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2011年07月21日

国道29号線 「わが闘走・ベストカー版」のはじまった日


*『ベストカーガイド』の創刊メンバー。右端が当時新入社員の勝股優君(現・社長)で、後ろに勢ぞろいのクルマが凄い!

もっとも直近にとどいた「ベストカー」(2011年8月10日号)の巻末を開いてみると『音羽の不夜城より』と銘打ったコラムが常設されています。編集スタッフの7~8行のコメントで構成された、読者への情報発信基地です。
ぼくの編集長時代は『音羽1丁目』でしたから、いまの編集長の、伝統を守る、健気な心遣いに感謝したくなります。

遡ること、30年。1981年2月号の『今月の音羽1丁目』は、やむなく編集長を兼ねることになったぼくの書いたものです。「編集長就任のあいさつ」のつもりが、こんなエッセイ風な呼びかけになっていました。編集の工程から逆算すると、どうやら80年の11月に書いたものでしょう。

――姫路と鳥取を結ぶ29号線は中国山脈を越える。だから、アップ・ダウンとカーブが適度で、走り屋たちが好んで挑むという。
1年半前、ぼくもその一人だった。BMWライト6エンジンのご機嫌な音楽に聴きほれていたら、そばをカローラLBが抜けていったのです。一寸見はキビキビした走りっぷり。で、うしろからマークしてみた。すぐに落胆してしまった。タコメーターなしの4速マニュアルシフト車の2ndをやたら引っ張る。(オーバーレブしたらどうするの?)コーナーの頂点でブレーキングする。(もっと手前で減速してやらないと、クルマが可哀想じゃないか)


*S君と知り合ったときはこのBMW320。アルピナまがいのストライプが今となっては恥ずかしい。  


*国道29号線旧道は鳥取県側から見ると3本あるように見える。(Pecker HPより) 
                          
 ブツクサ言いながら、いけるところでサッと前へ。それからはお手本気取りのクルージングをみせ、戸倉峠を下りたところで「お茶でも喫む?」とサイン。――こうして未知の青年と知り合ったのですが、コーヒーを喫みながら間違っている走法を指摘したところ、だれも教えてくれないから、あれでいいと思っていた、とのこと。

 1か月後、そのS君から便りがありました。あれから言われた通りを心がけるようになり、運転そのものが楽しくなった。実は、あの日、鳥取にいる恋人に逢いに行くところだったけど、最近はその恋人も安心して助手席に乗ってくれて、近く結婚できそうだ、という嬉しい報告。

 このたび、編集長を兼ねることになりました。難しい話は抜きにして、山のドライブインあたりで一緒にお茶でも喫むような気楽な雰囲気で、みなさんと誌面で交歓したいと望んでいます。ちょうどS君と知り合ったときのような感じで……。

* * * * *

 この《新・編集長》の抱負と方法論。今のぼくの想いと寸分、変っていないのがうれしいような、哀しいような。しかし、何の目的でぼくは姫路から鳥取へ単独走りをしていたのだろう。恐らく、関西関係の広告スポンサーまわりを済ませたその足で、鳥取の民窯・牛ノ戸焼の窯場へ向かっていたに違いない。青と黒の染め分け技法を見るために……。

77年の創刊以来タッグを組んでいた高橋克章君(すでに故人)を、講談社の専務だった久保田裕さんが「スコラ社」(この出版社もすでになくなり、久保田さんも2010年、彼岸へと旅立った)を興すにあたって、三推社(現在は講談社ビーシーと改称)には編集のプロが2人もいるから、と引き抜いていった経緯があって、専務取締役&編集局長でありながら、編集長を兼任する破目になったのです。だからそのころのサーキット仲間はいまだに、ぼくの立場がどう変わろうと、「局長」とよびます。さすがに最近はすくなくなりましたが……。

 改めて、現場を取り仕切ろうと心を傾けはじめて、変化があった。なにかがメラメラと燃えはじめたのです。そのひとつが「富士フレッシュマンレース」との関わりでしょう。やがて「ミラージュ・カップ」にステップ・アップし、そのなかから「ビデオマガジン創刊」というアイディアが生まれたと言い切っていいでしょう。

そのあたりの記録は、ぼくのパーソナルHP「正岡ワールド」に収録してきましたが、それらにいまの視点を加えるなどして、大幅に加筆していくのが、この『つれづれなるままに クルマ一代』となります。



創刊前夜――『ベストカーガイド』はこうして誕生した!
昨今の自動車雑誌はかつての勢いを失い、地盤低下が著しい。その中にあって「ベストカー」は業界首位の座を、熱い読者の支持とスタッフのたゆまない努力によって、守り続けている。創刊責任者として、感謝の意をこめて、30年前の誕生前後の「原像」を記すこととした。

こんなタイトルとリードコピーを添えて、ベストカー創刊30周年を記念して発行した『ベストカーCHRONICLE』に寄稿したものを参考にして、さまざまな出来事、関わりを点検し、いささか詳しく踏みこんだ記録として再生させてもいいな、と考えるようになりました。次の更新では、そこからはじめましょうか。
ブログ一覧 | つれづれ自伝 | 日記
Posted at 2011/07/21 15:40:56

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この記事へのコメント

2011年7月21日 17:27
そんな素晴らしい出会いもあるんですね☆
自分も相当駄目だしを喰らいそうです(汗)
この当時ぼBMの雰囲気も良いですね〜

コメントへの返答
2011年7月21日 20:29
戸倉峠であったS君から、さらにもう一度手紙が来ました。今、この手紙を書いているそばで、あのときの婚約者が大きなお腹をして、編み物をしています、と。

ちょっとした一言でいい、心が通い合うのは、嬉しいですね。

今日の佐伯の空は蒼いですか。酸味のあるコーヒーを今度、ご一緒しましょう。

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何シテル?   05/28 13:26
1959年、講談社入社。週刊現代創刊メンバーのひとり。1974年、総合誌「月刊現代」編集長就任。1977年、当時の講談社の方針によりジョイント・ベンチャー開...
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