〜その「言い訳」&「伝えたかったこと」〜
この正月三ガ日をできるだけ、「みんカラ」は『何シテル?』、Face Bookは『今なにしてる?』のコーナーを使って、近況の交信にあててみた。初詣のお神籤「大吉」、箱根駅伝を観戦しながらの「こころの呟き」を披露してきたが、いかがだったのだろう。ま、年賀状代わりに、日頃の交遊を感謝することぐらいは、出来たかも知れない。
さて、この新しい年をむかえたところで、積み残し・・・つまり『身辺雑記』の域をでないエッセイでありながら、すぐに息切れをしてしまい「以下次号」あるいは「次回更新まで」と逃げを打って、結局、それが喰い逃げのままになっていはしないか。それが気になってしまう。この際、そうしたおのれの不始末を追跡、その理由と、実は何が書き続けたかったのか、お詫びかたがた、その「言い訳」をまとめてみよう、と思い立った。
ただ、その範囲は広げるとキリがないから、この半年分だけに絞って、ボチボチと遡るとしよう。
①2017年06月15日
代打の切り札『ノートNISMO S(5MT)』登場!
〜パルサーEXA・フレッシュマン時代への回帰・序章〜
このあたりから、はじめよう。
《PVランキング第2位》の大異変騒動の発火点となった『5速MT新型スイフトRSを味見しに行かないか?』の続きを書きたくて、SUZUKI広報のミスター神原に連絡を入れたところ、「神原は4月から、本社の宣伝部の方へ異動しまして……」
2日経って、東京広報から連絡が入った。2時間くらいの試乗なら世田谷のディーラーで調達できますが、とのこと。話にならない。で、方針変更。かねてから約束していた日産ノート NISMO Sに空きが出る頃だが、と日産広報に連絡を入れると、OKの返事。すぐに横浜に赴いている。
2WD 1.6ℓ DOHC水冷直列4気筒140ps/6400rpm。専用チューンを施された心臓部。5速マニュアルミッション。スピードメーターは260まで刻んである。お値段も、このバージョンは約300万円だと聞く。いやぁ、早く外へ飛び出したくなる。RJCの同僚、飯嶋洋治さんが同行していた。
日頃はBMWのM3、MT車オーナーの飯嶋さんが、ゆったりと1速→2速→3速とギアをアップさせながら、上り勾配のアプローチから、光の溢れる「みなとみらい横浜」の街へと繰り出した。
今回はここまで。試乗記はわたしがステアリングを握ってからにしたい。それに、あえてサブタイトルとして《パルサーEXA・フレッシュマン時代への回帰》と謳っていながら、まだそのことに触れないままでいる。
それもやがて謎解きをするつもりだが、これまで35GTRやフェアレディZのNISMOバージョンと、それぞれ1週間を一緒に暮らしてきたときには全く繋がらなかった《プロダクションレース》時代の記憶の数々……。「序章」という2文字を付け加えている所以(ゆえん)である。
(以下、次回へ)
その「次回」はルマンでのTOYOTAの敗戦、豊田社長のコメントに焦点を合わせてしまったため、一回延期のスパンをとって、ちゃんとつなげているじゃないか。
①2017年06月15日
ホットハッチ5MTに乗ると人が変わるのか!?
〜続・代打の切り札『ノートNISMO S』登場!〜
大きく右へターンする感じで一旦、首都高速6号向島線に流入。やがて、NSXは深川・辰巳方向への湾岸線方向へ向かってダッシュ、その後ろ姿はあっという間に小さくなった。こちらは丁寧に最初のIC、箱崎で下道に降り立つ。そこは、東京シティエアターミナルの脇。すぐ先に水天宮。ならば直進すれば人形町から岩本町、神田神保町へと行けるはず……。
「じゃあ、ここからは……」
素早く助手席のドアを開き、ドライバーズ側へわたしの方から移動した。エンジンはかかったままだ。ちらりとアスリート系の、したたかに引き締まったノートNISMO Sの足元を盗み見してから運転席に収まった。シートベルトが気持ちよく体に吸い付いて来る。期待感がにわかに昂まってきた。
さて、5MT車をドライブするのは幕張で1月27日にスイフトRSを走らせて以来である。クラッチを踏み、ギアを1速にシフトし、軽くアクセルを入れてから、ミートする。その瞬間、なんとも言えない快感がわたしの右足に伝わってきた。すかさず2速にシフトアップ。とても1.6ℓ、140psという地味なスペックとは思えない、たくましいエネルギーが、さらに次のシフトアップを促して来る。スイフトRSより男っぽいぞ。それが第1印象であった。
「どうやら3速ホールドのままが、この街中走行にぴったりのようですね」
そんな感想を飯嶋さんに伝えたところで、
今回は一旦、休息して、次回に備えることをお許しいただきたい。この後、ベストカー編集部に立ち寄った後、「音羽ニュル」を、この5MTのホットハッチで試走したことだけは告白しておこう。
③2017年08月06日
カサブランカの花開く朝
朝の光を受けて、まだ一輪だけが先駆けて開花したカサブランカ。六弁の純白の花びらの中心から、紅い雌蕊(めしべ)が六つ、アクセントをつけるように舌出しをしている。なんと魅惑に満ちたオープニングシーンだろう。これがこれからは一輪、一輪、時を刻んで順番にご挨拶をしてくれるのか……。もう、こちらもベッドに戻る気になれるものではない。背筋がピンと伸びて、仕事部屋へ向かう。PCの起動スイッチを押す。「ボオオーン」と元気よくiMacが目覚めてくれた。8月がスタートして五日目。ご無沙汰したままの「ブログ更新」にやっと取り組むパワーが蘇ってくれたのが、なんとも嬉しい……。
こんな具合に、気取った前置きして、街乗りに斬り込む。
新型NSXの赤いオーラに惑わされ、首都高速でミスコースしてしまった飯嶋洋治さんに替わって、箱崎ICからの下道はわたしがステアリングを握っている。
江戸時代より安産・子授けの神として人々から厚い信仰を集めている蛎殻町の水天宮を右手に見ながら、北に伸びる大通りを「三速ホールド」で馳けるノートNISMO S。甘酒横丁。人形町。東京下町の名残をとどめる町並みが続く……。
さてここから、どう書き続けようか。日本橋三越本店の脇を抜け、日銀本店を右手に確認したら常盤橋の交差点だ。それを右折すると外堀通りと呼び慣わされている405号線。さあ、そこから一方通行、5車線の絶妙の疾走区間が待っている。そこで、この気分をこう書き留めておきたいな。
「鎖を解かれたプロメテウス」さながらに、NISMOによって丹念に調整された心臓(エンジン)と、強靭な腱を植え込まれた脚元のもたらす新しい境地を、舌なめずりしながら疾駆している至福の時間が訪れた。左回りの大きなコーナーが竜閑橋を過ぎれば待っている。こんな時、MT車は好みのシフトワークを駆使できるぞ……」
ここまで書き上げたところで、気分転換をしたくなって外へ出る。
(この項、ここで一服)と逃げを打って、実はこの先は、まだ手つかず、である。というのも、こうした日々のなかで《ベスモ復活の狼煙》が持ち上がり、そのままになっているが、気の抜けたサイダーみたいで、こちらのモチベーションが下がってしまった。
*そして7月21日から25日までE-Powerを試乗。近くの石神井公園傍の道場寺へ。
そして「ベストカー」での三本さんとの対談。④2017年08月27日 《天正と昭和・二つの「遣欧少年使節団」》が持ち上がり、第2回からは『瑠璃色の時代=青く澄み切った昔のクルマ業界』という素敵なタイトルを、編集部では用意してくれているという。心は弾ませて、歩調を合わせて、取り組めることを感謝したい。
(以下、次回更新を待たれよ)と予告しながら、結局はそれには触れずじまいである。
よっしゃ、次回でそこのところを詳しく、というところで今回も
「次回、更新へ」で一区切りとしようか。