【北核実験】国会決議原案「国連決議違反」も「独自制裁強化」もなし
2009.5.26 00:27
北朝鮮の核実験問題で、与野党が26日の衆院本会議での採択を目指している北朝鮮に抗議する国会決議の原案が25日、分かった。全党一致での決議を実現しようとする自民党が民主党に起草を要請、民主案に自民、共産両党が修正を加えたもので、北の核実験が国連決議違反であることを明記せず、北に対する日本独自の制裁など断固たる措置を求めることも盛り込まれていない。
自民党内からは「これでは北になめられる。誤ったメッセージになる」(保守系議員)と反発が出て、民主党などに再修正を求めたが合意には至っていない。
決議原案の名称は「北朝鮮核実験に強く抗議し、核兵器廃絶への取り組み強化を求める決議案」。25日の衆院議院運営委員会の理事会で与野党が決議を目指すことで合意し調整に入った。参院も衆院採択後に同様の決議を行う。
複数の関係者によると、原案では、北の核実験に対し、「強く抗議」し「重大な挑戦を断じて認めず、強く抗議する」としたが、国連決議違反であるとの指摘や、「追加制裁など日本の断固たる措置」(自民党幹部)への言及はない。また、原案の4分の3近くは総論的に日本や国際社会に核廃絶の取り組み強化を促す内容で、今回の北朝鮮による核実験に触れない内容になっている。
4月7日に、北朝鮮の弾道ミサイル発射に抗議した国会決議が、発射を「明白な国連決議違反」とし「わが国独自の制裁を強めるべきだ」と明記したのに比べても後退している。この発射抗議決議には共産、社民両党が「国連決議違反」の文言を拒み、賛成していない。
自民党国対は25日夜、党内の批判を受け、民主党などに「国連決議に反して」「北朝鮮に対する制裁を一層強める」との文言追加の再修正を提案したが調整はついていない。決議までには曲折がありそうだ。
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「北朝鮮核実験に強く抗議し、核兵器廃絶への取り組み強化を求める決議案」の原案は次の通り。
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5月25日、北朝鮮は国際世論を無視し2回目の核実験を強行した。わが国はこの国際社会への重大な挑戦を断じて認めず、強く抗議する。北朝鮮はすべての核を放棄し、国際社会の査察を受け入れ、朝鮮半島の非核化に取り組むべきである。
あわせて冷戦後の現在、核兵器のみならず核弾頭搭載可能なミサイル開発、核物質や核技術の流出、拡散の脅威は高まっている。政府はこの現実を重く受け止め、非核保有国と連携をとり、核保有国の理解を求め、核軍縮不拡散の取り組みと実行性ある査察体制の確立を積極的に進めるべきである。
去る4月5日、オバマ米国大統領は「核兵器のない世界」を追求する決意を表明した。唯一の被爆国として世界の核廃絶に向けて先頭に立つ責務を有するわが国は、この機会をとらえ、核廃絶を世界的な潮流とする努力をしなければならない。
2010年核拡散防止条約(NPT)再検討会議において、そのために主導的役割を果たし、核保有国を始めとする国際社会に働きかけ、包括的核実験禁止条約(CTBT)の早期発効や兵器用核分裂生産禁止(カットオフ)条約の推進など、核廃絶・核軍縮・核不拡散に向けた努力を一層強化すべきである。
右、決議する。
産経新聞より
こんな原案では何の役にも立ちません。
民主党は一体どこの国のための政治を行いたいのかはっきりしてもらいたいところです。
北朝鮮との対話が全く無意味だったことが証明されたのにもかかわらず、よほど鳩山代表は愛が日本を救うとでも思ってるのでしょうか。
それとも鳩山代表の愛というのは無条件の譲歩で国を売ってでもということでしょうか
【北核実験】与野党、急転直下の対北国会決議修正 世論への配慮も
2009.5.26 19:47
与野党は26日、衆院本会議で北朝鮮の核実験への抗議決議を行った。自民党や民主党などが25日夕の段階でいったん合意した決議原案は、国連決議違反を指摘する文言すらない北朝鮮に遠慮した及び腰の内容だった。だが、26日に急転直下まとまった決議案は、北朝鮮に対し厳しい姿勢を示すものに変わった。自民党保守系議員の反発に加え、衆院選が迫る中で、各党が北朝鮮の核実験に対する世論の怒りに配慮せざるを得ない事情もあった。
「こんな決議ではぬるすぎる」「日本の追加制裁が書いてないじゃないか」
26日、国会内で開かれた自民党役員連絡会で、古屋圭司広報本部長や菅義偉選対副委員長らは決議原案を批判した。原田義昭筆頭副幹事長も「国連決議違反だとも書いてない。共産、社民両党に配慮したのかもしれないが、原理原則を曲げてはいけない。衆院と(野党が多数の)参院の決議が違ってもいいから、きちんとした決議にしよう」と直言した。
4月の北朝鮮の弾道ミサイル発射に抗議する国会決議では「国連決議違反」の文言などに反発する共産党が反対、社民党が棄権していた。決議原案は全会一致を重視するあまり、国連決議違反を指摘する文言だけでなく、日本独自の制裁など断固たる措置を求める内容も盛り込まれず、日本の原則的な姿勢を著しく損なうものになっていた。
古屋氏は前日の25日夕、自民党国会対策委員会の幹部に対し、「こんな内容なら反対だ。党内に納得しない人は多いですよ」と伝えていた。
「これでは混乱する」
深刻な事態に気づいた自民党国対は同日午後6時過ぎになって民主党に修正を求めたが、各党担当者は国会を後にしていたため再調整に乗り出せなかった。
こうした中、自民党の大島理森国対委員長は26日朝、役員連絡会に先立つ国対会議で「全会一致になるか分からないが、考え方を改めた。自民、公明両党だけでも決議する」と宣言し、こうした意向を民主党に伝えた。民主党は自民党に「野党の分断をねらったのか」(民主党の衆院議院運営委理事)と不満を伝えたが、最後は自民党の方針転換を容認した。
それどころか、民主党国対幹部は社民党の日森文尋国対委員長に電話し「核実験やったんだぞ。(賛成しないと世論に批判されて)持たないよ」と、世論を持ち出す説得まで行った。
ミサイル発射抗議決議には反対した共産党も最終的に賛成に回った。自民党閣僚経験者の一人は急転直下の決議案修正と全会一致について「選挙が近いんだよ、選挙が」と語った。
産経新聞より
世論に頼るだけじゃだめなんですよ。確固たる態度を示さなければいけないこの時期と相手に対し
「国連決議違反」の文言などに反発する共産党が反対、社民党が棄権していた。
労働問題等ではそれなりの党が外交関係になるとなぜか譲歩してはいけない相手に譲歩する。とても確かな野党とは言えません。
とても国家主権が脅かされている危機意識が感じられません。
【北核実験】北朝鮮への衆院抗議決議の全文
2009.5.26 13:59
衆院本会議が26日午後に可決した北朝鮮に抗議する決議の全文は次の通り。
北朝鮮核実験実施に対する抗議決議
5月25日、北朝鮮は、国連決議や六者会合共同声明、更(さら)には日朝平壌宣言に明確に反して、2回目の核実験を強行した。
この暴挙は、先般のミサイル発射と並び、我が国を含む地域の平和と安定を脅かすものであり、我が国政府は、国際社会と連携しつつ、我が国の安全を確保すべく万全の措置を講ずるべきである。
同時に、度重なる核実験は、国際的な核不拡散体制に対する重大な挑戦であり、唯一の被爆国の我が国としては、決して容認できるものではない。特に、最近の核廃絶の気運の高まりに逆行するものであり遺憾の極みである。北朝鮮に対し、これまでの諸合意に従い、すべての核を放棄し、国際社会の査察を受け入れ、朝鮮半島の非核化に取り組むよう要求する。
政府は、北朝鮮に対して制裁を強めるなど断固たる措置をとるとともに、拉致問題、核、ミサイル等、北朝鮮との諸懸案を解決すべく、国際社会の理解と協力を得つつ、外交努力を倍加すべきである。
右決議する。
産経新聞より
【麻生首相ぶら下がり詳報】「敵基地攻撃、法理上はできる」(26日夜)
2009.5.26 19:50
麻生太郎首相は26日夜、北朝鮮の核実験強行を受けて自民党内で「自衛隊も敵基地攻撃能力を保有すべきだ」との意見が出ていることについて、「法理上は(攻撃)できる。攻撃を出来るということは、よく承知をしている」と述べた。ぶら下がり取材の詳報は以下のとおり。
【北朝鮮核実験】
--北朝鮮の核実験について。日本時間の今日未明に国連安全保障理事会の緊急会合が開かれ、議長談話が発表された。今後、国連安保理において新たな採決に向けて日本政府の対応は
「今回の北朝鮮の核実験は、日本の安全保障上、断じて容認できるものではありません。明確な国連の安保理の決議違反ということも、はっきりしていると思っています。オバマ米大統領とも電話で話をして、少なくとも、今回の一連の北朝鮮の行動に対しては、強力な決議案を迅速に出すということが正しいメッセージなんだと、北朝鮮へのメッセージなんだということで、一致をしています。今から国連安保理でいろいろ議論が行われるでしょうけど、基本的にはその筋でいかねばならぬと思っています。あわせて、核抑止力を含む安保体制に関しては、ゆるぎのないものだということを合わせて確認したとこでもあります」
--今より厳しい制裁を含めた決議を求めていく考えか
「それは各国の話をしてるんですか」
--日本政府として
「日本政府として、まず安保理議決が最初です。それからその後の話です。その内容によります」
--与党内では日本独自の制裁についてより厳しくとの声も上がっているが、あくまで国連の安保理の議決が先だと
「国連の議決が先です。その上で、各国がどうするか。これは日本以外の国もありますから」
--「北朝鮮の核基地を攻撃する能力を自衛隊も持つべきだ」という意見が自民党の部会などで出ているが
「これは一定の何、枠組みを決めた上で、法理上はできると。攻撃を出来るということは、昭和30年の時代からの話だということは、よく承知をしています」
【党首討論】
--党首討論について。明日、いよいよ、鳩山民主党代表と、初めての党首討論になる。改めて、民主党との違いをどのような点で明らかにしていきたいか
「党首討論については、今年に入ってから、何回となく民主党に申し込んでいたと記憶しますが、初めて受けるということになられたということで、私どもとしては前から、こちらの方から申し込んでいたとこでもありますので、党首討論ができるということになったのはいいんじゃない、良かったことだと、私自身はそう思っています」
「何をといえば、政権担当能力は問われているんだと思っています。したがって、われわれとしては、自由民主党がこれまでやってきた政策、経済対策、いろいろありますけど、そういったものを含めて、政策の内容、また、民主党がやられようとしておられる、どういう政策なのか、そういった政策内容が聞けるもんだと、私どもは楽しみにしています」
【厚労省分割】
--今日、厚労省の分割・再編について所管する5大臣の会合があった。甘利明行政改革担当相は会合後に「首相の思いを共有した」と言ったが、どう再編を進めるのが望ましいか
「どのように進めていくか。6大臣というか、官房長官を含めて6大臣で会合をしておられるのだと思います。そのなかで、いろいろとご意見が出てくるんだと思いますが、官房長官に対しては、『今の時代に少なくとも、あまり役所が巨大すぎて、いろいろ不満が出てきているという現状に照らして、機能的にことが進められるようなものに(してほしい)。これが基本だ』と言って、後の、どうやってそこまで詰めていくかは、官房長官を入れて6大臣会合で担当してもらう、検討してもらうことになります」
産経新聞より
外交努力もいいですが、国家主権が脅かされている以上、敵基地を攻撃することも辞さない位の覚悟を表示してほしかったものです。
そのくらいにしないとただでさえ諸外国からなめられきっている日本国なのですから。