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正岡貞雄のブログ一覧

2016年01月15日 イイね!

『As Time Goes By』をリクエストした夜

『As Time Goes By』をリクエストした夜 〜「時が経つにつれて…」もう一度確かめたいものがある〜






 70歳台があと数日しかない、という事実にたじろいでいる。「還暦プラス青春の19歳」と自らを励ましてきたが、いろいろとやり残していることが多すぎて、それも気になってならない。

 暮れからの正月休み、そして成人の日を含めた三連休。いっさいの遠出するスケジュールを入れないで、サイレントすぎる日々を愉しんでみた。それでも元日は近くの八幡神社に初詣して「大吉」という縁起のいいご褒美を頂戴したり、「ベストカー」から借りたままだったバックナンバーの「スキャン作業」が順調に進んだりと、穏やかな時間を楽しみつつ、いろんな発見にめぐり逢うことができた。





 その辺の空気は、折々の140字日記「何シテル?」で触れてあるので、確認のためにちょっとばかり拾ってみようか。

12/27 13:45
歳末恒例の身の回りの整理を、家人からきつく申し渡された。手を付けたのはベストカー〔ガイド〕のバックナンバー入り段ボール。で、必要なところだけPDFにスキャンすることに。手始めに1980年のものから。『五木寛之 理想のクルマを創る』の連載年、例えば、こんなページだ!おお!宝の山だ。

12/28 15:26
1980年代分のベストカーが秘蔵された段ボール箱整理も、あと2箱に漕ぎつけた。それはまさにその時代に生きた仲間と己れを再検証する仕事でもあった。そんな中から特にこのショット。《30cmの幸運》とタイトルしたクラッシュシーン。星野一義という男の強運。今夜はこのテーマでブログUPだ!

12/29 23:09
また一つ、宝物を掘り当てた。ガンさんがニュルでのBSポテンザRE71開発で乗っていた911ターボ・クレマー仕様。開発終了後、その記念としてBS側へ特にお願いして日本に輸送、かなりの期間、乗り回したあの「赤いポルシェ」のネガフィルム。いよいよガンさんのドライブに同乗し、ニュル1周へ。

01/03 00:54
やっとスキャン作業が1988年のもので一段落した。わたしが「編集人」としてクレジットされていたのはそこまで。すでに「べスモ」も1周年目を迎えて、二足の草鞋を返上。その記念号に「べスモ」の広告が。目玉がやっぱり「星野一義」になっている。IMPULがIMPALと誤植なのが残念だが、迫力いっぱいの表情がいい。



01/03 14:12
思いもかけず、あのガンさんがニュルから持ち帰った911ターボの動画をキャッチ! ステージは鈴鹿か。唸った! プラス、いろいろと伝えたい情報満載。これから若い仲間とおしゃべりオフ会あり。で、外出。今夜、紹介ブログをあげることを約束しよう。必見動画なり。素晴らしい贈り物なり。

01/09 16:17
3連休の初日。体調管理のためと資料整理、次の準備で自宅静養、のつもりでいたが好天に誘われて代官山の蔦屋書店へ。PORSCHE専用棚をチェックして、駐車場に戻ろうとして「え!?」。プログレがいつの間にかマカンに替わっている? あ、目の錯覚か。隣に黒いマカンが駐車しただけなのにね。

 そして3連休の最終日は、家人に誘われて隣町の光ヶ丘にあるレストランへ。テーブルに案内されると、なんとわたしの「Happy Birthday」をふたりだけど祝おうよ、という仕掛け。赤いキャンドルに灯がともされ、ピアノが奏でるお決まりのメロディに合わせて、お店の人たちが総出でお祝いの歌をプレゼントしてくれる……でも、こうやって祝ってもらえる日があと何回残っているのかな。ちょいと焦る気分もなくはなかった。



 ピアニストの女性がやってきて、間近にせまったBirthdayの祝辞がわりに「リクエスト曲はいかが?」と。
「ありがとう。それでは“As Time Goes By”をお願いしようか」

 やがて、あの耳に馴染んだ懐かしいメロディがゆったりと立ち上がった。悪くない弾き方だ。

🎵 You must remember this,
  a kiss is still a kiss,
  a sigh is just a sigh.
  The fundamental things apply
  As time goes by.


 
 往年の名画「カサブランカ」の挿入歌である。和訳では「どんなに時が流れようとも」あたりが適当だろう。E・バーグマンとH・ボガートが演じるかつて恋人同士だった男と女が、ナチス支配下にあったパリの酒場で再会するシーンが思い出される。確かDVDで保存してあるはずだから、今夜にでも改めて鑑賞するとしようか。アームストロングも顔負けするドーリー・ウイルソンの、あの渋い声も聴いてみたくなった。70年代から90年代にかけて精一杯エネルギーを燃やした世代にとって、心に灯をつけてくれる歌の一つで、それにまつわる記憶も、いくつか、いまだに発酵し続けている。

 結局、その夜は「カサブランカ」を観るにいたらなかった。DVD類を入れておいたプラスティックの函をゴソゴソやり始めてすぐに、別の探し求めていた手作りDVDを発見したからである。

「Raceアーカイブ ‘88 ミラージュCUP 第1戦 FISCO」
白いオモテ面に黒のマジックペンで書き込まれた文字が踊っていた。ご丁寧にサブタイトルまで添えてあった。
「BESMOミラージュ 予選17位 決勝17位 ’88.4.16〜17」



 これだよ、これだよ。実は1988年いっぱいまでの「ベストカー」のチェックが終わって、スキャニングしたPDFの中で未解決のままのページがあって、さてどこかから手をつけようかと腕をこまねいていた箇所を解明してくれるはずの「宝物」がそれだった。
 問題の1ページ。それは6月10日号のモータースポーツの欄で『ミラージュカップ開幕 今年もまだまだ走りますよ 本誌編集局長正岡貞雄』の見出しと顔写真、それにFISCOの第1コーナーから第2コーナーへ団子状態で抜けようとする6台のミラージュのカット写真が添えられている。まあ、そんなに長くない、半ページ程度のレポートだから、そっくり転載してみると……。

 4月17日の富士スピードウェイに新しい衝撃が走った。F3000とF3の2つのレースでどちらも20歳台のチャンプが誕生したことだ。
 鈴木亜久里と黒澤琢弥。亜久里はポールポジションからのスタートだった。ぽんと飛び出してから、あとは独走、独走のひとり旅。リースが2周目の第1コーナーで黄旗なのに強引に突っ込んでアウト側にはらむ大チョンボ。星野一義は関谷正徳をパスするのに精力を使いはたした感じで、亜久里にとってこんな楽な展開は予想外だったに違いない。ぼくら中年の目には、亜久里のマシンに星野がご丁寧に亜久里のヘルメットをかぶってドライブしているとしか映らなかったのである。

 いつの時代にも、新しいヒーロー誕生の向こう側には、ギリギリまで王座を死守してきた男の滅びの美学があるのだが、その節目に直面したらしい。
 F3を3戦目で制覇した黒澤琢弥にしてからが、ご存じガンさんのジュニアである。
 なにかがすっきり新しくなる予感がする。各チームを華やかに盛り上げているレーシングギャルも大増員だ。随分といろんな企業が力を入れはじめたから、彼女たちには、一つのやってみたいカッコいい、見入りのいい職種になってきている。観客席も当然、若い世代に移りつつある。主催者発表、5万2000人、信じていい数字だ。





 そんな舞台のサポートイベントであるミラージュ・インターナショナル・ラリーアートカップに、ことしも第1戦からエントリーしてしまった。モデルチェンジした今年のマシンは、ニュープロプロダクションのリプレのカテゴリーにあるとはいえ、ほとんどがTSに近い。ストレートエンドでは時速230キロに達してしまう。そこからのブレーキングはハンパじゃない。リアをふられることもたびたびだった。予選17位、決勝17位は、スタート直後のシフトミスで27位までドロップしたことを考えれば、まだ成長過程にあることを立証できた上出来のレースだった。52歳の特別プレス席もあと何戦かは、すわらせもらえるみたいだ。今シーズンもよろしく。

★     ★     ★     ★

 じつはこの「熱走報告」を最後にわたしのレースレポートは『ベトストカー』誌上から消えてしまう。かといってレースをやめたわけではなく、ますますヒートしていったはずなのだが。
 
 その辺の裏事情を雄弁に伝えてくれるDVDを、『As Time Goes By』をリクエストした夜に見つけ出すのだから、話が少しうまく出来すぎてやしないか。ともかく、再生機にディスクを挿入してみた。ブルーとイエロー、鮮やかなパステルカラーがボディに波打つ『ベストモータリング ミラージュ』がいきなり登場し、白と赤の、見慣れた『ベストカーミラージュ』は消えていた。









 なるほど、である。しかし、このDVDにいきなり登場する女性がいた。おお、今や大女優の高島礼子さんじゃないか! なぜ? 次号からその辺の「わが闘走・青春の日々」を復活してみたい。やり残し、書き残しを一つずつ、片づけていくためにも。
2016年01月04日 イイね!

ニュルから持ち帰った『ガンさんポルシェ』

ニュルから持ち帰った『ガンさんポルシェ』 〜ついに「動画」でめぐり逢えたぞ〜





 説明をする前に、まずこの赤いボディの911ターボの走りを味わうことから、この項は始めたい。



 HOT-Versionの本田俊也編集長が講談社を口説いてスタートした
『ベストモータリング公式チャンネル』


にアクセスして、[Best MOTORing]の最初にある『動画・黒澤元治について星野一義が語る』(9分38秒)を開いてほしい。You Tube上での著作権管理をはっきりさせるためにスタートした共同プロジェクトだが、入会無料でチャンネル登録できる仕組み。2015年の11月末にスタートして、すでに6000回を超えるヒット数。解説も付いている。



 −−−現役時代、勝つために全神経を集中するあまり、マスコミはインタビューすることすら困­難であった「日本一速い男」こと星野一義氏。そのレーシングスタイルは実はガンさんか­ら大きな影響を受けているという。





 さあ、スタート。懐かしいオープニングCGが終わると、革ジャン姿のガンさんの登場。真紅のポルシェ911らしいシルエット。ガンさんの経歴がテロップになって下から上へと流れる……。乗り込むガンさん。イグニッションキーをひねる。跳ね上がる回転計の針。ギアが入る。身震いするエキゾーストパイプ。走り出した。やっぱりわたしの探していたニュル帰りの、あの930型の911ターボ・クレーマー仕様だった。その動画が、どうしてここに登場しているのか? まあ、その事情はあとにしてハーフウェットの、アップダウンの激しいサーキットを、「美しく」攻略していく姿を鑑賞して欲しい。








 舞台は「エビス東」だった。この「エビスアタック」が終わると画面が鈴鹿サーキットのグランドスタンドに変わる。なんの説明もないからてっきり鈴鹿かと思ってしまったが、どうも様子が違い過ぎた。本田君に確認したら、「エビス東」という返事、それで納得。タイトルは「VIDEO SPECIAL Vol.17」のイントロで、そこからガンさんの「わたしのレース歴」がはじまる。しっとりと聴かせる。時折、F1テスト中のマシンが駆け抜けていき、話が中断する。そしてはじまる星野一義の「先輩・黒澤さん」。これがまた、聴かせる。





 わたしの最近のブログのテーマ「30cmの幸運」とか「ガンさん邸餅つき忘年会」などが、連環しあって、「ガンさん動画」へと誘導されたような気もする。ベスモ同窓会のCMOさんが、「You Tubeベスモ公式チャンネル」の広報担当を自分からかって出てくれたおかげで、当みんカラBLOGの「グループ」掲示板からもアクセスでき、そこからも簡単にガンさん動画へ立ち寄れるよう、道慣らしをしていただいた。感謝。
 現在28タイトル。これからも積極的に増やしていきたいと、本田君も張り切っている。希望するタイトル、あのシーンをもう一度、などどうぞ連絡してやって欲しい。
 なんだか、楽しくなってきた。


*こちらは1991年にニュル撮影の時のショット。したがってガンさんが日本で愛用したものから1世代新しくなった964型のカレラ2。



 さて、あの深紅のポルシェの説明が遅れてしまった。1985年にガンさんがBSに委嘱されて、ニュルでポルシェむけの承認タイヤ開発テストに成功したことは有名だが、それについて近く出版するPORSCHEのグラフィティのなかでこう記している。
「プロジェウトは終わった。そこで一つ、BSの担当幹部にお願いをした。使命を果たしたクレーマー仕様の911ターボを記念に譲ってくれないか、このあと個人的に乗っていたいので、と。BS側も快くOKの返事。早速、日本に送る手続きを済ませ、もちろんメインテナンスをした。今度は手元で911ターボと親しむ日々がやってきた」

  そんなことを頭に入れて、どうぞもう一度、ガンさん走りを鑑賞してみていただきたい。 
 

Posted at 2016/01/04 01:27:38 | コメント(4) | トラックバック(0) | ガンさんもの | 日記
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「鬼門のバンテリンドームでの竜戦はTV中継が滅多にない。案の定、左腕大野に丸め込まれて0:2。が7回から竜の投手リレーが始まる。8回表、中野が右前安打で出塁、森下四球でサト輝の登場。このシーン、一発逆転が出るか出ないか。スマフォ速報で固唾を飲む。痺れる。敵はバンテリンの高い塀。」
何シテル?   08/06 09:17
1959年、講談社入社。週刊現代創刊メンバーのひとり。1974年、総合誌「月刊現代」編集長就任。1977年、当時の講談社の方針によりジョイント・ベンチャー開...
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