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正岡貞雄のブログ一覧

2012年08月28日 イイね!

ミンミン蝉の歌う朝に 

ミンミン蝉の歌う朝に ~みんカラ仲間との「筑前の小京都・秋月行」②~


「ミ~ン」と、高らかに歌いあげてから、小さく息継ぎをし、「ミン、ミン、ミン、ミン、ミン」と確実に5回、「ミン」を畳みかける。そして「ミィ」とトーンを落として、一小節を完結させる。

「ミ~ン、ミンミンミンミンミン、ミィ」「ミ~ン、ミンミンミンミンミン、ミィ」
 ひとしきり、ぼくの耳を楽しませてくれる「夏の風物詩」。ことしなって、はじめてだ。蝉族のセレブ、ミンミン蝉は暑さに弱いことで知られる。だから午前6時半にはじまったこの「演奏」も、朝の太陽が東側の11階建マンション越しに顔を出した途端に、ピタリとやんでしまった。ぼくの住む練馬区も、連日、37度を越す炎暑の暴力に悩まされているが、今日もまた……!?

  いや、いや。ミンミン蝉が、そろそろ夏も終わりますぞ、自然の摂理に則って、メッセージを送ってきたじゃないか、と思い直す。と、少しはこの夏にめぐりあった出来事の、ひとつ、ひとつを吟味する元気がよみがえってきた。

 6月末から7月中旬にかけては、連日の国会図書館通い。4年に1回、発祥の地・松山市で開かれる「正岡祭り」の前夜祭でプレゼンテーションする予定の『全国正岡姓MAP』つくりに専念。その過程でいくつかの〈宝の山〉に遭遇している。その一つが、筑前の小京都と呼ばれる朝倉市秋月の郷土歴史資料館に秘蔵されてきた「島原の乱」を描いた屏風絵に、たいへんなヒントがあることを知る。
その資料集めの最終日、「平成生まれのベスモ育ち」の大学生と知り合う。「みんカラ」名が「FRマニア」。訊けば、大分の国立大学で自動車工学を専攻しているという。



 7月中旬、「正岡祭り」で3日間の松山滞在。最終日、「歴史の闇」を追って、正岡氏の秘密基地「渡瀬城館址」へ。お、まだ、この続編は書き上げていないぞ。

 8月中旬、九州へ。もっとも、新しい「みんカラ仲間」の「FRマニア」君に「秋月」まで一緒に行くかい?と。そこへ「TAKU V35」氏が愛車、スカイラインV35を駆って合流してくれるという。萩の「波田教官」にも声をかけたところ、生憎の事情があって、次の機会に。

 8月18日、TAKU V35氏のドライビングで、大分駅南口のロータリーで「FRマニア」君と、彼の仲間2人をピックアップして、大分自動車道に入った。で、顔合わせのミーティングのため、ひとまず、別府湾サービスエリアでコーヒーブレーク。それからの、甘木IC経由の秋月までの車中での白熱した会話は、いやぁ、一昔前のクルマ野郎のおしゃべりに負けないレベルであった。


*左から「販促ビデオ育ち」「ベスモ育ち」「チューニング派」とバラバラのトリオ

 秋月は坂の町だった。街並みの右側を野鳥川が走る。ぼくらのV35は、案内板に素直に従って、町営の駐車場に滑りこむ。容赦なく降り注ぐ真夏の日差し。なには置いても、お腹を満たしたい。すぐに目についたのが、どっしりとした蔵造りの蕎麦店。
 その店のローカル色を生かしたメッセージがなかなかだった。

「秋月にこんね。ほーんによかとこばい。うまからーめんば、たべてみんない。美味しかつば、つくって待ってちょるけん」
すらすらと読めたら、あなたはたいしたものだ。

 さっそく、自家製の手打ち「ちぢれ麺」を注文する。
「厳選した小麦粉を青竹で打ち、真心をこめた麺です」
 ここのご主人の技が、そう言わせたのだろう。
「秋月の澄んだ美味しい井戸水でコトコトとチキンをベースに仕上げました。あっさりとした醤油スープは、最後の一滴までいただける。秋月らーめん本舗秘伝の味」

「FRマニア」君が「コメント」でこう反応している。「細麺派の私も無言ですすりたくなる一品で大変美味しく頂きました」と。



 腹支度をすませたところで、「秋月郷土館」へ。野島橋を渡ると、桜並木がみごとな木蔭のアーチを設えて、ぼくらを導いてくれる。潜り門を抜けると、庭園越しに、茅葺きの武家屋敷が生き残っていた。代々、秋月藩の要職を務めた戸波家の屋敷跡で、そこに、この日の目的である『史料館』が『美術館』とともに併設されていた。

 東京からの電話の問い合わせで対応いただいた館長が、運よく在席していて、気軽に案内してくれる。真っ直ぐに「島原陣図屏風」の前へ。まず、圧倒された。右に秋月藩主・黒田長興の率いる武者行列。その数2000人。それを丹念に、一人一人を書き上げている「出陣図。左は籠城する一揆勢への総攻撃の模様を描く「戦闘図」。血なまぐさい風が、むっとたちのぼる。原城本丸を攻めおとそうと、石垣を登る秋月藩の軍勢と、すでに武器弾薬も、食料も底をついたにもかかわらず、それでも抵抗をやめない民衆。


*「島原陣図屏風」の「戦闘図」の一部。この中に3人の「正岡」氏の戦う姿がある。(『絵で知る日本史』25(集英社刊)より)








 ぼくらの目は、その中から、「正岡衆」の旗印を背負った戦士の姿を求めた。
 いた! 「出陣図」からは、馬上で胸を張る「正岡孫左衛門」と「正岡太兵衛」。そして「戦闘図」に目を移すと、本丸を目の前にした石垣にとりついた「正岡権三郎」を発見した。サッカーでいえば、トップ下の役割だろうか。上から一揆勢の投じる石が直撃しそうな、相当に危うい状況にいる。
 では、「孫左衛門」たちは!? こちらは戦上手らしい。石垣と土塁に間で、右手に生首を下げ、周囲を睨み付けている。「太兵衛」もいた。なんと彼は石垣を登りつめ、左手が「犬走り」と呼ばれる狭い隙間に手がかかっている。
 この3人が、戦いが収まった時、無事、秋月へ帰れたのだろうか。気になるではないか。

 帰り際、館長がコンピュータから刷り出した資料を一枚、手渡してくれた。「秋府諸士系譜」と見出しがつけてあり、そこには、秋月藩に召し抱えられていた「正岡氏」の名前が並んでいた。その中に「権三郎」があり、「亡家系譜」と添え書きされている。
「これは、どんな意味でしょうか?」
 ぼくが問うと、館長が口を濁す。
「何かの不始末を起こして、お家断絶とか?」
「そんなところでしょうね」

 消された男・権三郎。主家を亡くし、やっとたどりついた新天地でも、島原の乱で武勲を立てたにもかかわらず、結局は安住できなかったのか。またひとつ、テーマが増えたぞ。



 史料館を辞して、帰路に着く。野鳥橋の袂の茶屋で、トコロテンをいただく。他の4人はラムネを選んだ。あの日も暑かったなぁ。秋月の町を出たところを小石原川が横切っていた。川辺にクルマが駐められ、子供たちが川遊びをしている。犬たちも嬉しげに水浴びを楽しんでいる。久しぶりに見る、のどかな田園風景。それが妙に心に残る。

 この小さな旅を終えたところで、「FRマニア」君と「TAKU V35」との交流がふかまったようだ。「FRマニア」のもちかける「スカイラインV37像」に対し、小気味よく、欠けている視点を指摘する「TAKU V35」氏。この大学講師の実績に、若い「FRマニア」君が素直に頭を下げている。いいねぇ、こんなやりとり。

明日の朝、またミンミン蝉の歌が聴けるだろうか。耳を澄ますと、どこか遠くで、熊蝉が男性的な演奏をやっているのが、伝わってくる。
もうすぐ、9月1日。筑波のメディア対抗レースが楽しみだが、前回優勝の「みんカラチーム」は準備万端かい?。
Posted at 2012/08/28 16:39:52 | コメント(1) | トラックバック(0) | ルーツ探訪 | 日記
2012年08月23日 イイね!

秘技『クラッチ蹴り』って知ってるかい?

秘技『クラッチ蹴り』って知ってるかい? ~実戦だから目撃できた土屋圭市の『レース・テクニック』~

「なんだ、これ? お~い。大丈夫かよ、これ!」
 ゼッケンナンバー43。土屋圭市のFIT RSは、15分間の予選アタックのため、ピットからコースに出ようとした瞬間、異変に襲われる。3800回転で、ゴクゴクと異音を発して、エンジンにリミッターがかかってしまった。
「こりゃ、ダメだ!」
 あわてて、ピットイン。そのときコースをショートカットしてしまう。メカニックが慌てて、エンジンフードを跳ね上げた。原因はすぐに判明。カプラーの接触不良だった。

「土屋がアクセルを踏み込んでみる。今度は大丈夫だ! が、すでに予選開始から7分40秒が経過していて、残り時間で3周できるかどうか!? タイヤも温まっていない。そこからの土屋の走りは、まさに必見もの。凄い! まさにドリドリ、降臨。……」

《「伝説の戦士たち」の実戦バトル》はここまで紹介していた。では、再開!

 土屋がコースに復帰するのを待っていたかのように、MOTEGIに雨が降り出した。これはピンチだ。最初の1周、2分36秒台。8台中の、ああ、7番手。鈴木亜久里あたりは余裕綽々。早々とピットに戻ってきてしまう。タイヤを温存する作戦だろう。
 
 この雨で喜んだのは中嶋悟。「雨の中嶋」で世界を驚かせた、あの熱い走りで2分35秒384をマーク。その時点で2番手だった。

 予選の終了時間を迎えた。そのとき土屋は最後のアタックに入っていた。車載カメラが決してあきらめていない模様を、忠実に捉えていた。
 タイトコーナーに突っ込む。と、クイッとサイドブレーキを大目に引き上げる。フロントの向きが奇麗にクリップを捉える。そこで次の動作――クラッチをポンと蹴りこんでいる。するとマシンは元気に真っ直ぐ立ち上がっていく。これぞ土屋が、かつて富士フレッシュマン時代、サニーなどで体得した秘技であった。


*富士フレッシュマン時代に体得した秘技「サイドブレーキ」


*タイトなコーナーでエンジン回転が落ちるときに「ガーン」と一発。これが「クラッチ蹴り」

「クラッチ蹴り」は、エンジン回転が落ちるヘアピンなどで、クラッチを蹴りこむことで、回転をキープするテクニック。
「サイドブレーキ」は、荷重移動で、瞬時にそのバランスを、リアへ強くかけていくための秘術だといっていい。

 その二つの秘技を駆使しながら、なんと、パワーの少ないクルマでの必勝テクニックまで、コメントしはじめたのである。

「こういうパワーのないクルマは、いかに抵抗を減らすか、なんだよね。クルマの向きを、いかに真っ直ぐにしてやるか、だよ」
 HVの画面にも、テロップが入っている。これはいい。――クリップから先ではなるべくステアリングを真っ直ぐな状態にすべし!

 結局、この周で土屋は、「サイドブレーキ使い」を7回、「クラッチ蹴り」を2回、実行していた。で、タイムは!? やっぱり! なんと、なんと、トップに躍り出た。タイムもただ一人、35秒台を切っている。





 熱心にピットのモニターに見入る鈴木亜久里。隣にいるのは「XaCAR」の城市編集長ではないか。
「さすが!」
 そう言い捨てると、カメラに背を向け、
「どうして、このタイムが出せるの!? これ以上、速く走る方法が考え付かないんだけど」
 首をかしげる亜久里だった。そこへ走り終えた土屋がやってきた。そこで一発!
「空気読んでないって、みんな怒ってたよ」
 それに対して土屋がやり返す。
「いやいや、おれは国さんを護衛したいから、一番前にいたいだけなの!」
 
 では、72歳の往年の伝説ドライバーはどうだったのか?
2分35秒549で予選5番手。走った印象を述懐する。






「力が入ってしまって、どうしてもレーシング攻めをやってしまってアンダーを出し、早く立ち上がろうとするとコースアウトしそうになる。そういう意味では面白かったし、楽しみました。土屋くんがぼくを援助してくれるって。さすが、いいタイムを出してきましたね」

 そこへ、アナウンスが流れた。土屋に対して、タワー3階に出頭するように、という呼び出しがあった。やっぱり、トラブル解消のため、ペナルティ覚悟でコースをショートして、ピットに戻ったのが露見したのだ。そして、予選5番手に降格させられたのである。ああ、幻のポールポジション。かわって、突然PPに押し上げられたのが、ゼッケン50番の後藤比東至選手。AUTOSPORTからのエントリーだ。
 その時の心境やらレースの模様、プロフィールは、おなじ「みんカラ」に彼のBLOG《ミニとハチロク、ときどきニュル》に収録されているので、ぜひお立ち寄りを。







 もう一つ、このレースで2周目に国光選手にプッシュされて、わざわざ1周遅れで走ったピストン西沢選手の車載カメラが、『ブリヂストン モータースポーツ』Webに掲載されている。これも一度は見ておきたい内容をもっている。
 http://ms.bridgestone.co.jp/hp/bsms_contents?coid=1916

 レース結果は、本物の「実戦バトル」とは言い難いものだった。その点、HVの本線企画である群サイでの『峠・最強伝説』、日本海間瀬サーキットを舞台にした『RACING DRIFT 2012』には、観るものを惹きつける熱さがあった。関わっている人々の熱心さが違う。ベスモDNAが、時を変え、ひとを替え、燃えさかり始めているのが感じ取れるのだ。

 次のHV118号では、そのあたりに焦点を合わせてみたい。このごろ、そう思うようになった。 
Posted at 2012/08/23 14:46:46 | コメント(3) | トラックバック(0) | ホットバージョン | 日記
2012年08月20日 イイね!

筑前の小京都・秋月(朝倉市)へ!

筑前の小京都・秋月(朝倉市)へ!~みんカラ仲間との「黄金の夏」よ!~



 この夏のはじめ。国会図書館の食堂で、おずおずと声をかけてくれた大分の大学生「FRマニア」君は、いまや、わが「みんカラ友達」第64号に登録されている。

 ぼくの「みんカラ友達」は、この1年あまりで64人に膨れ上がった。だから、平成生まれの「FRマニア」君がもっとも新しい、年少の仲間ということになる。お父上が熱烈な(本人の表現)べスモ信奉者で、その影響下で育ったのだという。現在は大分にある大学で「自動車工学」を専攻している、と簡潔に自己紹介してくれた。そのくだりは、すでに当BLOGで7月12日にアップした『ご無沙汰した理由~あるいはその言い訳として~』で触れているので、よろしければ、そちらもご参照願いたい。


*島原陣図屏風(出陣図) 1637年の島原の乱に、秋月藩も出兵。その際の出陣の模様を描いたという。


*島原の乱での戦闘の模様を描いたもの。この中に「正岡」の名前の入った旗印が何本あるのだろうか。

 なにしろ、このところ、戦国時代末期、428年も昔に豊臣秀吉の四国征伐で滅ぼされ、山に潜み、野に散った「正岡一族」の足どりや消息を追って、「全国正岡姓MAP」つくりに専念して、BLOGの方も疎かにしがちな日々を送ってきた。その過程で、いくつかの〈宝の山〉に遭遇している。
その一つが、筑前の小京都と呼ばれる朝倉市秋月の郷土歴史資料館に秘蔵されてきた「島原の乱」を描いた屏風絵に、たいへんなヒントがあることだった。

 つまり、黒田秋月藩五万石が、藩命を賭けて「島原の乱」に、藩主を筆頭に2000人に及ぶ藩士が出陣し、戦闘した様子を、細密に描いた屏風絵の中に「正岡何某」の名前の入った旗印を背負った武士の姿がある、というのだ。

「そりゃ、凄い!」
 正岡一族・最後の首領、常政(幸門城主)の妹、桃女が晩年、娘の嫁ぎ先である黒田福岡藩士大矢某を頼った、という記録がある。なるほど、その亡命するお姫様に同行した正岡一族がいてもおかしくない。黒田秋月藩は、関ヶ原の戦いの功績によって52万石を拝領した黒田福岡藩主・長政が、特に三男・長興のためにつくった分藩である。
 
 さっそく、秋月郷土館に問い合わせた。館長が対応してくれる。
「間違いなく、正岡と名乗る武士はいます。それも家老クラスもいるし、戦闘の先頭に立って斬り込んでいる戦士もいます……ともかく、記録に忠実に」
「肉眼で、はっきりと読めるのですか?」
「もちろんですとも。ただし、この郷土館は今年いっぱいで、一旦閉館されます」



中央で右手に生首、左手に血ぬられた長槍をもつのが正岡孫左衛門。(提供 朝倉市秋月郷土館)クリックで拡大
 

「え!?」である。これで秋月に行かなかったら悔いを残す。
 ぼくの心はきまった。この夏は何が何でも、九州へ行くぞ、と。実は、もっともぼくらを大事にしてくれていた大正生まれの女性(1919年生まれ)の初盆供養で、この夏、大分県佐伯市まで帰省する予定が入っていた。そこで8月18日だけは終日、自由に使うということが許されて、秋月行きを宛てることができたのである。

 大分県には3人の「みん友」がいる。まず、佐伯の海に生きる男「YUSAKU君」。ぼくの「みん友」第1号、霧島くんの紹介で知り合って、すでに昨年の11月に顔を合わせている。
 
 二人目は、少年期にガンさんのファンだったのが、例の「富士30度バンク事件」に影響され、嫌いになっていたのが、当BLOGでの、ぼくのレポートを読んで、自分が勘違いしていたと気づいてくれた「TAKU V35」さん。驚いたことに出身地がぼくと同じ北九州市八幡東区の同じ町だった。大変な「自動車博士」で、いろいろ、教わることが多い50歳。

 3人目が「FRマニア」君。

 できたら、このメンバーと、初めての「オフ会」として、一緒に秋月までのドライブ行をやりやかった。考えただけで、胸が躍った。8月18日を、その日とした。

 結局、YUSAKU君だけは、当日は夕方まで、船の上。やむを得ない。そのかわりに、翌19日にこちらの体を空けて、お昼をご馳走しよう。で、よかったら、二万石の小さな城下町・佐伯の史跡めぐりをしようか、と。

 3人目の「FRマニア」君も異存なし、とのこと。その上で、再び、おずおずと申し出る。
「同じ大学仲間の二人が、どうしても同行したい、と言っているのですが、お願いできますか」

 で、ここは「TAKU V35」氏に相談するしかない。
「いいですよ。V35は5人乗りでも平気ですから」
 あっさり、引き受けてくれた。考えてみれば、彼とは「みんカラ」でのやりとりと、電話で話しただけで、面識はなかった。これが「みんカラ」の効用か。

 8月18日の朝が来た。このところ。九州地方は不順な天候が続いて、これから向かう朝倉・甘木地方も、山側に入る道路に支障が出ている、というコーションが……。だから、時間に余裕を持たせることにした。8時、トヨタレンタリースの送迎車が「大手前」と呼ばれる、この町の中心部まで来てくれた。ヴィッツを借りる。大分方面に向かう「東九州自動車道」に佐伯ICから乗る。トンネルの連続。時折、チラリと豊後水道の光る海が見えたと思ったら、すぐに山に遮られる。津久見、臼杵、宮河内。3つ目のインターで一般道へ下りる。「TAKU V35」さんのマンションへ、寸分の狂いもなくNAVIが誘導してくれた。
「やあ、やあ」
 握手をかわす。長いつき合いをしている友人と、しばらくぶりに逢った気分だ。お土産に、土屋圭市のサイン入りポロシャツを渡した。ヴィッツはTAKU氏の駐車場に置いていく。



*最初の休憩地「別府湾SA]にて、TAKU氏のV35と、わが大分の「みんカラ」フレンズの面々。

 さて、ここから大分の大学生トリオの待つ大分駅のロータリーへ。約束の時間は午前10時。海沿いの国道を大分へ向かう。TAKU氏のV35は、マニュアルシフト。しなやかなシフトワーク。いいねぇ。トルクもたっぷり。リア・シートが成人3人には、いささかタイトかもしれない。はじめて会う二人が、どんな体格か、気になったところで、改装されたばかりの大分駅南口のロータリーが見えてきた。

 ぼくのiPHONE 4Sに着信があった。「FRマニア」君からだ。
この先の旅の様子は、いつもの手口で、次のアップまで、となるのだが、今回は「FRマニア」君が素早くくわしくレポートをあげてくれているので、そちらへも「お渡り」いただけるとありがたい。こんな連携も、またたのしからずや、である。

題して「帰省~2012夏~」

https://minkara.carview.co.jp/userid/1562726/blog/27491302/

 ちなみに、秋月に着いて、真っ先に飛び込んだのは「秋月ラーメン本舗」。ここの自家製手打ち「ちぢれ麺」は、ちょっとよそでは味わえない「秘伝もの」だった。600円なり。





Posted at 2012/08/20 21:27:28 | コメント(2) | トラックバック(0) | ルーツ探訪 | 日記
2012年08月18日 イイね!

『伝説の戦士たち』の実戦バトル ~悟、亜久里、国光、圭市かく闘えり(前篇)~

『伝説の戦士たち』の実戦バトル ~悟、亜久里、国光、圭市かく闘えり(前篇)~ ホットバージョンのvol,117には、もうひとつ、モータースポーツ振興に力を貸そうとする企画が仕込まれていた。

 舞台は3月25日のTWIN RING MOTEGI。いささか間の空きすぎたレポートとなっているが、隔月刊行のHVとしてはやむを得ないところだろう。それでもいいじゃないか。こうやって、志のあるところを披露しているのだから。

 ナレーションで、まず謳いあげる。
「日本を代表するスーパーなレジェンドたちがMOTEGIに集まった。その雄姿を一目見ようとファンも集まった。MOTEGI 1.5 チャレンジCUPだ! そのレジェンドとは?」

 カメラがその顔ぶれを懐かしそうに追う。
 ふくよかな笑顔で孫のような少年の肩を抱き、2ショットにおさまる高橋国光。
 メディアに囲まれピットが出てくる中嶋悟。相変わらず、輪の中心だ。
 少し、太めになった鈴木亜久里が、ラジオパーソナリティのピストン西沢と談笑している。アマチュアながら、西沢もシビックレースなどで鍛えた、歴戦の勇士。
 金石勝智は現役を退いてから4年目。伝統の戦士といえるかどうかは別として、免許取り立直後の、レースデビューとなったミラージュCUPで、ぼくも一緒に走った仲である。(あ、これは関係ないか!)
 そして、土屋圭市も。彼の視線は、これから乗る自分のマシンに吸い寄せられてしまう。









 用意されたマシンは、FIT RSのみ。
関東のアマチュアレーサーにとって数少ない登竜門『もてぎ チャンピオンCUPレース』の新設されたレースカテゴリーで、1500cc以下のノーマル市販車両に、レースをする上でのレギュレーションに合わせて、必須の安全装備(ロールゲージバー、バケットシート、フルハーネス、消火器、キルスウィッチ、ボンネット・ピン、牽引フック)を施せば、どんな車両でも参加できる。ヴィッツ、デミオ、マーチ、いらっしゃい、である。参加型レースとよばれる所以である。

 FIT RSの場合、さらに機能的な部品としては、ダンパーをレース専用のサスペンションに。あとはMOTEGIのサーキット走行に合ったブレーキパッド、ミッションにLSDが入っているだけの改造範囲だから、あまりお金がかからないように配慮されている。
 タイヤは公道走行が許される一般の市販ラジアルタイヤに限られる。なお、2002年1月1日以前のクルマは参加できない、という。
 さて、フルコース(1周、約4.8km)を使っての予選アタックがはじまった。
「世界、そして国内でHONDAとともに闘ってきた男たちが、ちょっとミニなHONDAをマジで走らせる~」
ナレーションにも力が入ってきた。亜久里選手がそれに応える。
「楽しいね。昔、みんな一緒に走った先輩たちと、こうやって、また走れるのは」



 真っ先に悟選手がコースイン。続いて金石、そして1台だけレース仕様らしくカーリングの施された43号車を駆る土屋も……と、土屋のマシンに異変が起きた。ピットロードから本コースに入ろうとした瞬間、エンジンがダダをこねはじめた。回転がまったく、あがってくれない。
「なんだ、こりゃ! お~い、大丈夫か、これ!」
 他車が順調にアタックに入る。土屋車はどこかでコースをショートカットしたらしく、慌ただしくピットインしてきた。
「3800回転で、リミッタ―が入っちゃうんだけど……」
 ドリドリの訴えで、エンジンフードが開けられる。カプラーの接触不良だった。土屋がアクセルを踏み込んでみる。今度は大丈夫だ! が、すでに予選開始から7分40秒が経過していて、残り時間で3周できるかどうか!? タイヤも温まっていない。そこからの土屋の走りは、まさに必見もの。凄い! まさにドリドリ、降臨。
*     *     *     *
 と、ここまで書き上げたところで、残念ながら、時間切れ。
 いまは、8月18日の早朝。じつはこれより 大分市在住の「みんカラ」仲間4人と、待ち合わせて、福岡県朝倉の「秋月歴史資料館」までドライブする約束。午前8時には、TOYOTAレンタカーでヴィッツを受け取らないとまずい。
 この続きは、今夜、旅先の佐伯に戻ってから、という次第。

 こうした試みも、たまにはいいでしょう。行ってきます。
Posted at 2012/08/18 23:31:08 | コメント(5) | トラックバック(0) | ホットバージョン | 日記
2012年08月14日 イイね!

モータースポーツ復活の予感 ~HV117号の『新しい風』~

モータースポーツ復活の予感 ~HV117号の『新しい風』~ 新着のホットバージョンのVol.117。そのオープニングシーンとナレーションが、ひどく気に入った。なぜだろうか。

 ヘビーメタルなメロディーを効果音にして、『Kuruma』と流麗に描かれた白抜きの文字が、浮かび上がる。そして初めて見るレーシングカーが、スローモーションで走り出す。

――来年、日本のモータースポーツがもっと面白くなる。それが、インタープロトシリーズ。純日本製のミドシップレーシングカーによるワンメークレースだ。
 そのマシンがどんなポテンシャルをもっているのか、富士スピードウェイで、土屋圭市が試す!



 土屋圭市が、コースに飛び出すシーンに入る前に、プロモーション用の映像と重ね合わせながら、およそ3年の月日をマシン開発に傾注してきた関谷正徳氏に、そのコンセプトを語らせている。

「このクルマのコンセプトが、基本的には誰でも乗れて、まあ、あとは誰が一番速いのかを見極めるのが狙い。ハードに隠れて、ほんとうは誰が一番速いのかわからないスポーツなんで、それの決着をつけようよ、というのも狙いです」
 そこで考えた。1台のマシンにプロとアマチュアのドライバーがエントリーして、世界初のプロアマで競う、同日2レースを開催しよう、と。が、これでは、なんのことやら、判る人は少ない。
「最初にアマのジェントルマン・ドライバーでレースを楽しんでもらえて、そのあとお客さんのためにプロのドライバーがガチンコレースをする、というイメージです」



 エンジンはV6、4リッターで、車高の低いレーシングカーに採用されるドライサンプ方式が採用され、340ps.を発生する。特徴としては、なるべく多くの日本製パーツを採用する。ミッションはフォーミュラーニッポンでも使われているシーケンシャル6速MTを採用して、ランニングコストの軽減をはかった。
 車重は1050㎏。タイヤはGT300でも使われているYOKOHAMAのスリックを採用。シャシーはカーボン・コンポジットとパイプフレーム。ボディカウルはカーボン。


 
 いよいよ、土屋圭市がレーシンググローブを指になじませながら登場。マシンの状態はほぼシェークダウンのレベル。来年、この富士スピードウェイを舞台に、シリーズ4戦が行われる予定だというが、これからステアリングを握る、土屋圭市のこころに、このメイドインJAPANのレーシングカーが、新しい火を灯すことができるのだろうか、見る側は思わず膝を乗り出す……。

 ガレージの中で、土屋がエンジンスイッチをおす。ゆっくりとピットロードに滑り込むマシン。ウィング類はいっさい、装着されていない。
「ハンドルが軽いな」
 それが彼の第1印象だった。1周のウォームアップが終わり、アタックに入る。観客のいないFWSの長いストレートを、クォーンとエンジン音を残して第1コーナーをめざすショット。久しぶりだな、こんなテスト光景を見るのは! 胸にキュンときてしまう。

 車載カメラが第1コーナーに飛び込むマシンの動きを、あからさまに教えてくれる。ブレーキングでふらつくのを、ステアリング・ワークで抑え込んでいる。Aコーナーから100Rへ。そしてヘアピン。タイヤの滑りを微妙にコントロールさせられている。ナレーションが盛りあげる。
「空力パーツが少ないため、ドライバーに課せられる負担はそれだけ多くなる。まるで現代に復活したマイナーツーリングの感じだ」
 1分51秒41のラップタイム。速さは気にしてないと言っていた関谷代表が、タイムを見て「バッチリです。いいですよぉ」と、カメラに向かって、指でマルをつくるという人間臭い仕草。これだよね、映像媒体の使命は。

 土屋圭市もエールを送る。
「関谷さんチのKuruma、乗ってみましたけれど、やっぱりレーシングカーは面白いねぇ。気持ちがいい。スコーンと100Rは入っていけるし、そのあと羽根がないんでふらつくけど、扱いやすい。なんといっても、電子デバイスに頼るんじゃなくて、自分の腕を試されるのが面白い」

 ナレーションも、こう締めくくる。
「もしかすると、ドリドリの出場もあるかもしれない。そんなインタープロトシリーズ、来年は注目だ!」

 このインタ―プロトシリーズの車両とシリーズの概要紹介は、3月末にはすんでいた。また谷口信輝君によるデモ走行映像も見ていた。が、もう一つ、ピンとこなかった。が、こうやってベスモ遺伝子を駆使した映像つくりで表現されると、なぜこんなにわかりやすく、心が弾むのだろう。そこのところをお伝えしたくて、かなり丁寧に『緊急アタックもの』に焦点を合わせたのだが。このメイドインJAPANのレーシングカーによるワンメークレースのスタートには、もう一つ大きな狙いがあるらしい。1台のキット販売価格は2200万円。半端な値段ではない。しかし、御殿場レース村にとって、大きな仕事である。職人技の見せどころでもある。モータースポーツに火をつける試みとして、関谷代表たちが確実に取り組んでいるのを、ホットバージョンがこういう形で貢献できるなら、それこそがメディアの生命であるはずだ。峠魔王、結構。ドリフト・マッスル、それもいいだろう。が、本来果たすべき役割を、この号のように果たせるなら、もっと後押ししたくなる。



 この号、もう一つ、モータースポーツ振興に力を貸していた。高橋国光、中嶋悟、鈴木亜久里、土屋圭市たちがFITのレースカー仕様で激走する『レジェンドドライバーズ』と題した「実戦バトル」が用意してあった。それは次回アップで詳報したい。いやいや、近しい「みんカラ仲間」の一人が、こんな心境を伝えてくれたので、ぜひ参考にしていただきたいので紹介しよう。

「新作を自費で手に入れる喜びはいつの時代も変わらない。とにかく新作を買う。ホットバージョンのみならず冬の時代の車雑誌業界において、その愛読者が唯一できることである。AKBのCDを1人ウン千枚買う強者がいるらしいが、そのお金、どうかこの業界に回してほしいものである」

 そんな読者たちの輪が、ベスモなきいま、HVを中心に広がる日の訪れんことを、夢見たい。
Posted at 2012/08/14 01:29:44 | コメント(6) | トラックバック(0) | ホットバージョン | 日記
スペシャルブログ 自動車評論家&著名人の本音

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「鬼門のバンテリンドームでの竜戦はTV中継が滅多にない。案の定、左腕大野に丸め込まれて0:2。が7回から竜の投手リレーが始まる。8回表、中野が右前安打で出塁、森下四球でサト輝の登場。このシーン、一発逆転が出るか出ないか。スマフォ速報で固唾を飲む。痺れる。敵はバンテリンの高い塀。」
何シテル?   08/06 09:17
1959年、講談社入社。週刊現代創刊メンバーのひとり。1974年、総合誌「月刊現代」編集長就任。1977年、当時の講談社の方針によりジョイント・ベンチャー開...
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