〜『五木ワールド』とドッキングする夢がやっと完成〜
やっと、できあがりましたぞ。
【PREMIUM】版と冠をつけた特製ものです。
「みんカラ」仲間には、4年前から何度もお伝えしていた五木寛之さんの『疾れ!逆ハンぐれん隊』(講談社・三推社刊・全15巻)の電子書籍化で、胸を張って、「できあがりました! みなさん、ぜひこの『五木ワールド』と「風の仲間たち」の見た夢の正体を共有して、おたのしみください」といえるものです。
それが12月15日より、電子書籍の専門モール「ConTenDo」からお届けできるようになった。
まあ、ともかく手にとっていただきたい。
こちらからどうぞ。
そこであわてて購入カートに入れなくて結構。気に入ったら、ぜひ購入をお願いするとして、まず「立ち読み」をクリックして【PREMIUM】版をご覧いただきたい。
ここからが自慢の創りです。あの「わたせせいぞう」のパステルカラーの世界が待っている。で、左端に矢印を合わせて、さらにクリックして次のページへどうぞ。
*あえてPart.7の扉ページをシンガポール観光局提供の「F1シーン」にしたのは、ここまで創りあげました、というアピール。
Part.1『深夜特走車No.1』のタイトル。さらに次のページへ移ると、縦書きで読めるように……。クルマに首ったけ野郎なら、ともかく「読み出したら、もうとまらない」はず。痛快だがどこか切ないロマンがクルマを媒介してグイグイと展開していく。
そういえば「その面白さ、スピード無制限」と「ベストカー」連載当時に宣伝コピーが踊っていたのを、思い出す。それがなんと24見開きも「味見」できる仕組み。そして各章の頭につく扉として「小見出し」を真ん中におさめた写真ページ。五木ロマンを演出する光と影と色の世界を、カメラマン北畠主税さんの熱い協力で用意できた。紙のメディアとは異次元の鮮やかな「フォトギャラリー」がはじまる。
それでお終いではない。五木寛之作品のドラマ展開に歩調を合わせて、登場するクルマや、その執筆時に著者は何を考え、何をしようとしていたのか、どんなできごとに時代の動きを予感していたのか。その「五木ワールド」に染まるべく、いまはなき徳大寺有恒さんを筆頭にして、黒澤元治さんや舘内端さんも加わって、ワイワイやった時代の空気を記録しておこうという試みを仕掛けてある。
題して「五木作品に登場するクルマたちよ!」。そのトップバッターには「アルピナ B7 ターボ クーペ」を指名した。物語の劈頭にミハルが登場するシーンを盛り上げたのはこのBMWであった。
「立ち読み」はここで終了。それでも全4話でまとまっているPart.1の第1話分がそっくりオープンされていた。これがPart.7まで、今回は用意できた。4×7=28。つまり28の「エキストラ」をわたしも仕上げたことになる。
ほっと一息ついたところで、ConTenDoを運営する「アイプレスJAPAN」から嬉しいプレゼントがあった。期限が12月21日(水)までという縛りはあるが、有料コンテンツ購入者の中から抽選で100名に電子マネー2000円分が当たるキャンペーンをスタートするが、その対象店舗のわたしの主宰する『ぽらりすeBooks~クルマ仲間「名作ガレージ」を指名した、というのだ。悪くない知らせじゃないか。
さあ、4年前から志しながら実現できなかったこのプロジェクト、こんどこそ成功させたい。
五木さんとこんなやりとりを交わした日を想い出す。
おなじみの東京プリンスホテル1Fのティルーム「ピカケ」で。
「もう一度『風の仲間』を復活させましょうよ。その活動の基盤として、ベストカーで連載し、単行本にもなった『疾れ! 逆ハン……』を私の手で、電子書籍として生き返らせてほしい」と。
すでに絶版となってから久しいから、気になっていた、と五木さん。作品の電子書籍化については『親鸞』で、作家の中でも先鞭をつけた立場にあるから、わたしなんかより、電子Bookに関する知識も進んでいる。アップルストアの仕切りに平伏している出版界の現状も、とっくにご存じだった。
「いいですよ。クルマに関する私のものを使用すること、それに異存なし。存分にゲリラ活動をしてください」
力強いレスポンスだった。かつて展開した「フィーリング試乗」の連載や、「メルセデスの伝説」を、徳大寺さんや成江淳さんと目白・椿山荘で徹底的に、その内幕を語りまくった座談会なども、ぜひ今の時代で読み返してみたいね、とも。
やっとたどり着いた。が、五木さんはもっと先をいっている。週刊現代で断続的に連載していた大河小説『青春の門』(講談社刊)を、完結編のかたちで「新 青春の門」とタイトルして、23年ぶりに来年1月から再開するというので、大きな話題をよんでいる。
この作品は昭和10(1935)年に福岡・筑豊の炭鉱町に生まれた伊吹信介を主人公に、高度成長一途だった時代の熱気に躍った青春群像を描いたものだった。単行本と文庫で延べ2000万部を越すベストセラーである。五木さんは執筆再開の心境をこう明かす。
「読者に会うと、必ずつづきはどうなる?と訊かれる。そうした要望と自分の体力などの状況が重なって、機が熟した」(朝日新聞での談話)
それと同時に、まだ書籍化されていなかった第8部「風雲篇」も、12月13日から出版された。五木さんは、3歳年上。いつも、いつも、凄い人である。
青春の門の第八部に当たる「風雲篇」を確認すべく、発行元の講談社『Book倶楽部』にアクセスして状況をチェックしてみた。
『風雲篇 上』定価 : 本体2,500円(税別)四六 216ページ 「週刊現代」1993年7月24日号~1994年4月30日号分に加筆訂正とあって、そのあらすじをこう記してあった。
故郷の筑豊を離れ、上京してから七年。葛藤、挫折、再起をくり返し苦悩する伊吹信介は、ユーラシア大陸横断の大望を胸に秘め、シベリアへの密航を果たす。国際情勢の複雑多岐な現実に戸惑いながらも、大自然に生きる人々との出逢いに心打たれる信介。未知の世界の息吹に触れ、冒険の旅は続く。不滅の超大作・第八部。
斑鳩への単独行。ハーレーに乗る男。大和から河内への旅。主人公信介はやがて北の方向を目指して、日本を脱出して行くんだった。
早速、わたしはこのあと、書店へ向かう。これで「青春の門」の全巻が揃うことになる。
*ありゃ! 第7巻が抜けている。なぜ?