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正岡貞雄のブログ一覧

2017年01月16日 イイね!

ポルシェパナメーラにゾッコンの理由

ポルシェパナメーラにゾッコンの理由〜『水野和敏が斬る!!』でちょっと「お勉強」〜

左がパナメーラ S E-Hydrid お値段もスーパー ¥15,780,000なり! Photo by CMO

 ポルシェから1月12日付けのプレスリリースが配信されてきた。ひどく威勢がいい。なんでも、世界中でポルシェの新車販売が好調で、前年度を約6%上回る237,778台をカウントしたという。
 地域別の実態に関しては、お膝元の欧州と、アメリカ市場がそれぞれ5%で、極めつけは中国。12%増で65,246台を販売している。残念ながら、日本市場での具体的な数字は記されていない。



 この成長の牽引役はマカンとニュー718ボクスター。なかでもマカンは19%増の95,642台を売り上げて、ポルシェのベストセラーの地位を強固なものにした。718ボクスターは9%増の12,848台、ポルシェ911も2%増の32,409というから、なんとも鼻息が荒くなるのも無理はない。そして、今後の展開をちらりと匂わせている。これから数週間のうちに、米国と中国において完全に生まれ変わった第2世代のニューパナメーラを発売する、と。

 もう一つ、ダメ押し。3月のジュネーブモーターショーでは、シューティングブレークモデル(クーペとステーションワゴンを融合したような2ドアのステーションワゴンを指す)であるパナメーラ スポーツ ツーリスモのワールドプレミアが予定されている、と次の手を匂わせていた。

 その情報があったためか、発売されたばかりのベストカー2月10日号を手にとっても、真っ直ぐ『水野和敏が斬る!! パナメーラからわかるクルマ作りの哲学』のページに吸い寄せられた。トップカラーページの『2017年 東京モーターショーが凄いことになる!!』はもちろん気になるが、それはも後回しだ。

 水野さんが丁寧に新年の挨拶をしたところで、本題にはいる。
「今回はポルシェパナメーラです。すでに新型に切り替わっているのですが、まだハイブリッドは日本に上陸しておらず旧型。しかし、2009年に登場した初代パナメーラの最終型として、熟成されたこのモデルをどうしても確認してみたかったのです」

 なんだ、新型チェックではなかったのか。それならば、われわれ「ベストモータリング同窓会」編集部は2015年の6月、911カレラSやマカンSと一緒に、たっぷり埼玉の秋ヶ瀬公園をベースに試乗と撮影会を楽しんでいるので、パナメーラには馴染みがある。



 因みに、わたしたちがパナメーラにひどく惹かれ始めたのは、参戦2年目で「ルマン24時間レース」をワンツーフィニッシュで制覇した919ハイブリッドの鮮烈な闘いぶりにあった。その注目のテクノロジーは、ある意味、パナメーラ開発に注入されている、と知ったからだった。

 もちろん、水野さんもその辺の流れを百も承知だからこそ、試乗テストを希望したのだろう。彼のレポートをトレースしてみる。



————ドアを開けて運転席に座ると……ステアリングが細い。ポルシェのステアリングはこんなに細かったでしょうか? 出も、インテリアは完全にポルシェです。4ドアも911も関係ない。インパネのデザインやセンターコンソールなどもみごとなまでにポルシェデザインです。
 走り出すと……、動き出した瞬間にポルシェです。ボディがしっかりしていて動きが滑らか。これはまぎれもなくポルシェなのです。
 動きが滑らかだといいましたが、これはポルシェならではのもので、BMW の”精密な機械“という滑らかさとも違うし、ベンツの力で抑え込んだよう”質実剛健な“しっかり作られている”という滑らかさとも違う。あえて表現をすれば、完璧にバランスされた隙のない滑らかさなのです。


*こちらがパナメーラのインパネ


*こちらが718ボクスターのインパネ

 水野さんの丁寧な「解析」が続く。
————メルセデスは限界特性でのスタビリティを重視します。その結果、無骨なまでの作り込みなどから得られるバランス感、滑らかさが出てくる。
 BMWはエンジンを一生懸命に作って、凝ったメカニズムで緻密に精度を上げて作り、クルマに走りという高揚感を演出しながら追い込んでいったことで、精密機械のようなバランス感が出てきます。
 ポルシェは? ドライバーがクルマと一体になるような、スポーツカーのバランス感。4ドアのパナメーラでもSUVのマカンでも、そのフィロソフィーが一貫している。それらのすべての基本は911にあると言っていいでしょう。

 ここからの「水野節」はぜひ「ベストカー誌」から聴きとって欲しいが、パナメーラの試乗レポートからもう少し「肝」の部分を引用すると……。

————(箱根)ターンパイクの上り坂を普通に走っているとまったくエンジンが始動していません。満充電状態で36kmEV走行が可能ということですが、下り坂では回生によりどんどんバッテリーに電力がたまり、走らせ方次第ではモーターだけで相当の距離を走れるのではないでしょうか。
 このモーターがとてもスムーズです。この滑らかなモーターのトルク感が新たなスポーツフィールを作り出しています。モーターの出力制御が素晴らしい。モーターというのは特性上、回り始めた瞬間に最大トルクが発生し、回転が上昇していくと逆にトルクが減少していくのですが、ポルシェは走り出しのトルクをスムーズに立ち上がるようにしながら、中間領域でトルクをキープするような制御をしています。このあたりがポルシェのうまいところ。





 このほか、水野さんが注目しているのは、エンジンでの走行になると、3ℓ、V6のスーパーチャージャーエンジンは333ps、44・9kgmあっても、2トンを超える車重をもてあましているが、操安性能ではその重さを感じさせないのは流石だ、と拍手をおくっている。
————これはハイブリッド化によるバッテリーなどの重量物がホイールベース間の床下に搭載されていることもあり、低重心化が図られているためです。





 そしていう。開発者はこのクルマのポジショニングをよく理解している、と。どうやら、水野さんの「これから」を匂わせる試乗レポートではなかったか。

 そこで、担当の編集部幹部に電話を入れる。
「今回のパナメーラは、編集部からのオーダーかい?」
 即座に、U君が答える。
「いえいえ。水野さんからの希望です。これまで乗ってなかったからですよ」
「そうかな、その手のモノにいま取り組んでいるんじゃないの?」
「そうかも知れませんね」


*NOTE e-POWER この NISMOバージョンは低重心をどう生かしてくるのだろうか?



 そんなやりとりのあとで、巻頭のカラーページに戻ると、NISSANが本格的に動きだした電動化戦略としてフェアレディZを中心にして、各メーカーの動きが気になりだした。そうだ、早急にNISMOノートe-POWERの試乗手続きをしておかなければ。

 そして27日には、SUZUKIスイフトの幕張試乗会も控えている。新しいクルマの季節がやって来て、すこしばかりまた「クルマのお勉強」をしたくなったのが、やっぱり嬉しい。
Posted at 2017/01/16 19:49:23 | コメント(7) | トラックバック(0) | 還暦+青春の21歳 | 日記
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「翔平の663日ぶり2刀流復帰に朝日まで大騒ぎ。スポーツ欄の大半を動員して28球内容まで図解入り。そんな時、聖地に帰ってきた虎軍団のロッテ戦は? 頼れる右腕・才木が6回までゼロで押さえながら、7回、右手に打球を受けて失速して遂に7連敗。サト輝にいたっては見事な4三振。面白くない!」
何シテル?   06/18 09:40
1959年、講談社入社。週刊現代創刊メンバーのひとり。1974年、総合誌「月刊現代」編集長就任。1977年、当時の講談社の方針によりジョイント・ベンチャー開...
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