日独友好決議の採決見送り
2011.3.31 17:14
衆院議院運営委員会は31日の理事会で、日本とドイツの交流開始150周年を記念する国会決議案について、同日に予定していた衆院本会議での採決見送りを決めた。原案には先の大戦で日本の行為をユダヤ人大量虐殺などナチスの戦争犯罪と同一視していると受け止められかねない表現があったため、自民党が反発。与野党間で文言の修正協議が行われていたが、共産、社民両党が修正に難色を示したため採決を見送った。
産経新聞より
■平沼赳夫メール通信 平成23年3月31日号
東日本大震災の被害者の御霊のご冥福と被災者の皆様に平安で安全な生活が一日でも早く戻ることを心よりお祈り申し上げます。
救援・復旧に不眠不休で取り組んでいただいている国内外の皆様に心からの敬意と感謝を申し上げます。
民主党政権が31日に、国会で採択を目指していた「日独友好150周年」決議は、元々民主・自民・公明の三党で合意されていたものでした。
ドイツの前身であるプロイセンと1861年締結された「日普友好通商条約」150周年を記念して日独友好のための決議とされていますが、与党案では日独両国は「侵略行為により近隣諸国の人々に対して多大の損害と苦痛を与えた」という記述と「戦争への反省に立ち」という、断罪・謝罪とも取れる記述がありました。
以下は当初の民主党案です。
■日独交流百五十周年に当たり日独友好関係の増進に関する決議(当初案)
今から百五十年前の一八六一年、我が国は日・ブロイセン修好通商条約に調印し.日本とドイツの醇身であるプロイセンとの間に公式な関係が樹立された。
一八七一年にブロイセンを中心に統一を達成したドイツは、我が国が近代化に当たり模範とした国の一つであり、我が国はドイツから、法学、医学.芸術を始め、様々な分野で多くを学んできた、また、浮世絵を始めとする日本の伝統文化も、ドイツを含むヨーロッパの芸術に少なからぬ影響を及ぼすなど、日独両国は、友好関係を築いてきた。
両国は第一次世界大戦で敵対したものの、先の大戦においては、一九四○年に日独伊三国同盟を結び、同盟国となった。しかし両国は、その侵略行為により、近隣諸国の人々に対して多大の損害と苦痛を与えることとなった。
あわせて、敗戦の中から両国は奇跡の経済復興を遂げ、同時に戦争への反省に立ち.今日、自由、民主主義、人権の尊重という基本的な価値観を分かち合いつつ、世界の平和と繁栄のために緊密に協力している。さらに、両国の国民は、相互の文化と価値観に対する尊敬の念を基礎に、広範多岐にわたる交流を着実に進めている。
本院は、日独交流百五十周年に当たるこの機会に、日独両国が国際社会の平和と安定に大きく寄与していることを確認するとともに、今後とも我が国は、信頼関係に基づくパートナーであるドイツと共に、国際平和の実現に向けて最大限の努力を継続する所存であることを、ここに銘記する。
右決議する。
(以上)
実に不遜であり、どこが日独友好を増進する決議なのでしょうか?
不適切な言葉の羅列に過ぎません。
また大震災直後のこの時期に態々しなければならない決議だとは思えません。
我が党は、記者会見にて決議反対を表明し、園田幹事長から自民党等にこのような内容は不適切であると強く申し入れを行いました。
更にこの政府の国会決議案は、皇太子殿下の平成23年1月24日のお言葉の剽窃であり、殿下のお言葉に込められている日独の歴史を踏まえた格調ある内容に、無理やり「日独両国は侵略国」という歴史観を押し込んだ醜悪なものです。
一方的な歴史認識を振りかざした、友好国ドイツとの信頼関係を損ないかねない稚拙な文面です。
皇太子殿下の御心と温かいまなざしは日独両国の人々の心に染み入るようです。お言葉のすみずみまで格調に満ちています。
■皇太子殿下のお言葉
日・プロイセン修好通商条約調印150周年記念式典
平成23年1月24日(月)(国立新美術館)
本日,日独交流150周年日本側名誉総裁として,日・プロイセン修好通商条約調印から150年という節目の日に,多くの関係者の皆さんと共にお祝いできることを大変うれしく思います。
1860年に来日したオイレンブルク伯爵率いるプロイセン使節団は,1861年1月24日,徳川幕府との間で日・プロイセン修好通商条約を締結し,150年の長きにわたる両国の友好と交流の歴史が始まりました。
明治維新後の日本にとって,1871年にプロイセンを中心に統一を達成したドイツは,近代化のため模範となった国の一つであり,我が国はドイツから,法学,医学,芸術を始め,様々な分野で多くを学んできました。
また,日本の伝統文化も,ドイツの芸術に少なからぬ影響を及ぼしてきました。
その後,日独両国は,戦後,同じような復興と発展の軌跡をたどる中で更に結び付きを強め,今日,基本的価値を共有するグローバルなパートナーとして,日独のみならず広く国際社会の利益のためにも,政治,経済はもちろん,文化,学術分野においても緊密に協力しています。
また,両国国民は,相互に親近の情と敬意を有し,国民間の交流も活発に行われています。日独協会,独日協会,ベルリン日独センター,ドイツ東洋文化研究協会といった日独交流を目的とする団体が活発に活動し,また,地方自治体,大学・研究機関,文化機関,企業を始め多くの団体を通じても,活発な日独交流が行われています。
こうした交流のネットワークを背景に,観光やビジネス,留学を始めとした様々な目的を持って,多くの人々が両国を相互に訪問しています。私自身,短い滞在を含め,3回ドイツを訪問しましたが,訪れたそれぞれの都市が,それぞれの異なる歴史や文化を持つ魅力があったこと,また,訪問した先々でドイツ国民の皆様に大変温かく迎えていただいたことが今でも深く心に残っています。
また,私は,音楽などを通じドイツの芸術に深い愛着を感じておりますが,訪問の際に,私たち日本人を魅了してやまないドイツの音楽や絵画に,本場で触れる機会を得たことをうれしく思っています。
日独交流150周年は,これまでの両国の交流の歴史を振り返る機会であると同時に,急速に変貌する世界の中で,未来に向けて日独の協力や交流を深め,新たにしていく機会でもあると思います。
日独交流150周年を記念して,日独両国で様々な行事が行われていますが,これらの行事を通じ,日独両国国民それぞれが,これまでの両国間の友好関係に思いをはせるとともに,こういった行事を契機に,今後,政治,経済,文化,学術といった幅広い分野で,交流が更に活発になることを願い,私の挨拶といたします。
Auf ein erfolgreiches Jubilaumsjahr !
Vielen Dank fur Ihre Aufmerksamkeit !
(交流年の成功をお祈りします。御静聴ありがとうございました。)※引用終わり
下手な国会決議などしなくとも、皇太子殿下のお言葉に友好と友情の全てが包含されています。何一つ態々付け加えたり、改変しなければならない必要はどこありません。
そして以下が31日に提示された「修正案」です。
■日独交流百五十周年に当たり日独友好関係の増進に関する決議(修正案)
今から百五十年前の一八六一年、我が国は日・ブロイセン修好通商条約に調印し.日本とドイツの醇身であるプロイセンとの間に公式な関係が樹立された。
一八七一年にブロイセンを中心に統一を達成したドイツは、我が国が近代化に当たり模範とした国の一つであり、日独両国はお互いに影響を及ぼし合いながら、友好関係を築いてきた。
両国は第一次世界大戦で敵対したものの、先の大戦においては、一九四○年に日独伊三国同盟を結び、同盟国となった。その後、各国と戦争状態に入り、多大な迷惑をかけるに至り、両国も多くの犠牲を払った。
しかし両国は奇跡の経済復興を遂げ、同時に戦争への反省に立ち.今日、自由、民主主義、人権の尊重という基本的な価値観を分かち合いつつ、世界の平和と繁栄のために緊密に協力している。さらに、両国の国民は、相互の文化と価値観に対する尊敬の念を基礎に、広範多岐にわたる交流を着実に進めている。
本院は、日独交流百五十周年に当たるこの機会に、今後とも我が国は、信頼関係に基づくパートナーであるドイツと共に、国際平和の実現に向けて最大限の努力を継続する所存であることを、ここに銘記する。
右決議する。
(以上)
「両国は第一次世界大戦で敵対したものの、先の大戦においては、一九四○年に日独伊三国同盟を結び、同盟国となった。その後、各国と戦争状態に入り、多大な迷惑をかけるに至り、両国も多くの犠牲を払った。」
「同時に戦争への反省に立ち」
これらの文言が、未来へ向けての友好の増進の決議に、必要だとは思いません。この部分だけが異質です。適切とは到底思えません。
私は、無理やり文言を調整することに労力を費やすことよりも、国会決議そのものを取りやめる方がよいと考えます。
とりあえず本日31日の採決は見送られることとなりました。
我が党は与党案の内容のような、国益と日本の名誉を損ない、外国との信頼関係を自ら破棄するかの如き、まことに不見識な決議を断じて認めるわけには参りません。
【ご参考】
■「日本会議 国民運動関連情報」 平成23年3月31日(木) 通巻第416号
…………………………………………………………………………………………………………
日独友好150年国会決議、31日の衆院採決は見送りに。
引き続き「国会決議は不要」との要望活動継続を!!
日本会議議員懇が奔走し31日の採択に自民、たちあがれ日本が反対
日本とプロイセンが修好通商条約を調印してから150年に当たる今年、友好増進のための国会決議が浮上しました。本会が調査した結果、この決議を準備したのは超党派議員連盟の「日独友好議員連盟」であることが明らかとなりました。同議連は民主党政権誕生後、民主党系、自民党系の二つの議連に分裂。「150周年」を迎えるに当たり外務省と民主党議連が水面下で決議を主導し、自民党に働きかけた経緯があるようです。
29日になり「侵略行為」の文言が入った決議文案が明らかとなったため、日本会議国会議員連盟所属の自民、たちあがれ日本、民主党、無所属の議員が国会内で奔走しました。
たちあがれ日本の平沼赳夫代表(日本会議国会議員懇談会会長)は党として反対であることをいち早く記者会見しました。また自民党三役への働きかけが奏効し、石破政調会長は民主党からの申し入れを保留。こうした反対の声の高まりを受け、民主党側は、「侵略行為」の文言を削除した修正案を用意しましたが、社民・共産両党は侵略の文言が入らない決議は受け入れられないとしました。国会決議は全会一致を原則としているため、自民党幹部は「このような形での決議は見送るべきだ」と発言、31日の国会決議採択は見送りとなったといいます。
この間、各党本部や国会議員には皆様からの抗議や要望の声が沢山届けられたと言います。
しかし推進派は日独150年決議の採択と、歴史認識の文言を盛り込むことを模索しています。
皆様には引き続き、電話、FAXなどで民主党には抗議の声を、その他の政党には激励と要望の声を届けてください。よろしくお願いいたします。
◆主要政党電話・FAX要望先一覧◆
あて先 名前 電話 FAX
民主党 菅直人代表 03-3595-9988 03-3595-9961
国民新党 亀井静香代表 03-5275-2671 03-5275-2675
自民党 谷垣禎一総裁 03-3581-6211 03-5511-8855
たちあがれ日本 平沼赳夫代表 03-3582-8111 03-3582-8112
みんなの党 渡辺喜美代表 03-5216-3710 03-5216-3711
新党改革 舛添要一代表 03-6277-8105 03-6277-8115
平沼赳夫事務所メール通信全文引用
なんとか、最悪の事態は免れましたが、まだまだ予断が許せません。
このどさくさに紛れて子ども手当つなぎ法案を通したくらいですから。
ちなみに
> 共産、社民両党が修正に難色を示したため採決を見送った。
社民党の必要性、誰か教えてください。自分からしてみたら民主党と社民党の必要性って0にしか見えないんですが。
共産党は外交面は腐っていますが、たまにまともなことも言いますので。