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正岡貞雄のブログ一覧

2016年12月21日 イイね!

『ロバと少年』と『人生最後の1台』と…

『ロバと少年』と『人生最後の1台』と… 〜あと何回「免許証更新」に行けるのだろう?〜

 冬至の日である。2016年も残り10日となってしまった。
 クルマ業界にかかわる公式行事は、12月19日の「2017年次RJCカーオブザイヤー表彰式」が終わったいま、残っているのは27日にホテルニューオータニで開催されるSUZUKIの『スイフト発表会』だけになったようだ。

 となると、大急ぎで消化しなければならない諸々の用件が待ち受けていた。たとえば、200枚を越す年賀状の宛名をプリントアウトしなければならない。これは夜分にでも頑張ればなんとかなるからいいとして、平日の昼間のうちに大急ぎで片付けなければならない「重要優先案件」が残っていた。3年ぶりの自動車免許証更新である。



 このために10月の上旬、更新手続きを行う前に受講することが義務づけられている「講習予備検査(つまり認知機能査)」と、実技をともなう「高齢者講習」を、近くの認定教習所へ出向き、半日がかりで済ませておいた。まあ、あのガンさんだって「実技試験」を受けるんだから、「還暦プラス青春の20歳」の当方、大真面目に受講して、無事に「高齢者講習終了証明書」を頂戴しておいたのである。

 近年、高齢者の自動車事故ニュースが際だってとりあげられている。身辺では「免許証返納」をするケースも少なくない。なんとなく、居心地の悪い立場に置かれ始めたようだ。そのせいもあって、一時停止などは、タイヤが確実に停止するのを確認してから、改めてアクセルをゆったりと踏むように心がけている。

 よし、今日こそ、と心を決めて、20日の午前9時、しっかり「高齢者講習終了証明書」を握りしめて(?)更新の指定警察署の中から最寄りの石神井(しゃくじい)署を選び、3年ぶりにむかうことにした。日差しは暖かく、明るかった。

 西武池袋線で西へ2駅、石神井公園駅南口に降り立った。さきごろ、やっと高架になって便利になったためか、かつてはしっとりとした佇まいだった駅前の様子も慌ただしく変わってしまった。やたらと寄り集まっているコンビニエンス・ストア。それとパチンコパーラー。安心したのは、この町に来たときにはよく立ち寄った蕎麦屋が、しっかり頑張っている様子だったこと。恐らく、様変わりしてしまったのは駅前周辺だけで、一歩、南側へ踏み出せば、昔ながらの風致地区はそのままだろう。
 ボート遊びのできる石神井池・三宝寺池のまわりには、中世時代の武将、豊島氏の居城跡もあって、絶好の散歩コースとなっている。
 そのあたりに触れた、素敵な手造りWEBページを見つけたので、紹介させていただくので、是非こちらへ


 さて、石神井警察署に隣接する運転免許証更新事務所を目指した。古くから「富士街道」と呼ばれている、クルマの激しく往来する通りを、5分ほどぶらり歩き。練馬区役所石神井支庁舎の前を通り過ぎかかって、足が止まった。野外彫刻作品の銅像が目にとまったのである。
 


 寂しそうに目を落とした、耳の長いロバの背に乗った牧童らしき少年が、なにやら口をあけて、いまにも鞍代わりの掛け物から滑り落ちそうな銅像。大理石の台座に「ロバと少年」(古賀晟・作)の説明板が……。

 やけに心に残る銅像だったが、こちらは先を急いでいる。帰り道の際にゆっくり鑑賞させていただくとするか。

 40分後、思っていたよりスムーズに、2500円を納入して新しい免許証を受け取り、再び、支庁舎前の銅像と対面することができた。一息いれよう、と改めて受け取ったばかりの免許証を取り出してみる。同時に失効のパンチを入れられた、これまでの免許証のわが顔の写真と見比べてみる。3年の違いがどうなのか、と。




 目の下のたるみが顕著に見られる。それ以外はむしろ、今度の方に精気が感じられるのが嬉しかった。3年前はまだ、閉塞性狭心症から脱出したばかりで、もう一つ、エンジンが気持ちよく噴けてくれなかった。

 それからの三年間、まあ、われながら、頑張ったね、と褒めてやってもいいだろう。
 10年間の空白を埋めるべく、RJC(NPO法人 日本自動車研究者ジャーナリスト会議)に入会し、クルマ業界に復帰した。なによりも大きかったのは『ベストモータリング同窓会』を立ち上げ、『ベスモDNA』を受け継ぐ「クルマに首ったけ野郎」と交流できる素地を築きつつあること。ポルシェをテーマにした単行本をこの2月に発刊できたこと。五木寛之、徳大寺有恒、黒沢元治、中谷明彦という「巨きな星」たちの著作を、動画付きなどの新機軸をもつ電子書籍として、新しい生命を持つものとして、再生させたこと。 



 特に、ConTenDoから先頃、発売したばかりの『疾れ! 逆ハンぐれん隊』のPremium版は、4年がかりでやっと送り出したもの。これは、「みんカラ」フレンズの諸氏を虜(とりこ)にする自信作品である。とにかく「立ち読み」からはじめていただきたい。読みはじめたら止まらないはずである。こちらからお入りあれ


それはそれとして、あと何回、免許証の更新に行けるのだろうか。次回は東京五輪の年、2020年の年初なのだが……。

 さて、今回のテーマである『ロバと少年』の銅像がなぜ、心に刺さってきたのか。恐らく、ヨーロッパの童話に題材を求めた作品だろうが、ストーリーに記憶がない。しかし妙に惹かれるロバ……寂しげで、どうした?と声をかけたくなる。



 そうか、引退間際の老兵の雰囲気を引きずって、トボトボとあてのない旅を続けているところに、おのれを重ね合わせているのかな。いや、2002年にやってきたわが愛車、11万キロを走破したプログレへの連想ではなかったか。

 そして、あの牧童少年はなにかを祈っている。いや、叫んでいるようにも見える。その表情は、まさにムンクの『叫び』と相通ずるものを感じさせる。だとしたら、少年はいったい、なにを叫んでいるのだろう。そしてわたしたちに、なにが聴こえるというのだろう。



 帰り着くなり、早速、『ロバと少年』がWEBページでどう扱われているか、調べに入った。すぐにわかった。

 10年ほど前にアップされている素敵なページ。「tnelittlebird.seesaa.net」。多分、筆者は女性だろう。「ディズニーの『ロバと少年』」という見出し。わたしなりに概略をまとめてみた。

 原題を「Small One」という25分ほどのディズニー制作で短編映画で、かなり古い作品だった。 以前は「ミッキーのクリスマス・キャロル」とカップリングされていたのだが、今は、別の「ミッキーのクリスマス・カウントダウン」という短編集に収録されていた。

 聖書的な作品で、クリスマスにピッタリの作品だった。
 作品中に「イエス様」や「マリア」「ヨセフ」の名は出てないが、明らかに神々の化身とわかる。

 ストーリーは 「small one」という小柄なロバが老いてしまい、家畜として役にたたなくなり、薪を背負って坂道を上っていくこともできなくなった。仲良しの少年が見かねて、こっそり薪の一部を抜いて、負担を軽くしてやる。が、すぐに露見して、売り払われることになった。手綱をひいて「small one」と町へ向かう少年。このときの交流が、なんとも切なく、たまらなく胸が締め付けられるのは、ディズニーの得意とするシーンだった。どこかよい新しい主人を見つけようとするのだけれど、どこへいっても断られる。





 日の落ちた町外れの夕暮れ。途方にくれている少年とロバに声をかけた男性。
「妻をベツレヘムまで乗せていって欲しい」とそのロバを買っていく、というラストシーン。紛れもなく、その男性がヨセフであろうと示唆している。

 また、主題歌が、切なく美しい。
  
   ♪どんなに小さな者にも 神様の目が注がれている
     どんなに小さな者でも 役に立たないということはない
     必ず必要として   くれる人がいる」
    信じて求めるなら 必ず神様の導きはある

そんなメッセージが作品にも主題歌にも溢れていて、近づいたクリスマスに、なんともぴったり過ぎた「ロバと少年」との出会いとなったのである。



 YouTubeにこの映画が登場しているので、紹介しておこう。

   ☆       ☆       ☆

ほっと一息をついたところで、ふいに気がついた。あの「ロバ」はわが年老いた愛車プログレの気持ちを代弁していたのではないか。

「人生最後の1台」をメルセデスのC250にしようか。ポルシェのMacanにしようか。家人に相談したところ、

「わたしはプログレに乗っているときが、一番安心していられる」

 とのこと。
 
 そうだね。プログレと一緒に歳を重ねてきた。それも、いまだに現役時代のパフォーマンスを失うこともなく。

 よっしゃぁ。いまから「クリスタルキーパー」でおしゃれをさせてやろうか。
 そして足元もチェックしてみようか。ブレーキパッドもかなりヘタっているようだ。



  馴染みの給油所の所長も、盛んに『点検』を奨めてくれている。いまから、プログレを持ち込むとするか。
 
  それにしても。「還暦プラス青春の21歳」を迎えるわがこころが、微妙に揺れ動きつづける、このごろである。
                               
                                   (この項、終わる)
Posted at 2016/12/21 17:36:43 | コメント(6) | トラックバック(0) | プログレSTORY | 日記
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1959年、講談社入社。週刊現代創刊メンバーのひとり。1974年、総合誌「月刊現代」編集長就任。1977年、当時の講談社の方針によりジョイント・ベンチャー開...
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