第三部ではこの約20年間、つまりグリーン化税制が適用される前と後からどのように変動したのか見てみたいと思います。
先ずは全体像から見てみたいと思います。
さすがに20年だと膨大なグラフの量になりかねないので20年は1年ごとの売り上げに変更しました。実はこの20年間、全体的に見ると大きな変動が無かったと言っても過言ではないと思います。
つまり、グリーン化税制なる物を導入しなくても1997年には大幅に売り上げが下がりましたが、1998年から2001年にかけては地道に復調傾向となっており、2001年に至ってはほぼ1994年と同水準だった訳ですから、無理にグリーン化税制なんか導入しなくても問題は無かったのではないかと思います。
では1997年に何が起きたか、調べてみると
4月1日 - 消費税増税実施(3%から5%に)
そう、消費税の増税があった年なんですよ。他の出来事を見ると
7月2日 - タイ政府によるタイバーツの変動相場制導入により、アジア通貨危機が始まる
9月18日 - ヤオハンが倒産、会社更生法を申請する。
11月17日 - 北海道拓殖銀行破綻。
11月22日 - 山一證券破綻。
消費税との因果関係は何とも言えませんが、少なくとも金融関係では2社が破綻、流通業一社が倒産と言う、景気の悪化がにじむ年だったのは間違いないと思います。
ではメーカー別に見ると
これも意外な結果が出ており、トヨタは横ばい、日産と三菱は大幅ダウン、ホンダ、スズキ、ダイハツは上昇傾向で、マツダと富士重は若干下降気味でありながらも三菱程の大幅ダウンに至りませんでした。
なぜこういう結果がでたのか内訳を見てみたいと思います。
先ずは軽自動車から
この20年間、一番売り上げが伸びたのは他でもない、軽自動車だと言っても過言ではないでしょう。特にダイハツと日産の売り上げ上昇は凄まじく、スズキ、ホンダも堅調にのばしております。逆に三菱は大幅ダウン、富士重も下がっていますが思ったよりも下がり幅は酷くないと思います。意外にもマツダはこの20年間ほとんど、売り上げは変わっていません。特にグリーン化税制適用以降は間違いなく軽自動車の伸びは凄まじいとしか言い様が無いと思います。
では小型車はどうなのか、見てみたいと思います。
ご覧の通り5ナンバー車は大幅ダウンなのですが、よく見ると面白い結果が出ているんですよね。全体的に見ると、グリーン化税制が適用された2003年の半ばまではむしろ大幅な下がりではなくむしろ緩やかな感じなのですが、2003年以降は激減しております。メーカー別で見ても、トヨタ、日産、三菱、富士重は大幅ダウン、マツダは緩やかな低下をしていますが、ホンダとスズキはむしろ売り上げが上がっています。
特にホンダはシビック、フィットのおかげでスズキはスイフトのおかげで伸びていたりします。
では普通車はどうなのかを見てみたいと思います。
普通車はこの20年間大きく伸びています。ただ、ここでも面白い結果が出ており、1993年から2003年まではむしろ横ばい気味ですが、2003年の6月以降、急激に売り上げが増加しています。では2003年6月以降に売られた車を見ると
7月24日 - 日産自動車が「プレサージュ」をモデルチェンジ(9月3日には「キューブキュービック」を発売)。
9月1日 - トヨタ自動車がハイブリッドカー「プリウス」をモデルチェンジ(29日には「シエンタ」も発売)。
9月30日 - スズキが「ワゴンR」をモデルチェンジ(10月8日には「AZ-ワゴン」がモデルチェンジ)。
10月6日 - 日産自動車が軽商用車「クリッパー」を発売(「モコ」に続く第2弾。同日、「プレジデント」もモデルチェンジ)。
10月6日 - トヨタ自動車が「アベンシス」の販売開始(これにより「ビスタ」は21年間の歴史に幕)。
10月15日 - マツダが「アクセラ」の日本国内生産を開始(翌2004年には「ファミリア」がバンのみとなり、2007年に同一車名のままフルモデルチェンジ)。
11月27日 - ダイハツ工業が「タント」を発売。
12月3日 - 本田技研工業が「オデッセイ」をモデルチェンジ。低床プラットフォーム化を実現。
12月22日 - トヨタ自動車が「クラウン」をモデルチェンジ。通称「ゼロクラウン」。エンジンがV6に一新される。
と今現在おなじみの車が発売され、特にトヨタの場合はプリウス、ダイハツの場合はタントが売り上げ増加に貢献したと言っても過言ではないかと思います。特に2003年以降は軽自動車は背高な車に、普通車はハイブリッド車のような所謂エコカー、並びに3ナンバーが主流になったと思います。ホンダは2003年発売のオデッセイのおかげもあって2003年〜2005年までは普通車が伸びましたがそれ以降はむしろ伸び悩んでいます。マツダはアテンザ、デミオ、アクセラのおかげもあって、2002年6月から2006年5月までは順調に伸ばし、むしろ2006年半ばにはピークに達しましたが、それ以降は下降傾向となっています。
三菱は1997年から1998年にかけて一旦は増加しました。この頃発売された車を見るとミラージュ、ギャラン、カリスマ、レグナム、シャリオ・シャリオグランディス、RVR、チャレンジャー等かなり多数の車が発売された時期ですが1999年以降は低下、2005年に一旦持ちかえし、2008年まで増加が続きますがそれ以降は横ばいか低下傾向に有ります。この時期、三菱が発売した普通車を見るとランサーエボリューションワゴン、ギャランフォルティス、デリカD:5、アウトランダーとかなり個性的な車が発売された年でもあります。では富士重はと言うと、2003年以降売り上げが伸びており、インプレッサ、アウトバック、フォレスター、レガシーとスバルの定番車両が定着したと言っても過言ではないでしょう。
では小型車を合わせてみるとどうなるか、見てみたいと思います。
全体的に見ると乗用車系は軒並みダウンしており普通車で健闘しても、実際には売り上げが下がっています。特に三菱、日産は大幅ダウン、トヨタは横ばい、スズキ、ホンダは若干上がり気味、マツダ、富士重は若干下がり気味と言う感じです。
このように20年を遡ってみると
ダイハツ:軽自動車による大躍進
ホンダとスズキ:5ナンバー戦略で堅調に伸ばし、軽自動車が有る程度下がり具合を抑えている
マツダと富士重:3ナンバー化によってある程度の成功を収めているが、マツダは軽自動車が有る程度支えている物の富士重は軽の販売低下が足を引っ張る
日産と三菱:この20年で大幅にダウン。ただし、日産の場合、軽自動車が販売低下を抑えている
トヨタ:ほとんど売り上げが変わらない
こんな感じでしょうか。トヨタの場合は販売している車種、販売店の数も圧倒的に多いのでなんとか堅持出来ていると言う感じでしたが、逆に言えばプリウスが無かったらどうなっていたのか?グリーン化税制無くても売れたのか?色々な想定も出来ると思います。
次回はこれらのデータを踏まえた上で結論を述べてみたいと思います。
Posted at 2012/08/03 01:17:09 | |
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自動車関係 | 日記