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2017年04月26日

『川奈ホテル』という追憶のキーワード

『川奈ホテル』という追憶のキーワード 〜ポルシェ914に乗せてくれた『あいつ』Part.2〜



 4月なって、早くも4回をかぞえる日曜の朝がやってきた。

 穏やかで風もない平和な午前中は、このところ、総走行距離111,111kmをマークしてからは、すっかり出番の少なくなったプログレの手洗い洗車にあてた。ついでにエンジンルームをのぞく。ウィンドウォッシャーの補充をしてやる。特段の不具合もない。ま、6月には9回目の車検が待ち構えているから、その時にしっかりと「健康診断」をお願いするとしよう。

 駐車場を縁取るツツジの赤とピンクの花たちが、もう少しで満開のときを迎えようとしていた。

 午後はインターネットのWi-Fi関連機器がもう古くなっていて、しきりに感度劣化を訴えてきているので、新しいハブ式ルータを調達しようと電器量販店のパソコン館へ、プログレを走らせた。

 30分後、NECの『Aterm Wi-Fi快適生活 お役立ちBOOK 』を貰って量販店を出る。販売店員に指摘された「指定通信スピードの枠」を確認する必要ができたからだった。その件は月曜日に契約しているJ-COMに問い合わせることにして、心はすでに午後2時から放映される「巨人×阪神」戦に移ってしまった。

 ところが、肝腎の地上波デジタルのチャンネル4では暢気な旅番組が流れている。調べてみると、放映開始は午後3時15分から、となっているではないか。それではやむを得ない。ケーブル放送のJ-COMに切り替えればやっているはずだから……。

 その前に、チャンネルをフジTVに寄り道してみた。

「フジサンケイレディスクラシック」最終戦の白熱した様子が映し出された。このところ、イ・ボミを筆頭に韓国勢に蹂躙されていた女子ゴルフ界も、魅力のある若手たちが基礎技術をしっかり体得し、力をつけてきたこともあって、かつての活況を取りもどしているらしい。この日も日本勢の5人が2ストローク差で終盤を競り合っている。



 舞台となっている静岡県・川奈ホテルゴルフコースは「世界のベストコース100」にも毎年ランクインしている名門で、プレイするには、基本的にはこのホテルに宿泊する必要がある。駿河湾に面し東に富士山が臨める18ホールが「富士コース」、東南側で伊豆大島と向き合い、ちょっと距離は短めだが、「グッバイホール」と呼ぶ海越えの断崖絶壁付きのショートコースの洗礼を受けるのが「大島コース」。打ち終わると吊り橋を渡ってグリーンへ向かうのだ。
 

*ティーショットしているのが当時31歳だったわたし。まだ正式にHDCPも取得してなかった時代。結局60歳で「8」に。



 トーナメントは「富士コース」の方が使われていた。TVが紹介してくれる
川奈ホテルゴルフコースには、いくつかの記憶がつながっている。プレイをしたのも十回を超えている。

 最初は1962年(S37=おお、55年前か)。「週刊現代」から総合月刊誌の「日本」に移籍してすぐのこと。編集長から「キミはゴルフをやるそうだから」とレジャー入門特集『GOLF』の担当を割りふられた。監修は作家でゴルフに関する著作も多かった水谷準さんにお願いしたところ、プレイと撮影は『川奈…』にしよう、その交渉は任せたまえ、ということで、こちらはモデルクラブから若いカップルのモデルを調達、一泊付きで川奈まで足を伸ばした。たしか伊東までは東京駅から列車を利用し、そこから地元のタクシーで川奈へ向かったように記憶している。
 




 それから10年後に再訪したときには、プロゴルファーの杉本英世さん(彼は川奈でキャディをやりながらプロを目指したことで有名)と国際事件記者として盛名をはせた大森実さんと、週刊現代連載企画『ビックスギの水平打法』をまとめ上げるために3日間の合宿をここで行った。この時の功徳だろうか、それからは時にはハーフ40を切ることもめずらしくなくなった。
 



*このビッグスギの企画が大当たり。この頃の週刊現代は100万部を突破していた。そしてこの「枕投げ」秘伝は目から鱗、と大評判だった。

 一つだけ、それからの「ベストカー」時代には、痛い目に遭った記憶がある。杉本英世さんの何かの記念コンペがあって、当時、講談社の服部敏幸社長代行が招待されたので、わたしも運転手を買って出て、ご一緒に参加できることになった。そこで徳大寺有恒さんから長期貸与されていたBMW633アルピナで川奈を往復することにした。
 快適とは言いがたいが、まずまずのテンポで東名高速を抜け、厚木ICから小田原にむかう自動車専用道路へ入った。油断があった。東名を走るのと同じ調子でアルピナ633のアクセルを踏んでいた。と、前方で旗を振る人影。15キロオーバーで、チケットを切られてしまった。以来、小田厚道路を利用するときには、細心の注意を払うようにしているが、後日、講談社役員室からお呼び出しがあった。

 恐る恐る出頭すると、服部社長代行の部屋に通された。
「おい、あのスーパーカーみたいな派手なクルマ、思っていたより乗り心地がよかった。ところで、これを取っておきたまえ。ご苦労さんだった」
 封筒にはスピード違反の罰則金と同じ金額が収められていた。
 さすが、わが大学の剣道部先輩。有り難く、頂戴したものだった。


 それらの「川奈ホテル追憶」の時間を、実は近ごろ、平日の午後0時30分からの20分間、決まって反芻しながら楽しんでいる。当BLOG前回の《ポルシェ914に乗せてくれた『あいつ』》で紹介した石坂浩二が主演する、シニア層をずばり狙った連続ドラマ『やすらぎの郷』の舞台、夢のような環境と品質の高い造りの老人ホームこそ、川奈ホテルがロケ先となっていた。だから、中島みゆきの歌声に導かれてはじまるオープニングシーンで、毎日、川奈に心が吸い寄せられてしまう……。

 ♪もう一度はじめから もしもあなたと 歩き出せるなら
  もう一度はじめから ただあなたに尽くしたい
      ————主題歌「慕情」 中島みゆき(作詞・作曲)

 このドラマが見事にヒットしているらしい。

「日刊ゲンダイ」によれば、4月3日からスタートしたテレビ朝日系の昼ドラマ「やすらぎの郷」が絶好調で、ライバル各局が慌てふためいているという。
 脚本は倉本聰(82歳)。彼の想いが濃密に練りこまれたこの作品は、かつてテレビの黄金時代を支えた俳優、作家、ミュージシャンら「テレビ人」と称する業界人だけが入居できる老人ホームが舞台の人間ドラマだ。出演者には石坂浩二をはじめ浅丘ルリ子、有馬稲子、加賀まりこ、草刈民代、五月みどり、常盤貴子、野際陽子、藤竜也、風吹ジュン、八千草薫ら豪華キャストが名を連ねている。

「4月3日から7日までの第1週の番組平均視聴率は7%。しかも、4日は日テレ系『ヒルナンデス!』、TBS系『ひるおび!』、フジ系『バイキング』を抑えて同枠のトップになった。第2週になっても勢いは止まらず、10日、12日も同枠のトップになっています。これはもう無視できない数字です」と、民放関係者コメントを紹介している。

 民放各局は、当初はせいぜい2〜3%の視聴率だろうと多寡をくくっていたのがこの高視聴率。まさかシニアを対象にした昼ドラマがここまで視聴者のハートを捉えてしまうとは! このまさかの結果に度肝を抜かれているらしい、と伝える。



 石坂浩二君、よかったね。明日からまた平日の5日間がまたやってくる。もう第16話まで来たんだよね。ひきつづき、楽しみに「やすらぎの郷」にチャンネルを合わせよう。

 それにしても、浅丘ルリ子、加賀まりことの「仰天の邂逅」をじっくり拝見させていただいたが、ふたりがそれぞれに、あなたに迫る演技は見事だった。昔の仲間との同窓会に、わたしまでが招待された気分で、浮き浮きしてしまう。そして、あなたに関わる「ヤングレディ時代」からの眠ったままの秘話の数々が、むくむくと頭をもたげて甦ってくる……。
 




 新しく手に入れた2シーター、ミドシップのポルシェ914になぜあの時、わたしが助手席に座っていたのか、をはじめ、クルマに関する石坂君との記憶も、もっと掘り下げてみたくなった。それはあの時代、プライドが売り物の総合雑誌「日本」から、「ギャングレディ」と異名をとっていた女性週刊誌に移動させられた編集者がどう生き抜いていったか。その仕事を検証することでもあった。



 どうやら、「フジサンケイクラシック」も結着がついて放映終了。阪神も2対1で巨人に勝った。
「さて…」
 と、腰を上げた瞬間に目に入ったものがある。TVモニターの奥の壁にかかっている「白馬」のパステル絵である。作者は……石坂浩二画伯である。




 


 白いフェラーリの化身がいなないている姿。なぜ、この作品がわたしの手元に秘蔵されているのか、それは次回に……。
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Posted at 2017/04/26 18:59:27

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この記事へのコメント

2017年4月27日 20:58
お疲れ様です。

ハハハ、見てます第一回から「やすらぎの郷」。

というのも局長のブログのバックナンバー(2011.12.23)を見た後に石坂浩二主演のドラマが始まることを知って、これも何かの縁とおもい朝ドラひよっこと共に録画してみています(笑)。 ハマっています(笑)。

局長にも濃野佐志美の出版社の編集長役かなんかで出てほしいものです。 (~~)v

コメントへの返答
2017年4月27日 21:41
観てくれていましたか。うれしいですね。

自分の作品で「人を傷つけるな」。倉本さんらしい「テーマ」設定で、濃野佐志美の登場。なかなかでした。

「週刊現代」「ヤングレディ」では、いつも最後の最後に、自分の仕事で決断するときは、そのテーマで臨んだモノです。

編集長役、やってみたいですね。
2017年4月28日 23:41
やすらぎの郷、海外からでもTV朝動画のキャッチアップで見られる事が分かり、早速チェックしております(笑)私の世代から見ると、あり得ないほどの錚々たる役者のラインアップで、TV朝日の意気込みを感じます。編集長役、いいですねぇ~。

局長と石坂さんの色んな裏話、楽しみにしております。
コメントへの返答
2017年4月29日 0:42
わざわざ「やすらぎの郷」の動画を探し当て、観てくれてありがとう。そう、公式無料動画があるんだよね。

ところで「第18 話」、観ましたか? あの老人ホームではたらく人たちを石坂君が紹介するんだけど、その中に「正岡治」という青年がちらっと紹介されていて、びっくりです。
ま、いろいろと楽しめるドラマ、毎日、楽しみです。
2017年4月30日 13:07
こんにちは。早くも4月が終わりますね。

父がそのドラマを、楽しみに観ております。
ドラマに限らず、最近のBSは元気がいいですね。
コメントへの返答
2017年4月30日 15:31
うふふ。

あなたのお父さんなら、あのドラマの味が、気持ちよく伝わるでしょう。

よろしくお伝えください。
2017年5月3日 21:04
こんばんは。
このホテルの外観、以前youtube上で公開されていた、「ドライブのすすめ」とか何とかいう、昭和40年代前半の広報映画に出ていたホテルのようです。
都心に住んでいる雑誌フォトグラファーの主人公が、カーオーナーでは先輩格の人の初代ルーチェと一緒に、二代目コルトでドライブをする物語調の作品でした。

 私にとっては、「若々しいおじさん」だった石坂浩二さんが、おじいさんの役ですか。時代の流れを感じずにはいられません。加賀まりこさんというと、神経質に怒鳴りまくる役という印象があり、写真のような若々しい感じのころのお姿は新鮮です。

何より、「週刊現代」の表紙の写真が、時代を感じさせます。
コメントへの返答
2017年5月4日 10:22
こんにちは。

川奈ホテルは、最近、経営をプリンスHOTELが引き受けたようで、例えば今度の「やすらぎの郷」のモデルになったり、ロケに提供したり、露出が増えてきましたね。

建物としての造りの良さ、調度品の品の良さなど、さすが「川奈ホテル」と、改めて感心させられますし、周りの芝生、その向こうの海。ここならではの舞台設定です。

石坂君を通して、女性週刊誌時代を顧みると、いろいろなことどもが眠りから覚めてきて、少し賑やかな気分です。
2017年5月7日 14:53
やすらぎの郷、出演者にちょっとした知り合いが出演していて、ただ、平日の昼の放送と言うことで、全然見ることができず、つい先程数話まとめて放送されていたのをようやく観た時に、なにか見たことのある建物だと思ったら、正岡さんのblogでした。
このお話、なかなかおもしろく、久々に録画をセットして観ようと思いました。
コメントへの返答
2017年5月7日 19:00
こんばんは。

「やすらぎの郷」の動画は、遡って1週間分を視聴できます。こちらからどうぞ。マークして「アドレスを開く」です。

http://tver.jp/corner/f0010305

いろいろと眠っている昔の記憶が目を覚ましてきます。
もっと新しいことをやりたいのに。もう無理でしょうね。

スペシャルブログ 自動車評論家&著名人の本音

プロフィール

「前日の4点リードを代打の本塁打攻勢で逆転負けした口惜しさと、朝11時からのパドレス戦に気を取られこの日は長嶋茂雄追悼デーで午後2時からの試合開始だったのを見逃した。折角の実況中継だったのに。ま、エースの村上が2安打のG完封、森下翔太のメモリアルアーチ先制。マジックは「24」に。」
何シテル?   08/17 07:44
1959年、講談社入社。週刊現代創刊メンバーのひとり。1974年、総合誌「月刊現代」編集長就任。1977年、当時の講談社の方針によりジョイント・ベンチャー開...
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