• 車種別
  • パーツ
  • 整備手帳
  • ブログ
  • みんカラ+

正岡貞雄のブログ一覧

2012年07月25日 イイね!

『歴史の闇』と出会うルーツ探訪の旅

『歴史の闇』と出会うルーツ探訪の旅~プロローグ・第3回正岡祭りのあとで~

 マリナーズのイチローが新天地を求めて、ヤンキースへの移籍を自ら選んだのを、朝のTVニュースで知った。メジャー11年半で積み重ねた安打数が2523本。その38歳の「第2章」がはじまったわけだ。

イチローの「第2章」か。彼が大リーグ入りしたのは2001年だという。その1年前、新世紀である2000年に入った年の2月末に、株主総会を経て「ビデオマガジン」を主宰する責任者の椅子を、親会社である講談社からの後進に譲って、そのあとはなにをやってもいい身分を得ていた。とはいえ、ぼくを必要とする仕事は残っていた。

 たとえば、筑波サーキットでのNEWカーを集めて、レースさながらに競わせる「バトル」企画の収録には、ぜひとも立ち会って欲しいとの現場からの要請もあって、欠かさず足を運んでいた。バトル・スタートの旗振り役である。もちろん、トラブルが起こったときのメーカーとの対応や、出演キャスターの調整は、ぼくがいると便利だという裏の事情もあったろう。

 それでも、やっと、自由にできる時間がたっぷり生まれた。そこで、かねてから取り組みたかった「ルーツ探訪の旅」と、向かい合うことにした。

 ついでに、それまで乗り継いでいたセルシオ、マジェスタの大型FR路線を、分相応にプリウスにしようかな、と迷った末にボディサイズ(全幅)が1,700cmのFR車、プログレを選ぶ。操縦性と走行性能に配慮しているというので、3リッター、直列6気筒DOHCのエンジン搭載のiRバージョンとした。いまでも正解だったと満足している。そのプログレは、これといったトラブルもなく、ずっと手もとにあって、オドメーターはまだ85000あたりで、近年はとみに走行距離が伸びなくなってしまった。


*納車されたばかりで四国の旅に駆り出されたときのプログレ

 2000年10月、納車されたばかりのTOYOTAプログレを駆って、東京を離れた。東名、名神、中国、山陽の高速自動車道をひた走り、尾道から「瀬戸内しまなみ海道」を経て、四国・今治市まで、一気に……。念願の「ルーツ探訪の旅」が本格的にはじまった。

 それから、10有余年が経って、オリンピック並みに4年に1度、発祥の地・愛媛県松山市北条で催される『正岡祭り』世話人の一人になってしまっている。その第3回目を、つい先日の7月14日(前夜祭)、15日(式典とゆかりの史跡めぐり)の2日間で終わって、ぼくは3日目の朝を、搭乗してきた航空会社経営の、松山城の真向かいにあるホテルで迎えていた。残念ながら、東京から片道で、900キロ近いドライビングは、もう許されないものらしい。空路、松山入りを余儀なくされていたのだ。

 午前7時、朝食をとるため、14Fのレストランへ。ガラス窓越しに、松山城の本丸が目の高さで眺められる席が空いている。ホテルの部屋のドアに挟んであった地元の新聞を、期待をこめて、開く。


*2012年7月16日付けの「愛媛新聞」

 正岡子規を生み出したお国柄だけに「正岡氏」に関するイベントは、それなりの話題を呼ぶ。第1回の時などは、地元の愛媛TVの取材カメラも回り、愛媛新聞はもとより、読売の記者の姿もあった。が、3日回目ともなると、珍しさはない。それでも、地元紙の若い女性記者が暑い日差しのなか、熱心に取材する姿が、いかにも好ましかった。

 第8面。カラー写真を配した3段記事が掲載されていた。『「正岡さん」強まる絆 県内外70人集い交流』という見出しが目に飛び込んだ。ともかく、「正岡づくし」の記事である。あの若い女性記者のクレジットも添えられている。「正岡万弥」嬢か。いい名前だ。簡潔にまとめられているので、「正岡祭りって何?」という問いに答えるのに好都合だから、そっくりそのまま引用してみよう。

――正岡姓の人たちが集う「正岡祭り」が14,15の両日、松山市宮内の高縄神社などであり、県内や関東、九州などから約70人が参加。一族の歌の披露や、ルーツとされる史跡見学などで交流を深めた。
2004年から4年に1度開催し、3回目。大阪府立成人センター顧問の医師で「正岡会」会長の正岡徹さん(79)=大阪府池田市)=によると、中世の豪族・河野一族の北条経孝が約870年前の1136年、現松山市北条地区にある正岡郷に所領を受けて同神社神官となり、正岡姓を名乗ったのが起源という。
 15日は記念式典があり、同神社の正岡重岩宮司(70)らが健康や繁栄を神事で祈った。徹会長は「第1回の祭りから8年たち、亡くなった人もいれば新しい生命も生まれた。全員が仲良く過ごせるよう願い、できれば870年さきまで続けたい」とあいさつした。


*高縄神社舞楽殿で「正岡一族の歌」を披露する正岡美津子さん

 式典後、ソプラノ歌手正岡美津子さん(36)が「正岡一族の歌」を境内で披露。一行はバスで正岡氏ゆかりの城跡を巡った。
東京などから兄弟の4人で来た正岡孝紹さん(64)は「初めて参加したが、正岡氏の絆を感じて感激した。子孫にも伝えたい」と話した――。

 読み終えたとき、出来過ぎた話に聞こえるだろうが、新聞記事の最後のコメンテーターである、正岡孝紹(たかあき)さんが「お早うございます」と朝の挨拶をこちらに送りながら、現れたのである。
「読みましたか? 昨日の記事が載っていますよ」
 新聞をヒラヒラさせながら、ぼくは挨拶を返した。

「え!? もう記事が出たんですか」 
 孝紹さんが不思議がるのも無理なかった。前夜、彼の携帯電話に「お嬢さん記者」から補足取材のアプローチがあったのだから、まさか次の朝に、すでに活字になっているとは、予測できなかったのも無理ない。

「じゃ、ぼくはこれからORIXレンタカーの松山店までいって、クルマをピックアップしてきます。9時半スタートですから、ロビーでお待ちください」


*松山でレンタルしたカローラAXIO

 実はこの日、ぼくの特別ツアーとして、正岡孝紹3姉弟と従妹の方を加えた4人を、ある特別な場所へ案内する約束だった。そのための足として、レンタカーを調達したわけである。その行先が、実はこれからのテーマとしたい「400年前の歴史の闇に光をあてる」という試みである。歴史の正史からはうかがえない、正岡一族に語り継がれてきた「秘話」を確かめようというのだ。


*木々の間から覗ける石垣の址。

*こんな山間の僻地に、なぜこんな立派な邸宅があったのか? 明治40年に描かれたものだ。それが幻のように消えている


*現在はご覧のように石垣だけが残されている。

 ともあれ、ピックアップしたTOYOTAカローラアクシオでホテルまで取って返し、正岡秀章・孝紹兄弟に姉の巳奈子さん、従妹の伸子さんを乗せて、道後温泉のそばを抜けて行く国道317号線で、今治方向を目ざした。

 水ヶ峠トンネルを抜けると、下りのワインディングがはじまる。右手の灌木越しに、谷川が走っている姿が、チラチラと覗きはじめた。もうすぐ最初の目的地が待っていたのである。最近入手した日本画に描かれた屋敷の址を訪ねようというのだ。いまは忍び返しのついた石垣が残っているだけなのだが……。

 その謎解きは、次のアップまで、お待ちあれ。
Posted at 2012/07/25 14:31:50 | コメント(0) | トラックバック(0) | ルーツ探訪 | 日記
スペシャルブログ 自動車評論家&著名人の本音

プロフィール

「海の向こうでナ・リーグ中地区最下位のパイレーツがドジャースを3連破し予想外の異変が。一方セ・リーグは虎が「優勝マジック」4で独走、明日にも胴上げしそうな気配。サト輝が36号、近本がプロ入り7年目で1071安打を記録しミスター長嶋超えを。シーズン後半に入って状況がガラリと変わった!」
何シテル?   09/05 12:40
1959年、講談社入社。週刊現代創刊メンバーのひとり。1974年、総合誌「月刊現代」編集長就任。1977年、当時の講談社の方針によりジョイント・ベンチャー開...
みんカラ新規会員登録

ユーザー内検索

<< 2025/9 >>

 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
282930    

リンク・クリップ

富士のヘアピンで息絶える! ~ミラージュCUP闘走の記憶・第2幕~ 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2025/06/08 16:07:17
新しい光が《わがクルマ情熱》を再生させた! 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2024/12/08 20:15:35
『10年前、五木さんの500SEを譲り受けたのが…』(黒澤) 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2024/12/03 16:35:03

愛車一覧

トヨタ プログレ トヨタ プログレ
「NC」とは、ニュー・コンパクトカーの略と記憶している。(その後、NEO CATEGOR ...

過去のブログ

2025年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2024年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2023年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2022年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2021年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2020年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2019年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2018年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2017年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2016年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2015年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2014年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2013年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2012年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2011年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
ヘルプ利用規約サイトマップ
© LY Corporation