でも受け入れられました。逆にキャデラックやシボレーが欧州で受け入れられたかと言うと、そうでもなく、ごくごく限られたマニアの間でしか受け入れられていません。またマツダもいきなりマツダは日本のアウディやBMWだと言っても受け入れられないでしょうし、それはマツダとしては望んでない事は先の試乗会で技術者の方と議論した際、はっきり申しておりました。目指すはマツダと言うブランドを認知、あるいは再認識してもらい、自社のファンになってもらい、自社製品の価値をしてもらった上で金額も納得してもらいたいと言うのが今のマツダのスタンスです。その為にもフルスカイアクティブテクノロジーを搭載したCX-5は技術者からしてみたら破格だと申しておりましたし、実際に自分で乗ってみてもそう思えたくらいです。その為にはやはり常に今出来る最良かつ最上を提供する事が日本のメーカーに求められている事であって、そのスタンスで世界に挑むというマツダの姿勢は海外で滞在している自分から見ても、凄い気迫ですし多いに賛同します。

今後のマツダの課題は如何にブランドイメージの定着と向上させるかが勝負の分け目となると思いますが、少なくともはじめから欧州をターゲットにしている以上、欧州での価値が高まれば世界で通用する車・ブランドになると思います。いきなりのプレミアム化ではなく、時間をかけて浸透させると言うやり方こそ、無理のないブランド力向上だと思います。実際フォルクスワーゲンが元々は大衆車だったのが、今ではプレミアム感ある大衆車になったのも長い時間をかけて車を育て来た事で成り立った訳なのですから。アウディも20年かけてプレミアムブランドになった訳ですので、マツダは慌てず騒がず、今、自社が信じる道を突き進んで欲しい物です。
Posted at 2012/09/10 23:30:49 | コメント(9) | トラックバック(0) | マツダ | 日記

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「スバル・三菱・スズキのAWD性能を比較してみた http://cvw.jp/b/205797/48144383/
何シテル?   12/15 22:42
どうも、在仏歴2X年を終えて帰国したHeeroと申します。 最近、みんカラの活動はほぼ冬眠状態です(;´Д`)
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