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2013年09月28日

中谷明彦君との新しい「約束」

中谷明彦君との新しい「約束」 ~『中谷塾講義テキスト』と『ポルシェ911ドライビングバイブル』~

 北京から帰国したばかりの中谷明彦君と、いつもの『ランチ密談』の舞台、東京プリンスホテル1Fの和食処「清水」で待ち合わせた。黒澤元治さんにはじまって、中部博、浅岡重輝、林ミノルさんといった、特にモータスポーツにかかわりのある各氏との「密会」は、多くの収穫を運んできてくれた縁起のいい場所である。

 約束の時間、午前11時45分ぴったりに、いつもの涼やかな顔で、彼はやってきた。ゆっくり時間をとって逢うのは、2011年3月末の、「ベスモ最後のロケ」の帰路、誘われて東名高速青葉ICそばのファミレスで、コーヒーを飲みながら話し込んで以来であった。



 テーマはもちろん、10月20日の「ベスモ同窓会in東京」の打ち合わせ。彼の当日のテーマは即座に決まった。参加メンバーからの「イチオシ」企画で上位にランクされているのが1996年新年号の『真剣勝負!筑波無差別級バトルロイヤル』。最終コーナーでポルシェを操るガンさんがギア抜けトラブルから、危うく後続の中谷GT-Rと、あわや激突の危機。
 この時の「緊急回避」の解析と、それを生かしたドライビングテクニックを特訓する同年5月号の連環企画。この二つを、みんなで語り合おうじゃないか、というのである。





「賛成です。それにしても……」
 ここで中谷君が珍しく声を弾ませた。
「ベスモが消えて2年半も経つのに、北京に行っても、あちらの人たちまで、ドラテク勉強でYouTubeなんかがあるせいでしょうね、ベスモを熱心に見てるんですよ。その《緊急回避テクニック》を含めて、びっくりするくらい、よく知っているんですよ」
 
 そして、こうもいう。
「ガンさんまで出席して、ベスモを鑑賞しながら語り合えるミーテイングがあるなんて、羨ましすぎる、贅沢すぎるって、口を揃えていました。こうなると、大阪とか、九州とか、各地でもやりたいですね」

 ありがとう、うれしい話です。そう礼を言ったところで、誘い水を向けることにした。
「イチオシとなると、やはり1991年6月号から始まった《スーパーバトル》ものが来るんだけど、キミならどの年のものを推薦する?」





 フェラーリとポルシェが競い合うようにして、伸び伸びと毎年、新型を投入。それを迎え撃つ日本のスポーツカーが、R32 GT-RやNS-Xを投入しながら、280馬力規制で頭を押さえられて、口惜しさに歯ぎしりしていた時代だった。
「そうですね。最初はF40の凄さに圧倒されて、見た目の面白さはあっても、踏み込みが今一歩のところがありましたが、年1回であっても、年を重ねるごとに創り方も映像表現も、どんどん充実していきましたからね」

 しばらく「スーパーバトル」論議が弾んだ。結論は10月20日に、みんなで語り合って、そこで出したいですね、と中谷君。
「ぜひ、そうしよう。しかし、1996年7月号の《スーパーバトル》 が頂点だったように思う。世界最強マシン決定戦とサブタイトルをつけたやつ」
「ああ、ぼくが服部(尚貴)君と一緒にメカニズム・チェックをした号ですね.谷田部のテストもしっかりやりました」

 中谷君も、しっかり覚えていた。その締めくくりも中谷君がやってのけていた。ヨーロッパ車と国産スポーツの優劣を論じるより、ポルシェやフェラーリを生んできた土壌を、自分の目で確かめたいという、新しい決意であった。





 考えてみれば、1996年度の各号は、いろいろと盛り沢山。「実戦インカ―バトル・ミラージュCUPで勝負でござる」、「100号記念 チャンピオンズバトル、ロードスター大運動会バトル」などと目白押しだったが、翌年の1997年1月号で、わたしは編集長の椅子を後進に託した。それからもう、18年近くが経ったということなのだ。中谷君にしてからが、もう55歳だという。
「そこでひとつ、やりたいことがあるんです」
 中谷君から、嬉しい提案があった。
「10年近くやっている中谷塾の講義テキストを1冊の本にしたいのと、もう絶版となっている《ポルシェ911ドライビングバイブル》を、生き返らせたいと思っています。電子書籍化したいんですよ」



 この二つの命題は、わたしにはとても魅力のあるはなしだった。よし、10月20日の同窓会当日には、その具体的なモノに練り上げて、なんらかの発表ができるところまで、持ち上げたいものだ。

 またひとつ、新しい目標ができてしまったようだ。別れ際、中谷君のポルシェをiPadの「写真」でパシャッとワンショットいただいた。すっかり、彼のポルシェの本に新しい命を吹きこむつもりでいるらしい。



ブログ一覧 | 77歳の挑戦 | 日記
Posted at 2013/09/28 02:46:39

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この記事へのコメント

2013年9月28日 6:24
おはようございます。寒さで目が覚め、夏布団の限界を感じました。来週末は娘の運動会ですので、体調管理はいつも以上に。今週末は寝具の入れ替え作業に時間を費やす予定です。

さて、10月20日の同窓会に向け着々と準備が進められ、どんな演出になるのか当日参加出来ない私も気になっています(笑)

昨日、局長と中谷さんが会合された事は中谷のfacebook内で知り、そこで紹介された「プロアマ混走レース in FISCO」を見ながら改めて中谷さんの緊急回避能力(危険予知能力)の高さに、改めて見とれてしまいます。「筑波緊急回避」も偶然ではなく必然な結果なんだと。

皆様、超御多忙ですので、スケジューリングを合わせるのはかなり難しいかとは思いますが、全国各地での開催に期待しています!
コメントへの返答
2013年9月28日 8:16
雲一つない碧空が拡がっています。その分、朝晩は冷え込んできました。どうぞ、体調管理に十分の配慮を。

中谷君の「緊急回避」から、彼のドライビング理論の奥行の深さを、改めて伝えたい。それが同窓会後のミッションとなりました。

たのしみです。
2013年9月28日 6:56
一冊予約で!
コメントへの返答
2013年9月28日 10:17
これはまた、早々と。
しかし、そのお気持ち、ありがたく頂戴します。
中谷クン、このコメント、読みましたか!
2013年9月28日 8:40
おはようございます。

96年スーパーバトルは自分のイチオシでもあります。当日が今から楽しみです。
中谷さんがミラージュカップで怒っていたこともありましたね。
コメントへの返答
2013年9月28日 9:17
おはよう、です。

そう、あなたのイチオシです。完成度の高さがとても印象に残っています。
「ミラージュカップ」の方は、この3月の「ミラージュカップ同窓会」でみんなで見て、大爆笑でした。

10月20日が楽しみです。
2013年9月28日 9:48
おはようございます。
前からコメントしたかったのが、何年の何月号か忘れましたが、確か993のポルシェが出たときに、緑色のNSXと、ワインディング、バトルで、中谷さんとガンさんが評価していたあの号が大好きです。
ストイックに走り込む映像が、ドライビングの参考にもなるし、この2台の速さがほとんど同じで、バトルは名バトルの五本の指に入ると私は思っています。
コメントへの返答
2013年9月28日 11:41
どの号だったか、いまは特定できていませんが、参考にさせていただきます。ありがとうございました。
2013年9月28日 13:16
「あっくんりょうパパ」さんの大好きな号、自信がないですが1994年9月号でしょうか。
前半のワインディングで中谷さんが、後半の阿見でガンさんが評価されていた記憶があります。
この号は真夏の鈴鹿東のJTCCレポートが面白いですね。

スーパーバトル、年によってカラーも違うので一概に比較し辛い難しさがあります。92年のF40デビュー、93年のディアブロのインパクト、94年の鈴木利男さんのドライビングなどキリがないです。

ただ私は96年が「ベスモ同窓会」にはいいかなと思います。
マシンチェック、谷田部、筑波、締めくくりに中谷さんが出てらっしゃるのが印象的です。映像の「ピリリ」としたスパイスも絶妙です。

私も中谷さんの続編を、一冊予約します(笑)。
相変わらず綺麗な964ターボですね。
コメントへの返答
2013年9月28日 20:57
1994年9月号はピンポ~ンでした。ただし「あっくんりょうパパ」さんの記憶にもズレがあり、993のポルシェと、緑色のNSXのバトルはガンさんと大井君でした。
この年のスーパーバトルはF40に鈴木利男君が乗り、新鮮な魅力を見せたのが印象に残ります。JTCCレポート、今見ると、いろんな見どころがありますが、やっぱり猥雑のきらいあり。そこが気になっていました。
2013年9月28日 19:57
打ち合わせ、ご苦労様です。当日の映像をみながらがんさんと中谷さんの当日の映像にはない話など楽しみにしています。また、中谷さんからのお願い、実現よろしくお願いいたします。私も一冊購入して、勉強したいです。
コメントへの返答
2013年9月28日 21:00
予約、ありがとう。
出版の件、本日、版元との交渉、OKでした。やりますよ。
2013年9月29日 1:48
こんばんは。
この、中谷さんの緊急回避事件の号は、非常に印象に残っていました。
ダート路はかなりバンピーだったようで、サスペンションがフルストロークしている様子が伺えます。
また、舗装路に戻る時もフルバンプ状態で戻っています。後輪の安定が悪い車でしたら、おそらく古バンプをきっかけに、スピン状態になったのではないか、と思います。

車の挙動を予想し、素早く操縦した中谷さんの反射神経と、スカイラインGT-Rのリヤサスペンションの安定度に、ただただ感心するのみです。
コメントへの返答
2013年9月29日 9:28
今回の「同窓会」での「キャスターとメンバー」が語り合う「テーマ」の一つに考えています。なにしろ、当事者が揃っているのですから。
2013年9月29日 3:53
F40対F50という夢の対決が鈴鹿で実現した00年も一つの究極と思いますが、これこそ僕らのベストモータリングだと感じられるのは96年です。仁礼さんがF40に試乗したりもしていましたよね!

後にバトルシリーズとしてDVD化された時に収録されている、中谷さんのF40谷田部アタック・315km/hの世界。観ているこっちまで呼吸を忘れる程緊張感たっぷりのノーカットの車載映像。当の中谷さんはどうだったのか…気になります。

前号1996年6月号付属リトルマガジンの次号予想で、チゼータやフェラーリF512Mの名前もありますが、交渉の末ダメだったのでしょうか(笑)
コメントへの返答
2013年9月29日 9:33
仁礼君のF40ドライブ、憶えています。あれで、観る側との距離がグ〜ンと縮まりましたね。

リトルマガジンの件、確認しておきましょう。当日、いろいろ突っ込んでいただけそうで、楽しみです。
2013年9月29日 18:01
こんにちは。
今思えば1996年頃のベスモは本当に充実していましたね。
充実というかベスモらしさが熟成してきた雰囲気があったように思います。
そんななかでの2号続けての中谷さんの緊急回避は観ていて素晴らしかったです。
同じ1996年1月号で言うと同窓会での【辺須紋組】は外せないんじゃないでしょうか。
個人的には長いベスモの歴史の中でも1996年1月号は3本の指に入りそうな気がします。
コメントへの返答
2013年9月29日 20:34
こんばんは。しばらくです。

こんどの「同窓会」で中谷君の緊急回避が話の中心になりそうですね。そこから、また新しいものが生まれてくるといいですね。


スペシャルブログ 自動車評論家&著名人の本音

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「雨上がりの朝が快い。加えて早朝5時から実況中継のドジャースVs.パドレス戦は、9回表の翔平君の3塁打が利いてDが逃げ切った。そんな時だから朝のデイリー紙買いの足取りも軽くなる。おお、TOP面はサト輝の豪快18号本塁打スイングのアップ。でも2戦連続の逆転負け。岩崎が簡単にやられた!」
何シテル?   06/12 09:50
1959年、講談社入社。週刊現代創刊メンバーのひとり。1974年、総合誌「月刊現代」編集長就任。1977年、当時の講談社の方針によりジョイント・ベンチャー開...
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