ネガティブ思考なＰＳＡの将来像…

ブルームバーグの配信でこんなニュースがあるんですが…

７月２日（ブルームバーグ）：フランスの自動車メーカー、プジョーシトロエングループ（ＰＳＡ ）は２日、中国で３番目の組み立て工場をオープンする。欧州での需要低迷からフランス国内では人員削減を進める一方で、世界最大の自動車市場である中国では事業拡大を加速させている。

プジョーは湖北省武漢に新工場を東風汽車と共に開設し、セダン型の「シトロエンＣエリゼ」と「プジョー301」を生産する。同工場の稼働によりプジョーの年間生産能力は３分の２拡大し、2015年末には75万台となる見通し。フィリップ・バラン最高経営責任者（ＣＥＯ）は２日に行われる工場の開所式に出席する。

調査会社イプソスの自動車業界担当グローバル責任者、クラウス・パウル氏（上海在勤）は「ＰＳＡにとって欧州での厳しい状況から抜け出す唯一の道が中国のようだ」と指摘。プジョーの欧州頼みが問題を増幅させてきたと述べた。

プジョーの今年１－５月の中国販売台数は32％増の23万2960台。中国自動車工業協会（ＣＡＡＭ）が発表した業界全体の乗用車販売台数の伸び（15％）を上回るペースとなっている。



今回オープンする工場の工事が始まった時の過去のニュースでは…

【中国―生産】東風ＰＳＡ、中国第３工場を起工
2011年05月19日

仏ＰＳＡプジョー・シトロエンと東風汽車との合弁会社、東風プジョーシトロエンは18日、湖北省武漢で中国第３工場の起工式を行った。工事は２期に分けて実施され、生産能力を2013年には年間15万台、15年には同30万台とする計画だ。

新工場は、スタンピング、車体組立、塗装、最終組立の設備を持ち、サプライチェーンや管理部門、倉庫施設も伴う。小型車用の「プラットフォーム１」を採用した車両を生産する。

ＰＳＡアジア法人のオリビエ取締役副社長は、新工場の建設が同社の中国事業拡張にとって重要な一歩だと述べた。同工場の稼働により、東風プジョーシトロエンの年間生産能力は15年には75万台に達し、これによって中国市場のシェアを同年には５％に引き上げる目標という。

東風プジョーシトロエンの11年第１四半期（１～３月）の販売台数は15％増の10万台超だった。








中国には３つも組み立て工場があるわけです。

私自身、中国の路上で見かけたシトロエンを少なくない回数ネタにしています。
中国製造のプジョー・シトロエンは漢字のエンブレムがつき、輸入車より少し安い値付けがされています。
日本人の感覚で中国国内の路上でシトロエンを見ても、輸入車より現地生産車のほうが１段落ちるようなイメージがあるのが正直なところです。

でも、１番目のニュースでは本国のＣＥＯが出席しての工場開きのようですし、２番目のニュースではフランス人らしき名前の副社長がアジア法人に天下ってきているのが見て取れます。
また、中国専売モデルのシトロエンもフランスのデザインセンターのデザイナーが中国市場のために特にデザインしてますよね。

中国製造のプジョー・シトロエンは一段落ちるんでしょうか？

１番目のニュースに書いてあるエリゼというクルマは、タクシーで乗ったことがありますが、乗用車としてもちゃんと出来たクルマでした。

参考までに、中国製造のホンダ・アコードにも乗ったことがありますが、ボディのチリであるとか、インパネの出来は特に劣った部分は感じませんでした。
助手席に乗っている限り、音や振動も日本車と同じでした。


じゃぁ、たとえばの話です。



「今後、日本で正規販売するプジョーとシトロエンは、中国の工場で生産することにします」
「ハード面での完成度は、フランス生産と変わりません」
「輸送費が安くなった分、定価も下げますよ」

ってなったら、皆さんどうします？

先日のニュースにあったように、ＰＳＡがＧＭ傘下になってリストラが進むと、あながちあり得ない話とは思えません。



そりゃ、今時自動車なんて国際商品。
今だって世界各国のパーツを寄せ集めているわけで、
同じパーツを使うなら、どこで作っても完成品は同じでしょ。


って割り切れるでしょうか？

中国のニュースを見て、ネガティブなＰＳＡの将来像を考えてしまいました。