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正岡貞雄のブログ一覧

2013年11月30日 イイね!

連載実録 みんカラ『ベスモ同窓会』

連載実録 みんカラ『ベスモ同窓会』プロローグ
初めての「オフ会」どたばた始末


かねてから、一度は「オフ会」という奴をやってみたいと狙っていた。
例えば、海の見えるハイウェイの、ある特定の場所と集合時間だけを告知して、参加メンバーも主催者であるわたしだけが把握していて、誰がくるのかも知らされていない「オフ会」をイメージしていた。もちろん、行き先も秘密。ただ一つ、京都の紅葉も顔負けの「錦繍(きんしゅう)の空間」に案内しよう、とだけ告げて……。


*第1回の岡山・中山サ-キットに参集した面々





 4月の岡山編。10月の東京編。ふたつのイベントを重ねて、「ベストモータリング」という消滅したはずのメディアが、実はそのDNAがまだ生き続け、新しい命を宿して育ちつつあるのを知ることができた。こんな果報がほかにあるだろうか。いまや登録メンバー数は125。すごいことだと思う。

 岡山の時、中山サーキットから、閑谷学校へオフ会的に移動。この企画、みんなに喜んでもらえた。それと同じようなことを、10月の東京・サンライフ練馬の時も、出来ればやりたかったが、結局、近くのファミレスでの2次会が精一杯だった。が、この時の伸び伸びとしたみんなのおしゃべり。それはそれで印象的で、収穫もいろいろとあった。

 その時のことだった。わたしの掘り起こしたオンデマンド印刷による『新装版・秩父 祭と民間信仰』(浅見清一郎著・有峰書店新社刊 本体2200円+税)を4冊だけ持ち込んでいたのだが、それを好意的に購入してくれた「能行(よしゆき)」君と同席し、秩父の話をしながら、オフ会で秩父へみんなを誘ってみようか、という想いにとりつかれ始めていた。


*秩父へ入る峠のひとつ「釜伏峠」の駐車場から峰を縫うワインディング路へ出動する瞬間

 1週間後の10月26日にアップしたわたしの「みんカラBLOG」はこう呼びかけた。
――11月23日or 24日に「ベスモ同窓生」限定で、「夢の続きは秩父の紅葉に染まりにいきませんか!」と呼びかけたのである>

 続けて、2日後には秩父の秘境・浦山の獅子舞を見に、駆けつけた様子を伝え、盛んに秩父を売りこんでいる。
反響はコメントやメッセージのかたちで、同窓会メンバーから届けられた。
 能行(としゆき)君は「今回はドライブもあるので楽しみが倍増。秩父の歴史を感じる嬉しいオフ会になりそうです」と、さっそくのレスポンス。
 埼玉在住の「KIKU1」さんは、幼い頃、夜祭にいった記憶が微かにあり、気になる企画。日程の都合が付けばぜひ、と。ついでに獅子舞の感想も加えてくれる。
「秘境の山里に伝わる祭りは、何十年も時が止まったような不思議な光景ですね。何かNHKドキュメンタリーのアーカイブを観ているよう。紅葉のドライブも良さそうですね」

 
 サンライフ練馬での同窓会には出席できなかった「ワンワン走り屋」君も『秋の秩父、走ってみたいです。ガツガツと、ではなく秋の光と風と匂いを感じながら」と、前向きな気持ちを寄せてきた。  

 が結局、急な呼びかけと行楽連休の最中でもあり、参加者は限られた。「能行(よしゆき)」君も土壇場で仕事が入って、参加断念の連絡が入った。

 同窓会・東京関係の「Sマーク」をお願いするほどに、なにかと手伝いをお願いしている「MDi」さん一家3人と、「KIKU1」さん、それに土壇場で急遽参加することになった、事情のあるおふたり、それにわたしの計7人のパーティができあがったのである。

 さて、それをドキュメント風に、秩父オフ会の朝の集合シーンからはじめようか。「訳あり」君の撮った、紅葉の下でプログレを振り回す私の写真、それをオープニングカットにあしらいながら……。

 11月23日。連休初日の関越自動車道がどんなに時間が読めないかは、当然ながら、知っていた。
 にもかかわらず、花園ICから6キロ手前の嵐山PAに午前9時30分に集合しましょう、と約束して、練馬の自宅を出たのが午前8時。普段なら40分で行ける距離。いくらなんでも、1時間半あれば大丈夫、と多寡をくくったのが間違いだった。

 大泉の東京料金所を過ぎるとノロノロ走行を余儀なくされた。こころは逸っても、どうにもならない。
 適当な手段で、最初から下の道を選んで、寄居・鉢形城の歴史館駐車場で10時に合流することになっている「MDi」さんに状態を伝える。もう一人の「KIKU1」さんも下の道で最初から鉢形城を目指しているから心配ない。問題は横浜方面からの「訳ありカップル」。
 連絡がついた、予想通り、大渋滞にはまって、八王子を通過中だ、と。
 そこで嵐山PAでの合流は中止して、圏央道から真っ直ぐ寄居の鉢形城を目指すように、指令する。これで、ひとまず、安堵したものの、約束の9時半になった時、わたしはやっと途中の川越ICから下の道に降りところであった。

 こうして予想もしなかったドタバタ劇がはじまった。 (以下次回へ)


*待ちくたびれて蹴りを入れる「MDi」父子


*全員が揃ったのは、なんと午前11時10分。やっと鉢形城の門をくぐった 

 
2013年11月29日 イイね!

欧州車の「お・も・て・な・し」に軍配を!

欧州車の「お・も・て・な・し」に軍配を! ~続・駆け足実況! 東京モーターショー2013~

 東棟のTOYOTAブースのお隣はBMWで、その真向かいにアルピナがちょこんとくっついている.。以下、レクサス、スバルとトヨタ連合軍がつづき、いすゞ、日野の国産勢が並ぶ。

 もちろん、それぞれの出展社の目玉作品を吟味するのも楽しいが、各車の用意する「プレス資料」を、1社ごとに頂戴していくのも、大事なルーチンワーク。結構、それが嵩張ってしまう。そのため、キャリアカーまで用意する仲間もいたくらいだ。

 まずTOYOTAのプレス受付に立ち寄る。渡されたのはフォトリストと燃料電池車、未来のモビリティライフを提案するコンセプトカーに関する広報資料の綴りフォルダー。えっ!? である。が、よく見ると、フォルダーの斬りこみにテレフォンカードのようなものが挟んであった。それには第43回東京モーターショー専用サイトのURLが刷り込まれていた。なるほど。これなら重い印刷物を持ち歩く心配はないわけだ。が、なんという味気なさだろう。思い上がりかも知れないが、随分とメディアも軽く見られたもんだ、と感じてしまう。いやいや、今の時代はWebで用意するのがルールじゃないですか。そんな声も聞こえてくる。

 さてお隣のBMW ブースへ。同じようにプレス受付へ。名刺を出そうすると、プレスのIDカードをもってらっしゃるので結構ですと手渡されたのが、手のひらに載せたくなるような洒落た小冊子。厚手の表紙。それに例のBMWマークの入ったネクタイピンのようなものが挟んである。なんとそれがUSBに焼きこまれたプレス用の資料だったのである。なんだか、クルマを創る姿勢が、ここにもあらわれていやしないか。


*BMWが用意したPRESS KIT。

 試みに、そのBMWからの贈り物USBを、わがPCの専用ハブに差し込んでみた。さすがにTextは日本語のものまで用意できていないが画像やVIDEOの方は問題ない。いい「お・も・て・な・し」だと感心させられた。これはポルシェ、アウディ、VOLVOも同じで、メルセデスはDVDディスクが用意されていた。VWだけはTOYOTAと同じように、「For press use」と刷り込まれたURLをIDとパスワードつきで渡された。
 

*BMWのUSBからピックアップしたEVのスポーツカー。2000万円。


*欧州各メーカーのプレスキット。もっともNISSAN GT-Rのそれも魅力たっぷりであったが。

 一般公開になってからの会場は、毎日が大盛況なのはいいが、そのお蔭で、人垣の間から、お目当てのクルマたちをのぞき見するのがやっとだという。そこで写真だけはたっぷり、説明抜きで「大駆け足実況」しよう。まずはBMWから――。


*自信を持ってBMWが送り出してきた4シリーズ・コンバーチブル


*新世代EV車のi3


*会場でばったり出くわした田部靖彦君も注目していたi8。

 この日、楽しみにしていたことが、ひとつあった。クルマ関係のメディアが特別に、祭りの屋台よろしく、お店を出すのが恒例だが、その中に「グランプリ出版」の名前を発見。ひょっとしたらこの日を目指して執筆中だった飯嶋洋治君の『モータリゼーションと自動車雑誌の研究』が販売されているかもしれない。

 東館から西館へ移る。と、出店が並んでいた。お、「ベストカー」も出ている。と、その隣の三樹書房のブースに「グランプリ出版」も共同出店しており、飯嶋君の出来たての新著も並んでいて、モーターショー特別価格で手に入れることができた。




*飯嶋洋治著「モータリゼーションと自動車雑誌の研究」(本体2000円+税)

 早速、ページを開く。65ページに、こんな見出しが躍っていた。
  
 メジャー路線で部数を拡大した『ベストカーガイド』

 実は創刊から軌道に乗るまでの経緯と、貫いてきた編集ポリシーを、飯嶋君のインタビューで、わたしが語っている。それも4ページを費やして。ぜひ、ご一読願いたい。

 さてこのあとは、一息ついてから、つづけますので悪しからず。
Posted at 2013/11/29 03:20:46 | コメント(5) | トラックバック(0) | 77歳の挑戦 | 日記
2013年11月22日 イイね!

駆け足実況! The 43rd 東京モーターショー2013

駆け足実況! The 43rd 東京モーターショー2013 ~Press Day 2日目/77歳の挑戦~

え~、14回も続いた幕張メッセから、東京ビックサイトに会場を移して2回目になります東京モーターショーに、はじめて電車に乗って行ってまいりやした。西武池袋線に乗り入れている地下鉄・有楽町線でまっすぐ豊洲へ。そこで一旦、外へ出て、ゆりかもめに乗って東京ベイエリアの、どんどん変貌していく幾何学的な風景を楽しんでいますと、あっという間に「国際展示場正門駅」に着いてしまったのです。

とはいっても、うちを出たのがちょうど10時。モノレールの駅から橋を渡って、ビックサイトの正面ゲートをくぐって、地下1階に設けられたプレスセンターでひと息ついたのが、11時30分、2日前に横浜の日産グローバル本社と、さして変わらぬ「所要時間」でございました。





 まあ、プレスルームに落ち着いてあたりを見回すと、なじみの顔はなく、ほとんどがアジア系の方々ばかり。速報を求められる日本のメディアは、やはり初日に足を運ぶものらしいですな。

 ひとりさびしく、紙のBOXに入ったプレスランチ(サンドイッチ&お好みの日本茶ボトル)をひろげる。で、食べながら、会場の見取り図をチェック、次にロッカールームでバッグ等を預ける。さあ、カメラを携えて、いよいよ、出動です。東館と西館に分かれていましたが、やはり順序は東からでしょうね。

 以下、訪問順にカメラに収めたものの中から、とにかく今度のモーターショーは、こんな感じだよ、と駆け足実況を試みました。ま、23日からの一般公開では押すな押すなで、人垣の間からやっと見ることになるでしょうから、少しは参考になるはずです。
ざっと写真を並べますが、時間を見つけて、後程、キャプションをつけさせていただきます。では――。



 東館の最初のブースは「ダイハツ」です。やっぱり入り口正面は得ですね。テーマは「PLAY TOMORROW」。エネルギーの未来のかたちを問う――これでおしていましたね。TANTOの発展型「DECADECA」が面白そう。








 そのお隣が「TOYOTA]ブース。いろいろ話題をさらっていたのが次世代燃料電池自動車「FCV]。水素と酸素でエネルギー(電気)を発生させモーターを回すコンセプトカー。そのほか、いろいろあったが、そこでバッタリお会いしたのが津川哲夫氏。昔、N・ピケ、A・セナが在籍した当時のF1ベネトン・チームで、日本人メカニックとして活躍した御仁で、たまたまイギリスから里帰りしたのでのぞいてみた、とか。モーターショーの良さは、こうして思いがけない人に逢えること。幸先よし、です。










*前2輪、後1輪の『TOYOTA i-ROAD」に津川さんも「面白い!」と興味津々だった。

 さて少し気になる市販車のFCするクルマたちも。ミニバン売れ線のVoxyは?

*New Voxy 


*こちらはピンクのアスリート。そこまでやるのかなあ!

ならば、もっとも熱い視線を浴びていたシーンを紹介しちゃおう! お隣にある西館に陣取った『日産ブース』のこの車だぞ。いやぁ、どこよりも熱い空気がムンムンでした。



この『駆け足実況」は適宜、つづけます。


Posted at 2013/11/22 01:57:56 | コメント(6) | トラックバック(0) | 77歳の挑戦 | 日記
2013年11月20日 イイね!

NISSAN GT-R NISMOに逢ってきたぞ! 

NISSAN GT-R NISMOに逢ってきたぞ!  ~『懲りない77歳の挑戦』番外編~

 東京モーターショー2013は第43回を数えるという。そのプレスDAYは20日、21日の2日間で、そのどちらに行ったものか、と悩んでいたところへ、日産から「NISSAN GT-R」14年モデルと「GT-R NISMO」のワールドプレミア(世界初公開)の招待状が届いた。それも19日午後6時30分からで、会場は横浜のグローバル本社ギャラリーだというタイトなスケジュール。

 なんといっても、『空白の10年』を埋めるための「GT-Rと1週間を暮らしたい」という、わがまま極まる77歳の悲痛な願いを受け止めていただいた手前、なには置いても、横浜へは行かねばならぬ。
これでゆっくり取材できるプレスDAYを利用しての東京モータショー行きは、1日休養とってから、21日に赴くことに決めざるを得なくなった。おお、23日には「秩父の紅葉に染まりに行くオフ会」が待ち構えているではないか。



 正直言って、今回のGT-R2014モデルはマイナーチェンジだから、それほどこちらがワクワクするほど、日産の熱意は感じられない。が、ことNISMOバージョンのGT-Rとなると、話は別らしい。こっそり、関係者が耳打ちしてくれた。NISMOの専用オプションパックを装着した今度のGT-Rが、ニュルで7分8秒679を叩き出したんですよ。ドライバーはミハエル・クルム。ゴーン社長はNISMOを「ベンツのAMG」と同じ位付けをして、NISMOバージョンを世界戦略車に育てていくハラづもりです、と。

 ま、ニュルで叩き出したこの量産車最速をマークしたタイムの凄さはわかる。いずれ動画で鑑賞できるだろう。それよりも、このところ、リーフ、フェアレディZ、それぞれのNISMOバージョンとじっくりつき合ってきた。そこへ日産のフラッグシップカーのNISMOバージョンの登場。何は置いても、逢いに行かざるを得ないじゃないか。

 午後3時半。西武池袋線で池袋に出て、JR湘南新宿ラインで横浜へ。5時には横浜駅着。受付開始までには1時間はある。これ幸いと、駅チカで博多ラーメンの「一風堂」に立ち寄る。以前から、一度は寄ってみたいと狙っていた店である。味は? う~ん。博多ラーメンは、那珂川の屋台に限る、と再認識。

 6時10分前。受付でHot-Versionの本田編集長と仁礼義裕君とバッタリ。過日の『ベスモ同窓会』を盛り上げてくれた礼をいう。この後、同じく同窓会メンバーの「あど」、「AKI23」の両君とも、会場で再会。嬉しいねえ。













 さて、ワールドプレミアの模様は同載の写真から感じ取って貰いたい。ニュルを走ったとおぼしき不思議なカラーリングのGT-Rが、煙幕の中から登場。ドライバーがM・クルム。ナビシートにゴーン社長という演出は、iPhoneの動画に収めておいたので、いずれ編集して公開したい。

 ところで、この日の主役、NISMO GT-Rのお値段はかなり強気に設定されていた。NISSAN GT-Rがプレミアム・エディションで希望小売価格が10.111.500円(消費税込)。それに対してNISMOのレーシングテクノロジーを注入したGT-Rは15.015.000円。ここまで来ると、ため息も出ないものらしい。





 プレスリリースによれば、そのパフォーマンスは以下の通りだった。
1.メカニズム
 「NISSAN GT-R NISMO」はレーシングテクノロジーのDNAを凝縮し、パワー、スピード、ハンドリング、すべての性能を新たな領域で達成するため、モータースポーツ活動から学んだ数多くの技術を採用。

エンジン  
・NISMO専用チューニングの3.8リッターV6 VR38DETTエンジンを搭載。最高出力600PS,最大トルク652Nmを発生。
・NISSAN GT-R NISMO GT3にも使われている専用タービンを搭載し、気筒毎に最適な点火時期をコントロールする制御の採用に加え、最適な燃料噴射量をコントロールするインジェクター駆動回路を採用。
・NISMOエンブレム付きの専用エンジンカバーを標準装備。
シャシ― 
・特注のビルシュタインダンプトロニックダンパーの採用によって、極限状態でも路面に吸い付くようなグリップや正確なステアリング応答性を実現する。走行中に3パターンのサスペンションモードが選択可能。レースから着想を得たサスペンション設定を補完するため、ワイドリムフロントホイールとサイズアップした専用の高剛性ハブボルト、専用タイヤを採用。



 この他、シャシーについてレーシングカーさながらのチューニングが施されていて、「ボディ」は特注サスペンションの精度の高い動作を確保するため、ボディ結合部には通常のスポット溶接に加え、構造用接着剤による補強も追加し、ボディ剛性を高めている。これはアフターマーケットでは実現できない、NISMOによる「ファクトリーチューン」だと胸を張る。





 巨大なスクリーンを背にした30分間のセレモニーの終わったところで、例のNISMOバージョンのアイデンティティであるアイボリー・ホワイトのGT-Rが、会場に持ち込まれているのを発見。左ハンドルであった。恐らく、このパーティが終わったところで、翌日オープンの東京モーターショーの会場へ、あわただしく運ばれるに違いない。

 はたして、この白馬のようなGT-Rのステアリングを操り、アクセルに心を託す日がやってくるのだろうか。

 また、懲りない77歳は、かなわぬ夢を見始めたようだ。(この項、おわる)



*懐かしの1970年版ハードトップ2000GT-Rが歴代のGT-Rたちと一堂に。早速のツーショット。



*帰り際にお土産で頂戴した「プレスキット」はNewGT-Rに関する情報が満載。洒落てるね。
Posted at 2013/11/20 08:37:40 | コメント(8) | トラックバック(0) | 77歳の挑戦 | 日記
2013年11月11日 イイね!

黒澤ご老公と大井師範代・久々の共演

黒澤ご老公と大井師範代・久々の共演~ベスモ同窓会・討ち入りの朝の心変わり②

 10月20日の「ベスモ同窓会in TOKYO」の時計の針は、まだ10時45分あたりをウロウロしている。つまり、ガンさんのドライブする赤のNSXがフランクフルトの街で、フェラーリの 348ts と遭遇し、しばらくのランデブー・ランを楽しんだあと、アウトバーンを南下して、180kmほど離れたアイフェル山中のニュルブルクリンクに着いたところまでを、紹介したにすぎなかった。

 夕闇の向こうにニュルのお城のシルエット。さあ、明日はいよいよニュルアタックだぞ、というところまでしか伝えてなかった。

 あえて「上映会」のオープニングに選んだ『The 疾る! HONDA NSX』は毎月、定期的に送り出される、いわゆる「ベスモ」と違って、BMスペシャルと呼ばれる特集ものだから、ひたすらNSXを60分間にわたってしゃぶり尽くすことができた。それだけに内容も濃く、創り方にも映画並みの工夫が凝らされていた。

 この60分の内容の中から、特に、この日の参加者にぜひ鑑賞してもらいたかったのは、このあとに用意されていた「ニュルの魔性を裸にする」10分間の部分であった。

 

 フランクフルトの中心部を横切るマイン河畔のカフェテラスに陣取り、ニュルブルクリンクのコース図を広げ、「ま、NSXはこのニュルブルクリンクで開発され、非常に剛性の高いクルマになって誕生したわけだけれども……」と前置きしながら、ガンさんがニュルブルクリンクというサーキットの成り立ちから、コースの特性などのひとり語りで始まるシーン。淡々とした口調が、バックに流れるピアノの旋律に融け込んでいる。ゆったりとした川の流れ。対岸の大聖堂の尖塔。映画の1シーンのようだ。

ナレーションはいっさい排して、説明は必要最小限のテロップとキャプションがあるだけ。だから、ガンさんが進行役であり、たったひとりの出演者であった。それだけに、観る側はガンさんの声以外は、エンジン音、タイヤのスキールする音、そして風切り音から情報を得るしかない、一種の催眠状態に陥る。そこが、いつ再生しても新鮮に感じられる制作者の仕掛けだったのか。





「一見すると普通の道路のように見えるけど、走るとバンピー。アップダウンと路面変化はタイヤとサスペンションにとっては、途轍もなく過酷なコースなんです」
 と、それを証明するように赤いNSXが高速S字コーナーを、ボディを撓らせて駆け下りるシーンに画面に切り替わり、次にガンさんの指がニュルのコース図をなぞる。

「この地図でいえば4.5キロ地点かな、何もないようなコーナーに見えるけれど、実際はゆるいS字があって、もの凄い下り。そうねぇ、20%くらいかな。それを下って行って、この横線のあるところから急に登る。つまりここで縦Gがガーンとかかって、そこでフルブレーキするから、911ターボのあのサスペンションがフルバンプして、要するに蛙がつぶれたみたいにグシャッとなって、上から押さえつけられたみたいになる。その瞬間、あの高い剛性がギシッというんだけども、なおかつそこで路面が荒れているから、瞬間、もの凄い縦Gがそこで発生していると思う」

 ガンさんの語りに合わせて、該当の難関をズバッとNSXが駆け抜けて行く映像を重ねるから、沁み込むように「状況」が伝わるのだ。
 ガンさんの語りをもう少し続けよう。

「その2キロ手前では、1度ジャンプして着地するのだが、そのジャンプの着地でもタイヤ1本違うと、路面の荒れ方が違うので、全然違う挙動が起こるみたいな……ま、気障にいえばコースが生きている、そんな激しさを持ったコースだと思う」

  再生機のカウンターはすでに40分の目盛りを超そうとしている。
 このコースでは、いかにブレーキ性能が試されるのかもよく判った。それよりも、ガンさんがホンモノ走りでニュルをどう手なずけて行くのかを見たくて、みんながウズウズしている気配が読み取れる。
 そんなこと、判ってるよ、といった感じで、レーシンググローブをはめて、ノーヘルのガンさんが、コースへ出て行くのを、まず車載カメラから映し出す。いきなりの下りS字が待っていた。息つく暇もなく様々なコーナーが、次から次と襲ってくる。それをいかにも楽しそうに一つ一つ料理して行くガンさん。それはまさに「黒澤元治のドライビングバイブル映像版」であった。







「この先、強烈な下りになっています。ブレーキ! さぁ、これから路面の変化の激しいところ。判るか、この路面変化。ここの左で昔、ぼくがポルシェでクラッシュしてます。さぁ、ここを抜けるとアデナウ(コースの途中の橋の下にある町)に向かう。オオッと、いま210kmくらい」
 時折、外から撮った外絵が挿入され、コーナーとクルマの関係がよく判る。
「カルーセル(大逆転の意味)手前の右コーナー、ああ、ブレーキパッドがつらくなってきてるな。これが有名なカルーセルのバンク。いやぁ、もう(ハンドルが)重い」
 そこを過ぎると、高速コーナーが連続する。ガンさんの手の動きが忙しくなった。
「縁石をちょっとお借りして……よぉ、どっこいしょっと。上り、右コーナー」
 と、ここでガンさんが右手で指差す。
「この先が、昨日、大井がクラッシュしたところ」
 おお!そのシーンが挿入されていた。クルリと1回だけスピンして無事に停止する大井NSX。以来、その高速左回りのポイントを、人は「タコ(大井君の愛称)コーナー」と呼んでいる。
 最後に長いストレートが待っていた。



「今日はお城が綺麗でしょ。向かい風かなぁ。235kmしか出ていません。いつもなら245kmオーバーは出るんだけどなぁ」

 画面は再び河畔のカフェテラスでのガンさんの語りに戻る。
「ハンドリングをよくしよう、世界一楽しいクルマにしようという狙いがあったようだけれど、その狙い通りに(NSXは)できたと思う。

 ぼくも散々テストで乗ったフェラーリの328にくらべて段違いに楽しい、剛性のいいクルマに仕上がっている。たとえばステアリング・インフォメーションがとり易くなっている。いま、自分のクルマ、自分のタイヤが路面に対してどうなっているか、判り易くなっている。だから、次の対応がとり易くなっている。そのへんがキチッととれている」

 その翌日、ガンさんはヘルメットを冠って、タイムアタックに入る。映像がノーカットでそっくり収録されているが、ガンさんが本当に伝えたかったのは、いま紹介したニュルブルクリンクという「聖地」の本質を解析し、どう攻めて行くか、そのためにはクルマをどう磨き、鍛えて行けばいいのか、ではなかったろうか。


Photo by CMO


 このあと、昼食をみんなで摂ったあと、会場を3Fの集会室に移して、第2部をスタートさせたが、その劈頭、本田俊也編集長に託された大井貴之君の「BM同窓会に出席の皆さんへ」と題した挨拶が上映された。それが、期せずして、打ち合わせたわけでもないのに、彼があいさつを収録した場所はつい先頃のニュルブルクリンクからだったのである。そしてその内容も、ガンさんの『The 疾る!HONDA NSX』のロケ時の裏話だったから、なんとのいう絶妙な呼応のしかただろう、とわたしが驚いたくらいだから、参加メンバーの喜びようは半端ではなかった。
 そこでこの際、出席できなかった「ベスモ同窓会」の諸君に、その全文を、ここに披露することにしたい。そのため、またまた、討ち入り当日の朝のプログラム変更の真意に触れるまでに到らなかった。次の機会まで、お許しあれ。

●大井貴之師範代からの「ごあいさつ」

 ご無沙汰しております。大井貴之です。
 今回、同窓会が開かれるというので、ぜひ参加したかったのですが、なかなか貧乏暇なし、スケジュールを合わせることができませんでした、ということで、今、こんな想い出の地にいるんですが(背景がガンさんコーナーとよばれるポイントの見えるブリッジの上に、というように変わっていく)、いやぁ、懐かしいです。



 ぼくが初めてニュルに来たのが、1989年、R32 GT-Rが出たときでしたけれども、そのあとNSXが出て、R33が出て、と何度か取材でニュルに訪れることができました。ま、その時にはね、え~、NSXをぶっつけたみたいな話もありましたが(会場から、どっと笑いが)まぁそれは忘れることにして、撮影のために、無線機をもって黒澤さんの助手席から、カメラを持って待っている人たちに「行きますよ~」と言って知らせる、と。それでカメラの撮影ポジションが近くなってきたら、助手席の足元に潜りこんで、(黒澤さんが)ひとりで走っているようにみせる。そんな、考えてみれば非常に危ないことをしていたのですが、でも、そのお陰でほぼ99%のニュルブル九リンクの黒澤さんドライブの助手席に、毎日のようにのっていたんです。
――というようなことも、すべてベストモータリング(以下BM)の取材のなかで出来事ですが、今のぼくが、運転がうまいぞ、みたいなところで生きていられるのもBMのお陰です。とくに黒澤師匠、それから中谷さん、清水(和夫)さん、土屋さん、服部選手もそうですけど、まあ、たくさんの凄いドライバーたちに囲まれて、ある時は罵声を浴び、ある時はいじめられ、ある時は……。(画面は背景がパーンしていく)まあ、そういう人たちに囲まれてやってこれたのが、いまのぼくの財産になっています。


 いまのぼくは『REVスピード』という雑誌についているDVDの企画・制作・自作自演。よかったら、そちらでお会いできたらいいな、と思っています。

 あとは『グランツーリスモ』のプレイステーション、あれの制作のお手伝いや、イベントの運営とか、あくせくと働いて、生きておりますので、どこかでお逢いできたらな、と。
ま、次回の同窓会にはぜひ参加させていただきたいと思います。
 今日のパーティを楽しんでください。

スペシャルブログ 自動車評論家&著名人の本音

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「調子を落とした翔平とドジャースに比べてマジックをドンドン減らす虎軍団の紙面は踊ってる。この快音が聞きたかった。みんながこのアーチを待っていた、と3試合で無安打だったサト輝の32号ソロに大はしゃぎ。加えて才木が後半戦負けなしの5連勝とか明るいニュースばかり。このあとの横浜戦に注目。」
何シテル?   08/26 00:57
1959年、講談社入社。週刊現代創刊メンバーのひとり。1974年、総合誌「月刊現代」編集長就任。1977年、当時の講談社の方針によりジョイント・ベンチャー開...
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