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2012年04月15日

キミよ、永遠の異端児であれ!  ~ドリドリ土屋圭市、降臨!②~

キミよ、永遠の異端児であれ!  ~ドリドリ土屋圭市、降臨!②~  新しくリリースされたホットバージョンVol.115。そのNEWハチロクの筑波アタックは必見である――そこでぼくが目撃し、感じ取った「土屋圭市、降臨」の実況を、次のアップまでお待ちあれ、と大見得を切っていながら、すっかり手間取ってしまい、お待たせして申し訳なかった。 
実は、ガンさんの『新ドライビング・メカニズム』の最終仕上げに専念していたためだから、ともあれ、お許しいただきたい。その間、あれほど練馬・千川通りで咲き誇っていた桜もすっかり散ってしまい、今では花びらの絨毯が、その名残りを伝えてくれるだけである。

 さて、ドリドリ土屋圭市のドライブする赤いNEWハチロクが、ゆったりとピットロードをはなれ、1、2コーナーをなめてから、S字をゆく。おのれを今の高みにまで導いてくれたハチロクが蘇ったのだ。どんな心境で、この筑波アタックとインプレッションに臨んだのだろうか。



 ダンロップ下をくぐり抜けて、開口一番、「タイヤがいいんだろうね、このエコタイヤ、バカにできないよ。クルマって楽しいなって思わせるのがこのタイヤかもしれない。お、扱いやすいなぁ。クルマの動きが穏やかに変わって……うん、どう動くかが手にとるようにわかる。ほめ過ぎだって言われるかもしれないけど、ホントに剛性がしっかりしているから、動きがわかりやすい」と、来た。で、タイムアタックに入った。さっそく、S字でシフトミス! 2速のギアの位置に異和感があったようだ。
 ベストタイムは1分11秒394。恐らく、本人は10秒台に入れなかったのをくやしがっているだろうが、当日は直前まで、ほかのドリフト走行会が入っていて、路面がクリアではなかったそうだから、気にするほどの悪いタイムではない。

 つづいて、ドリフトインプレッション。各コーナーでドリフトするNEWハチロクの動きを、素直に、無邪気に喜んでいる。それを、カメラも無邪気に追いつづける
「以前、修善寺サイクルセンターでBMWの2リッターに乗ったことがあるけど、それと同じくらいしっかりしている。うん、今までで一番、インフォメーションのあるクルマじゃないかな」
 マシンから降り立ったドリドリが、ひとまずインプレッションを、こうまとめている。
「こういうクルマを出してくれるというのはうれしいね。やはりハチロクの血をつないでいるんじゃないかな。うん、ここからさらによくなると思う」

 このあと、企画は今やHVの定番となった2012年モデルのGT-R〈トラックパック〉(550馬力、1470万円)の1番乗りへと移るのだが、ここでは先を急いで、ドリドリを本気にさせるコーナーへ。かつての「ベストモータリング」なら、ガンさんや中谷明彦、大井貴之クンらが加わって、本格的、多角的なフルテスト、バトルシーンへと展開していくのだろうが、ここは土屋クンをメインにするHVである。かつてサーキットを湧かし、2年間で消滅していったAE86によるN2レースの復活劇を仕掛ける……。

 筑波N2決戦の日まであと5日。ドリドリは再び筑波サーキットにいた。仕上がったばかりのN2決戦用のマシンと、もう1台、ストリート用のマイカー・ハチロクを持ち込んでシェークダウンにいそしんでいた。

 真っ白なボディカラーのAE86に鞭を入れる。コンスタントに1分6秒台で周回している。第2ヘアピンを立ち上がり、最後のストレートから、100R の最終コーナーをめざす。
惚れ惚れとした口調でドリドリが語りかける。
「古いけど、よく走るよ、いいクルマだな。いやぁ、ハチロクはその気にさせるね。これねェ、新旧対決したくなる、今度のハチロクと!」
 と、そのドリドリの想いに呼応するかのように、たまたま筑波サーキットにきていた谷口信輝選手が、その「新旧対決企画」に乗って、挑戦状を叩きつけてきたのである。

「土屋さんの《趣味の86》は速いね、6秒台とは。よし、近く、ぼくの新しい86が来るから、土屋さんのこのマシンと勝負したい! ぜひ、よろしくお願いします」
 嬉しそうに頷くドリドリだった。
「おれのは、1980年代のクルマだよ。やつけてやる、うん!」





 画面が変わる。スリックタイヤを与えられたN2ハチロクがシェークダウンのためにコースインする。タイヤが温まったところで、ペースアップ。が、まだ滑るらしい。頃合いを測っている様子を、車載カメラが忠実に伝える。足元のアクセルワーク、ブレーキングワーク。参考になる。これも必見だ。そして、1分01秒710をマークする。
「足が硬いなぁ」
 ピットイン。メカニックに症状を訴える。ジャッキアップして、タイヤをチェックする。摩耗の具合から、接地面のアンバランスを探り当てる。車高、キャンバー、減衰力を少しずつ調整し、コースへ復帰する。20周、30周。なかなかタイムは縮まらない。走る。とにかく、ドリドリが走りこむ。
「だんだん分かってきたぞ、ハチロクN2の乗り方が。身体が思い出してきたね」



  画面に緊迫感が醸し出される。
「ブレーキの踏み方、リリースの仕方。アクセルの入れるタイミングとかね、ハチロクならではの……こういう軽いクルマの乗り方を忘れてたよね」
 こう語りだしたあたりから、土屋の走りが激変した。エンジン音がひときわ高まり、シフトチェンジするリズムにキレが加わった。明らかに、かつての土屋圭市が覚醒していた。ナレーションがダメを捺す。

「……まるでベストラインを駆け抜けるもう一人の自分を追いかけて行くような走り。1本の線がピーンと張った状態。そんな張りつめた走りから、ついにこの日のベストタイムが生まれた。1分00秒955。タイヤは周回を重ね、グリップレベルは相当に落ちているはずだが、そんな状態でも、サーキットでは必ず何かを起こしてくれる男。あのころの土屋圭市が帰ってきた。やっぱ、それでこそハチロクのお蔭かな?」

 舞台は一転。ホテルの一室で私服姿の土屋圭市が、N2決戦へ臨む心境を語りだす。このテのシーンは何度か見ている。彼が「ハコ乗りの名手」と謳われていた時代、さらに上を目指してF3に挑んでいったときにも、こうやって自分の想いをあえてさらけ出したものだった。静かに心の牙を剥く――実は、それが土屋圭市の「異端児」としての素顔である。


*GTウィングを装着したライバルN2マシン


「アマチュアだろうが、プロだろうが、レースに憧れた奴らにとって、その時代、いろんなレースがあったけど、ハチロクは別格、とびぬけた存在感、オーラがあった」
 にもかかわらず、土屋がやっと挑戦すべく準備ができた7年前、突然、消滅してしまったのがハチロクのN2レースだった。いわば彼がレース界に忘れて来たもの、味わえなかったもの、それを、この「筑波N2決戦」で取り返そうというのか。
「そりゃあ、今風のGTウイングをつけたマシンにはかなわないかも知れない。負けてもいい。でもボクはあえて、当時のままのシルエットで走りたい。それでGTウイングのやつらにどこまで太刀むかえるか。その面白さを伝えていきたい」



 それを実証する「実戦バトル」が、丁寧に収録されていた。ディレクターを確かめると、やっぱり仁礼義裕クンだった。内容も熱かった。走り終えたドリドリに観客は惜しみない拍手を送っていた。13台の86ファイターと闘いながら、いつの間にか降臨していくドリドリ。結構、観ているこちらも熱くなってしまう。ぜひぜひ「AE86筑波N2決戦」を、味わってほしい。
 土屋圭市、56歳。もっと、もっと牙を剥け! キミに異端児のままでいて欲しい。そんな身勝手なエールを、ぼくはキミに贈る。


 



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Posted at 2012/04/15 12:11:04

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この記事へのコメント

2012年4月15日 12:36
こんにちは。
ブログアップありがとうございます。
土屋さん、56歳なんですね。若く見えます。
永遠に私のアイドルです。
コメントへの返答
2012年4月15日 13:54
こんにちは。

いつもコメント、ありがとう。
ガンさんだって70歳を越えたけど、10歳以上は中身が若い。

見えないところで、養生に心がけていると思います。
2012年4月15日 13:31
AE86も健在ですね。

ドリキンも楽しそうです。
コメントへの返答
2012年4月15日 13:56
こんなに走ることを楽しく表現できる人はいませんね。

まだまだ頑張ってもらいましょう。
2012年4月15日 17:07
私の場合AE86は、サーキットよりジムカーナ、ラリーカーの印象が強いです。サーキットの写真は、はじめてみました。サーキット仕様のAE86いいですね
土屋さんのように目標ややりがいがある方の行動は見習いたいものです。
コメントへの返答
2012年4月15日 19:28
フレッシュマンレースの華でした。特に1984年当時は、NPオープンⅣクラスのスカイラインターボ(DR30T)との混走でしたから、その壮烈バトルに、観客は痺れたものでした。

土屋君はそこから這い上がった「希望の星」でした。
2012年4月15日 17:48
ドリキン土屋さんがNPオープンクラスⅡの アドバンキャロット倉田トレノでスポンサードしてました。

トロフィー倉庫に有りますが…AE86懐かしいです〜。
コメントへの返答
2012年4月15日 19:30
’84富士フレッシュマン第3戦のプログラムが手元にありました。
9ページ目にオープンⅡクラスのエントリーリストが載っていました。

②土屋圭市(28) ADVAN キャロット倉田トレノ☆ AE86 倉田自動車 土屋圭市

そのときにスポンサーしていたんですね。トロフィーは倉庫ですか。もったいないです。どこかで飾れないかなあ。

お、このレース、①でCGの吉田匠さんが出走している! 大発見だ。
2012年4月16日 8:50
お疲れ様です。加計さんから、色々と伺っておりますが交渉もかなり大変だったとのことだそうで……。なんだか一人だけ関西でのんびりしてて申し訳ありません。

ベスモ創刊当時、黒沢さんが45歳、中谷さんが29歳、土屋さんが31歳ぐらいでしたか……。それから25年。いずれも、日本の自動車メディア界にとっては無くてはならない方々ですし、それらを見出した局長の慧眼には恐れ入るばかりです。

ですが、いつまでも御三方におんぶにだっこというわけにもいかないでしょうね……。羽田で、黒沢さんと加計さんと3人で話していた時、「人材がいないんだなあ……」という声が、誰からともなく漏れたのが印象的です。
コメントへの返答
2012年4月16日 19:50
17日はガンさんと例のホテルで会います。
写真入りの「新ドラメカ」の最終チェック。

さて!?

新しく巡り会えた新しき星への「贈り物」です。
2012年4月16日 9:19
New86は見るからに穏やかな挙動でしたね。

若い子達が買うのかどうかは疑問符ですが
乗った人にだけ分かる良さがあるように思います。

86もBRZも、一過性のものにならず、
トヨタが大切に育てていって欲しいですね。
(ATも、いつかはDCT化して欲しいものです)

仁礼さんの作り込み、とても良かったです。
コメントへの返答
2012年4月16日 19:52
ハチロク効果がみんなをどうハッピーに包み込んでいるのか。期待、大なり。
仁礼クンのことをほめられると、無性にうれしくなります。ありがとう。
2012年4月16日 22:18
二昔前は32GT ‐ R で筑波を8秒台出したのを雑誌越しに興奮してたのに、今や2リッターNAで10秒ジャストレベルにまでなってるのだから、やはり現代の技術レベルは恐ろしい程の高さなんですね。(二昔前のNA では、15秒すら切れなかったハズですよ)


それでも尚且つ、AE86に情熱を傾ける土屋氏を見ていると、今の自動車メーカーに欠けている(いや、一部には確実に存在している筈)速い車への愛情や夢が垣間見られて、実に温かい気持ちになります。


やはり、スポーツカーは、理屈や採算じゃなく、愛情と夢で造るものなんですよね!


今後の自動車業界に若くて情熱的な人材が育つことを願ってやみません。
コメントへの返答
2012年4月17日 9:28
かつてガンさんが「スカイラインR33広報車」の在り方について、こう語ったのを思い出します。
「スカイラインはニッサンが創っているのではない。スカGを愛してきた人たちが育て、創ってきた。スカGとは、そんなクルマなんだ」

NEWハチロク登場で「車への愛」が再び、情熱をもって語られるようになったのを、たいへん、喜んでおります。
2012年4月23日 15:46
こんにちは。
遅れ馳せながらDVD買いました。

昔取った杵柄など通用しないとは思いますが、体が何か思い出し覚醒するような感覚は、何年か前に知人のドリ車AE86を運転させてもらった時に味わいました。意識があの頃にワープしたような不思議な感じで昔のように一生懸命走ってました(笑)

新86で、もう少し頑張ってみようと思います。

コメントへの返答
2012年4月23日 16:51
「体が何か思い出し覚醒するような感覚」とは嬉しいコメントです。

クルマってそんな世界に誘ってくれる有難いメディアですね。

ぼくが8年間FRセダンのプログレを手放せないのは、そこにあるんです。本当は新86、欲しいんです。
2012年4月24日 21:03
TE71 → DR30 と乗り換えていました。あの頃のレースはレビン・トレノもスカイラインも頑張れって思い見ていました。 どちらが勝っても楽しかったですね   (#^.^#)
コメントへの返答
2012年4月24日 23:59
まったく同感。懐かしい想い、というだけではなく、ああいったカテゴリーのフレッシュマンレースの復活が望ましい。で、どう取り組むのか。どうなんだろう。

スペシャルブログ 自動車評論家&著名人の本音

プロフィール

「1週間前の当欄で紹介した虎のドラフト第1位の伊原左腕が、聖地甲子園でも巨人相手に6回を4安打1失点と好投、ホンマモンと一安心。もう一つ、先の広島戦の3失策てスタメン落ち中の木浪が9回に代打で登場、快速の守護神マルチネスから右翼線に2塁打して大逆転劇を期待させてくれたのが光った。、」
何シテル?   04/28 11:49
1959年、講談社入社。週刊現代創刊メンバーのひとり。1974年、総合誌「月刊現代」編集長就任。1977年、当時の講談社の方針によりジョイント・ベンチャー開...
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