まず、一件気になることがありましたのでご説明させていただければと思います。
あるお友達のブログに私のブログに関するコメントがありました。
> ちょっと曲解があるように感じました。
> まず、ドイツの排ガス問題を取り上げておられますが、これはVWとは違って違法ではないのですよ。
もし、このような認識を与えてしまったのであれば、それは私の文章力の低さに由来するものであり、ご迷惑をおかけしてしまって大変申し訳ないと思います。
確かに私のブログでVWの事件と比較した内容を盛り込んだ記事があります。
該当する記事は
こちらのこの部分かもしれません
> VWは先の記事でも書いたように意図的に変更するプログラムを設け、NOxの基準などを回避する仕組みを作っていたこと(=通常走行の際には毒ガスをばらまく)、三菱は日本方式での燃費測定ではなくアメリカ方式の測定で行ったことによりカタログ燃費が若干下がること(そもそも、カタログ燃費だけで車を選んでいる訳ではない)なので、悪質の度合いは全く別物です。
私の文章力の低さが誤解を招いたことに関してはお詫び申し上げます。ここで伝えたかったのは
・VWの悪質さの度合い(VWは明確に試験をパスするためだけに作られたソフトを使用した(違法か脱法))
・三菱の場合は測定方法が違う事が由来するのでVWとは異なる
ということです。
根幹的な部分としてどちらも不正(違法であるかは別として)であるのは確かだということをお伝えしたかったわけです。
ただ、そのような意見はお友達のページで言うのではなく、私に直接言って欲しかったのが実情です。無論、間違っていることも多々あると思います。その際はきちんと精査し、お詫びや訂正、説明などさせていただければと思います。
本題に入りますが、まずはこちらから
25年前から規定無視=社長「知らなかった」-燃費目標上方修正繰り返す・三菱自
> 道路運送車両法は91年に走行抵抗の測定法を指定したが、三菱自はこれとは違う従来方法を継続。07年には社内の試験マニュアルだけ法令に沿った測定法に改定し、実行していなかった。
つまり、三菱は25年間10モードで測定していたことになります。
当然ながら、旧規格でやっていた以上、燃費の差は広がります。
これを踏まえた上で次の記事をご覧いただければと思います。
「責任取ってもらう」と批判=三菱自不正で日産幹部
> 日産自動車の関潤専務執行役員は25日、北京市内で記者団に対し、三菱自動車から供給を受けた軽自動車の燃費不正が発覚した問題について、「責任を取っていただく」と厳しい調子で批判した。
まず、PDCAという言葉を耳にされたことはあると思いますが、念のためおさらいとして書かさせていただきます
Plan : 計画
Do : 実行
Check : 確認
Action : 改善
これらの頭文字をとってPDCAと言われますこれが一つのサイクルとなっているのでPDCAサイクルと言います。このサイクルは工業界では当たり前に行われており、特に品質管理においては基本中のきとも言われています。
今回の問題はこのPDCAサイクルのC、つまり確認に何らかの欠陥があったと思います。
まず、NMKVと名前がつくように日産と三菱の共同開発です。
共同開発ということは確認作業は三菱だけでなく、日産でも行っているはずです。
それではなぜ、日産だけが被害者になるのでしょうか?もし全てを三菱に丸投げしていたというのであればそれは単なるOEMであり共同開発とは言いません。その場合であれば責任を取っていただくと言われても仕方がないと思います。
しかしNMKVという合弁会社で作った車を日産が作ったというのは詐称に相当するのではないのでしょうか。そうなると最大の被害者は日産ユーザーではないのでしょうか。日産は軽自動車という旨味だけが欲しかったという事になるのではないのでしょうか。
つまりこの論調だとNMKVとは名ばかりで三菱だけに任せていた、つまり確認も何もしなかったということになるのではないのでしょうか。それでは、ガイアの夜明けに出ていた日産の技術者はなんだったのでしょうか?
もう一つの問題は国の責任です。
10モードから10・15モード、そして今のJC08モードと変わりましたが、新しい燃費規制に変わった際、国はなぜ抜き打ち検査や監査をしなかったのでしょうか。
本来であれば規制や法改正があった場合、国、正確には行政にも指導や監督する責任はあります。つまり25年間、こういう事がなければ見過ごしていたことになります。行政に怠慢はなかったと言えるのでしょうか。特に規制が変わった場合、現場に大きな混乱が生じるのは予想されます。その際、行政は規制変更が起きた時は全て丸投げという事でしょうか。つまりは行政も仕事をしていなかった事になります。本来であれば行政は規制変更の際、支援や指導を行うべきです。実際、我々国民が市役所や県庁などの役場に行った際、何か資料などが足りない時は指導してくれますが、企業に対しては何もしていないことになります。つまり企業には何も言わない、ただ上がってくる報告を鵜呑みにしていると言う事になります。逆に言えば、企業には脱法行為の余地がいくらでもあるということになります。(パナマリストがいい例)
行政が仕事をしていないという事は、今話題になっているマイナンバーの運用は非常に怖いものになります。何か問題があったら行政は一切責任を取らず、全て運用している会社に責任をなすりつけるという事になります。
今回の問題は三菱だけの問題では済まされない問題です。
・三菱自工
・日産自動車
・国土交通省(旧運輸省)
これらの企業や省庁の責任が問われるのが筋ではないのでしょうか。
上記の記事に書かれていることが事実であれば、当然ながら規制を遵守しなかった三菱が責任を問われるのは必然だと思います。しかし、提携先である日産が見抜けないというのも問題ですし、被害者を装うのは提携している上に合弁会社を設立している以上論外です。また行政もやるべき事をやっていなかったことにもなります。
三菱だけに責任をなすり付け、それで終わらせていいものでしょうか。今回の問題、国の根幹すら揺るがしかねない問題になると思います。特に行政が仕事をしていないということは他社はどうなっているのか、そういうこともはっきりさせないと誰も納得しないと思います。
Posted at 2016/04/26 23:51:52 | |
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