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正岡貞雄のブログ一覧

2017年02月25日 イイね!

第6回『ベスモ同窓会』へ向けて……

第6回『ベスモ同窓会』へ向けて……〜会員数241にまで育った『一粒の麦』のこれから〜



 第6回目にあたる『ベストモータリング同窓会』の開催をいつにしたらいいのか。迷っている。思い悩んでいる。

 何人かの「仲間」に、「4月の岡山はどうなっていますか?」といった問い合わせも受けていて、その度に「ごめんね。4月の岡山は無理だけど、かねてからぜひやってみたい福島のリンクサーキットでの走行会はどうだろう? この3月3日に、御殿場でガンさんと会う約束になっているから、そこで相談する予定。だから、もう少し、待っていてほしい」と答えている。


*3th同窓会(中山サーキットでは2回目に当たる)で参加メンバーからクリスタルの楯を贈られて大感激の二人(向かって右がカリスマ教官)。

 この「リンクサーキット」(コース全長・1560m=紹介はこちら)を舞台にする案は、随分と前からのガンさんのもので、スポーツランド菅生での「スーパーGT」での帰りに「飯坂温泉」(福島県・東北名湯の一つ)に集まって前夜祭をやり、次の日に「リンクサーキット」で「同窓会」をやろう、という「デラックス・バージョン」だ。



*2016年シーズンの初戦で優勝した時のLEON AMG

 ことしのSUPER GTの日程を見ると、7月22〜23日がSUGOとなっている。これなら夏休みの一環として、西の方面の仲間も、思い切って遠征する、という気になってくれるだろうか。しかし、去年も『われらが聖地・中山サーキット』をパスしている。そのため、折角のLEON初優勝の記念すべきレースをこの目で見ることができなかった。

 その悔いもあるので、まあ、来年(2018年)こそ、前夜祭付きの岡山遠征を約束しておくとして、とりあえず、いまから7月の「第7回」開催を目指して、世話役グループと相談するなり、中谷明彦、大井貴之両君に声をかけておくなり、根回し用のエンジン・スターターだけはONしておきたい。

 様々な想いが湧き上がってくる。4年前の第1回をスタートさせるに当たって、この「みんカラ」のグループ欄に『ベストモータリング同窓会』を告知、今や241名の仲間が登録されている。
 その全員に直接お会いしているわけではないが、海の向こう、アメリカ南部のサンアンジェロから、毎回、上手にスケジュールを調合して参加してくれたHawk Yamaさんをはじめ、発足からのまとめ役、萩の「カリスマ教官」波田さんと、彼を中心とした自動車教習所の教官グループ、南は九州・湯平のご住職「タネテツGT」師から、北は青森のMiracle_civicさんまで、全国的に嬉しい広がりを見せてくれた。せっかく築き上げた「ベスモDNA」で結ばれた同志たちと交流できる舞台。命ある限り、この『一粒の麦』大事に育てていきたい。


*1th同窓会。このあと有志は「閑谷学校」まで遠征。これがまた大好評だった。

 実は、Hot-Versionの本田俊也編集長から「ベスモ復活」のサインを受けて以来、そのタイミングに合わせて「同窓会」を開こう、というモチベーションを温めていたのだが、諸般の事情で、まだ夢は閉じたままである。ホットバージョン組の土屋圭市、谷口信輝組の合流もあっていいのではないか。

 7月の「リンクサーキット」案が無理なら、差しあたって、昨年好評だった河口湖の『富士カーム』で、秋口にでも、というプランも悪くない。
 これは早速、同窓会の「スタッフ」マーク付きの東京在住組、強力な4名を招集して、打ち合わせをスタートさせるとして、同窓会の諸氏からも「声」を聴かせてもらえれば幸い。「メッセージ欄」から是非、お願いしたい。

 第1回の時は、黒沢さんの『新・ドライビング・メカニズム』が、LEONチームをバックアップする主婦と生活社から出版される動きに合わせて、「スーパーGTの開幕戦の舞台、岡山へ行こう」というモチベーションが原動力となってくれた。



 第2回は、東京を中心とした「トークイベント」(こちらから再現)で交流しよう、という企みだった。予想を超える数の参加者があった。ガンさんと中谷明彦君との『緊急回避』シーンを当事者二人が映像を見ながら語り会うという貴重な時間が実現した。




*2th同窓会は東京・練馬で。


 



 第3回は、聖地・中山サーキット(こちらをクリック)。わたし自身が久しぶりにレーシング・スーツを引っ張り出し、ヘルメットをかぶり、聖地をドライビングしたかったのだ。

 第4回が、前夜祭付きの同窓会。中谷君の『PORSCHE 911ドライビングバイブル』電子書籍版ができ上がったことを記念して、レーシング・イエローの911カレラSで岡山を往復してしまった。


*4thはガンさんのF355の走行、中谷君のカレラS同乗走行あり。大井、田部の元ベスモ幹部も駆けつけた。

 そして第5回。前年の中山サーキット往復で、改めてポルシェに目覚め、広報車を借りまくって、ついにポルシェの本を、同窓会のメンバーと一緒に出版してしまう。題して『PORSCHE〜PRIDE&PROGRESS 偏愛グラフィティ』。この出版記念トークショーを代官山・蔦屋書店で開催、そのあと隣接するハワイアンレストランを借り切っての同窓会パーティで交歓、翌日、河口湖『富士カーム』での「懐かしベストモータリング名場面鑑賞会」と「特別ポルシェ同乗ラン」を楽しんだ。













 さて、第6回へ向けて、メッセージしたいものは何なのか。モチベーションの精度を高め、こころを燃やして腰をあげるとするか。どうぞお力添えを。
2017年02月13日 イイね!

ベストカーからの『恋歌』に心ふるわせて…

ベストカーからの『恋歌』に心ふるわせて…〜週刊現代連載小説『新 青春の門』と結ばれる一本の糸〜


 今にも暗い空から白いものが舞ってきそうだった木曜日の夕刻、つまり2月9日にいつもの年より早めに厄介な「確定申告」を終わらせることができた。この10年を、お世話になっている「青色申告会」で、始めから指導・担当を受け持ってくれたMさんは往年の(?)ベストカー愛読者で、手続きの終わったところで、こう訊ねてきた。

「今年の仕事始めとしてベストカーへ行って、かつて連載中の『疾れ! 逆ハンぐれん隊』に夢中だった読者あてに、電子書籍の『Premium版』ができるので紹介してと頼み込むつもりだ、と「みんカラ」で予告してありましたが、あれはいつ掲載されるのですか?」
「ありがとう。そこまでご存知とは! 明日発売の3月10日号です。どんなページになっているか楽しみにしていてください」

 嬉しいじゃないですか。その上、赤いスイフトRSで佐倉まで行ったのもご存知だった。そんなこともあって、心待ちしていた2月10日、そのオープンする時間を見計らって、駅までのだらだら登りの坂道を、この日は明るい日差しに包まれながら弾む足取りで駅前書店へ……。



 この書店にはクルマ関係の専用棚があるのが嬉しい。目勘定で5冊の「ベストカー」が積んであった。表紙には「新型SUBARU XVカタログ」のタイトルが派手に謳ってある。『SUPER SPY SCOOP』という懐かしい嗾しかけ見出しが、ペラペラとめくったカラーグラビアの扉ページで躍っている。そうか、正式発表は4月6日か。で、こちらの手は勝手にページをめくる。

 活版の見開き144〜145ページで、ピタリと止まった。右がフジスピードウェイの開設50周年記念イベント(3月12日=入場無料)『富士ワンダーランドフェス』の告知で「歴史が、伝説が、ここによみがえる」と呼びかけている。そして左側で……。

 ベストカーガイド時代の人気連載
 30年の時を経て電子書籍で帰ってきた!
 疾れ! 逆ハンぐれん隊 五木寛之
 本誌初代編集局長:正岡貞雄が電子化実現

 OH! ビューティフル! 本文の文章も配慮が行き届いている、というより率直な、その頃の空気で育った人でなければ書けない想いが、そこに弾けていた。

 ミハル&ジロー、名車バトル
 手に汗握ったコーフンが再び…

 長年ご愛読の皆様には懐かしいタイトルでしょう。本誌がまだベストカーガイド時代だった‘85年7月、月2回刊を記念して始まった連載小説が、五木寛之先生の痛快カーアクションロマン『疾れ!逆ハンぐれん隊』である。
 わたせせいぞう先生のイラストを表紙とした単行本、文庫本も当時、トレンディで話題となった。若き日、興奮しながら読んだ方も多いと思う。
 そして30年の時を経てついに電子書籍となり、気軽にiPad、タブレット、スマホなどでも読めることになった。
 電子書籍の実現には、本誌初代編集局長の熱い想いと奔走があった。

 そんな前置きをしてくれたところで、五木さんの「読み出したらブレーキが効かなくなる」この小説に加えて、パートごとに登場するクルマや著者お気に入りの車を中心に文化的背景などを語る、徳大寺有恒氏、黒澤元治氏、初代編集局長とのトーク集が入り、各章扉ページにはスタイリッシュな写真が入り、付加価値が高いのである、とまで紹介してあるではないか。

 そして、感激的なトドメを。この電子書籍の配信元『ぽらりす e-Books 名作ガレージ』(コンテン堂モール専門店)に簡単に「訪問」できるQRコードまで掲載してくれる心配り。このベストカーからのラブコール=恋歌にわが心はジーンと熱く震えてしまった。それは創刊以来、ベストカーへの協力を惜しまなかった五木さんへの感謝の念が、今もなお、ベストカー編集部に醸成されている証しでもあった。


 
 当然のように、1冊をピックアップした。でも、まっすぐレジへ向かったわけではなかった。もう1冊、買って置きたいものがあった。オンセール中の週刊現代(2月18日号)である。五木さんが23年ぶりで再開した『新 青春の門』の第九部『漂流篇』も第3回目に……。そのスタートした第1回については、すでにわたしの『みんカラ』では、こう触れてあった。

 ———−いよいよスタートした第九部『漂流篇』。舞台となる場所はシベリア。
 それに備えて、改めて第八部『風雲篇』を書棚から取り出している。物語は、裏ルートに便乗して渡ったシベリア・ハバロフスクから馬に乗ってイルクーツクを目指す信介が、同行のロシア娘との「熱い渦巻き」にのめり込むシーンでフリーズしている。だから、五木さんがどんな書き出しを用意してくれたか。ドキドキしながら『週刊現代』の活版ページ、100P目を開く……。



『バイカル湖への道』という小見出しタイトルのついた見開きページの左側から、いまの「時代の寵児」SUVまがいのクルマが、崖際を右回りしながらこちらへむかって疾走してくる。嬉しいね。いきなり、ソ連製の4WD車、ワズの登場だ。今回の書き出しも、クルマからはいっている。五木さんの得意技の一つである。次回は、このワズ450Aがなぜこの物語を牽引していくのか、からはじめたい。(この項、つづく)と。

 この「次回」に書き継ぐために「第3回」を購入しようとしているのだが、その前にちょっとばかり驚いた出来事があったので報告しておきたい。実はその準備のためにGoogleで「ワズ450A」を検索すると、そのトップに、わたしのアップした「五木寛之『新 青春の門』がスタートした日」が収まっているではないか。

 それはそれで光栄なことだが、こちらの目的は別にあった。たしか、かつて小沢コージ君が「ワズ試乗」のレポートがあったはずだが、と検索するつもりが、いきなりこの出来事。悪くないね。で、その結果は?

 右往左往してやっと探し当てたのがこれ。
『走るシーラカンスに試乗 ロシアが作るバン、UAZ』(小沢コージ)


  PHOTO BY 中野英幸

 これはみんカラの本家にあたるCarviewの編集記事欄(2011年9月22日)所載の得難い読み物となっているので、ぜひこちらへどうぞ。

 第3回目は「さすらい人」の小見出しのついたもので、こんな「あらすじ」付きではじまっていた。

1961年、夏の終わりのシベリア。足を負傷した伊吹信介はドクト ル・コジヤーエフの世話になっていた。KGBの検問をドクトルの機転で突破した信介たちは、バイカル湖へ向かい車を走らせる。

さすらい人(びと)の歌

 検問を無事にくぐり抜けたことで、信介はようやく落ち着きをとりもどした。さっきま でドクトルにきこえそうなくらいに、心臓の鼓動がはげしく高鳴っていたのである。
 ひと安心したせいか、急に眠気がおそってきた。四駆の太いタイヤから、リズミカルな振動が伝わってくる。信介はいつのまにか、しばらく居眠りをしていたらしい。

 信介は夢を見ていた。幼いころ、父の伊吹重蔵に背おわれてボタ山の山裾を駆けている夢だった。

 赤い香春(かわら)岳が見える。タエの白い顔が迫ってくる。
〈待たんかい〉
 と野太い声がした。筑豊の新興やくざ、塙竜五郎の声だった。
 いつのまにかおぶわれている相手が、父親から義母のタエに変っていた。二人は小高い 丘の上にいた。目の下に炭住と呼ばれる炭鉱労働者の住 宅が見えた。住宅というより長屋 といったほうがいい粗末な建物である。そこが信介の生まれ育った 筑豊の土地だった 。 遠くの道を、白い花輪と黒い人影が見える。その行列はボタ山の下を、ゆっくりと進んでいく。
(あれは、なんばしよっとね)
 信介はタエにたずねる。
〈骨噛(ほねか)みたい〉
〈 ホネカミ?〉
〈 ああ。骨噛み〉
〈 骨ば噛むとね〉
タエはしばらく黙っていたが、ぽつんと言う。
〈落盤事故で、人が死なしたと〉
信介はなんとなく恐ろしくなって、タエの白い肩に顔をうずめる。タエは化粧をしていなくても、なぜかいい匂いがした。

「 おい、イブーキー」
  耳もとで呼ばれて、信介ははっと夢から目を覚ました。
「 あれがバイカル湖だ。見えてきたぞ」
「 バイカル湖――」 信介は目をこすって、ドクトルの肩ごしに青く光る湖面をみつめた。
(これがバイカル湖か)窓をあけると、冷気が勢いよく吹きこんできた。思わず胸が高鳴るのをおぼえた。信介にとってバイカル湖は、憧れの湖だった。
 一九五〇年代の学生たちにとっては、パリのセーヌ川よりも、カリブの海よりも、シベ リアのバイカル湖のほうがはるかに心をそそる神秘な存在だったのだ。
☆      ☆      ☆      ☆
 フウっと一つ、大きなため息がでた。「ワズ」については、「四駆の太いタイヤから、リズミカルな振動が伝わってくる」と、主人公が眠りの世界に落ちてゆく舞台装置に使われているだけだったが、早々と心の拠りどころである「ふるさとの山」が登場してきたのに驚いていた。



 五木さんは最近のインタビューで「主人公が29歳で筑豊に帰った時が、この物語の終わりだと思っている。ふるさとの山と向かい合う峠から、彼のふるさとを見下ろすところで」と語っているが、その布石が始まっているな、と感じ取ったからである。

 ともかく、クルマをメディアとして物語を動かす、この小説書きの名手が、その時、どんなクルマで伊吹信介が香春岳と向き合わせることになるのか、今から楽しみにしている。

その辺のクルマたちとの絶妙な絡みこそ、実は今回の電子書籍PREMIUM版の中で、改めて「五木ワールド」として構築したところに満載しているつもりなので、ぜひ機会を作って味わっていただきたい。


*こちらへどうぞ

 たとえば『メルセデスの伝説』(講談社刊)では、アウトバーンを、メルセデスの黒い280Eが、デュッセルドルフからフランクフルトを経由して、シュツットガルトヘむかってぶっ飛んでいくところを、徳さんたちと語り合う。さらに五木さんが1985年(S.60)に単行本化した『風の王国』(新潮社刊)は、主人公の駆るメルセデス300GDがパトカーに呼び止められるスリリングな場面で書き起こされるシーン。
――背後でスピーカーの耳ざわりな声がひびいた。ミラーのなかに赤いライト
が点滅している。
「品川ナンバーの白い車、左へよって停止しなさい」
 速見卓はブレーキをふんだ。さっきから追尾してくるパトカーに気がついては
いたのだ。だが止められる理由がわからない。
〈まずいことになったぞ〉





 それらはPREMIUM版のPart3『闇の巨宝を奪回せよ』編に収録されているのを、ぜひ知っていただきたいし、今後も手がけていく Part9以降も、ハワイでのスープラ(セリカXX)や、フェアレディZX Turboの試乗記や、五木寛之vs,わたせせいぞう対談など「宝の山」を公開してゆきたい。ベストカーからの「恋歌」に励まされながら……。
2017年02月07日 イイね!

「自由時間」70分を HYBRID RSで楽しむ

「自由時間」70分を HYBRID RSで楽しむ〜『北総の小江戸』と近頃評判の佐倉へ〜

 海浜幕張駅の脇を抜け、湾岸千葉ICからのった東関東自動車道をスイフトHYBRID RSは快活に疾走していた。

 ボディカラーは情熱を感じさせる緋色で、メーカーではそれに『バーニングレッド・パールメタリック』の呼称を与えていたが、率直に言ってMAZDAの『ソウルレッド』に比べると、もう一つ、ハートに迫ってくる深みに欠ける印象だった。が、走るリズム感は悪くない。VWゴルフのもつFFスポーツのDNAが学習され、しっかり移植され尽くした印象である。



 千葉・木更津方面と分岐する宮野木JCTの手前では、京葉自動車道へむかうクルマの流れでいくらか渋滞したものの、そこを抜けると再び快適に、成田方向を目指す……。

 さて、足元の動きはどうだ? 
 開発陣はヨーロッパの道で走りこみ、鍛えてきたRS専用の足元のチューニングを、しきりにアピールしていたが、100kgを超える軽量化もあってか、アップテンポのミュージックを聴きながら、ちょいとスラローム・テストしたくなる、悪戯っぽい誘惑が……。

 ま、そんなアホなことができるわけはないじゃないか。おのれを叱った途端に少しばかり、車線をはみ出したようだ。ピピピッと警報で注意を促してきた。メーカーオプションだけど、セーフティーパッケージが用意されているわけだ。「単眼カメラ+レーザーレーダーが、いつでもあなたの走りと万一の危険を見張っている」とアピールしていたご自慢の一つだ。特に「前方衝突被害軽減ブレーキアシスト」と「自動ブレーキ」の機能は、この200万円を切るコンパクトクラスで手に入るのだから、有り難い。

 幕張を出て20分。四街道ICまで「あと2km」の標識。Carナビで四街道ICから佐倉へむかってR136が伸びているのを確認する。

 佐倉は、利根川南岸沿いにあって、「江戸防衛の東の要衝及び西方面より西国大名に江戸が攻撃された際の将軍家の退避処として徳川譜代有力大名たちが封ぜられ、幕府の老中職についた大名が徳川各藩中最多を数えたことから、俗に『老中の城』とも呼ばれ、それとともに城下町も栄えました」(佐倉市公式Webより)とあるが、プロ野球界で永遠の輝きをもつ長島茂雄の生まれた町として有名だろう。
 わたしたちの世代では講談で、処刑覚悟で佐倉城主の悪行を将軍に直訴した「義民・佐倉宗吾」を知る程度だが、運河沿いに立ち並ぶ古い商家の風情は、なかなかのモノだと聴いていて、一度は訪れてみたい町の一つであった。近頃は「北総の小江戸」として注目されはじめた町でもある。


*GOOGLE MAPより



 四街道ICで降りると、すぐにR136が正面で待機していた。左折してすぐのY字型の交差点で右手へ、「物井・佐倉」方面を選ぶ。適当なカーブを描いて小高い丘を駆け上がり、下っていく。左手は小ぶりな工業団地や学校が適当に陣地取りをし、右手には一般住宅が肩を寄せ合っている。どうやら細長い丘陵地帯で、その背骨に当たる部分をR136は走っているらしい。

 珍しく交差点の赤信号にぶつかった。アイドリングストップでストンと回転計の針が真下に垂れしまう。
 青になった。アクセルON。まったく再始動のショックもノイズもない滑らかなスタートぶりである。
 どうやらマイルドハイブリッドはエンジン駆動の支援から、メーターなどの電装品への電力供給など、さまざまな役割を担っているようだ。アイドリングストップした累積時間と積算節約燃料がmlの単位で表示されるのが、新しい。


*GOOGLE MAPより

 スイフトRSは丘陵から駆け下りたようで、視界いっぱいに冬枯れの水田地帯が広がっている。佐倉の町の中心は、まだまだ先のようだ。時間が足りない。諦めて引き返そうか、と車速を落としたところで、左前方に小ぶりだけれど白いアーチ風の橋が目にとまる。そろそろ、ここまで来ました、という証拠写真を抑えていたかったので、肚がきまった。 

 鹿島川大橋と呼ばれる白い橋。真っ直ぐ行けば臼井という町へ通じるらしい。長島茂雄が育った町がそこだった。が、本日は断念。それよりも撮影のために駐めたあたりの背後の小山は、間違いなく、かつては古墳だったに違いない。もっこりと森が盛り上がっている感じで、絵になった。





  そのあたりを羽鳥と呼んで、神社や寺院が木々の間に散在しているなど、なにやら由緒のある妖しげな地域であるらしい。いつか再訪して確認したい。

 さて引き返そうか、とRにシフトギアをセットして嬉しくなった。ナビ画面が後方と、真上から見下ろしているかのような映像を映し出してくれる。これなら後方確認はバッチリだ。



 残りの時間は30分か。
再びR136に復帰して、四街道ICまで大急ぎで引き返す。

 スイフトのランナバウトしての立ち位置は、今回の新型を創り上げたことでさらに「磨きがかかった」と評したい。

 東関東自動車道をクルージングしながら、スイフトRSの
 この頃は、航空機を使う旅の場合は、空港からのレンタカーを、ホテルとセットでネット予約することが増えた。だからレンタルしたクルマがコンパクトクラスなら、何になっているのか、いつも楽しみにしてきた。

 TOYOTA車ならプリウスかヴィッツ、HONDAならFIT。日産はノートあたり。MAZDAならDEMIO、そしてSUZUKIならスイフト。そんななかでもっとも気に入ったのが、去年の5月にしまなみ海道にある《海賊の島》へ行ったときのスイフトだった。その時の先代スイフトの写真と今回のNEWスイフトとを見比べて見たくなった。何かが感じとれる予感が湧いてくる……。

●註:「海賊の島へ」はこちらからどうぞ。





 あ、そうだ!あの時の《海賊の島へ》はあのままになっている。あのつづきは、是非とも仕上げておかなければならない内容だった。

 幸い、持ち時間70分を2分残して、HYBRID RSは幕張の基地に帰着することができ、ランチにありつくことができたのである。

 午後はRSのもう一台、1ℓターボ、6ATのRStを試す予定が待っている。午後も同じコースをとって、佐倉の町まで再挑戦するのも悪くない。しかも「四街道IC」のもう一つ先に「佐倉IC」があったのである。それなら持ち時間の70分でも往復するのは可能かも知れない。

 さてどうしようか?


                       (この項、おわる)
Posted at 2017/02/07 11:06:19 | コメント(4) | トラックバック(0) | 還暦+青春の21歳 | 日記
2017年02月01日 イイね!

5速MT新型スイフト RSを味見しに行かないか?

5速MT新型スイフト RSを味見しに行かないか?〜たまにはマニュアルのクルマで走りたいね〜

 ひと頃、みずからに課した「自粛」の鎖から解き放たれたSUZUKIがえらく元気じゃないか。年末に発表し、1月4日から発売をはじめたスイフト(全面改良)の特別試乗ミーティングを、幕張でやるので来ないか?と誘ってきた。

 1月27日はそのため、ほかのことはすべて断って、それに備えた。提示された3つの時間帯から、真ん中の「午前10時20分」からの枠を選ぶ。
 


 さて、幕張まで、8時から9時台に都心を抜けて、首都高速湾岸線から東関東自動車道にはいるコースは、時間が読めない。それならば、いっそ電車を利用するならどうだろうか?
  
 ここからは、ご一緒に「試乗ミーティング」に同行している気分でおつきあいいただけるよう、レポートしてみたい。

 当日の朝は、強い北風が吹き抜けていた。最寄りの駅まで首をすくめて早足で……。8時01分発の新木場方面行きに乗れば、有楽町下車、元は都庁が建っていた国際フォーラムにつながる地下道を利用すれば、東京駅からのJR京葉線にはすんなり接続できる。9時10分発の快速は、海浜幕張駅に9時44分に着く。これなら充分、余裕たっぷりだ。


 7時55分には通勤、通学の人たちにまじって、駅のプラットホームに。なんと、シニア優先席が空いている。遠慮せずに利用させていただこう。

 読みかけの新書版を取り出す。『松本清張の残像』(文春新書)の著者、藤井康栄さんは週刊文春の女性編集者で、同時代に同じように松本清張という巨星を担当し、今では北九州市立松本清張記念館の館長を務めておられる。清張さんの声が耳元に甦ってくるようなエピソードの数々にのめり込みそうになって、はっと気づくと、電車は「桜田門」を通過したところだった。 

 次の駅、有楽町から真っ直ぐ東京駅のもっとも西側にもうけられたJR京葉線の改札口を目指す。

「快速なら、急げば8時52分発にのれますよ」
 海浜幕張に快速は停まりますね、と念を押すと、改札口に立っていた駅員が一本前に同じ快速のあることを教えてくれる。到着は9時30分だった。15分ばかりを得をすることになるのだが、これが予期しない幸運をもたらせてくれる。

 あっという間の30分。車窓の右側に馴染みのある建物群が現れた。幕張メッセだ。その向こうにチラリと円形のスタジアムが……千葉ロッテの本拠、マリン球場じゃないか。



 さて、海浜幕張着。この駅に降り立ったのは初めてのはずだ。試乗ミーティングの基地、幕張ホテルニューオータニを目で探すと、駅前ロータリーから海側にむかってすぐ左の、のっぽホテルがそれだった。隣接する駐車場スペースの奥まったあたりに、カラフルな小型車がズラリと整列して出迎えてくれる。家を出てから、まだ2時間は経っていない。




 広報の神原課長が手招きしている。傍らにブラックのNEWスイフトRS。ハニカムメッシュ造形のラジエータグリルと赤いラインの面構え。
 ピンときた。特別に用意してある5速マニュアルシフト装着車に違いない。

「第2グループは10時20分からです。よかったら、それまでこれでその辺を一回りしてきますか?」

 遠慮なく5MTのRSに乗り込む。
 エンジンをかけなくてはならない。最近のMT車はTOYOTAオーリス以来だろうか。エンジンスターターを押す前に、しっかりクラッチペダルを踏みこみ、同時にブレーキペダルも。そしてスターターボタンをプッシュする。
 と、一瞬の間を置いて、RSの1.2ℓの自然吸気エンジンが歓迎のエールを送ってきた。
 レーシングすると、結構、男っぽいバリトンの喉を震わせて、さあ行こうか、とこたえてくれる。




 
 5分後、幕張メッセ脇の3車線通りを海岸方面へ左折すると、スルスルと白バイが追走してくる気配。仲よく次の交差点まで3速ホールドで併走することにした。
 
 次の交差点で、白バイは左折する。こちらは右折して、海岸沿いの長い直線道路を3→4→5と、ゆったりシフトアップしながら、ギアの感触と、ペダルワークの連関を楽しむ。足元の踏ん張りも好ましい。おお、久しぶりに手と足と目が一体化してドライビングしている。いつ以来かな?

 その瞬間、思い出した! アルトワークスの5速MTがあったじゃないか。それが、まるでVWゴルフの味つけを移植したかのように、ひと回り成長して逢いに来てくれたような、親しい感覚……。加えて、足元の空間にゆとりが感じられるのはなぜだろう? 多分、開発陣も出席するだろうから、確かめたいな。


*1,2ℓ DOHC 吸排気VVT メーカー希望小売価格(消費税込み) ¥1,594,080

 基地に戻ると、ミーティングの開始時間が迫っていた。
「どうでしたか?」
 と、神原課長。
「うん、ステージが長尾峠ルートだったら、もっと楽しかっただろうね」
 こちらの答えにニヤリと破顔すると、プレゼンテーション会場へ誘導する神原さん。そうか、本番はこれからだった。







 新型スイフトの商品説明は、スライドによるプレゼンテーションに譲ろう。率直にいって、インドからの『帰国子女』バレーノで開発したプラットフォームをやや短縮して採用、グローバルコンパクトカーとして改良・進化(大胆な軽量化など)させたのが今回の「新型スイフト」だろう。それはそれでいい。ともかく、実車で外へ飛び出し、味見させて欲しいよ。 
【註:バレーノについては《『帰国子女』を乙女峠のワインディングに誘う》をご参照ください】







 まず、今回の「目玉」であるHYBRID RSを予約しておいた。1.2リッター直4+マイルドハイブリッドシステムと、すでに「バレーノ」に搭載されている1リッター直3ターボ仕様(ただしレギュラーガソリン仕様に変更済み)の2台。いずれも欧州で足腰をチューニングしたRS系だとか。
 与えられた時間は70分。ともかく東関東自動車道にのって、成田方向を目指そう。四街道ICあたりで降りて、そこから引き返せばちょうどいい。時間によれば、佐倉の古い街なみに足を伸ばせるかも知れない。




*佐倉郊外にて HYBRID RS 1.2ℓ DOHC 吸排気VVT(マイルドハイブリッド)2WD CVT ¥1,691,280

 基地から幕張の街へ出た。最初の交差点で停止して、「おや?」と気づく。アイドリングストップ機構が搭載されているのだ。そうか。マイルドハイブリッドにはそれが採用されているのだ。いろいろと「運転支援」装置もオプションされているみたいだが、それだけ、SUZUKIのこのフルモデルしたスイフトに託した想いが感じとれるではないか。

 いよいよ、高速自動車道に入る……。ご機嫌な時間が待っていた。
                   
                             (この項、つづく)


 
Posted at 2017/02/01 16:08:11 | コメント(7) | トラックバック(0) | 還暦+青春の21歳 | 日記
スペシャルブログ 自動車評論家&著名人の本音

プロフィール

「6月最後の日曜日、29日の燕戦は神宮が舞台。有難いことにNHK-D1がゲーム開始からすっぽりD1から実況中継とういうお膳立て。しっかり楽しませていただいた。1回表。森下の一発。5回に大山、坂本、近本らの集中打で4点。仕上げはサト輝の一発。加えて伊藤将司が2安打完封で文句なしや!」
何シテル?   07/01 12:02
1959年、講談社入社。週刊現代創刊メンバーのひとり。1974年、総合誌「月刊現代」編集長就任。1977年、当時の講談社の方針によりジョイント・ベンチャー開...
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富士のヘアピンで息絶える! ~ミラージュCUP闘走の記憶・第2幕~ 
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