の前に…
今回のソウル行は8/7~10だったんですが
2日目、つまり8月8日の夜です。
ホテルのテレビは日本語放送もありましたが特に面白いものもなかったので、CNNを見ようかBBCを見ようか、と思って結局何とはなしにBBCワールドを見ていたんですね。
そうしたら、こんなニュースが。
見出しのテロップ
ザ・ビートルズのアビイ・ロード記念日
ジャケット写真は1969年8月8日に撮影された
思ったわけですよ。
何がすごいって、ビートルズのアビイ・ロードのジャケットが撮影されて50周年ということが
「BBCワールドによって全世界に発信されるニュース項目」
であるという事実。
うちは普通の地上波もケーブルテレビ経由で見ているんですけど、わざわざ海外のチャンネルを契約したりはしていないので旅行でホテルにでも泊まらないと海外のテレビは見られません。
それが偶然こんなニュースに出会って、「おぉ旅行に来て良かった」なんて思ってしまいました。
まぁ、韓国とは何の関係もない話題なんですけどね(笑)
さて、ソウル3日目は…
2日目と同じく、朝食はヨーグルトだけで、朝昼兼用のブランチで初日と同じソルロンタンを食べに行きました。
せっかくの海外旅行で同じ店に2回行くってのも芸が無い話ですが、前にも書いたように
「冒険して入った店が美味しくないより、味が分かっている店に2回行ったほうがいい」
というのが妻の考え方なんですね。
そして、またしても昼からは夫婦別行動です。
妻は初日に行った東大門にあるファッションビルが定休日だか臨時休業だかで行かれなかったのでもう一回東大門に行きたいと。
地下鉄の明洞駅には一緒に入って、つまは東大門へ。
私は逆方向の電車に乗ります。
地下鉄のドアに、日本でも報道されたボイコットジャパンのステッカーが貼ってありました。
地下鉄車内は撮影禁止なのかもしれないですが(←よく分からない)、まぁ記録にと思って撮りました。
今回ソウルに滞在中に何回か地下鉄に乗りましたが、貼ってあったのはこの車両だけでした。
そしてほかのドアでは爪で剥がそうとしたようになっていて、現地での評判も必ずしも良くないのかなと感じました。
そしてどこへ行ったのかというと、地下鉄の二村駅。
改札を出ると通路が
漢字が書いてあるのでわかると思います。
国立中央博物館へ行きました。
雨でも濡れずに行かれるようになっています。
とても大きな博物館で、後から調べたら(また「後から」かい!行く前に調べろ!)展示室の床面積ベースで世界で6番目に大きい博物館だそうです。
全部見ようと思ったら1日では足りない、とも書かれていましたが、全くその通りですべてを見ることはできませんでした。
歴史を中心とした人文系の博物館で、石器時代から現代までの朝鮮半島の歴史や文化が網羅されています。
そんな博物館ですが、常設展示と特別展示に分かれていて、すごいのは常設展示は無料。
いや、その無料の部分だけでも全部は見られなかったんですよ。
もちろん、ツルっと眺めるだけなら全部見られるんでしょうけど、それぞれの説明文を読みながらだととても無理。
しかも、いくつも分かれている展示室の入り口部分にはその展示室が何を展示しているかの説明文に日本語もあるんですけど、個別の展示品はハングルと英語の説明だけ。
その英語の説明を読んで、分からない単語があるとスマホで調べて…ってやってたらとても時間が足りません。
でもね。
こんな巨大で収蔵品も充実した博物館が無料。
日本には韓国が(朝鮮民族が?)嫌いな日本人もたくさんいると思いますが、
これができるのははっきり言って文化大国ですよ。
館内はノーライトであれば撮影OK。(フラッシュ不可)
街並みよりも自動車よりも食べ物よりも、この博物館で一番たくさん写真を撮りました。
とはいうものの…
こういうのウザいですよね。
百済の年表なんですけどね。
百済って主な版図は半島の南西部じゃないですか。
それでも意地でも独島(竹島)を地図に入れ込んでね(苦笑)
まぁ、館内の地図資料は全部これですわ。
いいんですけど。
個人的には仏像の充実ぶりに目を見張りました。
これは日本に仏教が伝来するより前の高句麗時代の焼き物の仏像です。
焼き物と言っても技法的には「土器の時代」の流れの中にあるような感じのもので、日本ではあまり見かけないので興味深いです。
↑時代順ではないですが高麗・14世紀の阿弥陀三尊像や
↑高麗後期の釈迦誕生像(天上天下唯我独尊って言ってるやつですね)
統一新羅期の純金製仏像
まだまだ数えきれないほどの仏像があるのですが、この博物館が誇る仏像はこれ。
韓国の国宝である半跏思惟像。
この一体だけは別室に展示されています。
ピンと来た人も多いと思いますが、奈良・広隆寺の半跏思惟像とそっくりのたたずまいです。
広隆寺の半跏思惟像は新羅系渡来人によってもたらされたことが記録にもありますが、赤松製。
(ややマニアックですが赤松製であることも半島由来と思われる理由の一つになっていまして、中宮寺の半跏思惟像は楠製で渡来人の技術が日本に伝わった日本製とされています)
対してこの韓国の半跏思惟像は銅製。
本当に優しい顔の弥勒菩薩。
お目にかかれて本当に良かった、素晴らしい仏さまでした。
同時に7世紀前半の共通した仏像が残っている日本と韓国。
日韓がいがみ合うことのばかばかしさを思わずにはいられません。
もうひとつ、中国の宋時代の菩薩像。
これも、ちょっと仏像好きな人なら「どこかで見たような気が…」とおもうかもしれません。
これは宋の時代に盛んに作られたモチーフで、宋からもたらされたもの、鎌倉時代に日本で作られたもの、よく似たものが複数日本にもありますね。
仏像ではありませんが、朝鮮半島仏教を代表する僧、無学大師の肖像や
東医宝鑑など興味深いものが山ほどあって見切れません。
そもそも、石器時代から日本の縄文土器のようなものが大量にある先史時代をゆっくりしすぎて後半時間切れ、って感じもあります。
さて、実は私は大学は史学科(日本史専攻)を卒業。
ついでに博物館学芸員の資格も持っています。
そういう目で見ると、すこし展示が「平面的」「前時代的」かなというのも感じました。
何を素人が偉そうに!とも言えますが。
歴史系の博物館とはいえ、もう少し動的な展示があってもいいのかな。
せめて先史時代はその石器なり土器なりを「使っている様子」が活き活きと伝わってくる展示が欲しいところ。
と感じました。
基本、「展示と解説文」のセットが何百セットも繰り返されるという形なのが少しもったいないと思いました。
あとはこれ
シルクロードの解説が、慶州が終点になっているんです。
シルクロード全盛期の新羅の都ではあるものの、これはねぇ。
確かに慶州はシルクロードの一つの「終着点」という評価もあるのですが、客観的に見て、日本の奈良が物理的な終着点なのは間違いないです。
韓国の博物館だからといって、これは少し残念に感じました。
まぁそんなこんなで、博物館の中にたった一人で4~5時間はいたでしょうか(笑)
外に出ると、真夏の空が広がっていました。
駅に続く道でレモネードを飲んでいったんホテルに戻ります。
今日の夕食は、ちょっと気合が入ったものです。
続く