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2024年12月01日

珠玉の『五木・黒澤対談』を30年ぶりに蘇らせた男

珠玉の『五木・黒澤対談』を30年ぶりに蘇らせた男
2024年という年は、大谷翔平という稀代の野球人の完全燃焼ぶりに一喜一憂していた。そのショーヘイ君がメジャー史上初の43-43を達成した43号ホームランを、ダイヤモンドバックス戦で左翼スタンドに放り込んだその日、交通タイムス社発行の『only Ⅿercedes』vol.221 autumn 2024_10号が発売され、その号の『メルセデスをめぐる至高の対談』の抄録、《五木寛之×黒澤元治 それからの『メルセデスの伝説』という異色企画の提案が実現したうれしい日でもあった。



1995年、W210が誕生した年に発行された1冊のムックがある。
黒澤元治ベストセレクション「Ⅿercedes・Benz New E Class」。
E210クラスについて、いろんな角度から考察されているのだが、
いま読んでも示唆に富んだ対談が収録されている。
まるで現行Eクラスのことを言及しているのではと思うような内容は、
30年近く過去の対談とは思えない新鮮さに溢れている。
そこで、only Ⅿercedesでは当時の編集担当者である正岡貞雄氏はもちろんのこと、
五木寛之氏と黒澤元治氏の許可を得て、ここに抄録として再掲載させていただくことにした。



【編集長追記】五木寛之氏自身が手書きで修正を入れた当時の校正ゲラの一部をお借りすることができた。その校正ゲラの一部を、本企画のデザイン要素として使用させていただいた。いかにして対談の原稿が仕上げられていったのか、辿るだけでも非常に興味をそそられる。

 この編集長、なかなかの盛りあげ上手。抄録の仕方も鮮やか。安心して舵取りをお願いした。今回の『みんカラ』はイントロ部分の紹介だけはご披露しておこう。

この黒澤さんとのSpecial Talk【それからの『メルセデスの伝説』】に寄せた五木さんの序文を、まず紹介したい。

――「ガンさん」こと、黒澤元治さんと一緒の仕事をするのは何年ぶりだろう。鈴鹿で初めてのCIVICワンメイクがスタートしたとき、「五木レーシングチーム」を結成、もちろんガンさんがドライバー、わたしが監督として参加したのが1981年。その後もマカオGPのグループA・ギアレースにTV番組『愉快な仲間たち』の収録をかねて出場したりするなど、共通の記憶をひろいあげたら際限がないほどだ。久しぶりに、黒澤さんからお呼びがかかった。温泉つきの箱根のゲストハウスが完成したので遊びにきませんか、と。どうやら、ご自慢の造作らしいが、わたしをその気にさせたのはクルマを通して自らを高めようとする、青年のような熱い息遣いに触れてみたいと思ったからである。それに、来るならNEW E320を用意するから、と上手に誘惑する。新しいメルセデスを肴に、お喋りするのも悪くない。
箱根は、秋の真っ盛りであった。             (五木寛之)
 
 これで五木さんが黒澤さんの『ベストセレクション』(講談社MOOK:1995年刊)で対談企画として登場した羨ましい背景がお分かりいただけただろう。そして対談の始まる空気をこう記している。



――東京から箱根・小涌園までの110キロを、五木さんはE320のハンドルを独り占めした。首都高速、東名高速、そして御殿場から乙女峠を経由して強羅を抜ける箱根のワインディング路。さまざまな道路状況の組み合わせを楽しんで小涌園から奥まった山あいの中ほどにある「ゲストハウス」に着いたのは、もう黄昏どき。黒澤家総員の出迎えを受け、応接間とリビングルームを兼ねた大広間へ通された。TVは折からの鈴鹿F1 の最終予選を中継していた。黒澤さんのふたりの子息が観ていたものらしい。TVを消そうとする黒澤さんを制して、「すこし観戦しませんか。やっぱりトップはシューマッハかな?」と、五木さんらしい気配りを見せる。「あれ?黒澤さん、鈴鹿には行かないんですか」「夜中にクルマで入るつもりです」「そうですか。ボクは毎年ずっと、鈴鹿F1 のときには、鈴鹿の市民ホールに友人の作家や音楽家を招いて論楽会というトークイベントをやってきたんだよね。ことしは箱根で黒澤さんとふたりだけのトークショー、というわけだ」「うれしいですね。どうぞ時間の許す限りゆっくりして温泉でも入っていってくださいよ」「そうします。じゃあ、そろそろ」
そんなやりとりをしながら、およそ2時間におよぶ、ふたりのクルマ談義がはじまった。

                    (この項、ここで一休みを……)
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Posted at 2024/12/01 13:21:31

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この記事へのコメント

2024年12月2日 8:34
懐かしいですね、黒澤さんのW210の本。
ベスモのエンディングの方でCMのように流れていたのを思い出しました。
ベンツなんて、一生縁がないと思っていた私も、父から受け継いだW211、そして最近W212へと乗り換え、すっかり身近になりました。ハンドルを握っている父と、私、妻、そして今や普通に乗り回している息子が、メルセデスに乗った後に話す感想みたいなものが、この対談に近づいているかどうか興味があります。ONLYMercedes、買ってみようと思います。
コメントへの返答
2024年12月2日 17:03
実は今回の「only Mercedes 10 2024 autumn』のみんカラ露出は、8月末にすべきでしたが、まだその頃はみんカラ仲間と向き合う気力が満ちてこなくて、やっと連載第2回を書き上げたところで、GO!気分が満ちてきたのです。よかった。こうやって貴兄と懐かしく会話できるのですから。
そのNO.2が今書店の棚に出たところです。是非、ご一読ください。舞台は秩父です。獅子舞を描きたかったのですが、まだその手前までです。ゆっくりお話ししたいですね。
2024年12月2日 23:38
こんばんは。お久しぶりです。
この本がきっかけで山本亨さんが編集部入りされたと記憶しています。

Eクラスはベスモでも登場したW124の500Eファンが多いですが、このW210も個人的に好きです。この本以降もガンさんは『ものさし』としてEクラスをよく引っ張り出していた記憶があります。
メルセデスベンツのガンさんに対して、JTCCやGr.AでBMWを駆る中谷さん。ベスモではそんなイメージでしたね。
コメントへの返答
2024年12月3日 0:15
やあ、今晩は。本当に久しぶりです。あなたの分析はドンピシャです。
やっと、みんカラに復帰できて、急に風通しが良くなった感じ。

中途半端にしないで、しっかり仕上げられるだろうか。

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「4戦連発の森下翔太。防御率0.00の山崎から一発はお見事。しかし先発起用の左腕、門別が6失点のKO.それでも球児監督の『門別、逃げるな』の愛の檄。何を言っているのか、気になる。次回の登板がいつになるのか、だ。海の向こうのマイアミでは翔平が特大10号。その復調ぶりが頼もしい。」
何シテル?   05/08 09:42
1959年、講談社入社。週刊現代創刊メンバーのひとり。1974年、総合誌「月刊現代」編集長就任。1977年、当時の講談社の方針によりジョイント・ベンチャー開...
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