~ことしはどのクルマでTEST&投票会場へ行こうかな~
「カー・オブ・ザ・イヤーの季節~新しくRJC会員となっての初仕事~」と題した去年の「みんカラBLOG」を読み返してみた。
日本のプロ野球に「セ」と「パ」があるように、この国の、自動車の「イヤーカー」を選び、それを表彰する組織が、二つあることをご存じだろうか、というもったいぶった語りかけではじまり、その二つの組織の生まれたいきさつをなぞったところで、(2013年の)11月1日の午後、いそいそと東京・練馬から地下鉄大江戸線で「青山1丁目」へ、そこから銀座線に乗り継ぎ、「表参道」で地上に出て、国道246青山通りを渋谷方向に向かったときの気分を、まるで初出勤のビジネスマンのそれだった、と書き綴っている。
「ウフッ」思わず。失笑する。昨日(2014年10月31日)のわたしの行動軌跡がそっくりそのまま、再現されているからだった。
青山学院大学に隣接した青学会館の3F「ナルド」に赴くところも、寸分、違わない。が、違っているのは登場してくる対象車名と、こちらの「初々しいさ」が2年目とあって、これはと思われるクルマとは、たっぷりと時間を共有してきたこともあって、いささか「ふてぶてしさ」に変わっていることだろう。
では、改めて、2015年次RJCの『イヤーかー選び』に臨むとしよう。
第1次選考の投票はすでに10月30日(木)の24時に締め切られていた。投票は、FAX送信が義務づけられていた。
表彰対象となるカテゴリーは三つ。国産車部門、インポート(輸入車)部門、テクノロジー(技術)部門、それに該当者のある場合にかぎっての「パーソン」部門が設けられている。
この第1次投票の公開開票が、10月31日の13時30分からアイビーホール青学会館でおこなわれ、そこで3部門の6BESTが選出される。それを受けて、11月11日に「ツインリンクもてぎ」のそれぞれの6BEST車がもちこまれ、サーキットの外周路を使ってのテスト走行、そして最終投票と公開開票、と段取りされている。
今年の「日本カー・オブ・ザ・イヤー」(通称COTY)は,日本自動車工業会主催の「東京モーターフェスタ」の開催中に「イヤーカー」を選出するという方針に切り替えたため、1ヵ月早めに選考を終えてしまい、ご存じのように9月初めに発売されたばかりのMAZDAデミオが19票差で、前評判の高かった「メルセデスベンツ・Cクラスセダン」を抑えて、すでにイヤーカーとなって、誇らしげに報道・広告されている。
さて、こちらはゆったりと選考に取りかかった2015年次RJCイヤーカーは? その第1次選考の投票を、わたしは5日前に、事務局あてにFAX送信を済ませている。リストアップされて来た国産New Carは17車。
ダイハツからは「コペン」(FMC=フルモデルチェンジの略)、富士重からは「レヴォーグ」(NEW=ニューモデル)と「WRX S4/WRX STI」、本田技研が3台、「オデッセイ」「N—WGN」「ヴェゼル」である。マツダは「アクセラ」と「デミオ」。三菱自動車は日産との共同開発・販売の「eKスペース/デイズ ルークス」のみ。それにくらべて日産自動車からは4車がエントリーしている。「スカイライン」「エクストレイル」「ティアナ」「e−NV200」。スズキは「ハスラー」、トヨタ自動車は「ハリアー」「ヴォクシー/ノア」に「レクサスNX」が。
「インポート」部門はいろいろと悩ましい。しっかり事前に試乗できたクルマと、全く触る機会のなかったクルマとがあるからだ。
わたしの場合、第1次選考では、試乗済みのクルマにだけ投票することにしている。仮に対象外のクルマが6BESTに選ばれた場合には、「もてぎ」で試乗できる機会があるのだから、その際に、改めて採点させていただく。

*レヴォーグ

*HONDAからはN-WGN

*ハスラーの勢揃い
「イヤーカー」部門は悩みなく6車に○印をつけた。富士重はNewモデルの「レヴォーグ」よりも、クルマとしての煮詰まり具合が抜群だった「WRX S4/WRX STI」の方を選んだ。
本田技研からは、度重なるリコール問題ですっかり光を失った「ヴェゼル」はパスして、販売の柱となっている「N-WGN」を。マツダの「デミオ」、スズキの「ハスラー」は今回の有力候補だろうし、こちらも異存なし。
日産は「スカイライン」。問題はTOYOTAだ。ミニバンとして大ヒットの「ヴォクシー/ノア」にくらべて、「ハリアー」のSUVとしての出来上がりの良さをアピールしたくて、こちらに○を。
6車選定が悩ましい、と前置きした「インポート」部門は、「アウディA3/S3セダン」「BMWi3」「MINI」「ジャガーFタイプ・クーペ」「メレセデス・ベンツ Cクラス」「VWポロ」を選ばせてもらった。フィアット・クライスラーJAPAN、フォードJAPAN、ゼネラルモーターズからのエントリー車は、触る機会もなかったため、パスとした。
「テクノロジー」部門は、結局、わたしの投票と全く同じ結果となったため、何に○印をつけたかは省略する。あとに掲げる結果表のPHOTOを参考にしていただければいいのだが、実は候補に挙げられた技術名と搭載車名それぞれについて、別紙に解説がほどこされていて、それが簡潔でわかりやすく、メカ音痴のわたしなどは、うまく誘導されたのかも知れない。
それは冗談。このRJCの特徴として、ジャーナリストより自動車に関する研究者が多く、つまり、メカに強いのが売りの一つ、というわけだ。そのため、定数65に対して今年の投票者が59となったのは、RJC会員として、活動はするが、点数をつけて投票するのは辞退する、というスタンスをとっている立派な会員がいらっしゃるから、とのこと。なるほど、である。
さて、定刻の1時30分きっかりに、開票がはじまった。そのシーンもまた、昨年のそれと何一つ、変わっていない。候補車の名前だけが2015年次用に、新しく書き換えられたのか、と錯覚するような、静かな幕開けだった。
ここからは、余計な説明は抜きにする。結果をまとめた各部門ごとのPHOTOをワンクリックした拡大版でご覧いただきたい。
予想通り、「イヤーカー」部門は、デミオとハスラーの一騎打ちか。ともに57票で1位通過。3位のスカイラインは42票。これは大善戦、と見るべきか。で、結局、わたしの推したS4とハスラーはこの段階で消えてしまった。
「インポート」部門はCクラスが54票でトップ通過、それを52票のミニと、48票のアウディ A3/S3セダンが追走する。お、ジャガーFタイプが6Bestにえらばれたじゃないか。
最後に、いや選考過程ではまっさきに開票されていった「テクノロジー」はデミオに採用された「SKYACTIVE-D 15エンジン」が53票を集め、2位となったベンツCクラス=レーダーセーフティパケージ(44)、3位のスカイライン350GT hybrid=ダイレクト アダプティブ ステアリング(43) を後ろに従える
かたちとなった。
第1次選考はかくして、終了。そこで気になるのは、どの部門にも足痕すら残してくれなかったTOYOTAの存在だ。
新車開発より全車種のハイブリッド化にシフトし、空前の高収益をマークしている施策は理解できるとしても、この先、正直言って、ある種の危惧を覚えざるを得ない。現行の、それぞれのクルマのできは完成度が高く、それがTOYOTAだといえよう。しかし、なにかひたむきに、クルマ創りに打ち込んでいる空気が、いまのTOYOTAには希薄ではないだろうか。それが、気になってならない。

*レクサスNX (TOYOTA公式HPより)「
最終選考は11月11日のツインリンクもてぎ。そうだ、その往復は、予選落ちしたため、試乗するする機会を失ったレクサスNXか、日産のティアナ、そのどちらかにおつきあいいただくとしようか。いやいや、あと300kmで走行距離10万kmに達するわがプログレも待機している。さて、さて・・・・・・。
やっぱり、この季節、いろいろと悩ましいことが多い。
Posted at 2014/11/01 22:31:38 | |
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78歳の挑戦 | 日記