中国工場見学記 レポート
「マジメさはもう日本人以上ですよ」
私は東風日産の花都工場から立ち去る時、ずっと心に引っかかっていた質問を現地駐在員にぶつけてみた。
…ぶっちゃけ、中国製のクルマの品質ってどうなんですか?
「もう、日本の工場と全然変わらないですよ。パーツ品質は既に世界トップレベルですし、不具合率も5ppm、つまり発生率で100万分の5と日本と全く変わりません」
…でも労働者の質ってあるじゃないですか。
「それってイメージですよね? 今となっては中国人労働者の方が勤勉かもしれないですよ。今や日本の若い人の3K嫌いや労働意欲低下は止まらないし、中国人は元々がマジメな上に、上下関係は日本のサラリーマン以上。失敗した時のプレッシャーは物凄いんです」。
…じゃ、労働の量や安さだけでなく、質でも日本は負けてるってことですか?
「差があるとしたら働いてるのが30年のベテランか、6年目の新人かってことでしょうね。経験の差はいかんともしがたいし、いわゆる現場の“カイゼン”力では負けるかもしれない。その点は、離職率の高い中国は相変わらず不利でしょうけど」。
私は中国工場に対して抱いていたイメージがバラバラと崩れるのを感じた。漠然と感じていた中国産=B級品のイメージ。それは未だに一部の服とか電化製品はそうで、明らかにデザインや質が悪いものも多い。だが、既にユニクロは中国産だし、先日会ったゲームプロデューサー曰く「プレイステーションは今やすべて中国製ですよ」。
考えてみれば当たり前だが、今の問題は産地よりも、プロデュースが中国か外国かということの方が大きいのだ。実際、モーターショーで見ても同じ中国産でありながら、日本ブランド車の品質は高く、『CHERRY』『GELLY』など中国車はイマイチ。問題は設計クオリティにある。
ついでになぜ中国産の日産車を入れないのかと聞いたところ、「単純に台数です。中国はずっと生産が販売が追いつかないので、日本に出す余裕がないんです」とあっさり。うーむ、もはやモノ作りの現場において、日本の優位性はほとんど残されていないのであーる。
2010年アメリカを抜き、最重要市場に!
実は不肖・小沢コージは去年末、広州モーターショーに行った時、幸運にも2つの工場を見学する機会をいただいた。1つは飛ぶ鳥を落とす勢いの東風日産の花都工場。というのも日産は今や中国で一番成功している日本メーカー。2010年は初の100万台越えの102万台を発売、アメリカ市場を抜いて同社最大の販売国となった。伸び率にして実に35.5%! 09年がリーマンショックで落ち込んだ影響もあるが、とにかくハンパじゃない。
そしてここ花都工場は広州市の上側、つまり北側に位置し、昨年は東風日産として年間66万台を生産。これは日本の九州工場と並ぶ同社最大級の規模であり、2012年には第二工場を増設して年産100万台レベルまで増強するという。東風日産は日本メーカーとしては遅めの2003年にスタートし、当時は年間6万台レベルだったというから、わずか7年で実に約15倍!! にまで広がったことになる。まさに驚異的な伸び率だ。
具体的には、主にコンパクトカー系のティーダ、シルフィ、マーチや中国専用車のリビナほか、今回の広州で発表された新型サニーも作る予定で、従業員数は約5000人。
そして2つ目は広汽ホンダ。こちらは広州に3つも工場があり、中国市場向けは黄埔工場と増城工場の2つで、今回行ったのは増城工場。こちらではアコードを始め、フィット、シティ、オデッセイなどを作っており、まだ年間12万台程度の生産だが、将来48万台程度にまで持って行く予定で、これまた超右肩上がり。
とはいえ日産に比べると伸び率に差があり、聞くところによるとこれはホンダに広州汽車と別の、東風汽車と組んだ『東風ホンダ』があることに起因しているという。
知らなかったが、今の日産が強いのは組む相手が東風汽車のみだからで、ホンダのように広州汽車と同時に東風汽車とも組むと、中国メーカー同志の足の引っ張り合いとなり、人気車種の取り合いが起きてマイナスもあるという。具体的には広汽ホンダでは日本版アコードを作っているが、東風ホンダではアメリカ版アコードという具合だ。見栄っ張りの中国ならではのトラブルだ。
そのあたりの駆け引きは実に政治的で、日産はおそらく、カルロス・ゴーンという世界的タフ・ネゴシエイターがいればこその中国市場での成功とも考えられるようだ。
このままではクオリティでも中国に負ける?
さて肝心の現場だが、今回、東風日産の花都工場で中に入れたのは完成車の組立ライン。塗装が終わったマーチやティアナと思われるボディに、ドアやインパネ、シートなどを取り付けていくわけだが、明らかにわかるのは人の多さ。ご存じの方も多いが、中国工場の最大のポイントは自動化率(機械がやる工数の割合)の違いで、塗装のような難しい現場はともかく、例えば組み立てラインの場合、日本工場の自動化率が98%なのに対し、中国工場では半分程度だったり、広汽ホンダの場合は溶接工程が一番異なり、日本では自動化率100%なのに中国では61%だったりするそうな。
これは明らかに人件費の安さとフレキシビリティが原因であり、例えば広汽ホンダの場合、18歳の新入社員の月給は1700元+手当で2200元(2万6000円前後)と安い。しかも、人の場合、突発的に不具合があっても対応力があるため「先日機械が止まった時も驚くほどスムーズに流れた」(ホンダ)とか。
とはいえもちろん給料は上がる一方で、感覚的には「年に10%ぐらい上がってる」と語る関係者もいるし、これが延々と続くとも思えない。しかし、中国は今ようやっと沿岸域の経済が世界レベルに追いつき始めただけで、内陸部はまだまだ。「今後は労務費が安いところを求めて、中へ中へと行くはずです」(ホンダ)とも言う。
2010年に年間1806万台を発売し、1159万台のアメリカを抜いてとうとう世界トップの自動車消費国になった中国。聞けばその65%がビギナー、つまり“初の自家用車購入者”であり、20%が“増車”で、残りわずか15%が買い換えユーザーという恐ろしいデータもある。
まさに老人と子供、日本とは全くメンタリティーが違うのだ。しかし、海を隔てた隣国で、しかも世界最大の“ビギナー消費者大国”。確かに目を付けない理由はない。
今後私は、ますますもって中国自動車ウォッチャーになろうと誓った今回の工場見学だったのである。
Carviewより
正直、全文読んだ感想は違和感しか感じられませんでした。
> 「もう、日本の工場と全然変わらないですよ。パーツ品質は既に世界トップレベルですし、不具合率も5ppm、つまり発生率で100万分の5と日本と全く変わりません」
そのパーツを最初に作ったのはどこの国で生産したからでしょうか?はじめから支那でパーツを作ったなんてとても考えられません。
> 「それってイメージですよね? 今となっては中国人労働者の方が勤勉かもしれないですよ。今や日本の若い人の3K嫌いや労働意欲低下は止まらないし、中国人は元々がマジメな上に、上下関係は日本のサラリーマン以上。失敗した時のプレッシャーは物凄いんです」。
所謂ブルーカラーのイメージを不当に貶めたり、労働意欲を削いだのはどこのどなたでしたっけ?
希望が感じられない会社で労働意欲等わきますかね?
それに支那人は真面目だといいますが、その表向きの真面目さに騙されて、機密情報盗まれたりしませんでしたっけ?
> 例えば広汽ホンダの場合、18歳の新入社員の月給は1700元+手当で2200元(2万6000円前後)と安い。しかも、人の場合、突発的に不具合があっても対応力があるため「先日機械が止まった時も驚くほどスムーズに流れた」
その安さに釣られて支那進出して、人件費がさらに上がった際はどうするんでしょうか?仮に内陸地に進出したとしても、多額の投資をしている以上、撤退もままならない、人員削減もできない、技術流出はすでに起きているでしょうし、最終的には乗っ取られる可能性はかなり高いのですから。
> 2010年に年間1806万台を発売し、1159万台のアメリカを抜いてとうとう世界トップの自動車消費国になった中国。聞けばその65%がビギナー、つまり“初の自家用車購入者”であり、20%が“増車”で、残りわずか15%が買い換えユーザーという恐ろしいデータもある。
ちなみに支那はいつバブル崩壊するかわからない上に、支那でも反政府デモが始まりつつある以上、下手したら大混乱に陥り支那の経済が停滞する可能性も否定出来ないのですが。ましてや狂暴でモラルも低い支那人が多数いる以上、工場内でのサボタージュ行為等が起きてもおかしくありません。
参考:
バブル、格差拡大、世界と軋轢…危うい経済大国・中国が世界を左右
あくまでも個人的な予測ですが、支那に進出した企業、バブル崩壊後はとても支那に残っていられるような状態ではないと思います。
どう考えてもこの記事
支那製自動車輸入に対する警戒感を下げるためのプロパガンダにしか見えません。