今回の記事は非常に長いので割愛させていただきます。
独占公開!サムスンが呑み込んだ日本の技術
さてこの記事を読まれてどう思いましたか。
2chでもかなり話題になっておりますが、極端な事を言うと
1)社員に貢献しなかった会社が悪い
2)技術をサムスンに売り飛ばした社員は売国奴
大体、この二つに分かれると思います。事はこの二つで解決できるような問題ではないと思います。
> それはキヤノンの開発センター室長を歴任した男で、デジタルカメラの“絵づくり”のノウハウが詰まった半導体を担当していることで知られていた。保有特許も数十個に及び、経歴書には「画像処理装置」「映像装置」「電子カメラ」などの文言が並ぶ。
> 調査を依頼されて、足跡を追いかけた人材会社の関係者は語る。
> 「サムスンにヘッドハントされたとみていますが、決定的な証拠がつかめずに困っています。韓国語名で働いている可能性もある……」
> サムスンは日本人技術者を引き抜いたこと自体を隠すために、時として韓国語の通り名と名刺を渡して雇用することがあるのは、よく知られた話だ。
サムスンからしてみたら喉から手が出る程の人材ですし、キヤノン側からしてみたら、なぜという意識があるでしょう。
当然ながら、サムスンからしてみたら、いくら金額を積んでも惜しくない人材です。
ではなぜ、この技術者がキヤノンを去り、サムスンに行った可能性があるのか。
1)待遇が悪かった
2)会社にいくら貢献しても、自分の望んだ待遇とはかけ離れていた
3)待遇が悪いと会社に申し出たら、窓際にされたり、パワハラを受けていた
大体この3パターンに分けられるでしょう。日系企業に勤務していた事もありますが、都合の悪い事にはふたをするという特徴があり、会社に意見を述べるような人間には冷遇する兆候が非常に強かったりします。
その結果、鬱病を発症したという感じの精神障害や、最悪は自殺というケースに陥ります。
そういう諸々鑑みると、こういう技術者が他国に流出するのは致し方ないと思います。
実際、自分も求職者の身分ですので、就職案内をみると
1)平均年収は450万程度
2)一部の企業は自分たちのルールを押し付けるところすらある
3)何よりも即戦力ばかりを望み、育成という部分が欠けている
> 「サムスンへ転職する日本人の中には、“お土産”をどっさり持って韓国へ渡っている人もいます」
> あるサムスン日本人技術者は、そう暴露する。決して日本人同士で打ち明けたりはしないが、サムスンで生き残るための切り札として、辞める際に勤めていた日本企業の内部資料を持ち出しているというのだ。
> もちろん、これは見つかれば即アウトの違反行為だ。しかし、最近日本の家電メーカーからサムスンに転職してきた複数の技術者たちによれば、いまだに「内部資料をハードディスクに丸ごとコピーして、いとも簡単に持ち出せてしまう」状況なのだという。
> そんなセキュリティの甘さだから、サムスンへの転職者以外からも機密情報が漏れ出している。
単なるセキュリティの甘さだけではないと思います。
これだけをみれば法令やルール違反の反逆者だと思われるかもしれません。
しかし、冷遇された身からしてみたら、自分が開発してきた物を持ち出して何が悪いのかという意識が働きます。
ましてや方や450万円〜600万円しか出さない日本企業に対し、800万円以上を出すと言えば、誰だって、800万円の企業に移りたいと思うのは当然だと思います。特に、今のように
家庭やローンを抱えたら、待遇を悪化させたり、やめたら後がないというような雰囲気を作り出し、社畜にする兆候があります。つまり、嫌々ながらでも働き続けなければならず、そういう人間は機会を見つけたら逃げ出すというパターンに陥ります。
> 「蛇の道は蛇。見極めが難しいが、絶対に会社へ通報しないと思われる、モラルが低そうな社員を見つけて声をかける」のだと声を潜める。そのときは300万円ほどの報酬で、まとまった内部資料を手に入れたという。最終的に、その資料はサムスンの手に渡ったのだ。
年300万円とは思えません。むしろサムスンにとっては貴重な資料である以上、ボーナスとして300万円を上乗せしたと考えた方が良いと思います。
仮説として、この社員が年収が400万円だったとして、サムスンが提示した条件は年600万円+ボーナスとして300万円出すとしたら、当然、目がくらむと思います。
> 貢献度に応じた適切な技術者の評価と、情報管理の問題。これらの情報流出リスクをコントロールしなくては、サムスンに手の内をさらけ出したまま戦うことになってしまう。そして、残念ながら多くの日本企業が今まさにその状況だ。現状ではサムスンとまともに勝負することすら、おぼつかない。
セキュリティというのであれば上記のようにできないようにするだけではなく、させないという風にしないといけないと思います。力で押さえつければ反発する可能性が高くなり。より情報流出の恐れは高くなります。
どうせやめるんだから…という意識が強くなるのと、自分が作り出した結果を見せたいという両方の意識が働きますので、力で押さえつけるのではなく。
できれば、ここで長くいたい。
という状況を作らなければ、この悪しきスパイラルには終止符をうてないと思います。
ましてやリンク先にも載っている企業をみるとパナソニック、シャープ、ソニーのような大企業がメインな上に、共通しているのは
どれも業績が落ちたり、リストラがあった企業
です。つまり、自分はいつ解雇されるかわからない、どうせ解雇されるなら少しでも待遇のいいところに行きたいという心理に陥ります。
また、もう一つの問題として、ではこういう技術者が流出した場合、技術は継承されるのかという問題が起きます。
例えば老舗の鰻屋や蕎麦屋に共通しているパターンとして
たれは創業以来継ぎ足して使っている
というところが多いです。なぜか?一度失われたらその味は取り戻せないからです。
また、代替わりすると大抵、悪くなるのは、今まで慣れ親しんだ味が失われ、全く別の方向に向いてしまっているからに他なりません。
これは技術も同じでやめたら新しい人材を雇えば良いというスタンスではなく、どうやったら今のポジションをキープするか、そのためには今いる技術者が新人を育成し、次へとつなげる。そしてその技術者の待遇を良くしなかったら、技術は失われてしまう。
という事になります。中途採用であろうと新卒であろうと、教育しなければ育ちませんし、今はまだ良いかもしれませんが、即戦力と言われる人材がいなくなったらどうなるのでしょうか。
一部の人は海外から呼べば良いという人もいらっしゃいますが、外国人は基本的にドライです。報酬が高ければ高い方に行きますし、基本的に9時ー17時でしか働きません。当たり前の事ですが。日本人のような融通は利きません。
また不安定な環境や待遇が低いと将来に希望を持てないので当然ながら家族を持つという意識よりも、いかに今日という日を乗り越えるかという状況になりますので少子高齢化に拍車がかかるばかりです。日本企業は
人=コスト
という概念を捨てない限り、このような状況が改善されるとはとても思えません。何しろ所謂グローバル化によりこういう人材流出はもっと起きると思います。そうなった際、誰が日本の技術を守れるのか。それは日本人だけにしかできない事なのですから。例えば軽自動車にしたって、日本だから作れた車であって、外国車では作れません。だからグローバルスタンダードなんて言ってますが、それらの車が日本の道路事情に合うとは思えませんし、これからこういう外圧が増えるでしょう。そのためにも何をすべきなのか、何をしなければいけないのか、それをできるのは我々、日本国民だけしかいないという事は忘れてはいけないと思います。