北国も春近し・・・・・
宇多田ヒカル
「桜流し」
この曲好きでして、たまにはしっとりと始めようかなと・・・・いうわけでバイク行きます。
最近国産が多かったので、久しぶりに外車から、イタリィの美しい駿馬(しゅんめ)をあなたに。
【DUCATI 916】
「ドゥカティ 916」です。
1994年のデビュー、SBK(スーパーバイク世界選手権)を戦うために生を受けました。
ドゥカティ916ってどんなんだっけ?、これですよ。
美しい・・・この形は今見ても本当に美しい。この頃「世界で最も美しいバイク」と評価されていました・・・そこ、なんかHな所のバイクっぽい言わない(当時結構そう言われていましたが)。
このスタイルはバイクデザインの鬼才ことマッシモ・タンブリーニ氏(元々はカジバ(のクソ力)に在籍していた方です)の手によるもの。
1992年デビューの「ホンダNR750」からインスパイアされたのでは?という指摘もありますけど。
確かにリヤの片持ちスイングアームがHな所っぽいんですが、一応Hな所のパテントに引っ掛からないような形状をしています、尚、ブレーキ共々リヤスイングアームもあのブレンボが製作しています。916の足周りは殆どブレンボ製なのです。
ここらでスペック。
水冷4サイクルDOHC8バルブL型2気筒、排気量916cc、最高出力109馬力です。
いわゆるデスモドロミック(デスモドローミックとも)エンジンですね。
デスモドロミックみっくにしてやんよ(オイッ!!)エンジンとは何ぞや?、はい、図解しますと。
通常、吸排気バルブというものはカムの力で押されてバルブスプリングの力で戻るわけですが。
これがデスモドロミックエンジンのヘッド周り、何かが足りないような・・・そう、デスモエンジンにはバルブスプリングが無いんです。強制的にバルブを押すのも戻すのも全てカムとロッカーアームのお仕事、何故このような方式を取るのかというと、まず、いわゆるバルブサージングが起こらなくなります。
バルブサージングとはバルブスプリングが高速になると共振を起こし正常に働かなくなること、これが更に進むといわゆる「バルブがジャンプしちまってね」(byモヒちゃん)になり(つまりバルブジャンプですな)、最悪バルブクラッシュからのエンジンブローとなります。
デスモエンジンはその原因たるスプリングが無い訳ですからバルブサージングから解放されるわけです。
他にはバルブスプリングが無いぶんヘッドを低くコンパクトにできるメリットがあります。つまり圧縮比を上げやすいわけです。
デメリットは部品点数が増える分コストが高い、ヘッドが重くなるなどがあります。
さて、SBKでは最低限度重量レギュレーションギリギリの乾燥重量152kgという軽さを武器に正に日本車勢を相手に常勝、まあ2気筒だから4気筒より排気量を上げられる(4気筒は750まで、2気筒は1000まで・・・ってこれズルくね?w)というレギュレーション上でのメリットも味方したんですが。
ドゥカティの独走を許すなと、この頃は日本もVツインの大型スポーツを造り始めましたね。
Hな所の「炎の嵐」(VTR大回転)とか、スズ菌のT(とても危ない)L(ロリダンリジットサス装備の)1000S(レーサーなのにデブったR)とかね、まあ、炎の嵐以外は軒並み爆死するわけですが(スズ菌ですもの・・・カワサ菌?、はい、いつもの我関せず)。
さて、この916はその後排気量を上げて行きます。
1998年に996(cc)へチェンジ、馬力は112馬力へ微妙~にアップ。
2002年に998(cc)にチェンジ、馬力は136馬力へジャンプアップ。
しかし、2002~2003年シーズンはHな所がVTR(回転じゃなくて、炎の嵐のレーサー)でSBKを席巻、歴代で唯一SBKタイトルを取れなかったモデルになってしまいました。916シリーズは2003年までの生産です。
さて、この916シリーズは長く造られたせいか役物が多すぎなんですよ。
公道向けのSTRADA(ストラーダ)、チューニングモデルのSP、955ccにまでスケールアップしたレーシングのCORSA(コルサ)だの更にBIPOST(ビポスト、悪いなのび太、このバイクは二人乗りなんだ)とかSPSだのまるで役物の数え役満のようです・・・覚えるのがとても・・・
はい、月(ピー)軍曹殿いつもありがとうございます。
実は更に大きな役物も居ましてね。
916「SENNA」
はい、あの「アイルトン セナ」の名を冠したモデルです。なんでセナ?、それはセナはバイク好きでもあり、カジバ(の馬鹿力)のショップを経営していたのですが、生前自分のための916をオーダーしていたそうですが手に入れる前にあの事故で還らぬ人に、そこでそれをベースにセナの名を付けたモデルとして限定販売・・・
セナ2
セナ3
限定ねぇ・・・セナってスーパーサ(ピー)ヤ人なのか?w
こちらの998も役物、名前は「マトリックス」、映画マトリックスリローテッドでトリニティがバイクチェイスをするシーンがありましたが、あのバイクは特別塗装(かなり黒に近いグリーンのメタリック)の996だったのです。
このシーンですね。
それを再現したのがこの998マトリックス・・・あ~~~!!役物の数え倍満やぁ~~~!!、これでも一部なんですよ。
さて、中古市場
916のいわゆるストラーダなら40万円あたりからありますが、走行距離が嵩んだ個体が多いです。996だと50~70万円、走行2万キロあたりが多いですね。
998は実質1年ぐらいしか造られていないので高値、100~120万円あたり・・・まあ、1100刀のファイナルみたいな物ですからね。
安心を買いたければ高価ですが998を推します、916はドゥカティにしては安いですけど故障は覚悟してください。
SBKを戦うために贅肉を削ぎ落とした正にサラブレッドのようなその姿は当時世界で一番美しいと称されたバイク、それがドゥカティ916シリーズです。
所有するなら?、996のSあたりで取り合えず「テルミニョーニ」のスリップオンマフラーは定番かつお約束でしょう。
後はレーサーそのもののキツいポジションで、たとえ腰が砕けても涼しい顔をして耐えて乗る精神力があれば大丈夫w。
でも、車重は軽いし案外トルクもあるので意外と乗りやすい・・・らしい?。996をマトリックスカラーにするのも良さげ、むしろこれが正しいわけですし。
余談
初期の916はなかなか日本に入って来ませんでした、理由はドゥカの生産工場が火事になったからでして・・・つまりリアルにカジバ(火事場)になってしまったとw。
また、初期の頃はその細い目付きのせいでライトの光量が足りず日本での車検取得が困難だったとか。
ドゥカの工場が火事場になったから初期モデルはカジバの工場で生産、カウルのスクリーンに「象さんマーク」(カジバのトレードマークだね)が入っていたり、ドゥカティレッドとは違う赤色で塗られていたりと、なんだよ、正にカジバ(火事場)泥棒状態やないか~い!!w