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イイね!
2011年11月05日

箱根の黒沢邸訪問で始まった1週間 ~たまには「身辺雑記」を~



*10月31日の月曜日。東名高速を厚木ICで小田原厚木道路に乗り換え、一旦、小田原駅前で昼食を摂った後、そろそろ紅葉の目立ちはじめた箱根旧道をのぼって、箱根小涌園傍のガンさん邸へ。
約束の午後2時前だというのに、ガンさんはすでに玄関の扉を開き、表の道に出て、ぼくらの到着を待っていてくれた。
用件は、すでに了承をいただいている「新ドライビング・メカニズム」を、どう具体的に展開していくか、もっと煮詰めようというのだった。とにかく、ガンさんは大乗り気。
それについては、近々にプロジェクトの内容をまとめあげたところで明らかにしていくつもりなので、いましばらく、時間をいただきたい。

打ち合わせが終わったところで、37年前の「富士GC多重事故」を、ぼくなりに洗い直していることを、ガンさんに告げた。すでにぼくの動きをご存知らしく、柔らかい笑顔でぼくのいくつかの質問に答えてくれた。やっぱりそうだったのか、といういくつかの確信を得たので、これからの検証に役立たせたい。焦らず、ゆっくり取り組もう。
午後4時過ぎ、黒沢邸を辞す。

*11月2日の水曜日。約束より10分も前に東京プリンスホテルに着いたのに、珍しく駐車場が満車とかで、ゲートの入り口で待たされる。なにか大きなパーティでもあるのかな。午後0時に童夢の林ミノル社長とロビーで待ち合わせている。気が急くが、後続車がベッタリとくっついているから、どうしようもない。
0時02分。やっとゲートがあがって、駐車スペースへ。ロビーへ急ぐ。お、ロビーも人がいっぱいだ。林さんはどこだ? やむなく従来型のau携帯から切り替えたばかりのiPhone 4Sで連絡をとろうと取り出したところで、目の前で携帯電話にむかって声を吹き込んでいるミノル社長を発見。先方も携帯を使ってこちらを探しているところだった。

いつもの「和食処・清水」も混んでいて、やっとカウンターの席がとれた。
「ここに友だちを呼んでありますが、よろしいか?」と、ミノル社長。
当然、ガールフレンドを見せつけたいのだろう、と気を利かせたこちらは、
「どうぞ、どうぞ」と。
早速、現在地をしらせるべく、ミノル社長は携帯をかけている。さて、どんな「美形」がやってくるのか。今のうちにお互いの用件を済ませておかなくては。
ミノル社長に訊く。1974年6月2日の「富士GCの多重事故」のレースを見ましたか?
「いや。浮谷東次郎のことがあってからは、不思議と死亡事故のあったレースは見ていない」
やがてミノル社長の友だちの登場。なんと、今のレース界を牽引しているスーパーGTの運営母体、GTアソシエーションの坂東正明社長ではないか。つい先だっての富士スピードウェイでの「スーパーGT」取材で、お世話になったばかりだ。


どうやら、このあと、おふたりは新しいカテゴリーのレ―シングカーについて、密談するつもりらしい。なんだか、現役時代に復帰したような時間の使い方になってきたぞ。

*11月3日、文化の日。舘内端さんの主催する「Japan EV Festival」の取材で筑波サーキットへ。不思議な静寂が筑波サーキットと、その周辺を包んでいた。本来なら、ウィーン、ウィーンとレーシングカーの走行音やエンジン調整音などで、ああ、サーキットにいるんだ、と心を沸き立たせてくれるものがない。かわりにクラシック音楽が流れている。





パドックを歩くと、知り合いばかりだ。まず、国沢光宏君。次に元カーグラの熊倉重春編集長、桂伸一、松田秀士、小沢コ―ジらの各氏。どうやら、各メーカー提供のEVカー、ハイブリッド車によるサーキット同乗試乗の運転手を務めるため、狩り出されたらしい。
この日の模様は、別途、紹介するつもりだからここでは省略。
大きな収穫がひとつ。津々見友彦さんも見えていて、近く「1974・06・02」の記憶を改めて伺う約束をしたこと。「あの時のことは、決して忘れることはできない」と、はっきり言い切る津々見さん。70歳になっても、この日のようにサーキットを疾駆する素晴らしさ。
見習いたい。



*また一つ、同世代に生きた仲間の訃報に接した。
参院議長の西岡武夫氏が、11月5日の早暁、肺炎のため、東京都内の病院で死去したというニュース・テロップが、TV画面を流れていく……。同じ75歳だった。今の国会を体調不良で冒頭から欠席していたのは知っていた。


1954年(S.29)春、お互いに真新しい角帽をかぶって、都の西北にある早稲田の杜(もり)で顔をあわせた。教育学部社会科学科の教室だった。
初々しく、黒の詰襟姿のよく似合う、目元の涼しい青年が、きっちりと挨拶をしながら、隣りに着席する。アイウエオ順に席が決められていた。
「西岡武夫です。長崎から来ました」
こちらも、あわてて名前と出身地を告げる。
「あ、同じ九州出身ですか」
そのあと、どんな会話をかわしたのか、記憶にない。が、その後で、あの眩しいほどピカピカした同級生が、長崎新聞社社主の「御曹司」で、雄弁会に在籍しているという情報を、いつの間にか、キャッチしていた。雲の上の住人だろうが、なかろうが、ここに来ればみんな同じ学生さ。きっと、ぼくは身構えていたに違いない。
夏休みに入る直前、政治学かなにかの講義で一緒になったとき、
「夏休みで九州に帰るのなら、よかったら長崎に来ないか。案内するよ」
といって、ぼくのノートに住所と電話番号を書きこんでくれる。
「ああ、剣道部の合宿があるので、それ次第で、夏休みがどうなるかが決まる。そのときはお邪魔するかもしれない。連絡するよ」

そういいながら、結局は長崎には行かなかった。いつも他の同級生が彼のそばを取り巻いていて、もう一つ、付き合いたい気分になれなかったし、剣道やアルバイトなどで、その夏はあっという間に終わってしまったような気がする。

社会に出て5年目。彼は27歳で衆議院議員となる。それを祝って、同期会が新宿で開かれた。音頭を取ったのはTBSに入った男で、ぼくらの入った社会科学科からは、結構、マスコミ関係に進んだものも多かった。朝日新聞、共同通信、北海道新聞。そこで生きたはずの、あの連中、今はどうしているのだろう。
宴も酣(たけなわ)となったところで、西岡君の登場。たしか、東京オリンピックの開催年だったから、世の中も、まっしぐらに上昇機運にあった。何かあれば、みんなで応援しようと盛り上がった時代だった。

やがて、ロッキード事件を機に、西岡君は河野洋平氏を中心にして「新自由クラブ」を立ち上げ、保守革新の道を驀進した。そのころのぼくは「週刊現代」と「現代」に関わっていたから、なにかにつけ、西岡衆議院議員とは是々非々の立場で接触があった。

政治家として、西岡君は浮沈が激しかった。衆議院初登院で母親同伴を揶揄されたのを皮切りに、いろいろあった。一時は、政治の中枢からはずれて、落選もした。が、最後は民主党に鞍替えして、参院議長のまま、彼岸に旅立った。「是々非々」の立場は変えられないが、硬骨で、いつも筋を通し続けた西岡武夫という政治家の生きざまを、同級生の目線のまま、彫りあげてみたい気もする。まずは、お疲れ様でした、と哀悼の想いを綴ってみたわけです。またひとり、逝ったのか。この想いはまことにつらい。
ヒタヒタと聞こえはじめたあの足音を、ぼくも自覚しておかなければならない。時は秋。
ブログ一覧 | ちょっと一服 | 日記
Posted at 2011/11/05 23:54:45

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この記事へのコメント

2011年11月6日 8:57
西岡氏と同級生だったんですね。政治には疎い僕ですが、西岡氏の発言には筋が通ってると思う事しばしばで、硬骨漢の印象でした。ご冥福をお祈りします。

林氏は僕が始めようとしている底辺フォーミュラの今後を左右するキーマンです。JAIAとして童夢の開発したカーボンモノコックをS-FJにまで広めようとしておられますが、レギュレーション(JAF)の壁が、、、今年、パイプフレームの中古S-FJを買った僕が新車に買い替える時、安全なカーボンモノコックのマシンに乗れるよう、なんとか奮闘をお願いしたいです。既にご覧になってるかも知れませんが、童夢HP内の林氏のコラム、面白いです。必見です!

僕はこれから、岡山国際サーキットに行ってS-FJのシート合わせです。
コメントへの返答
2011年11月6日 9:44
おっしゃるように、いまのレース界にあって、まっすぐモノを言える人は林ミノルさんだけ、といっていい。

彼のコラムは凄い迫力です。訴えることが、ヒシヒシと伝わってきます。

今日は岡山国際? 頑張っていますね。
2011年11月6日 17:30
正岡さんとガンさんの新企画「新ドライビング・メカニズム」、楽しみにしております。
昔の富士GCの件、ひょっとしてガンさんは1人、罪を被って、しかも永い間それを
黙して語らず、ともすると墓場まで持っていかれようとしていたのでしょうか。
正岡さんがベスモを作り、そこでガンさんが視聴者に見せてきたことの積み重ねは、
真実が違うところにあったと思わせるに十分なのですが、そちらの検証も心待ちに
したいと思います。

応援しております。
コメントへの返答
2011年11月6日 23:33
ありがとう。励まされます。
ガンさんは、機会が与えられれば、きちんと話すことのできる人です。大事なのは、ガンさんの伝えたいことを、どうやって客観的なステージで公にしていくか、ではないでしょうか。
2011年11月14日 14:54
「新ドライビング・メカニズム」!
そんな企画が進行中なのですか!?

「ドライビング・メカニズム」
真面目にドライビングに取り組む以前
〜自分が少し変わったかな?と思ったとき
〜なんとなく先を見失ったとき
〜行き詰まったとき
何度となく読み返して来ました。
つい先日も??度目の読破を(笑

一方、ドライビングの情報は他方面からも入ってきて
「ドライビング・メカニズム」の頃から比べ、タイヤも車も進化し
そしてドライビングスタイルも進化し、多様化したのかな?
・・・などと疑問を持ちながら
どうしてもスッキリしない部分があるのです。
今のガンさんだったらなんて言うんだろう?

久しぶりに元気そうなガンさんの画像を見て思わず筆をとりました。
現代の通説を徹底的に斬って欲しい
首を長く、期待しています。
コメントへの返答
2011年11月14日 23:19
初版が出てから、10年が過ぎました。

この10年で、ガンさんはさらに進化しています。

期待してください。
2012年11月25日 1:19
「新ドライビング・メカニズム」楽しみにしています。

GCの(空白の時間というか)新たなビデオ新たに入手されたようで、その事についてのことも私もぜひ知りたいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。

ガンさんのニュルやドライビングのベスモは、テープがすり切れるほど見ました。私も50才になるのですが、今でも整備やドライビングを楽しんでいきたいです。
本当なら、ドライビングレッスンなどに参加して、フルブレーキとか、スキッドパッドなど参加したいと思っています。
コメントへの返答
2012年11月25日 16:23
まるでブルドーザーのように、読破いただき、恐縮です。

秩父ものが終わったら、また「ガンさんもの」に取り組む予定です。
2012年11月25日 19:14
実は毎回買っていたベスモも子供が生まれ家内も仕事をやめたりしたときに、毎回ではなく、ガンさんがでているときに買ってみたりしていました。その後、なぜかガンさんが出演が減り、ベスモの購入が減ってしまい、R35でベスモを久しぶりに購入したら次号で終了と知りびっくりしたしだいです。その後ベスモのWebページも無くなり、さびしくなりました。私も今年にみんからを始め、ガンさんのことをさがしていたら、正岡局長様のページにたどり着き、私の知らなかった事がはっきり書かれていて、ブルドーザーのごとくどんどんと引き込まれていきました。

プラチナのR382のDVDの櫻井さんとガンさんの会話の中にも、GCでの事の話にも触れていましたね。

私にとって、空白の時間が、正岡様のおかげでどんどん埋まってきています。

これからも、よろしくお願いいたします。m(_ _)m
コメントへの返答
2012年11月25日 19:45
ああ、プラチナのR382はとてもよくできていて、ぼくも愛蔵しています。

がんばっていますね。ぼくも秩父ものの発掘写真に整理にこの3連休を吸い取られてしまいました。充実した時間です。

スペシャルブログ 自動車評論家&著名人の本音

プロフィール

「1週間前の当欄で紹介した虎のドラフト第1位の伊原左腕が、聖地甲子園でも巨人相手に6回を4安打1失点と好投、ホンマモンと一安心。もう一つ、先の広島戦の3失策てスタメン落ち中の木浪が9回に代打で登場、快速の守護神マルチネスから右翼線に2塁打して大逆転劇を期待させてくれたのが光った。、」
何シテル?   04/28 11:49
1959年、講談社入社。週刊現代創刊メンバーのひとり。1974年、総合誌「月刊現代」編集長就任。1977年、当時の講談社の方針によりジョイント・ベンチャー開...
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