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正岡貞雄のブログ一覧

2016年11月07日 イイね!

ポルシェが無念の予選落ちをした日

ポルシェが無念の予選落ちをした日〜RJCイヤーカー第1次選考会レポート〜

 ちょっとばかり心を昂らせ、そして同じくらいのボリュームの不安を抱えて、11月1日の午後、2017年次RJCカーオブザイヤーの第1次投票の公開開票場へ向かった。お決まりの青山学院に隣接する「アイビーホール」へ。



 国産車に与えられる「カーオブザイヤー」は、今回のエントリーがわずか8車とあって盛り上がりようもない。元気印で暴れまくった「SUZUKI」が例の燃費テスト問題でお騒がせした反省もあって、エントリーを事前に辞退、加えてGT—R、NSXといったスーパーマシンも選考委員への試乗に対応できないとあって、エントリーを辞退。となると、今年はどうやら、ミニバンの2候補におおかたの票が集まりそうな気配である。

 それに比べて、28車種がエントリーした「インポート」部門の熱気ぶりはどうだ。中でも初めてポルシェジャパンが「718ボクスター/ケイマン」と「911」でノミネートを受諾し、仮に第1次選考で「シックスBEST」に入っても、大丈夫、「ツインリンクもてぎ」での最終選考会に試乗車を用意します、と宣言した。
 日本市場を含めて世界市場で販売絶好調のポルシェ。この際、「今のポルシェのつくり込み」を味わう機会を提供したい、と新しい一歩を踏み出そうというのだ。日頃、ポルシェに触れることの少ない選考委員諸氏にとって絶好の機会なのだが、その気持ちが通じるかどうか。「いささかの不安を抱えて」とはその点だった。



 会場に着いてみると、すでに塚原久広報室長は席についていて、BMW広報のリーダーの前田氏となにやら懇談中。挨拶をすると、今回は初めてですから、いろいろ勉強をさせていただきます、と。
 
 定刻の5分過ぎ、開票が始まった。第1次選考の投票はFAX送信に決められていて、すでに10月31日(土)の24時に締め切られていた。

 まずテクノロジー(技術)部門から。エントリー名と得票詳細は同載の写真速報から読み取っていただきたいが、①プロパイロット/日産自動車:49、②インテリジェンスドライブ/メルセデス・ベンツ日本:43、③クリーンディーゼル「BlueHDi」/プジョー・シトロエン・ジャポン;37が上位に並んだ。投票総数56のはずが、この部門だけ1票、FAXの未到着があって、有効数が55となっていた。



 どうやら新型Eクラスに搭載したメルセデスの、完全自動運転に一歩近づいた技術に対して、300万円以下の新型セレナに搭載した日産の「自動運転支援技術」がガチンコ勝負という図式が出来上がったようだ。

 さていよいよ「インポート(輸入車)部門」の投票分が1票1票、読み上げられていった。
 10票を開いたところで、トップはアウディA4の10、ボルボXC90の9、MINIコンバーチブルの8、メルセデス・ベンツEクラスの7と並んで、ポルシェ718ボクスター/ケイマンは3票を集めて6位に位置していた。
 お! これはひょっとしたらヒョッとするぞ、という大健闘ぶり。加えて、飯塚昭三会長の説明によれば、ルノー・トゥインゴが「シックスBEST」に選ばれても、辞退したい旨、申し入れがあったという。それならば4票5位のルノーが脱落とあれば、ポルシェは5位に位置しているという計算になる。


*10票まで開票された時点の「インポート部門」。下から5番目、No.24をご覧あれ。718ボクスターは6位につけていた!



 それからの一喜一憂……結論からいえば、無念にも、13票で8位。ルノーの辞退があっても7位、いうならば予選カットラインに阻まれて、「ツインリンクもてぎ」での最終試走会に臨むつもりでいたポルシェの「新しい一歩」に、RJCは応えることができなくなった。ああ、無念なり。

 予選結果は1〜4位は、10票までの途中経過通りで、5位:ジャガーF-PACE、
6位:プジョー308 BlueDi(7位からの繰り上げ)の順であった。そして、8車がノミネートされた国産車部門は「スバル インプレッサ」と「日産セレナ」がそれぞれ55票を集めて1位を分け合って、最終選考に臨む。それを1票差で「トヨタ プリウス」が49票で追従し、さらに1票遅れて「ホンダ フリード」が追う。



 午後3時、開票終了。気が付いて会場を見渡すと、ポルシェJAPANの塚原室長の姿はすでになかった。ポルシェというピュアなスポーツカーが、こうしたイベントに馴染むにはもう少し時間が必要なのかもしれない。

 「行きましょうか?」
  隣に座っている、同じRJCメンバーの飯嶋洋治さんに声をかけた。去年に入会し、今年はカーオブザイヤー選考委員の資格を得た51歳。初々しくRJCでの活動を楽しんでいて、『きちんと知りたい! 自動車メンテとチューニングの実用知識』(日刊工業新聞社刊・2200円+税)を書き上げたばかり。これで10冊目です、と嬉しそうに報告してくれたのは、つい先日だった。
 
 じゃあ、第1次選考の終わったその足で、実は「PORSCHE 718BOXSTER S」を4日間、試乗する予定なので、受け取るときに一緒に、新しく虎ノ門ヒルズに移った「ポルシェJAPAN」にいってみますか?

 勿論です。飯嶋さんはM3のオーナー。心のエンジンはすぐにかかってしまう。そんなわけで、地下鉄銀座線「表参道」から「虎ノ門」へ向かう。

 午後4時ジャスト、わたしたちは虎ノ門ヒルズの地下3階の車寄せで、赤(正確にはラバオレンジ)の718ボクスターSを受け取った。2シーター、電動ソフトトップ、そして心臓部に水平対向4気筒のターボエンジン。気のせいか、暗がりの中でベソを掻いているように見える。

 ひとまず、ステアリングを飯嶋さんに譲って、ナビシートに座る。せっかくの2シーター・オープン。情報によれば開閉はそれぞれ9秒でOKだという。センターコンソールのスイッチを押す。あっさり、それも静かに、オープンカーに変身してくれた。ボロロンと背後からこちらを包んでくれるエンジン音。




 
 さて、これより、千鳥ヶ淵の撮影ポイントに立ち寄ってから、代官山の蔦屋書店に向かいましょうか。そこで、自動車関係の専門コーナーの責任者に、あなたを紹介しますから。

 頷く飯嶋さん。優しく、718ボクスターのアクセルを踏む。地下3階から出口までの螺旋状の走路を抜けると、いわゆるマッカーサー道路と呼ばれる築地・汐留への新しいルートへ出てしまった。まだ陽はいくらか西の空に残っているみたいだ。ひとまず、桜田門方面を目指し、お堀端沿いの千鳥ヶ淵公園を目指した。
「どうですか、このミッドシップのような世界は?」
「“もてぎ”で走らせたかったですね」
 ああ、飯嶋さんも口惜しがっているな。ボクスターが泣き顔をしていた、と書いてしまったが、それはわたし自身のことだったのかもしれない。





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「ポルシェ偏愛グラフィティ」を2月に発刊し、4月に「ベストモータリング同窓会」で河口湖まで遠征して以来の、ポルシェとの親密な時間が、やっと戻ってきたのである。          (以下、次の更新へ)
Posted at 2016/11/07 01:37:19 | コメント(3) | トラックバック(0) | 還暦+20歳の青春 | 日記
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何シテル?   08/06 09:17
1959年、講談社入社。週刊現代創刊メンバーのひとり。1974年、総合誌「月刊現代」編集長就任。1977年、当時の講談社の方針によりジョイント・ベンチャー開...
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