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正岡貞雄のブログ一覧

2015年01月09日 イイね!

『記憶違い』の功名 

『記憶違い』の功名 〜改めて『ベスモ疾風録』を書き直してみようかな?〜

「怪我の功名」ということばがある。うっかりミスが、思いがけない好結果を呼ぶ。そんな意味のことわざだろうが、とんだ記憶違いから、埋もれていた事柄が露われ、連想ゲームの引き金となって、いろいろと思い出されていく。その連環から、あのベスモの「疾風・怒濤の時代」が掘り起こされていく……そんなお話からはじめたい。そしてそれは、新しい物語への取り組みになるかも知れない。





 新しく2015年に入って、しばらく鳴りをひそめていた「ベスモ同窓会」への加入希望者が、ここへきて動きが活発となった。
 1月6日に、156番目の同志となった 「スバルは地元名産品」さんからこんなメッセージが届く……。

−−−この度は、ベストモータリング同窓会のグループに参加させて頂ける事となりまして、本当に有難うございます。私が「ベスモ」と出会ったのは1996年だと記憶しています。たまたま書店で1996年2月号を見つけて購入し、何度も何度も見た記憶があります。内容はガンさんがフェラーリF355で、国産最強クラスとのバトルをしていた物です。以来毎月、以前の物は古本屋で見つけては買い足して、ほぼ全巻実家に保存してあります。
(もうビデオの物は劣化して再生することも難しいかもしれませんが……ハードケースの時が一番面白かったです)今回、このみんカラで再び「ベスモ」に触れることが出来て、大変感激しております。オフ会等なかなか参加が難しいように思いますが、陰ながら応援させて頂きます。






*ポルシェ911ターボを操る中谷の「足」


 あたたかい想いが、ジワッと伝わってくる内容だった。早速、お礼をかねて返信する。
「やあ、はじめまして。早速、1996年2月号を見直してみました。ガンさんのF355、よく憶えています。ベストモータリングも円熟期にあり、どのコーナーとも、つい見入ってしまいました。小生は、次の世代にバトンを渡すべく、いろいろテストしていた時代でもありました。それから21年ですね。改めて、そのころの新しい読者を、仲間に迎えられる。有難い、と想います。無理をしない程度で、直接お逢いできる機会が来るといいですね」

 すると、素早いレスポンスで「メッセージ有難うございます」の件名で折り返しのメッセージが送信され、その末尾にさりげなく添えられた「追伸」に、ドキッとさせられる指摘があった。

「1/3号のブログで2代目セルシオが旅のお供とありましたが、あのクルマは初代のクラウンマジェスタです。いや、私の以前の愛車が2代目セルシオなもので、少し気になっておりました」と。


*「記憶違い」の引き金となった湯布院でのスナップ


*ちゃんと正面からのショットもあったのに……。

 慌てて、1月3日にアップした『カリスマ教官の…』の最後に添えた九州・湯布院でのスナップ写真を確認してみる。ボッテリしたリアビューから、そのころの記憶から「セルシオ」と疑いもせず、このときのお供として紹介している。アップしてみると、間違いなく「MAJESTA」のエンブレム。ついでに念のため、当時の「手帳」で確かめてみると、8月11日にマジェスタを受け取っていた。で、すぐに返信。

「そうでした。初代マジェスタでした。それが出たところで、その主査だった渡邉浩之氏(のちに常務となってハイブリッド車開発を推進する)から、ぜひ試乗を、と乞われ、九州行きのお供にしたのを思い出しました。ありがとう。すぐに訂正します。なお、1996年2月号は間違いなくガンさんがF355をドライブしています、中谷君は最後のグループAマシンでした。(正岡註:これも間違い。ポルシェ911ターボをドライブ)」

 そんな「記憶違い」からはじまったやりとりのお陰で、改めて「ベストモータリング」の1996年2月号を再生機にかけたり、山陰から九州へと夏休みドライブした1994年当時の写真帳を洗い直したりしているうちに、さまざまな記憶が蘇ってきた。






*そのころCOTYの実行委員だった小生まで「特別出演」

 たとえば1996年2月号の「筑波バトル」を収録したあと、ガンさん、中谷、土屋の3キャスターをヘリコプターに押し込み、河口湖畔のリゾートホテルで開催されている「日本カーオブザイヤー」の選考会場に降り立った「事件」。その号の自社コマーシャルで「黒澤元治ベストセレクション・メルセデスベンツNEW Eクラス」を告知していたり……そのころの様々な「出来事」。1号戻ると(つまり1996年新年号)「ベスモ組長の跡目相続劇」をパロディの形で披露したりと、かつてまとめた『ベスモ疾風録』をもう一度、洗い直したらどうだ、という声が、どこからか聴こえてくる……。





「記憶違い」の功名。そんなタイトルが、ひょいと浮かんできた。
 そうだ! 黒澤さんと五木寛之さんとの「対談・それからのメルセデス伝説」も紹介しかかって、そのままになっている。

 それに1994年のあの頃、それまでのセルシオをマジェスタに乗り替えた背景など、まだ触れていない。

 78歳でいられるのもあと1週間。もう1回、ネジを巻き直さなくっちゃ!
                
(この項、終わる)
Posted at 2015/01/09 22:26:36 | コメント(5) | トラックバック(0) | 78歳の挑戦 | 日記
2014年12月23日 イイね!

箱根のガンさん邸、至福の餅つき忘年会

箱根のガンさん邸、至福の餅つき忘年会〜ここから、また新しいものが始まりそうな予感〜


 相模川を渡ったあたりで、東名から小田原・厚木道路に入ると、右側の視界が大きく開ける。関東平野もここが西端で、箱根連山がどっしりとした黒い姿で出迎えてくれた。そして、それを際立たせるように、真っ白な雪のガウンを纏った富士山が、背後から箱根の山々を押し出している……。

 前夜の雨も上がり、「ぎっくり腰」も影を潜め晴れやかな朝がはじまっていた。目指すは箱根小涌谷のガンさん邸。10年ほど前からはじまっている餅つき大会は「クルマ仲間」にとって、なによりの忘年会であり、絶好の社交場でもあった。

 12月21日(日)の午前8時15分に練馬を出て、まだ1時間も経たないのに、もう小田原・厚木道路を走っている。いいペースだ。が、速度制限70km/hのこの自動車専用道、走り屋さんには要注意のルートでもある。

 中間の料金所を抜け、大磯あたりのアップダウンのある山間部を抜けていると、背後から白のNSXが迫って来た。ヘッドランプの形からみてⅡ型クーペかな。ともかく、前にでてもらおう。左へ寄る。すっと脇を大胆に抜けて行く白のNSX。残念ながらドライバーの顔は確認できなかった。が、走りっぷりはただ者ではなさそうだ。
 ピンと来るものがあった。ガンさんの餅つき大会には、彼が手塩を掛けて育てた「NSXオーナーズミーテイング」の面々も集結する。その中の一人に違いない。だったら、箱根のガンさん邸までランデブーランをきめこむとするか。すぐに「チョイ悪爺ィ」の本性が剥き出てしまう……。 



 10時ジャスト、山腹にあるガンさん邸に着く。邸前の坂道はずらりと高級車が列をなして駐っている。年に1度、この日だけは、私道部分とあって周りのお宅も大目に見てくれているらしい。
 残念ながら、小田原厚木道路で遭遇したNSXは、国道1号に降り立ったのち、箱根ターンパイク方向へ走り去ったので、絵に描いたようなストリーは成り立たなかったが、しばらくは、ドライビングモードを「power」にセットして追走した昂まりは、それからのワインディング走りを、すこぶる付きのアクティブ・モードに導いてくれた。







 餅つきパーティは、すでに最高潮を迎えていた。約束通りに中谷明彦君も笑顔で迎えてくれる。黒澤ファミリーは総出で、餅米をふかしたり、豚汁をつくったり、テキパキとそれぞれの役割を果たしている。ガンさんが杵を振りかざし、元MAZDA広報の名物男・前田保さんが相棒になって、餅を揉む……。

 挨拶替わりに、まずひと搗き、杵を受け取り、わたしも臼にむかうことにした。わざわざ広島からやってきた前田の保さんがかけ声とともにサポートしてくれる。





 来客の諸氏が「ヨイショ!」と声を合わせてくれた。振り下ろす。餅の白い塊りの中心をめざして。ゴルフと一緒で、芯で捕えないと、音が悪い。ピシッとジャストミートした音を出すには、このあと、3回ほど杵を振り上げなければならなかった。

 訊くところによると、この日のために用意した餅米は一袋30kgに分けたものを20袋、つまり600kgもの餅を搗き上げる。搗き立てのお餅を、大根おろしで食べるもよし、餡ころにくるんでいただくもよし、そして翼君が掛かりっきりで用意した豚汁、これがまた抜群の旨さ……である。

 ま、そうはいっても、お餅をそんなにいただけるものでない。そこからが黒澤家の心くばり。きれいに板状にのしてから、包丁で切り餅にして、帰りのお土産にと、パック詰めにするのである。

 ガンさんご自慢の苔蒸した庭園も、ガレージも、この日は全面オープン。ゲストたちは思い思いにテーブルについて、ガンさんの用意したものや、それぞれが持ち寄ったワイン、シャンペン、日本酒、その他、アルコール抜きの飲み物に手を伸ばし、おしゃべりを楽しむ。


*中谷君にじゃれているのが野田編集長


*メルセデスベンツJAPAN広報部からの3人組

 親交のある自動車メーカー広報マンとも、ここで逢うと、また特別の親近感が湧いてくる。メディアで活躍中の若手編集マンも、中谷君を捕まえて離さない。「ベストモータリングの創刊号からのファンです。全巻を持っています」と、親しく声をかけてくれたドクターは、予想通り、NSXオーナー。まさにここは、みごとな「クルマ仲間」の社交場だった。

 ガンさんがわたしを手招きする。そばに背の高い若者が立っている。
「紹介します。もてぎの最終戦からうちのチームで走った……」
「あ、蒲生君ですね。逢ってみたかった」


*LEON期待の星・蒲生尚弥選手

 どこか面差しが、デビューしたころの服部尚貴君に似ていた。つい先頃までGAZOOレーシングで走っていて、もてぎ最終戦での走りも評価が高かった。滅多に褒めないガンさんも、目を細めて紹介してくれる。
「出身はどこ?」
「岡山の倉敷です」
「じゃ、中山サーキットでも走ったのかい?」
「カートからはじめたので、ホームグランドみたいなものです」
「そう、じゃあ、来年の4月も、スーパーGTの開幕戦は岡山国際だろうから、レースの次の日に、中山サーキットで第3回目のベスモ同窓会主催の走行会をやる予定なんだよ。出来たら、ガンさんのお供でいらっしゃいよ」
「あ、面白そう!」

 滅法、明るい青年。ちょっと天然なところもあっていい感じ。ルーキー時代は86遣いで鳴らしたともいう。ひょっとしたら、この蒲生君、来年のLEONチームで大化けするかも知れない。閃くものがあった。谷口信輝君とも共通する何かを持っているぞ、と。

 ガンさんと、この箱根の「ゲストハウス」(御殿場の家は治樹君に渡し、今ではここに定住している)落成の頃の昔話を懐かしんでいると、1冊のビジュアル本を拡げて、NSXオーナーズクラブのメンバーがサインを求めて来た。「CARTOP」のMOOKとして発売されたばかりの『NSX Owners Fille 黒澤元治の生きざま』(消費税込み2500円)。



 マジックペンを走らせながら、ガンさん、満足そう。
「これを創ってくれた編集長も来てくれていますが、売れてるんですって」
 この企画がスタートした時、野田航也編集長(ある時期、ベストカーで修業したこともあって、ガンさんの信頼が高い期待の星)から電話をもらって承知していたが、実物を見るのはこの日が初めてだった。
 
「どれどれ」
 ちょっとお借りしてページを開く。目次の次の大見開きは迫力があった。
『身命を賭して』とタイトルしたカラーページ。NSXのステアリンを操るガンさんのアップ。コピーを読んでみる。



———昭和58(1983)年、黒澤元治が発した言葉が当時の本田技研工業・常務取締役の心に響いた。
「F1にカムバックするなら、市販車でも世界中のホンダファンに夢を与えるスポーツカーを出すべきではないか」
 その提言が契機となり、ホンダ初のミッドシップスポーツ「NSX」の開発に繋がったという逸話を知るファンもいることだろう。
「こんなに深く真正面から取り組んだクルマは、後にも先にもないよ」。今回のインタビューでそう口火を切った。
 開発に携わったキーマン、そして一人のオーナーとして、NSXに馳せる想いを聞く―——

 必読のページが続く。
「魂を込めて開発した最初で最後の理想形」「俺が仕上げ、オーナーが育ててくれた」
 そして本田技術研究所「鷹栖プルービンググラウンド」での「生まれ故郷を攻める」
 後半は「あなたのNSXをみせてください」「NSXオーナー白書」「永遠にNSXを所有するために」「スキルを磨き親交を深める」といった、肌理の細かい編集の配慮も、このMOOK本を生き生きしたものに仕上げていた。

 持ち主に「NSX」の本を返しながら、実は20年ほど前の、完成したばかりの黒澤ゲストハウスを舞台にした「素晴らしい記憶」が蘇って来ていた。それは作家の五木寛之さんとのスペシャル・トークを、ここで収録していたのであった。詳しくは次回に紹介するとして、五木さんがこんな「リードコピー」を寄せてくれた『それからの“メルセデスの伝説”』は、いま、改めて熟読吟味に値する宝石のような「対談記録」であった。

———「ガンさん」こと、黒澤元治さんと一緒に仕事をするのは何年ぶりだろう。
鈴鹿で始めてのCIVICワンメイクレースがスタートしたとき、
「五木レーシングチーム」を結成、もちろんガンさんがドライバー(まだ現役のF2レーサーだった)。
もう14年が経ったのか。
その後もマカオGPのグループA・ギアレースに、TV番組「愉快な仲間たち」の収録をかねて出場したりするなど、共通の記憶をひろいあげたら際限がないほどだ。
久しぶりに、黒澤さんからお呼びがかかった。
温泉つきの箱根のゲストハウスが完成したので遊びにきませんか、と。
どうやら、ご自慢の造作らしいが、わたしをその気にさせたのはそれからの黒澤さんがモータージャーナリストとして新しいタイプの領域を確立してくれたことへの敬意と、クルマを通して自らを高めようとする、青年のような熱い息遣いに触れてみたいと想ったからである。
それに、来るならNew E320を用意するから、と上手に誘惑する。
新しいメルセデスを肴に、おしゃべりするのも悪くない。
箱根は、秋の真っ盛りであった。     (五木寛之)


*昭和61(1986)年のマカオGP

 さて、あの本、「黒澤元治 ベストセレクション Mercedes-Benz New E class」は書棚のどこにあるのだろう。それが気になりはじめた。NSXの本も買っておきたい。この会は自然にゲストがやってきて、搗き立ての餅をいただき、ひとしきりのおしゃべりを楽しんだら、お土産のお餅を受け取り、自然に退去していくのがしきたりのようである。

 わたしもそれに倣うことにした。冬の陽はまだ高く、箱根のこの辺りは光がいっぱいであった。    
 (この項、終わる)


Posted at 2014/12/23 14:29:27 | コメント(10) | トラックバック(0) | 78歳の挑戦 | 日記
2014年12月20日 イイね!

中谷明彦君と、また一つ、新しい約束を! 

中谷明彦君と、また一つ、新しい約束を! 〜クルマ仲間 eBook名作ガレージ船出の日〜


ひと月前に「ぽらりすよ、もっと輝け!」のタイトルで、その船出をお伝えした新しい編集企画会社『ぽらりす』が、本格的に走り出している。

 12月19日に、デジタルコンテンツビジネスを支援するアイプレスジャパンの強力なバックアップによって、電子書籍ストアであるコンテン堂モール内に、自動車専門の電子書店『ぽらりすeBooks〜クルマ仲間 名作ガレージ』を開設したのである。



 そのNEWSがドドッと、その筋のネット系メディアでとりあげられた。『Response』をはじめ、「みんカラ」の『carview!』にもしっかり紹介されていたのだから、こちらも張り切らざるをえないじゃないか。

———『ぽらりすeBooksガレージ』は、自動車業界に関連する幅広い分野のコンテンツをラインナップ。モノとしての自動車に留まらず、文化としての自動車、科学的運転論、小説、EVハイテク、ものづくり、市場、産業、日本らしさの追求など、多様な構成となっている。また、執筆陣は自動車設計者や評論家、レーシングドライバー、作家など多岐にわたり、新作も順次刊行する。

【展開するコンテンツ】
NEW 『ポルシェ911ドライビングバイブル ~RRがスポーツドライビングの原点だ!』
中谷明彦 著 500円(税抜)
http://contendo.jp/store/polaris/Product/Detail/Code/J0010123BK0024595001/

NEW 『2001年クルマ社会は崩壊する』
舘内端 著 500円(税抜)
http://contendo.jp/store/polaris/Product/Detail/Code/J0010123BK0024424001/

NEW 『自動車産業亡国論 ~トヨタ・日産の「正義」は日本の罪』
梶原一明/徳大寺有恒 著 500円(税抜)
http://contendo.jp/store/polaris/Product/Detail/Code/J0010123BK0024596001/

オープン記念新価格 『新・ドライビング・メカニズム ~ヒトとクルマを考えたドライビングの最適解』
黒澤元治 著 新価格 700円(税抜)
http://contendo.jp/store/polaris/Product/Detail/Code/J0010123BK0005440001/

『疾れ!逆ハンぐれん隊』 全10巻
五木寛之 著 400円(税抜) 1巻&2巻は【無料】
http://contendo.jp/store/polaris/Product/Detail/Code/J0010123BK0004221001/

『日本一周乙女の独り旅』 monologue+全14巻
三好礼子 著 100円(税抜) monologueは【無料】
http://contendo.jp/store/polaris/Product/Detail/Code/J0010123BK0004222000/

『間違いだらけのクルマ選び』 90年版~
徳大寺有恒 著 300円(税抜)
http://contendo.jp/store/polaris/Product/Detail/Code/J0010123BK0004223001/

『指さして言うTOYOTAへ 誰のためのクルマづくりか』
徳大寺有恒 著 500円(税抜)
http://contendo.jp/store/polaris/Product/Detail/Code/J0010123BK0024114001/

【新作予定】
「800馬力のエコロジーFrom the Project “EV Le Mans 24 Hours”」 舘内端 著
配信開始予定:2015年2月

【ぽらりすeBooksガレージについて】
サイト名  : 『ぽらりすeBooks~クルマ仲間「名作ガレージ」』
URL     : http://contendo.jp/store/polaris/
編集企画  : 株式会社ぽらりす
編集人   : 正岡貞雄
電子書籍形式: EPUBリフロー
対応端末  : iPad、iPhone、Androidタブレット、Androidスマートフォン、Windowsパソコン

 と、丁寧きわまる「紹介記事」が、ずらりと。徳大寺有恒さんの訃報をきっかけに、11月21日に『指差して言うTOYOTAへ』 をまずオープンし、さらに同じ「風の仲間」のひとりであり、EV車の巨匠、舘内端さんが12月8日の宝島社から『トヨタの危機』を発刊したのに呼応して、そのEV車に取り組む原点となった『2001年クルマ社会は崩壊する』(三推社刊)の電子書籍版を投入して、12月19日のオープンに備えて来たのが、やっと形としてまとまりつつあった。






*舘内さんの新著。「やっと納得できるものができあがりました」と。必読だよ。

 その仕上げが、1年越しの約束となった中谷明彦君の『ポルシェ911ドライビングバイブル ~RRがスポーツドライビングの原点だ!』。この作品、12年前に初版(講談社・三推社刊)が出て、3万部も売れて話題となったが、すでに絶版となってしまった。テーマはRRドライブのポルシェ911となっているが、そこにはクルマとドライバーとの絶妙な関係が、みごとにまとめられていて、本物志向のクルマ野郎にとって、必読のバイブルとなっている。
 
 そのためだろうか、試みにネット上でこの絶版本に、いくらの値付けがされているか検索していただきたい。中谷君が電子書籍化に積極的なのも、その辺の状況から、一人でも多くのクルマ野郎に、リーズナブルな価格でお届けしたいという志があったからである。 

 12月19日のオープン記念に、この「911ドライビングバイブル」を間に合わせよう。嬉しい作業に忙殺されたが、やっとそれも仕上がったところで「ぎっくり腰」に襲われた。

 それも、選(よ)りによって、そのオープンDayの朝だった。eBook版の仕上がりと、さらにその後に待っている新企画の打ち合わせを16時に、例の東京プリンスホテルで開く約束だというのに……。 

 コルセットをして、這うようにして、約束の時間から30分も遅れて東プリに着いた。電話連絡がとれていたから助かったものの、中谷君はにこやかな顔で迎えてくれた。早速にiPadで「911」を見てもらう。eBookの利点は、誤植などの手直しがすぐに対応しやすいことだ。



「この電子書籍を契機に、いろいろとやりたいことがたくさんあるんです」
 中谷君が切り出した。まず、「ポルシェ・バイブル」の英語版はできないだろうか?」と。
 香港・マカオをはじめ東南アジアにも彼のファンが多く、彼らにもぜひ読んで貰いたいから、と。
 次に、10年近くやっている『中谷塾』の講義テキストを同じように、電子書籍化したい、と。

 嬉しいね。その新しい約束、もちろん、すぐにとりかかりましょう!



 2015年も、新しいターゲットに向かって、心を燃やすことができそうだ。で、中谷君、12月21日の「箱根・黒澤元治邸の餅つき大会」はことしも行きますか?

「もちろんです。局長も行きますか?」
「もちろん! ガンさんにも今度の『ぽらりすプロジェクト』で、いろいろ、無理をお願いしているんだから」

 オープン記念として、これまで1200円で販売していた『新・ドライビング・メカニズム』を、すでに購入していただいた読者には申し訳ないが、700円(税抜き)の新価格で提供できるよう、協力いただいている。

 さて、21日の箱根の餅つき大会、ぎっくり腰が大丈夫なら、せめてひと搗き、杵を振り下ろせるといいのだが……。
Posted at 2014/12/21 00:25:15 | コメント(11) | トラックバック(0) | 78歳の挑戦 | 日記
2014年11月19日 イイね!

「ひと恋初(そ)めし」時代へ…C200 AGの誘惑

「ひと恋初(そ)めし」時代へ…C200 AGの誘惑【左の写真はCクラスの発表会のオープニング】

『ベストカー』の「徳大寺有恒追悼号」、140字×200行、11月15日(土)。
『RJC2015年次カーオブザイヤー・ブリテン(公報の意) インポート部門 ベンツC200セダン』、400字、11月17日(月)。

 久しぶりに締め切りに追われる日々を送った。それぞれ、分量は少ない。が、それだけに何をどう盛り込み、どう書き上げるか。結構、プレッシャーのかかる執筆依頼であった。


*RJCイヤーカー選考テストデーで「もてぎ」で試乗したC200セダン

 約束の日までに、無事入稿。『ベストカー』には《杉江博愛と黎明期のベストカーガイド》、『RJCブリテン』には《次期戦闘機はCクラスか!?》を。それぞれの担当責任者から「たいへん結構です」というだけではなく、読後感まで添えてあるメールが、即座に届く。しあわせ感が身体中に広がっていった。

 しかし、一方でフラストレーションが爆発寸前。とくにCクラスについては、書きたいことが、あれもこれもと、湧き上がって来て、わたしを虐める。

 そんなときは、有難いことに、締め切りもスペースの制限もない「みんカラBLOG」があるじゃないか。それに「W205」については、わたしの140字日記である「何シテル?」欄で、BMWアクティブ・ハイブリッド3を出汁にした「両手に花」(10月18日付け)とか「10月16日からの6日間、さまざまな状況で乗り味が堪能できたC200AG。その晴れがましくも滋味たっぷりだったインプレ記録を仕上げようとPCに取り組んだ途端、西欧の作家、ジッドやツルゲーネフに親しんだ頃に回帰していったのは、なぜだろう?」(11月04日付け)などと、前置きばかり。いまこそそれを、一挙に仕上げるいい機会ではないだろうか……そう気づいた。
 
 そして始めた、ちょっと気取った書き出し。よろしく、おつき合いを。  
     *      *      *     *
 あれは高校二年の一学期末だったろうか。
 担任の教師に職員室に呼びつけられた。心当たりになるようなことをしでかした覚えもない。
「ぶりさん」(担任の愛称で、いつもブリブリと生徒を頭ごなしに叱りつけるので、随分前の世代からそう呼ばれていたらしいが)は、一枚の用紙をヒラヒラさせながら,いきなり問いかけて来た。

「おい、正岡。お前、毎月の小遣いはナンボか?」
「は? 小遣いですか?」
「そ。小遣いたい。親からもろうちょらんのか?(九州弁で、もらってないのか、の意)」
「はあ。本代とか、映画を見に行くときくらいは、お袋から……」
「そうか。これから毎月、奨学金を500円、貰えるようにしちゃるけん、この書類に親のハンコ(印鑑)を捺して貰うたら、持ってこい」
「え!?」

 500円といえば、当時(昭和27年=1952)の高校生にとっては、大金である。例えば、今、わたしの手元にある金田一京助監修『明解 国語辞典 改訂版』(三省堂)は初版が昭和27年、ページ数は1000に近いもので、定価が380円。つまり、それだけのものが買えて、お釣りが120円。確か、ラーメンが一杯15円か20円の時代。嬉しくならないはずがない。


*福岡県立八幡高校の旧大蔵校舎。今は移転し、市営住宅がたちならんでいるとか。


*大学受験用に用意したもの。この時期にやっと長髪を許される。

 日本育英会の高校奨学金は利息がゼロで、世の中に出たら返済しなければならない仕組み。が、そんなことを深く考えられるわけもない。毎月500円の小遣いが嬉しくて、受給したその日は、まっすぐ街の中心にある書店に走り、岩波書店、新潮社の文庫本の棚に並べられている西欧の小説群のなかから、アンドレ・ジッドの『狭き門』、イワン・ツルゲーネフの『はつ恋』(新潮文庫はこう標記)、ヨハン・ゲーテの『若きウェルテルの悩み』を買い込み、読み漁る日々に突入していく……。
 特に魅せられ、何度も読み返したのは『狭き門』。細かいストーリーはおぼろげになってしまったが、年若い主人公ジェロームが、避暑地の別荘でふたつ年上の従姉アリサに出逢う。巴里に帰ってから気づくアリサへの慕情。ひと恋初(そ)めし青年の心の動きに、すっぽりのめりこんでいったあの時代。実はそのころ、わたしもひとつ年上の、同じ文芸部の先輩を秘かに想っていた。髪の長い、いつも濡れているような黒い目をしたそのひとのことで、いつも心がざわめいていた。
 その頃、秘かに書き綴っていた日記に登場する彼女の名前を「アリサ」にしてしまう。ジェロームが恋心とは「無償の愛」と言い聞かせるフレーズに、うん、それだ、と共鳴してしまう。と同時に、見知らぬヨーロッパの国々や文化に憧れていく……その水先案内役が、奨学金で購った文庫本たち=西欧の小説だった。
 
 それがわたしの青春の向上心を育んでくれたのだ、と、メルセデス・ベンツ C200アヴァンギャルドで、関越自動車道を待ち合わせの三芳SAをめざして北上しながら、懐かしく思い起こしていた……。未知の世界にぐいぐい引きこもうとする何かを感じはじめのかな。

 なぜ懐かしく思い起こしたのか。それを説明するには、どうしても、この年の初めからはじまっていた、いわゆる「ベンツ漬け」の日々から触れなければならない。

 1月の24日、真っ先にやって来たのが、CLA45AMG。見かけは4690×1780×1430mmだから、小ぶり。わが愛車プログレと、車幅を除くといい勝負。


*1月16日、六本木のメルセデス・ベンツJPANで広報のマドンナからA45を受け取る


*AMGの手が入ったシート、インパネ。赤のストレッチが効いている。

 しかしAMGが手がけた4気筒エンジンは凄みがあった。何でも、量産エンジンとしては最強のものだという触れ込み。しかも前輪のホイールを透かして見える真っ赤なブレンボー製ブレーキ。走る前からゾクゾクして来た。アイドリング状態なのに、ドスのきいたエクゾーストノートが、さらにこちらにプレッシャーをかけてくる。で、シートに腰をあてがい、フィットする位置をセットできたところでシートベルトの金具をパチンと差し込むと、一瞬の間を置いて、シートベルトが生き物のように蠢く。と、次に瞬間、キュッと身体を締め付けて来た。お!! まるでレーシングカーに乗った気分にさせてくれる、憎い演出!

 そんなことを書き出したら、この稿、いつアップできるかわかりやしない。一応、この続きは、いつもの「次回、更新まで」とお断りしたところで、一休みをいただくとしよう。
 
Posted at 2014/11/19 01:08:41 | コメント(3) | トラックバック(0) | 78歳の挑戦 | 日記
2014年11月12日 イイね!

結果速報! RJCイヤーカーの栄冠は「ハスラー」へ!

結果速報! RJCイヤーカーの栄冠は「ハスラー」へ! ~1票差の逆転劇で「インポートカー」部門はCクラスに!

 夜を徹してでも書き上げて、当BLOGでお伝えしたいことが山ほどある。

その一つ、わがプログレのODOメーターがついに99999kmに達してしまったこと。
 その一つ、37年来の盟友が、11月7日、慌ただしく、幽界に旅立ってしまったこと。そう、徳大寺有恒さんのこと。にもかかわらず、いずれもWORD原稿を途中までしかアップできず。そのままフリーズさせている。




 というのも、2015年次RJCカーオブザイヤーの最終選考会に出席するため、10日夜には、栃木八溝山地にある「ツインリンクもてぎホテル」に赴き、選考対象に入っている自動車メーカー関係者との懇親会に顔を出す精勤ぶりが災いしてしまった。要するに、時間の使い方が下手なだけなのだが・・・・・・。

 ま、速報性を優先させ、「イヤーカー選び」の方を、「何シテル?」風にさっさと片付けて、それからジックリ腰を据えて、仕上げることにしよう、と肚をきめたら、少しは心も軽くなり、ひとまず掲載したい写真選びからはじめてしまったのである。その気儘さ、お許しあれ。

 第1次選考の結果をお伝えした前回BLOGの末尾で、ツインリンクもてぎの往復で、そのお供に、予選落ちで試乗する機会を失った日産ティアナにしようか、それとも、もうすぐ走行距離が10万キロに達するわがプログレにしようか、と悩んでいることに触れていたが、結局、ティアナにした。この車幅1.83mの2.5ℓのFFセダンの正体は、北米市場向けの秘密兵器だった。





 午後7時半からの懇親会は三本和彦さんと同じテーブル。図らずも、徳大寺有恒という共通の「戦友」を偲んでの、クルマメディアの内幕やらカーガイ物語やらに、同席したメルセデスベンツ広報のマドンナ・嶋田さんの目は好奇心で輝きっ放し。一度、活字にできたらいいだろうな。

 もてぎの朝。午前8時受付開始。ブリーフィング後、9時から試乗開始。パドックに勢揃いした2013年末から2014年秋までにデビューした内外のNewカー。こんな贅沢な機会は滅多にない。

 当方は、前夜から用意していた試乗したいクルマ名のメモをたよりに、まずアウディブースから。S3セダンでサーキットの外周を一巡りする指定試乗コースへ飛び出した。
帰ってくると挨拶もそこそこにお隣のBMWブースへ。お目当てはMINIとEVのi3。







 そんな慌ただしい試乗テストの合間にジャガーブースに立ち寄って、こんなおふざけも。RJCに加盟して2年目。10年間の空白は、それなりのスピードで埋まりつつあるようだ。

 午後1時には試乗を終了して、1時半には投票を終了しておかねばならなかったのに、1時になってもSUZUKIのハスラーのテスト走行が済んでいなかった。過日、浜松の竜洋テストコースでハスラーを特別に試乗する機会はあったものの、やはり同じ条件で、ダイハツ・コペン、HONDAのN-WGN、三菱・日産の連合軍eKスペース/デイズ ルークスと較べたかった。慌ただしく最後の仕上げ。やっと投票場へ駆けつけることができた。

 さて結果は以下の通り。まず「テクノロジー」部門は日産スカイライン350GT HYBRIDに搭載されている「ダイレクト アダプティブ ステアリング」が本命視されていたデミオの「SKYACTIV-D1.5」を抑えて第1位に。パドックに構造と仕組みのわかる模型まで持ち込んだキメの細やかさが、ハートを捕らえたのかもしれない。







「インポートカー」部門は、最後にカウントされた投票でCクラスがMINIに1票差をつけて逆転するというドラマティックな展開で第1位に。会場が、どよめいた。

 それに較べると、「イヤーカー」部門は序盤からハスラーに最高点の「6点」が集まり、MAZDAデミオはここでも「第2位」に。わたしの「6点」はデミオだったので、この部門だけは「はずれ」となった。それはそれでいいとしても、不思議と「COTY」の選考結果が微妙に影響するものらしい。



 そして「特別賞」は「日本の軽自動車」が40票の信任を得て、授賞がきまった。

 すべてが終了した午後4時。ティアナに鞭を当てて、常磐道経由で帰りを急いだ。徳大寺さんのお通夜が午後7時から催される。間に合うといいのだが・・・・・・。
Posted at 2014/11/12 02:31:01 | コメント(7) | トラックバック(0) | 78歳の挑戦 | 日記
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「鬼門のバンテリンドームでの竜戦はTV中継が滅多にない。案の定、左腕大野に丸め込まれて0:2。が7回から竜の投手リレーが始まる。8回表、中野が右前安打で出塁、森下四球でサト輝の登場。このシーン、一発逆転が出るか出ないか。スマフォ速報で固唾を飲む。痺れる。敵はバンテリンの高い塀。」
何シテル?   08/06 09:17
1959年、講談社入社。週刊現代創刊メンバーのひとり。1974年、総合誌「月刊現代」編集長就任。1977年、当時の講談社の方針によりジョイント・ベンチャー開...
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