引退間際のプログレ再生計画(その2)
東京湾に浮かぶ大黒PAで、TOYOTA車を中心にしたオフ会をプロモートしていた「うづっきーセダン」さんの、15年も連れ添っているNC250のプログレから、なんとも不思議な「こだわり」のオーラを感じ取った。その想いが通じたのか、この週末に、お互いのプログレを乗り較べ、思いっきり「プログレについて語り合おう」という話がまとまった。
そんな浮き浮きした気分でいるところへ、ベスモ同窓会若手メンバーの「2315」君が、わたしの「愛車紹介」に軽いジャブを送ってきた。大歓迎だ。ちょいとライトな筆致だが、なかなか鋭いところが気に入った。少し、要約しながら、引用させてもらおう。
*6月15日の大黒PA.。NC250タイプながら、まるで双子車のような「うづっきープログレ」と遭遇。記念撮影を。
「2315」君は幼少時からの育った環境のせいでTOYOTA車ファン。ソアラとかスープラ=最高のスポーツカーと信じて疑わなかった、という。そんなこともあって、池袋サンシャインに隣接するTOYOTAのオートサロン、アムラックス(2013年末で閉館)に通ってカタログを集めたという。
「そのカタログ陣は今も変わらずあり、当時のほぼフルラインナップが家にあります……。まぁそれがアムラックスでベストモータリングなる普通車をサーキットに持ち込んでヨーイドンしてしまうビデオに出会ってしまってから、車の世界観が広がった気がします」
そう前置きして、こう斬りこんできた。
「ここから本題。最近ずっと気になっていたこと。それは、局長(つまり、わたしのことか)の車紹介です!
(TOYOTAプログレの)車名の頭についている《NC》とは、ニュー・コンパクトカーの略と記憶している――そうだっけ……?? NCV。つまり「ニューセンチュリーバリュー」ってのがあった気がするけど……。
そこで調べたら、カローラのキャッチフレーズでした。New Century Value 9代目(2000年~)ということは、私の答え合わせは間違い。じゃあ、何だっけ??
プログレだけに、wikipediaにも書いてない……。
ということで調べてみた。
正解は、NEO CATEGORY でした。
今、カタログを見ても気合の入った車である。だから記憶に残るのだろうけど。既に、レーダークルーズが搭載されていたり、サイドエアバックが装備されていたり……
今見ても、10年早かったんじゃないか?と思える車だと思います。
*愛しのプログレ、14年昔の晴れ姿。ダークグリーンマイカで仕立てられたボディーカラーが初々しい。
もうちょっとデザインを工夫して、新世代エンジンでも積んだら、高齢化社会にぴったりだと思う。日本専用車両ってのが難しい時代かも知れませんが、こんな創り手の気合が感じられる車がたくさん出てきたら、日本車が売れるような気がします。
高価な外車がたくさん売れるんですから、値段の問題じゃないと思うんですが……。
* * * *
なるほど、後段のプログレへの嬉しいエールはありがたく頂戴するとして、「NC=NEO CATEGORY」という指摘には虚をつかれた。ありがたいことに「2315」君はヘッドPHOTOに、根拠となったカタログの導入コピーの一部をアップすれば見れるように、添えてくれていた。
早速、拡大して、読み取ってみる。濃緑のフロント・グリルのスポイラー部分をバックにして、こんな白文字のコピーが浮かび上がってくる。相当に練りこまれたプロの文章。せっかくの貴重な資料だから、全文掲載と行こうか。
――ふと見渡すと、日本には多くの高級車が存在しています。ゆとりあるサイズ、豪華な仕様、行き届いた装備。確かに性能も品質も世界に誇れるものを備えています。その数ある中から自分のライフスタイルに相応しい一台にめぐり会うことができたとしたら、それはこの上ないことかもしれません。ここに紹介する「プログレ」。“進歩”という意味を込めたこのクルマをとおいて、私たちの描いたひとつの理想ともいうべき姿をお目にかけたいと思います。独自の思想による斬新なパッケージ、新たな価値観を秘めたスタイル、先進のメカニズム……。その想いを“NEO CATEGORY”の頭文字としてグレード名にしっかりと刻みました。「プログレ」。今のところ、こんなコンセプト持った高級車はちょっと見当たらないのでは、と自負しています。
何一つ、数字が出てこないところにこの時代の空気が感じられる。
そうだ。わたしにも蘇えってくる記憶があった。もう一つ、“NEW CONCEPT”という意味合いが込められていた、と。出典をあれこれと探してみる。そして、間違いなく確認できた。――拝啓 「プログレ」オーナー様 新コンセプト高級車「プログレ」をお届けします。こう題したチーフエンジニアからのメッセージを、わたしのプログレに添えられた「取扱書」の巻頭見開きページから見つけ出すことができたのである。
ま、今となっては「NC」の「C」がカテゴリーだろうが、コンセプトだろうが、あるいはコンパクトなサイズながら高級感・品格にあふれ……といった狙いから創り出した情熱の結晶といったセールストークも、それぞれが補完し合っていて、実はどうでもよかった。それよりも気になることがあって、「2315」君に電話で問い合わせる。
「NC=NEO CATEGORY」の出典となったカタログに登場するプログレに見覚えがある。ひょっとしたら、わが愛しのプログレ、NC300 iRバージョンがモデルになっていたような気がする。至急、カタログのプログレの詳細がわからないだろうか、と。
「2315」君からすぐにレスポンスがあった。
「先ほどのカタログの写真を送付します。プログレ前期型のカタログですが、2000年4月なのでもしかしたら、もう何種類かカタログが存在するのかもしれませんね。
アップの方は記載がありません。全体写真の方は、NC300 ウォールナットパッケージ レーダークルーズコントロールとプロジェクターフォグランプ装着車、ボディカラーはグリーンマイカメタリック とのことです」。
添付された2葉の写真。
それはまさしく、わがプログレの14年前の懐かしい晴れ姿であった。アルミホールのキャップがiRバージョンだけに与えられた特製ものであるのも、傍証のひとつであろう。
*2014年6月29日午後2時の「わがプログレ」。因みに前に停車しているのが「うづっきーぷろぐれ」。東京・豊洲にて。
そのカタログにモデルとして登場したプログレは、このあと若干のメディア露出をすませてから、まっすぐ、2000(平成12)年10月、走行距離1827kmで、わたしのもとに嫁いできたいきさつは、もう時効だから、この際、明らかにしておいてもいいだろうが、長くなるので次回へ。
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プログレSTORY | 日記
Posted at
2014/06/29 22:52:13